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日銀の姿勢は…(2012年03月24日)
やはり世界の金融界の話題として日銀の態度が大きく関心を呼んでいるらしい。しかしインフレターゲット論効果も時間切れの様相。昨日の日経新聞の夕刊のラウインドアップのコラムでNYの西村さんは「日銀緩和策、評価は水物?」とデフレ脱却の可能性に触れ、同じことをイギリスのFTは報じており日経新聞の朝刊にも掲載されている。更にWSJでは『政府は23日、日銀審議委員に河野龍太郎BNPパリバ証券チーフエコノミスト(47)を充てる同意人事を国会に提示した。同氏は財政再建派のエコノミストとして知られている』と報じている。河野氏の見解は世界の流れに逆行するもの。
今、世界の中央銀行総裁が集まり(ただしドラギは欠席との事)QE政策の検証がなされている。この量的緩和策は実験であり過去にないから果たして実際の景気に有効な作用を及ぼしているか不明、これからインフレに悩まされるかもしれないし…他の副作用が出て来るかもしれない。しかし今の流れは中央銀行の量的緩和による流動性供給により、企業内部資金が、設備投資に向かうかどうかが最大の関心事。日本、米国、EUも強い巨大企業は内部留保が厚くなり勝ち組の様相で先日アップルは自社株買いと配当の発表をしたが、内部資金は大きく減らない。VWも好調な企業のひとつ…
金融機関が痛手を受けリスクが取れなくなり、加えて倫理面でバーゼルやボルガールールなどの規制を受けている。つまり資金の出し手が不在なので中央銀行が代わって代役を担っている状態だが…この異常な状態に脅えるマネーがあり企業は内部留保を必要以上に高めている。企業は市場経済の中で競争状態にあるので、貨幣価値を引き下げればお金が動き出す。ハッキリした方向性が重要なのでしょう。
最近日本はようやく円高を利用したM&Aが加速し…一つの流れになっています。震災後、あらゆる条件が円安方向に流れており、国会では盛んにデフレ脱却が話題になり消費税増税の条件にもなっています。故に、世界の金融マンは異常なほど…日銀の行動に目を向けるのですね。2月のバレンタイン緩和策が市場の話題になり、その前の国会中継辺りから、円・ドル相場に変化が生まれました。この時期は2月の初めです。この動きはFRBが2%のインフレ目標を掲げた影響があり、世界的な協調姿勢か?と思われたのでしょう。

この為に世界のお金は「円・ドルキャリー取引」に向かったのです。その様子が為替動向からも窺えます。ところが3月も資産買い入れ枠増額の発表を市場は期待していましたが、日銀は否定こそしませんが行動に移しませんでした。だから疑心暗鬼になっているのですね。デフレからの脱却も日本の景気回復も簡単なことなのですね。政策が重要なのです。円高の為にマーチは海外生産になり、完成車の輸入まで進み、トヨタは2年連続で下請け叩きを実施しています。できなければ海外から部品を調達するでしょう。多くの自動車部品を海外から調達して円高に対応し完成車を輸出しているのが現実でしょう。その為に日本の雇用は失われ、時間闘争をしています。失われた時代を異常に長引かせているのは日本銀行なのでしょう。勿論、河野さんが指摘するように日銀だけの責任ではありませんが、日銀は一番罪が重いですね。ある意味で犯罪者です。日本人を総鬱状態にするまで自殺者を増やし続けるのでしょうか?
何故、ノスタルジアに走るのか?
昭和30年代の時代背景に憧れる「3丁目の夕日」現象は、あの時代は貧しくとも日本人には希望があったのですね。時代が変わっていき豊かになっていく変化を皆が感じられたから郷愁の心を生むのでしょう。デフレからの脱却は金融政策だけではなく、未来都市の建設など…国民に希望を与えないとなりません。既に技術的な課題はクリアできており、後は音頭を取るだけの話です。まだ日本には財政的にゆとりが若干残っています。間もなく時間切れですね。自ら変化できるのか?それとも強制的に変化させられるのか?どちらか分かりません。今は尊王攘夷の開国論の時代に似ていますね。
あの時は黒船来航が引き金になり、改革が起こりました。同じ時代構造なのでしょう。今の相場の焦点はここにあります。日銀の姿勢がどうなのか…白川さんの心の中の読み合いです。