« 時代の流れを見極めて… | 最新の記事 | コンプガチャの違法判定報道を受けて… »
底入れか?(2012年04月28日)
相場を見ていると弱いように見えますが、最近カタルは調整が完了したのではないかと推測しています。この仮説の根拠は今年から採用したRSIの資料によります。実は25年ぶり10週連続の陽線を記録する最中、RSIが3月初めに、ピークアウトしました。あれ、調整に入るのかな?でも…全体は強いし、踊る阿呆に見る阿呆と今日の市況では書きましたし、少し弱気のコメントも同時に載せ、迷っている様子が文中からも窺えたかと思います。おそらくターニングポイントは4月の16日でしょう。上場株式の791銘柄がRSI30以下でした。225銘柄では168銘柄が、実は3/4がRSI30以下になったのです。昨日の指標の中でようやく荏原や京セラが上位に顔を出し始めました。
RSIは相対的に株価が上がっているかどうかを見る指標です。値上がりの日が多ければ自然に人間心理は強気になりますし、値下がりが多ければ弱気に傾くものです。人間には記憶機能がありますから、過去の経験を引きずりますね。つまり直近の心理状態が決断を鈍らせるわけです。少し前までは人気株で皆が買っていたのに、今度は逆に空売り銘柄の対象になるほど不人気になる例は良くあります。期待感のある時に追加策を…株価をあげないと、一旦、人間心理が弱気に転換するとこの心理を変えるのは、少し力が必要になりますね。
折角の日銀の緩和策も市場から見れば効果が半減以下なのでしょう。先月の期待感のある時に今回と同じ緩和策を実施すれば…あぁ、日銀は変わったんだ。と皆が感じたのでしょう。前回、見送り。さらにコメントが「インフレ恐し」の発言が多くにじみ出ています。今回は国債のみならずETFの買い入れも同時に視野に入れているのに…14年度の1%になると自信を示した発言が、折角の緩和策に水を差しましたね。ところがFRBはいつでも追加の緩和策を実施する用意があると述べ、今回のGDPの予想より低い数字を、事前に指摘したように景気のスローダウンを懸念していました。白川総裁とバーナンキ議長の育った環境が市場経済か計画経済かの違いなのでしょう。恋愛中のカップルが好きな彼女にプレゼントするタイミングに、サプライズを与えて出すタイミングのバーナンキ、相手が予想しており、何をぐずぐずしているの?早く渡してくれればいいのに…と、焦れている彼女の心理状態の時に出す白川さん、どちらの恋が盛り上がるのでしょう。
でも25年ぶり10週連続の陽線は伊達ではありませんね。おそらく周りの環境の時期が到来しているのでしょう。原発事故による原料輸入、中小企業まで空洞化が進む輸出企業、好業績を続ける内需企業…様々な視点から時期は到来したのでしょう。問題は浮上できるかどうか?僕はワンタッチにかけて野村証券を買いましたが、値動きが鈍くロスカットし損切りしました。しかしおそらく下値は限定され横ばい波動が続くのでしょう。株価は、まだ下落が継続していますよ。でもおそらく300円割れが限度なのでしょう。まだ資産上昇まで考える投資家は少ないようです。折角、25年ぶりの環境なのに…。
久しぶりの登場するRSI上位の銘柄の株価の動向はこれからどう展開するのでしょう。荏原は私好みの決算発表でしたね。最終利益は大きく減っていますが、不透明だった懸念材料が確定し、これからの予測がしやすくなります。更に経常利益と最終利益のギャップがありますから、来期はどちらにしても大きく伸びますね。アナリスト好みの数字内容です。おそらく株価は上昇するのでしょう。私のお奨め東レも4銘柄のリストに登場してきました。荏原、京セラ、東レ、太平洋セメントがリストアップされた銘柄です。

オランダの総辞職からフランスのオランド候補の選択をフランスがするかどうか…財政赤字削減に取り組む欧州は景気減速の懸念が浮上し難しいかじ取りが要求されています。スペインなど24%を超える失業率です。不良債権はさぞかし大変あるのでしょうね。住宅バブル崩壊で日本のミニ版のイメージですね。日本は時間をかけて対策をとりました。90年代に大量の資金を投入し、度重なる公共事業投資を実施して雇用を維持し、時間稼ぎをしてきました。それは財政的にゆとりがあったからできた話。その結果、現在はメリハリがなく大規模予算が通例になり、構造改革が遅れたので苦しんでいますね。スペインは時間稼ぎができない状態です。
外部要因と金融緩和の綱引きは続きます。しかし考えてみれば財政難は世界共通で、世界の中央銀行が2倍以上の資金供給を継続しています。ベルリンの壁崩壊から金融技術の進歩で、新興国が躍進し市場経済のパイが増え、お金が必要になったのでしょう。新興国の生活が先進国に追いつき始め、日本の不動産を買い漁る中国人が増えています。つまり新興国の上位生活者は日本人より豊かになったのですね。先進国と新興国のギャップが埋まったのです。今度は技術革新により先進国が新興国を引き離す順番でしょう。1989年のベルリンの壁崩壊から2012年、23年間の大きなトレンドの流れが再び転換し始めているのでしょう。だから25年ぶりの10週連続陽線なのでしょうね。
昔から、相場の格言に「買いは遅かれ売りは早かれ」天井は3日とか底は100日とか言いますからね。ゆっくりとした「なべ底」回復なのかもしれません。中華鍋のような上昇ですね。もっと底が平たいのでしょう。