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株式教室

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(2012年05月19日)

今日は実額の名目と実質のGDPの数字とGDPデフレーターの推移をグラフにしてみました。基本的に日銀は努力していますが、なかなか浮上しませんね。17日の日経新聞の夕刊はGDPデフレーターを前四半期比で比べているので改善しているように見えます。2011年10―12月期の91.73より、2012年1―3月期は91.75と僅かですが確かにプラスに転じています。0.01427の改善です。

r20120519a.gif

しかし総体的に、下のグラフを見れば分かるように、依然、デフレ状態なのですね。100をクリアして、初めてデフレを脱却したと言えます。1997年第4四半期の524兆円より名目GDPは減り続け、2012年の第1四半期は474兆円ですから、50兆円ほどデフレ領域に入っているのですね。需給ギャップと言うか清貧思想の結果と言うか…円高の成果とも言えますね。この期間では分かりませんがGDPデフレーターの長い推移は此方にありますが…株が上がる為にはGDPデフレーターのプラス転換が必要なのです。このプラス転換と言うのはGDPデフレーターのグラフが右肩上がりになることです。100以下でも良いのです。変化率の世界で僕らは生きているのです。

GDPデフレーターの推移(1980~2012年)


少し難しいですね。
株価は市場全体のシステマティック・リスクの動向に株価は左右され、市場参加者が減っているために個別要因より、現在は市場全体の要因に個別の株価も影響されます。だからGDPデフレーターに代表されるように、資産デフレも進んでいますから、株価が下げて当然なのです。しかし第4四半期より、第1四半期の方がプラス転換され、今後の動きが注目されます。為替動向が大きなウェートを占めるのでしょう。GDPデフレーターはシステマティック・リスクのような存在なのです。

多くの人は日経新聞やテレビの影響を受けますから、今の焦点が欧州危機にあるような錯覚を起こしますが、基本は国内政治であり、日本国内の環境次第なのですね。僅かな変化ですが第4四半期と第1四半期のGDP推移は名目でプラス転換し、株価が上がる条件が整ってきましたね。この認識は非常に大切なので自分なり理解を深めておく必要が生じます。今日は簡単にヒントだけに留めました。株式相場は色んな考え方のぶつかり合いの場なのでしょう。