市場原理は振り子(2012年06月02日)
今年、初めにあった景気回復傾向が失われてきましたね。もともと昨年から始まったギリシャ不安は、一度は収拾に向かったはずです。債務を棒引きにして、残りをEUが支援すると言うものでした。ギリシャも納得して緊縮に応じ、一旦は鉾が収まった話がぶり返したのです。基本的に南の国は、良く言えば「おおらか」ですが、悪く言えば「ズボラ」です。税制もどんぶり勘定のようなところがあり、政治家もいい加減です。日本も似たようなものですが、役人様が何とか押さえていました。世界を見渡せば、賄賂は横行し公正な自由競争は理想論ですね。市場経済はお金の動きにルールを加え、公正な仕組みを作ろうとする取決めですね。米国がそのルールの実権を握っています。欧州危機の再熱は中国経済への打撃を狙った細工かもしれません。米国は敵対する中国に対抗するために、日米同盟を重視し太平洋に戦力を集中させています。中国を発展させた資金源を断つ為に、BIS規制からボルガー・ルールとの流れが存在するようにも思えますね。
ここに来てフランスからイタリア、更にアイルランドと…スペインのみならず、ドイツの主張に反感を抱くグループの勢力が増えています。ドイツでもメルケル首相が率いるキリスト教民主同盟は国内選挙では議席を失っています。EUが混乱しユーロが安くなればドイツの車などは、為替メリットが生まれ相対的に有利な立場になります。逆にマツダは苦戦を強いられますね。構造改革の為に増資を実行しましたが、その努力が無駄になる為替の変動です。日本株は3月からの下落ですが米国株は5月から下げ始めました。大統領選は11月ですから、その前の下げ局面なのでしょう。効果的な演出には、下げが必要でスタート地点は低いほど、変化率がありますから政策効果を打ち出せますね。その演出をする引き金が雇用統計や失業率なのでしょう。20万人以上が必要とされるなかで、事前予想の15万5000人を大きく下回る6万9000人は、完全に失速しているように映りますね。欧州危機が叫ばれ、新興国からも資金が引き上げられているのです。金利はどんどん低下し、誰が考えても株価は下げ方向に見えます。その結果、次のステージが用意されるのでしょう。
市場原理って、悪くなれば対策が施され、必ず改善されるのですね。この景気の波、振れが大きくならないようにコントロールし、常に少しずつ改善され成長率を維持するのが目標なのですね。勿論、高い目標値(GDPの成長率)が、人々の生活改善に繋がり目標にされます。しかし先進国の成長を後押しする壁を崩すのは、従来型の物まねではなく、革新的な変革なのですね。つまり先進国が開発した技術の模倣により、安価な製品開発をして成長する時代は終わりを迎えます。アップルの富士康〈フォックスコン〉のような存在ですね。購買力平価での話ですが、新興国が先進国を抜くことは道理的におかしな現象で間もなく振り子の位置が変化します。だってティム・クックCEOは米国回帰を宣言していましたね。
時代が大きく変わる背景には新しい飛躍的な技術革新が存在します。蒸気機関の発明が鉄道開発に結びつき文明が発達しました。BRICsを代表する新興国の躍進は金融デリバティブの発展により加速した先進国の模倣なのです。日本が歩んだ道を中国などが真似をしたのです。資源価格が急騰したように新興国は購買力平価とは言うものの、先生である先進国を抜くと言うことは論理的におかしな話です。模倣では先進国を追い越す事は出来ない筈ですね。インターネットは米国の軍部からの応用ですが、情報化の進展は時代を大きく進めますね。スマフォのアプリは、様々なものが発明され無限の応用があります。私がグリーに惹かれるのは…世界を相手にビジネス展開が出来るのですね。スマフォを通じて無限の可能性があるのです。ゲームだけじゃないのです。
フェースブックは公開価格から下げていますが、やはりバブル的な時価総額が生まれた背景には、先進国の技術革新の匂いがプンプン漂うのですね。情報化は無限の収益を生むのです。私が携帯アプリに惹かれ、サイバードからインデックスに向かい失敗し、DENAだけが残りましたが、今もグリーに惹かれるのは先進国の成長の糧は情報の収益化ですね。日本人は非常に疎いですね。情報の価値観を計り知りません。例えば二つの道があります。右に行くか?左に行くか?大いに迷いますね。ところが衛星写真と言う情報があれば、正しい選択を導き出す確率は高まります。もの造りの世界では、人件費などが割高になった先進国は新興国との競争には勝てませんが、情報を駆使すれば時間を短縮できて、より効果的な選択ができるようになります。
まだ欧州危機は炎上していますが、雇用統計などで、市場経済の国、本家の米国の話に移ったと言うことは…間もなく火消し役のFRBなどが、登場する順番になりますね。もうすぐ、やって来るお正月です。別に心配する必要は、サラサラないのが市場原理ですね。