未来かたるが開催!みんなによく分かる

株式教室

« 益利回りの概念 | 最新の記事 | 雑感 »

市場原理の根幹を守るFRB(2012年09月15日)

FRBの行動をよく考えて欲しいのです。
政策目的を明確にしましたね。雇用対策を表に引出し最終目的にしているのです。雇用指数は景気指数の中で遅行指数です。基本的に需要が増えて需給バランスが逼迫しないと雇用を増やしません。日本の場合もそうですが、基本的に契約社員で先ずは目先の需要を吸収しますが、やがて契約社員では人間が集まらなくなり仕方なしに正社員を雇うのですね。お金は道具なのですね。株がいくら上がろうが…物価が高くなろうが、基本は人間の生きている環境の改善が政策目標なのですね。GDPの成長率が目標ではなく雇用指数が目標で、しかも無制限に緩和策を行い、足りなければ、改善がなければ更に別な緩和策も取りますと宣言したのです。日本のようにポーズだけの金額とは違いますね。3兆円規模を毎月実施するのです。既存のツイストオペの分も含めれば1カ月あたり850億ドルの長期債を買入れることになります。この効果は銀行にフリーな資金を提供することになり、内容のいい銀行から随時、儲かる投資先にお金を振り向けることになります。つまり金融機関に利益が蓄積されますね。

無制限に行う。足りなければ更に追加の緩和策を取ると宣言し、確実に期待インフレ率を高めています。当然、人間は住宅価格が上昇すると考えますから、無理してでも住宅を購入しようと行動をとりますね。住宅の関連商品は家具から家電も多く、あらゆる産業に恩恵が広がります。市場原理の根源は正常な行動を促す政策なのですね。マイナス金利などと言う極端な事例が表面化する現実は歪んでいるのです。金利は安いところから高いところに、水が高いところから低いところに流れるように資金がスムーズに動かなくてはなりませんね。MV=PT(フィッシャーの交換方式)、要するに、貨幣量の増大と貨幣の流通スピードが物価や取引量を増大させるという当たり前の式です。このMを増やそうとしているわけです。期待インフレ率を高めれば、当然、貨幣流通速度が人間の欲で高まります。住宅価格が今よりも来年が上がると人間が信じれば、来年より再来年は更に上がると信じれば、誰でも期待インフレ率が高まりますね。多くの人間が行動を起こします。株価の天井は無限なのです。当然、期待インフレ率が生まれると…日本化現象は消えてしまい、冒険が始まり、ドイツ国債を売りイタリア国債を買うようになりますね。だって1%金利より6%の方が得ですね。金利裁定の考え方が働けば、経済活動は復活します。

バーナンキは市場原理主義の根幹を守ろうとしているのです。日本化現象を生んだ歴代の日銀総裁はもっと市場原理を勉強した方がいいですね。自己満足の政策では意味がありません。他人が認めて…成果が生まれて初めて合格点なのです。今、バーナンキは戦っているわけです。流動性の罠と言う日本化現象と…日本人はすぐに物価が上がると批判しますが、どちらが先なのでしょう。やる気のある社会づくりが鬱病患者を減らし自殺者を防ぐのでしょう。

さて株価です。日本は恵まれているのです。欧米に比べバブルの傷跡は既に回復しており僅かな政策支援で景気は上昇に向かう過程にあります。震災復興の19兆円の予算規模は小さいものではありません。消費税の増税が決まり、実質GDPと名目GDPの逆転状態を改善する環境は整いましたね。名目GDPを伸ばせば、当然、税収が増えますね。名目GDPを伸ばすという事は、期待インフレ率が増大することですね。基本的に同じ意味ですが、FRBの政策はドルが基軸通貨なので世界経済を刺激し、更なる拡大に舵を切ったのですね。当然、春から低迷してきた株価も上昇に向かいますね。多少の値上がりは10年、20年規模の日本化現象では些細な事です。しかしこんなチャンスはあまりないですね。1度目より2度目、2度目より3度目は、更に勝てる確率は飛躍的に高まります。株は買って、買って、買い続け、暫く待ってから、また買えばいいのですね。利食いなんか当面は考えない方がいいでしょう。