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復元力(2014年04月26日)

豪州EPAからの合わせ技の米国TPP交渉は空振り、もともと米国中間選挙の影響で妥結は年末から来年と見られていたので、市場への期待値が低かったから影響はないだろうが…日本の本気度を海外投資家に感じさせるのは、日銀総裁の金融政策と共に不十分で、海外投資家の時間軸と日本人の成田闘争の時間軸と雲泥の差がありますね。四方を海に囲まれた日本は蒙古襲来の神風文化を持つ国なのです。ただ「アラブの春」は確実に浸透していますが、海外留学低調が話題になるように若者も内向き志向です。これはデフレの影響ですが…。カタルが最初に時間軸の違いを意識したのは上京した1989年です。予定していた証券会社がキャンセルになり、急遽、就職する証券会社を探す作業です。いくらバブル期とは言え、営業基盤も持たない証券マンを、歩合セールスに採用するのは大変ですからね。

知り合いを通じ、興銀の常務の紹介を得て、和光証券の常務に面会する事になりました。朝、ホテルから知り合いに電話すると、直ぐに大阪に行けと言うのです。興銀の杉下常務の知り合いの和光の常務が大阪駐在だったためです。新幹線に飛び乗り、面会時間ギリギリのセーフで、和光の常務と面談すると、「正社員で働いてはどうか…。そうして営業基盤を築いてから、歩合セールスになった方が良いよ。」と親切にも言ってくれたのですが、当時のカタル君、田舎の証券マンでしたが、仕事は出来ると自負していたので、その誘いを断り、どうしても歩合セールスで入社したいと言ったのです。

面談している場で、直ぐに、今度は担当の東京の常務を紹介してくれて、しかも面談時間の予約を入れてくれました。会った瞬間に、次の段取りを設定して、その処理を終えるスピード感に驚いたものです。通常は、後で処理するのが普通ですが…。面談時に電話を入れ相手の確約を取るスピードです。こうして僕は、和光証券の八重洲勤務の歩合セールスになりました。まぁ、興銀常務の紹介だから、直ぐに決まったと言えますが…。でもこのスピード感には恐れ入りました。東京に来て、いろんな経験をすると仕事の出来る人はスピード感が違いますね。どうしてもその場で処理が出来ないものは仕方ありませんが、仕事の出来る人は、直ぐに次の段取りを決めていきます。大概は即決です。グズグズ調べて後で決断するような人は、所詮、仕事が出来ない人です。

日本の抱える条件闘争の原理は、日本村社会が小さな集団なので、常に満場一致を求めるのです。しかし利害は対立するものです。原発の是非を巡り、利権に絡む現実派と理想を追い求める理想主義者の争いに似ていますね。日本村社会は清貧思想を振り回し、拘りを追求します。良い面もありますが、当然、弊害もあります。この感覚に時間軸のスピードをどうやって加味するか? 黒田さんの主張の通りかもしれませんが、時間軸はずれています。我々の人生は限りがあります。回転率を上げれば、車は速く走りますし、回転率を下げれば遅くなります。成田の条件闘争をみているように、イライラした証券マン。やがて現場に人が居なくなりました。25年の時間軸はそんな感覚です。

だからこそ、デフレ脱却、失われた時代の逆襲が始まったのです。カタルが述べている1300兆円の逆襲である信用創造の復活のスケールは、相当、大きな相場です。カタルは最近、確信を持っていますね。歩合セールスとして…悔しい思いをした24年に及ぶ歳月を一気に解消する相場がやってくるのでしょう。バブル期に100円だった第一中央汽船の株が4ケタ以上になりました。株価が10倍になるケースは多くはありませんが、時々目にします。問題はそのチャンスを生かせるかどうかなのです。長い証券マンの経験でも、このチャンスを生かせる人を目にするチャンスは、殆どありません。カタルは一人か、二人ぐらいしか見たことがありませんね。そりゃ、そうですね。このようなチャンスは訪れないのですね。条件の設定が必要ですが、このような設定は滅多に起りませんもの…。人生の中で一度あるか、ないか…でしょう。

話しは変わりますが…最近、暇になり、よくテレビを観ます。「ディスカバリーチャンネル」の「名車再来」と言う番組などは、面白いですね。営業マン時代のお客様でMさんと言う廃品業者のお金持ちのお客様が居ました。買うのはいつもボロばかり…。倒産しそうな三井松島とか…北炭とか、数十万株から数百万株を買います。彼の商売がそうですね。車検のとれない廃車を、スクラップ価格で買い取り、その車の部品を整備工場に売るのです。ランプやキャブレター、マフラー、シート、ガラス…と、何でも売ります。いつも敷地内には廃車が溢れていました。その「名車再来」と言う番組は、ボロのクラッシクカーを買ってきて、整備をして走れるように改良を加え、儲けると言う番組です。この番組がパーツを探す場面があるのですが…思わず30年以上前のお客様のMさんを想い出したのです。だってスクラップ価格の車から、使えそうな部品を回収し、1000円、2000円で売るのです。勿論、新品の部品もあるのでしょうが…中古もので代用が出来るなら、価格は1/10か、1/20ですからね。Mさんが儲かる訳ですね。きっと税務署は悔しい思いをしたでしょう。

今はこのグローバル版の商売が大儲けですね。日本の中古車や工作機械を買い取り、海外で販売するのです。東京に来てからのお客様で、倒産する工場に出向き、現金で工作機械を買い漁り、海外に輸出している人が居ましたね。大儲けでしょう。夜逃げをするような工場主にとって工作機械を売り現金を手にすれば、なんとか生活が出来ますからね。本来は担保設定などがしてあり、銀行の管理下なのでしょうが…善意の第三者に渡れば合法的な商売とも言えます。彼は世の中が不況になるのを喜んでいましたね。面白い商売です。

株式相場のシナリオと言うのは、実はこの発想が大切なのです。眠ったシナリオを呼び起こすのですね。時代の変遷に合わせ銘柄を発掘します。だから一人前の証券マンになるためには、真剣に商売をして、多くのお客様から商売の成り立ちを勉強し、世の中を知る必要があります。基本的に世の中は一定のラインに落ち着くものです。復元力は、何も船だけの話ではありません。行き過ぎた世論は、必ず修正されます。その大きく落ち込んだ際を…駄目だと思い、他人が捨て去る際を、黙って買い、そうして待つのです。007もそうですよ。時代は必ず復元されます。行き過ぎた規制や規則からは閉塞感は生まれ、社会が修正するのですね。国家権力に沈んだサラ金規制は、行き過ぎだったのです。だからJトラストと言う「化け物」が誕生したわけです。なにしろ強引な規制で、業界が1/20になったのです。当然、残存者利益は20倍になりますね。これを10年間と見れば、PERの評価はどうなりますか? 理屈上、Jトラストが残ったので、当然の結果の相場が誕生したのですね。際は常に倒産を争うものですね。武富士は負け、倒産し消えました。同じことが、ケネディクスとダヴィンチにも言えます。

バブル崩壊から25年、1300兆円を失った政策は間違っています。中国はどうですか?金融バブルを起こした米国も、日本のような選択をしていませんね。故に、ここに歪が生まれ、修正波動を待っているのが、今の相場でしょうね。この感覚が分からない人は良いのです。「1300兆円の逆襲」、この意味を理解すれば、どんなに高値になっても買いたくなりますね。故に、何度も買って投げを繰り返すカタル君なのですね。今日も黒田君は不調のようです。2ストライクを取れるのですが…決め手がないのですね。あと一つ、決定的な決め球があるなら、彼は一流の領域なのでしょう。…がしかし、「あすなろ」止まりの選手かも知れません。まるでカタルのように…。