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ユビキタスを考える(2014年05月17日)

今日はダルビッシュの登板で、野球を見ていてアップが遅くなりました。流石、一流域の選手ですね。今の年収10億円?でも、安く感じます。今日も11奪三振です。ただバントヒットの連打からの2失点で、味方の打線が振るわずに負けましたが、ピッチングは良い内容でした。負ければ何を言っても、敗北との見方もあります。株式投資なら予想などはピカ一でも、結果に結び付かなければ駄目ですからね。結果が全て…と言う考え方もあります。本日、決算を受け解説する007ことユビキタス(3858)は、夢は膨らむばかりですが…任天堂に見捨てられ業態変態に四苦八苦の現状のようです。

日本と言う国は、太平洋戦争に敗れる下地があるのですね。海に囲まれた地理的な優位から、歴史的に独自文化が養われやすいのですね。だから他人の動向に注意を払う戦略と言うものに、日本は大きく劣っています。情報という付加価値に、対価を払わないのです。情報はタダだと思っている国民は、たくさんいます。例えば、スーパーの特売、カタルは買い物に行くようになり、ナショナルブランドの商品が、2割引きとか…なかには3割も4割も値引きされて、売られている現実を、家賃の安いところに引っ越して、初めて知りました。この驚きは、東京に来てブランド品メーカーの直売バーゲンで、初めて知った価格の安さの驚きに似ています。ワールドの製品など、百貨店では10万円台で販売されるコートが、5割引きなどは当たり前ですからね。

このバーゲン情報だけを集める専用のサイトがあるなら、会員料を多少払っても会員になる価値があるかもしれません。証券マンで稼いでいるときは、価格は最上級が一番だと思っていました。だから、あれは2004年かな? 100万円の単価のテレビを80万か90万か忘れましたが買いましたね。そのテレビがとうとう壊れ画面が見づらくなったので、先日、買い替えたのですが…今回は貧乏しているので、最新型を買う事が出来ません。よって、前回と同レベルのテレビを買ったら、なんと価格が10万円を切るのですね。10年で価格が約1/10です。これは驚きます。これじゃパナソニックもソニーもおかしくなりますね。今回はパナソニック製です。

話しが逸れましたが…カタルは文化が進み、一人あたりのGDPが高くなると、物への執着が消え価値観が変化する事を感じています。この世界的な構造改革に、日本の経営陣は付いて行けないのです。情報力の違いで方向性を誤っているのでしょう。日本が失われた時代に長く留まって居るのは、メディアの勉強不足ですね。視聴率だけを追う姿勢が、番組の質を劣化させています。BBCやNHKの高い文化を有する番組価値は、計り知れません。ドラマではNHKの「おしん」は、アジアの国々から高い評価を得ています。一人あたりのGDPが低い、貧しい国の環境で生まれたドラマだからですね。橋田壽賀子さんは、今、「なるようにはなるさ」と言う他人同士の家族愛を主眼に置いたドラマを書いています。熟年結婚が多いとNHKで報道されていましたが、他人同士でも、家族のようなコミュニティーは築けると、ドラマは主張しているのでしょう。都会では他人同志が集まり生活するシェアハウスも生まれています。

情報を正しく感じる方向性を示すテレビ番組がもっと増え、情報の価値に敬意を表す文化を育てないと…レベルの高い先進国経済では、付加価値が創設できないのです。だからカタルは4Kや8Kなどと技術力を争う経営ではなく、ソニーに経営資源を有効活用するスマートテレビの創設を訴えています。でも今の経営陣では駄目ですね。時代を見る眼がありません。無駄な投資をしています。テレビなどはサムソンでもLGでも何処でも良いのです。最も安く作れる所に生産委託すれば良いですね。問題は文化の価値を高める双方向のスマートテレビ構築網です。先ずはユーザーの支持を得て、それから利益を得ればいいのです。

グーグルはアンドロイドを無料で配信し、アプリの提供者と共存し利益を搾取しています。アップルは自社製品で生産は外部委託ですが、同じ仕組みですね。ソニーは折角、ソフト資産があるのですから…先ずはユーザー本位のスマートテレビ網を構築すべきなのでしょう。もしメディアが視聴率優位の番組制作ではなく、番組の質にもっと力を入れれば、この資産は、海外に売れるのですね。日本の経験したバブル崩壊からのグローバル化の経験は米国に先行しています。福井さんが失敗した同じ過ちをイエレンFRB議長が犯すかもしれません。今年の米国は難しいですね。攻めより撤退は難しい。しかし米国で「セル・イン・メイ」と…大きく報道されていますが、これは間違いですね。おそらく、イエレン女史は、優秀なのでしょう。福井さんとはレベルの水準が違うと思っています。

更に、いま世界は新しい扉が開こうとしています。スマートコミュニティーへ、ステップアップする歴史的な段階ですね。何も日本だけではありません。この歴史認識がないと、銘柄の選別を間違うのです。2000年のITバブルは、その先行の兆しだったのです。インターネットを主眼とするクラウドの情報革命ですね。モノづくりの生産効率が飛躍的に上がる時代なのですね。だから日本は、その時代へ一番乗りする必要があり、今はあたらしい時代へ向け、順調に歩んでいます。ただ市場では、なかなか、その評価が定着していませんね。少し前置きが長くなりましたが…、実は既に今日の主眼である007の業績解説を始めているのです。現状の数字は見るものがありません。何故、カタルがピカ一銘柄と設定しているか…。その環境を、回りくどく解説し始めているのです。一般の人には、分からないかもしれません。勿論、カタルの構想が正しく、確実なものになる保証もありません。

カタルは、以前、ザインにも高評価を与えていた時期がありました。半導体開発のファブレス企業です。もう製品の生産などに、なんの価値もない時代になると考えていました。事実、エルピーダは消えました。シャープも苦戦しています。イギリスのARM社、アップルやグーグルなど…をみれば、分かりますね。でも日本はなかなかこのようなソフト資産に対し、正当な評価をしない国ですね。組み込みソフトの開発は高い付加価値を有しています。ゲームの業界をみてください。プログラマーの付加価値は増し、高い給料を払っています。メディアが文化やソフトに高い評価を与える視線で、報道を繰り返せば…新しい時代の扉は、簡単に開くのですね。もう技術的には、時代の加速期が来ているのです。

残念ながら、期待していた村田の量産効果は、不発だったようです。今回の決算短信を読むと、売り上げ計上がされているとなっており、任天堂へのトラウマが逆作用しているように感じています。(推測ですが、任天堂へ高い許諾料を請求していたために、切られたのではないかと思っています。)QBの製品特許もそうですね。技術的な優位度が低いのかどうか…。同時にIVIへの開発は順調なようですね。ハッキリ言って、この業績数字の内容を分析しても、この数字では意味がありません。一応、四半期別の売上推移のグラフを掲げておきますが、最悪期を脱出した可能性は高いのですが…、V字型の回復を想定するのは難しく、この半年間程度は、大きな業績変化をみることが出来ないでしょう。やはり8月に発表される数字の確認と、場合によれば11月の数字を見ないと、確実な裏付けは取れないでしょう。しかし金曜日にカタルは007を買いました。それは007への夢が膨らむばかりだからです。

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007の良いところは、眠っているソフト資産の価値認識と、時代への対応力にあります。この方向への経営感覚は、上場企業の中で抜群のセンスを持っています。しかし営業力が格段に弱いのです。カタルなら提携と合わせ、自社株の株主になってもらう交渉もします。ダイキンは儲かってしょうがない企業ですし…今回提携したロームも、財務内容は抜群です。もう一つが、海外企業への売り込みですね。日本企業と違い、海外企業はソフト資産の知的財産権を、高く評価します。だから今回はルネサスエレクと同時にフリースケールにもIVIへの搭載許可を与えているようですが…海外戦略をもっと進展させると良いのでしょう。スマート家電は常識になります。ダイキンと提携したようにイギリスのダイソンなどへもアプローチが出来るでしょうし、ソラテナの活用などは、オランダのH-Wodka社などと組んで、グローバル展開が出来る可能性があります。やはりユビキタス分野に特化しているだけあって、夢はどんどん広がりますね。

株価が上がるためには…、先ずは目先の業績の安定的な売り上げの伸びが必要になります。利益より売り上げの伸びが問題になります。村田のWiFiモジュール効果を見る限り、付加価値認識が低いのでしょう。カーナビは衰退しIVIへの移行が考えられますが…今回のサイバートラスト社との提携などは付加価値を高めていますね。この辺りが惹かれる所以ですね。たしかSQLも外部導入だったと思います。目先の株価動向の読みは、非常に難しいのです。同じ赤字でもJ・TECのように、確実な業績面への黒字転換が見える企業とは違い、あく抜けしたかどうかの段階なのですね。007はゲーム依存から業態変換を行っている最中で、時間が掛かるのですね。爆発的な内容の契約が、突然、生まれる可能性も否定できないし…ある日、突然、高い株価水準でのTOBもあり得ます。今の株価なら2000円とかのアプローチですね。

更に仕掛け人が登場する可能性もあります。この手の株は潜在的な魅力が非常に高いので5000円も相場だし1万円も相場です。仕手化しやすい素地があるのです。おそらく現状の業績への貢献度が高いのは、Navi-Ene絡みのHEMS機器の成長でしょう。スマートグリッドへの付加価値追加が、新築マンションの標準装備になるのでしょう。一度、補助金を貰った実績もあり、安定的な売り上げの伸びに効果を与えます。ただこの分野の売上の伸びのカタル評価は低いのです。理由は利益率が低いからです。最も期待されるIVIが実装される時期は、そう遠くないと思われますが…まだ若干のタイムラグがありますね。売り上げ計上は、来年以降でしょう。だから本格的な株価上昇が期待されるのは、来年以降の話しと…常識的には理解していますが、株の世界は、未来を現実が先取りしてもおかしくないのですね。ケネディクスは未来利益を先取りし1年間の調整を経て、ようやく今、水準訂正が、再び始まっています。このようなケースは良くあるからです。故に007が今、5000円や1万円になっても驚きはありません。

少し長くなりました。具体的な数字を掲げて解説しても、あまり意味がないので省きました。007の魅力は、スマートコミュニティーに向けた夢なのです。安くなれば買います。でも今回の人気の高まりは、一体、何なのでしょう。背景に何かある可能性は否定できませんね。高くなればなるほど、買ってみたくなる会社って…面白い株ですね。「夢は膨らむばかりなり…」

明日はケネディクスの予定です。