未来かたるが開催!みんなによく分かる

株式教室

« 利益の質 | 最新の記事 | 大口ファンドの参入 »

資本効率(2014年06月07日)

最近、よく日経新聞や他の番組などで、カタル独自の主張と同じような論調を、多く見かけることがあります。GPIFから邦銀と商社株、あるいは三井不動の公募の話など…沢山ありますね。きっと時代の流れと言うのは、相互に影響を及ぼしながら進化するのでしょう。カタルが最近、興味を持っているのはフランスの経済学者トマ・ピケティが書いた話題の経済書「Capital in the Twenty-First Century」です。その内容が6月3日の日経夕刊の十字路で解説されていましたね。いずれ日本語訳も出るでしょうが…、まだ英語訳も日本では売り出されてないようです。この解説によれば、貧富の差は「労働による富」と「資本取引による富」の差が拡大していると言います。1800年代はこの差が5倍だったものが、1950年代には2倍に低下し、2000年に入り4倍まで上昇、そうして2100年に向けて、7倍になっていると言うのです。しかし世界で唯一、先進国の中で上昇してないのが、この日本だと述べているのですね。

労働者が生み出した富を、資本家が搾取する割合の話ですね。ソフトバンクの孫氏はシャープの佐々木氏の好意を受け、チャンスをものにしました。その資金を米国ヤフーに投資し膨大なキャピタルゲインを手にし、この資金を活かしボーダーフォンの買収資金を、米国金融の博打時期に上手く利用し、確保したわけですね。確か…そうでしたね。米国に新金融論が栄え、デリバティブ投資が盛んだった歴史的なチャンスに恵まれ、その僅かな期間のチャンスをものにしました。ヤンキースの田中君の「運」と同じような「運」を、彼も持っている訳です。話しはそれましたが、アリババの成功も資本投下による富です。つまり一所懸命に働いて稼ぐより、頭を使い稼いだ方が、遙かに効率が良い時代だと述べている訳ですね。

カタルが、「日本株10万円」と述べているのは…歴史的な循環をみると道理でもあります。日本はこの世界的な流れに背を向け、清貧思想を貫き足場を固めてきたのですね。理由は様々あるのです。いちいち説明していたら、きりがありません。代表事例は日本の総資産経営ですね。三菱UFJをみると、よく分かります。取引単独では利益が生まれませんが、総合的な判断では、採算に合い利益が生まれる。だから不利な取引でも拡大経営をするのです。しかし日立もこのやり方で破れ、この経営方針を見直し、基本的に強い分野に集中投資し、効率を高め利益を上げ始めました。ROEと言う自己資本に対する利益を重視し始めた訳です。だから株価が上がってきました。日本が長くデフレ社会に陥っていたのは、村論理があったためです。

今日の日経新聞の石油精製能力過剰の話しも…この村論理が邪魔をしており、過剰生産設備の再編に動かなかったのですね。カタルは新規銘柄「M」の話をしています。だから更新需要を迎えても設備投資需要が起きなかったのです。老朽化した設備で事故が多発している訳ですね。ここにメスが入りますから、これで「M」も、時代的なチャンスが生まれますね。ただ、まだ仕掛けるには…時間が早いと思っています。

必ず、ROEと言う投下資本に対するリターンが問題になります。此処にスポットが当たりますから、よく背景を理解しておく必要があります。今日も三菱UFJが劣後債を、国内で発行すると発表されていますが、非効率な投資をしているから、自己資本が過小なのです。故に邦銀は資本力不足で増資を迫られたのですね。無駄が沢山あるので邦銀の改革余地は非常に高いのですが…金融庁の絡みもあり非効率です。法令で決められているのかどうか分かりませんが…、僕が住んでいる東陽町駅前の三菱UFJは広大な駐車場になっており、スペースが活用されていませんね。此処にオフィスビルを建て賃貸すれば…かなり有効に資産活用が出来ます。こんな事例は、山ほどあります。要らない資産なら売ればいいのです。

国も同じですよ。膨大な借金があり、その借方には、その額に見合う資産があります。だから資産を売却して借金を圧縮すればいいのです。小さな政府を目指すべきですね。政府自らが効率運営をしないと、国全体の効率化が上がりません。ROEの考え方は非常に大切なのです。官庁の宿舎、衆議院議員宿舎の家賃が、何故、相場より大幅に安いのでしょう。おかしいですね。二重価格制度です。まるで共産国家ですね。このような事例が、どの役所にもあります。だから時間の感覚が、ルーズになるのです。ヤンバダムは、一体、何年掛かる工事なのでしょう。諫早は、今も揉めています。誰が責任を取ったのでしょう。膨大な無駄な資金が使われており、そのお金には金利が掛かっています。成田闘争をみれば、如何に非効率な国か分かりますね。問題はスピードにあります。

カタルが日経新聞をはじめとするメディアに、ROEの考え方を経営者に訴えろ!と述べているのは、こういう事です。メディアの人達が、率先して世論を誘導しなくてはなりません。視聴率や購買者数を重視するのは、食わねばなりませんから仕方ありませんが、理念は理念、理想社会の構築の為に、筋は通さねばなりません。

東証さん、違うでしょうか? 
東電などは、菅直人が東電に責任を押し付けたのをみて、直ぐに上場廃止にすべきなのです。それをいつまでも…。投資家は東証を相手に損失訴訟を起こせばいいのです。昨年、高値で買って損を確定させて、その損失を東証が適正管理を行ったから、私は損失を被ったと裁判を起こせば、勝てる可能性があり、世の中に一石を投じられますね。証券取引法は投資家保護を謳っているのに…実質的に倒産している債務超過の会社をいつまでも上場させておく東証の管理能力の無さは問題です。まさに村論理そのものですね。仮に上場を維持させるなら、東電の責任を有限にして、1兆円程度の過失負担として、あとの補償分は国家で持つべきですね。今からでも解釈の変更は遅くないでしょう。法の解釈を変えれば良いのです。そうして法令を見直せばいいのですね。これからも原発事故は起りえる話です。

今日は面白くなかったかな?
何故、こんな流れになったのでしょう。本当は「夏枯れ相場の可能性」を、テーマに原稿を書く予定だったのです。これは明日にしましょうか…。それでは、また明日。これからダルビッシュだからね。6月は忙しくなるね。サッカーも始まるし…。