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大口ファンドの参入(2014年06月14日)

無敵のスペイン艦隊がイギリスに敗れたのは、はるか昔の話で、この時期に世界の覇権大国は、大英帝国に移ったのでしょう。そのスペインは優勝候補とも言われていましたが、オランダに5-1で大敗を喫しました。現実の世界も何が起こるか分からず、面白いものです。最近は、この小国オランダが、ハイテク農業などで世界トップになっています。三井不動などが出資する「みらい」と言う農業VBの会社は、大きく育つのでしょうか? オランダは、結構、優秀な国民なんですね。江戸時代の交易相手国でしたね。むかし幕府はオランダを選択していたわけです。

ワールドカップが行われているブラジルの公用語はポルトガル語で、大英帝国の植民地主義が話題になる前の覇権大国の一角でした。当時、海軍力が強かったのは、スペインとポルトガルですね。故に南米は、スペイン語とポルトガル語が、入り混じり多く使われています。日本も台湾を支配下に置いた時期があり、台湾には日本語を話せる人も多く存在しています。どちらかと言えば…日本に友好的ですね。その台湾の半導体受託生産メーカーのTSMCや鴻海精密工業(ホンハイ)は、世界に欠かせない会社になっています。法人税や設備投資の償却方法など…日本より、ずっと有利な条件なのですね。その環境と経営選択に負けたシャープは、ホンハイの支援を受けています。

NECが敗れたのは、日本村論理が強く影響をしています。エルピーダは、結局、なくなりました。このエルピーダの歴史も、村論理に揺れました。JAや日本医師会など…難関を突破した司法試験グループも既得特権集団の一員なのでしょう。この村論理の壁の突破は難しく、この秋に上場するリクルートを創設した江副さんも、近年ではライブドアの堀江さんも、暗黙の壁に潰されました。市場には楽観論が広がり始めましたが…まだまだ紆余曲折でしょう。法人税率20%台、明記となっていますが、決まったわけではありません。北朝鮮との交渉と、同じような背景がありますね。

先日、製油所の再編問題が、話題になりましたが、あの構図は村論理の象徴的な現象です。僅かなシェア争いにしのぎを削り、我慢比べをしていました。日本村構造を壊さずに仲良しクラブのなかで、僅かな利益を分配する構図ですね。長引くデフレ構造は、日本の良さでもあったわけです。官官接待を始め、談合などは…良い仕組みですが、小さな社会での構図に過ぎません。グローバル化への道の抵抗は、日本人、それぞれの心の中に住みついています。

膠着する北朝鮮問題やクルミア半島問題を、日本が欧米の橋渡し役として解決できるかどうか…。ある意味で、安倍首相は幸運を手にした政権かも知れません。まるでマー君の存在のようにも感じます。彼の投球内容は、一流域なのですが…、最後の壁の「運」と言う天分を持っているのでしょう。スターと言うのは、この天分に左右されます。なんだか、安倍さんなら、ひょっとすると…との期待感が生まれると良いですね。

昔、仕手株集団、誠備の加藤あきらさんは、よく新規銘柄を仕掛ける前に、神社などにお参りに行きました。相場と言うものは色んな条件に影響を受けます。だから必ず仕掛けが成功するわけではありません。仕掛け人が居なくては相場になりませんが…仕掛け人が存在しても、相場になるとは限りません。世情、時代の流れが相場を選択するのですね。この辺りの感覚を、役人は理解していませんね。多くの場合、仕掛けている本人たちも、先行きが分からないのです。故に、せいぜい発行済み株式総数の5%程度を買うのが、適性な水準なのでしょう。株式相場が大きく上がる時は、大概は、外人ファンドの大量買いが入る時です。四季報が新しく発売されましたが、株価がピークを付けた前後の株主構成をみると面白いですね。

例えばケネディクスの株は、2004年に大幅な上昇をしています。この時期の外人投資家の保有率は65.8%にもなっています。当時の筆頭株主はゴールドマン・サックスです。現在の株主(2013.12月末)は、どちらかと言えば個人の信用取引の買いが多いようですね。日証金から楽天や大和証券に、マネックスなど…が大株主になっていますが、個人の信用取引の玉でしょう。特定株比率も25.4%と低く、特定の大株主が株を買っていると言う構図ではありません。昨年末に、ようやくステート・ストリート銀行の名義が登場した段階ですね。おそらく現在、日証金残が激減している現状を考えると…大口ファンドが参加し始めた段階なのでしょう。もう直ぐ、浮動株比率は減って行き、株価の動きが早まる段階を迎える筈ですね。

これは推測ですが…、来年2月かな? 本年末の大株主名簿が発表されるときは、大株主のメンバーは大幅に入れ替わっているのでしょう。事実、四季報第一集と、第二集の掲載をみると、外人の持ち株比率は11.6%から18.7%と変化しています。株価が大きく上がっていた時は65%台ですからね。現在、続々と新規参加者が増えている段階なのでしょう。このような仕掛け筋が参加するから、株価は上がり相場が形成されます。複数の参加筋が、様々な思惑を抱え参加するのですね。一番大きな相場になるケースはITバブル時のように…一度、参加し仕掛けた筋が、儲けを出し利食いしたのに…。更に大きく株価が上がるものだから…、こんなバカな事はない…と、空売りを仕掛ける相場の時ですね。

まさに2000年のITバブル相場は、異常な光景でした。あの時、カタルは早くからソフトバンクの信者で、1万円まで相場に参加していたのです。ところが…年末に掛け相場はドンドン上がり…いくらなんでも、カタルは高過ぎると思ったところから…動きが加速し、なんと、なんと最後は19万8千円ですよ。カタルが高いと感じたところから、20倍近くになるのです。相場は恐いですね。本当に、魔坂まさかの坂道を、転がるように転落する人生が、いくつも待ち構えています。

だから、カタルは何度も言っています。自分の力量を過信せずにコントロールできる水準に留めねばなりません。ケネディクスが300円を割れた時に、PER10倍の100円も政策次第であり得るし、倒産だってあると述べました。すべては政策の選択次第なのです。信用取引を、やっても構いません。でもまさかの事態に直面した時に、全ての建玉を現引きできるような姿勢で臨むのが、大切なことなのでしょう。だからカタルは、ケネディクスの300円前後も、007の800円台も建玉を投げています。上がると思っていても、まさかのアベマゲドン・リスクが存在していたからです。残念ながら、全ての建玉を現引きできなかったから、渋々、投げたのです。

日本村論理は、決して甘い壁ではありません。村社会に浸った世代は、まだ権力を保持しています。フジテレビの日枝さんをみれば、分かりますね。彼はホリエモンが外資を利用して買収を謀った時に、保身的な行動を取りました。まぁ、日枝さんだけに限りません。みんな一緒ですが…、一度、手にした権力は、やはり手放したくないのでしょう。読売新聞や日経新聞も、同じような問題を抱えていますね。だから任期と言うものがあり、通常は最大で二期、8年程度が妥当なのでしょう。しかし一度、権力を手にした人は、会長職や相談役などに留まり、権力の保持を謀ります。でも本当は完全に去るべきなのでしょう。

まだまだ、日本の正念場は続きます。現状の株価は非常に安いのですね。三菱UFJをカタルはよく引き合いに出しますが…大都市に保有する都市銀行の支店網などの資産価格は一等地にあり、膨大な含み利益になります。それを基に算出した一株辺りの純資産額(BPS)は893円で、配当を支払い、残った50円程度が毎年、増え続けるのです。カタルが考える妥当株価は、このBPSに、一株利益(EPS)70円の10年分700円を合わせた1600円前後が、現状の妥当株価だと思います。三菱UFJの株価は、日本株の指標の一つです。黒田日銀総裁の政策成果を、評価する基準でもあります。安倍政権や日銀総裁が正しい選択をすれば、間違いなく三菱UFJ株は、2000円台の株価になるのです。現状が600円ソコソコと言う事は、誰が何と言っても、今の現状は落第点ですね。

しかし歴代に比べれば、よくやっています。様々な障害を乗り越えて頑張っていますね。だから必ず、邦銀株の水準訂正は、起るでしょう。商社も安いですね。先日、掲げたROE10%以上で、PERが10倍以下、配当利回りが3%以上の株は、年金ファンド向けの株ですから、政策選択が正しければ、これからまだまだ上がります。なにもカタル好みのハイリスク銘柄を、選択しなくても良いのですよ。このような保守的な運用も、結果的にみると、かなり効率的な投資になっているケースは、多く存在します。事実、昨年末にケネディクスは500円から300円に下がり400円台に回復しましたが、富士通なら500円が700円になっている訳です。ほら…株は分かりませんね。他人の責任ではなく、あくまでも自分が選択した結果なのですね。「自己責任」の意味を、よく噛みしめると良いのでしょう。