株高の背景(2014年06月28日)
本題に入る前に幾つかのニュースからの話題を提示しておきます。一つは国際連合貿易開発会議が発表した2013年の世界の海外直接投資(FDI)の順位です。2013年は世界全体では1兆4500億ドルの海外直接投資が実行されたと言います。そのグラフを掲げておきます。ご覧のように…、本来なら日本の経済規模からしても上位に顔を出さなくてはなりませんが、投資額では上位なのに…海外からの投資は、非常に少ないのです。米国は、この分野でもトップです。中国は開発途上で人口が多い市場なので当然ですが…、上位20位にも顔を出さない日本は、やはり閉鎖的な社会だと言う事なのでしょう。税制が優遇されている所にも、多く海外から投資されています。法人税問題と合わせて考えると良いのでしょう。しかし投資額では…日本は2番目なのですね。海外からの資本投下がないのです。村論理が表れている資料です。英文なのでカタルの解釈が間違っていたらゴメン、報告書の原文は、此方のサイトです
もう一つ…、謎だった日本株の急激な好転ですが…。やはり作為的な動きが背景にあったようです。ロイターの記事によれば…(記事は此方のサイトです)GPIFが動く前に、共済年金に、圧力がかかったようです。5月に入り信託銀行系列で6373億円の買い越しの原動力の背景は、この記事でしょう。カタルは高値更新リスト(2か月間の高値更新株のグラフを提示しました。)を掲げ、キャノンから三菱UFJに移り、トヨタが登場した背景がある訳です。セオリーでは成長戦略発表で、一旦は売りに動くはずですが…。安倍政権は歴代総理の中で、もっとも株価に配慮する政権でしょう。故に…心配は要らないのでしょう。
もう一つ、日経新聞が、さかんに騰落レシオを掲げ、過熱感を演出していましたが…、あの解釈は間違っています。指数も仕組みを知らないと、あのような眉唾の記事に、心が揺れるでしょう。確かに騰落レシオの数値だけで判断するなら、あの解釈は、一概に間違いとも言えず、150を超えれば高水準なのです。しかし騰落レシオの仕組みは、減数の仕組みがあります。普通は過去25日間の値上がり数の合計と、値下がり数の合計をもとに指数が計算されていますが、急激な環境変化になると…25日前の値下がり銘柄数が多いため、順番に値下がり数が多い日が、順次、カウントされなくなりますから、現状の値上がり数が多くなくても…指数は急上昇します。つまり騰落レシオの欠陥は、急激な変化に対応できないのです。
共済などの公的年金の前倒しでの資産配分の組み換え要請で…5月から急激に環境が変化したのですね。ロイターの記事で、指数変化の背景が見えてきます。カタルは良く述べていますね。いくら業績が良くても、株は上がらないと…述べています。株を上げるには、切っ掛けが必要で、何より大切なのは「仕掛け人」の存在が必要なのです。今回の場合は、消費増税から、心理的な景気マインドの過度な低下を恐れた、政策当局の株価操作ですね。要するにメディアを通じた演出が行われています。しかし仕掛け人が存在しても…その素地がなければ、仕掛けは成功しません。つまり景気回復の素地は、整っているのです。そこに仕掛け人による演出が加わるので、騰落レシオの過熱?と言う現象が生まれました。
おそらく最近の相場の中身は、こんな所の解釈が正しいのでしょう。金融庁は悪戯に株価操作などを…乱用しない方が良いのですね。「水清ければ、魚棲まず」の例えばあるように…物事には、なんでも限度があります。村論理には大岡裁きが存在したら…何とか秩序が保たれていました。しかし最近の厳格な仕組みには反吐が出ます。サラ金規制などは明らかにやり過ぎですね。だから自民党内部に存在する規制緩和論が生まれるのです。修正すべきですね。やくざ絡みの闇金融は、やはり存在するのでしょう。
ヤクザも、組織そのものを否定するのではなく、任侠の世界は素晴らしいですよ。最近のやくざはレベルが落ちているようですが…。友達の「よちゃん」の話ですが…、これがまた面白いのです。彼の友達が、よちゃんからの情報をもとに、やくざ資金を投資して失敗したらしいのですが…、そのよちゃんは、当のやくざの親分のところへ連れて行かれ、散々脅されますが…、最後は向こうの親分も実情を理解され、よちゃんに詫びを入れる実話は、実に面白いですね。返答次第では海の底だったかもしれませんが、最後はステーキ店に連れて行かれ…丁重に接待され、お土産付きで詫びを入れられます。本来のやくざは、堅気に絶対に無理を言いません。此方に非があれば、当然、叩かれますが…。非がなければ、道理を理解するものです。歩合の世界は大変ですね。やくざが絡む場面もあります。意識して警戒していても…時々、嵌ることがありますからね。
僕なんか…どちらかと言えば、高倉健の世界に憧れさえ抱きます。でも最近のヤクザは任侠心の欠片もないかも知れませんが…。あまり追い込まないことです。価値観の違う人間は、どの世界にも必ず居ます。別にやくざを肯定するわけじゃありませんが…。この辺の微妙な空気は、察して欲しいのです。カタルは消えつつある…任侠の世界を残したいと思っているだけの話です。余談が過ぎましたが…最近の相場のイメージを理解されれば充分です。
さて…昨年末は、カタルがやり過ぎ批判した新興御三家から、指数の煽りで年末相場の演出が決まりました。この残存玉が、多少残っています。来週からは年が明けた玉に整理が多少ありますが…、カタルは大発会から、少しイメージの違いを感じており、1週間もするとおかしいと思い始めていました。2月には一発目の叩きが入りましたね。たしか…2月4日です。1月24日には、窓を開けての下げですから…ね。故に多少のモタツキは仕方ありませんが…現状の相場観は、やはり2週間程度の調整があるかどうかの動きでしょう。週末の金曜日に200円以上下げたのは、年末の玉整理が集中したためでしょうね。来週からの動きは、落ち着くと考えています。