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NYの株安を考える(2014年08月02日)

今日は米国株の大幅安の背景を探る為に、時間を割いてみようと思っています。昨日は少し落ち着きを取り戻していましたが…続落でしたね。この下げのカタルの第一印象は、昨年5月のバーナンキ元FRB議長が、金融緩和からの出口戦略を口にして…株価が大きく下げる場面がありました。この二番煎じのイメージなのですね。昨年は、NY市場以上に日本株は上げの反動があり大きく下げましたが…、カタルはこの事を連想したのですね。故に、昨年一度、予行練習をしているので…、金融緩和の出口論は、前から発表されている事ですから、対処済みとの判断なのです。昨年のバーナンキ発言の意外感は市場にないですからね。だから心配は要らないと言う判断が、第一印象です。

ただ週間で大きく下げたのは、違う理由かもしれません。
一番、警戒が必要なのは…長い、長期上昇波動が終焉した…との見方が台頭する事です。つまり米国株は緩和縮小を切っ掛けにして、2年程かけて、本格的な調整局面を迎える可能性が、否めないのです。リズムからすると…この考え方は自然に見えます。なかなか株価チャートがないので、仕方なくヤフーアメリカに飛び、データを手に入れ自分で株価チャートを作ってみました。此処で一般化しているNYダウにしようか…、実態評価のSP500にしようか迷いました。本来ならSP500の方が妥当なのですが…。一応、両方作ったのです。奇妙ですね。カタルも自分で作成してみて…初めて知りました。何しろ米国の話で…イメージしか、残っていませんからね。

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金融危機前に株価が上がっていたと思っていましたが…、SP500をみると、二番天井と言うか…、2007年の高値は2000年のITバブル時に、並んだだけなのですね。ナスダック市場が高値を、未だに抜いていないのを…示しているようです。基本的に、カタルは新興国からの成長移転により、先進国は此処からスマートコミュニティー化が、一気に進むと考えています。故に、ナスダックが新高値を、間もなく付けるとの推測から、昨年、ソフトバンクの上昇を見て、光通信を推奨したことがあります。覚えていますかね? 6000円台の推奨から9000円台まで上げたのですが…。この発想は、先進国のスマートコミュニティー化が、いよいよ本格化すると言うものです。富士通などの株価が上がっているクラウド絡みの発想の根拠ですね。

基本的に、ベルリンの壁崩壊から…東西冷戦体制が崩れ、鄧小平の「富める者から豊かに成れ」と言う市場原理導入が、世界に広がりました。此処に金融デリバティブの発展が寄与して、危ない東側への資金供与のリスクが減り、世界へお金が流れたのですね。この動きを見極めたのが、鄧小平です。現在、中国は米国との二大国体制を模索しています。ドルから元への基軸通貨化も、その一環です。チャイナドリームもそうですね。残念ながら、村意識から離脱できない日本など、中国は眼中にないですね。既に、中国の自動車販売は2014年1―6月期1168万台ですが、米国は816万台なのです。米国は中国の70%でしか過ぎません。自動車販売数は、国力を計る一つの目安です。経済の実態を良く表しています。余談ですが…マツダの株価が注目されるのは、中国の販売台数が1―6月期で98852台となり、前年比で37.2%伸びています。スズキも中国では頑張っていますね。

安倍さんは、司馬さんの考えを受け入れて…やはり謙虚になるべきでしょうね。メディアの中国批判も…どうかと思います。中国のバブル懸念(不動産やシャドーバンキングなど)を煽り、尖閣問題を報道する姿勢を改めるべきかと考えます。確かに、新疆ウイグル地区の漢族の略奪行為は、人権問題を孕んでいます。石油が利権の温床になり、今度は100トン級の金鉱脈が発見されたとか…。ロシアも中国も、未だに時代遅れの覇権主義を貫いているようです。相手にも非があるように見えますが、既に大きな経済的に結びつきがあるのです。貿易関係では米国を大きく上回るのです。

米国はこの点で、賢いですね。インドの新首相ナレンドラ・モンディ氏との関係修復に早速、動いていましたね。僕も知らなかったのですが、彼が州知事の頃、ヒンドゥー教徒がイスラム教徒への暴力で、2002年に千人以上の死者を出したのを…黙認したとみなされ、米国からビザ停止などの制裁を受けていたのですね。背景は良く分かりませんが…必要とあらば、態度を豹変させるのが、国際舞台での立ち回りなのかもしれません。米国など、信用に値する国なのかどうか…。ロシア大統領訪日の話しもあり、北朝鮮と同じように、日本人の念願である北方領土問題の解決に向け、チャンスかもしれませんね。米国に義理立てする必要があるかどうか…。ただ尖閣の安全保障も絡み、外交問題もなかなか難しいですね。

また…話が、飛んじゃった。基本的に今のところは、大きな懸念を抱いている訳ではありません。しかし金融緩和から金融引き締めへの動きは、お金の量を減らすので…基本的にモノ(資産)の値段は、上がりません。このさじ加減が問題になるのです。ここで、何故、カタルが度々、ピケティが書いた「21世紀の資本論」の話しを、度々レポートで登場させるか? 資本取引による利益は、労働対価を7倍も上回ると言う記述にあります。以前は5倍だったのが拡大しているとの話ですね。日本はこの資本マジックを否定しています。「ものづくり大国」とメディアは宣伝し、悪銭身に付かずと、株などの資本取引で得た所得に対し、不労所得と蔑む行為が、行き過ぎた清貧思想を生んで、流動性の罠に嵌っているのです。メディアは自分達の行動が大量の鬱患者を生み、自殺者を生んでいる自覚がありませんね。報道により日本人は誘導されるのです。よく考えないと駄目ですね。

さて、新興国から先進国への移転と言っても、生産が戻ると考えて良いものかどうか…。此処は難しいのです。オリックスがアークを買収に動いたのは、この時代背景の流れを好機と見ている訳です。まだ持っている人が居るかな? ひょっとすると、またチャンスかもしれませんよ。新興国から先進国へある程度の生産移転は起るのは間違いはありません。しかしこのスピードをどう判断するかなのですね。

でもカタルは、スマートコミュニティー化が進むと考えていますね。だから米国のSNS関連などの株は、説明できない評価を受けています。きっと秋に予定されているLINEなども高評価を受けることでしょう。サムソンはアップルの様にソフトを取り込むのに失敗していますね。カタルは何度も、インターネット・テレビ(スマート・TV)の覇権を握れと、ソニーに期待したのは、この事なのですが…もう直ぐ時間切れです。テレビもスマフォとの連携が始まり、グーグルが優位性を発揮しそうですね。

カタルはいつも新聞記事を疑えと、述べています。米国の金融緩和を考える辺り、日経新聞の2面に掲げられている米国雇用情勢のグラフは重要です。しかしこのグラフには、不備があります。自分でデータを拾って、グラフを作れと述べている理由が、自分でエクセルにデータを落とし、グラフを描いてみると分かりますね。最後に、同じデータなのですが、少し時間軸の長いグラフを提示して、今日は終わりにします。今日の狙いを、ある程度は消化しましたからね。自分でデータを作れば、見えない部分も見えてくるものです。それでは、また明日。

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