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下準備(2014年08月09日)
先ずは…イラクへの空爆を切っ掛けに、日経平均株価が昨日、あんなに下がるなんて…おかしな話ですね。今朝の日経新聞によれば、マクロ・ファンドの仕掛け売りとの事ですが、この観測記事も、何処まで信じられるものかどうか…。確かに400円を超える下げなので、先物から崩れたのでしょうが、狙いは分かりませんね。仕掛け人を特定し、その仕掛け人に狙いを直接、聞かなくては分かりませんし、当事者が正確な情報を漏らす保証もなく…株の上げ下げの原因など、分かる筈がありません。
例えば…こんなケースもあるかもしれませんね。米国のゴールドマンサックスなどの証券会社が、株安への万が一の保険を、機関投資家に売りつけます。その取引中にこのような大幅安の演出をすれば、巨額のオプション取引なら、かなりの儲けが考えられますね。先物の売り付けで、仮に損失を出しても、オプションで儲けを得られます。このような表面化しない水面下の取引では、様々な相対売買が行われています。個別のファンドに、有利な条件で、ヘッジ商品を売りつけるわけです。
例えば株式投資を強要されている年金ファンド代表のGPIFに対し、数千億円単位のヘッジ商品を売りつけている最中なら…保身が働くサラリーマンのファンドマネージャーなら大幅安の演出を見て、このような話に直ぐに乗りますね。逆に、彼らはコールオプションを、この株安を切っ掛けに、大量に仕入れます。演出により、2重、3重の利益の仕組みが構築できます。今回は前向きに考えましたが…色んなケースがあり、理由なんか、所詮は分からないのです。そんな事は当事者しか分かりません。だから無駄な推測などに神経を向けないで…明らかになっている情報を元に、相場論を構築すればいいのです。
空爆開始ぐらいで…オバマ政権崩壊から政策の混乱を読むのは…いくらなんでも読み過ぎでしょう。簡単に政権が交代する日本と米国は違いますね。それに欧州との取引量も日本は多くないのです。中国とアジア中心に米国止まりなのですね。これが基軸です。日本株だけが大幅安する、材料がありますか? レバレッジが高いから動揺するのです。カタルのように、事前に夏枯れ相場を予想している人は、かなり居ます。だってアベマゲドン・リスクのスタグフレーション懸念は、完全に消えた訳ではありません。しかし常識的に考え、1―4月に、既にこのリスクを株価は織り込み、消化してから一度、反発しています。更に賃上げと言っても、基本給の引上げに企業は慎重だったのです。故に、一時金の夏のボーナスの伸びは、かなり大きく、7月から8月はエルニーニョ現象で、冷夏が心配された天候も猛暑が続き、消費に拍車がかかっていると思われます。事実、小さな記事ですが日経新聞の5面の下に、経済産業省調べで、昨年比8.7%増のカード取り扱い増となっています。ネット・ショッピングなどの多くは、カード決済ですね。
この夏の消費動向が分かるのは、9月に入ってからですね。10月になれば統計が出そろいますが…基本的に心配ないですね。カタルは米国の主張を抑え、ロシアへの制裁を控え、この機会に、北方領土の解決を優先させるべきだと思います。斜陽政権の米国に媚を売る必要はなく、北朝鮮も、ロシアも、日本固有の事情を抱えていますから…チャンス到来ですね。果たして安倍さんは…どうするのでしょう。さて、また余談ばかりしていると本題に入れなくなりますね。
「失われた時代」は、バブルの崩壊が切っ掛けですが…基本的に村社会論理の崩壊による整理ですね。もっとも大きな打撃は資産デフレです。皆さんには下準備のお勉強を経ないと…ケネディクスの良さを、なかなか体感できないでしょう。だから具体的な事例を掲げますね。カタルの友達のTさんの事例です。ただ購入したマンション価格などは推測です。彼は誰もが羨む日本IBMに在籍していました。そうしてバブル当時に、自分のマンションと両親のマンションを二つ購入し、ローンを組みます。当時のマンション価格はおそらく6000万から8000万でしょう。両方で1億2千万から1億6千万、頭金は10%~20%程度でしょうね。毎月の返済額は…毎月30万前後返済しているとしましょう。
ところが資産デフレの影響で、東京のマンション価格はバブル当時より半値以下になっています。今、マンションを売ると2000万から3000万以下でしょうね。つまりこの差額を、永遠と毎月の収入から補ってきたのです。既にデフレの失われた時代も24年ですから、30年ローンなら、まもなく終了します。しかしもし横這いなら…下がっても10%や20%程度の劣化分だけなら…彼はもっと優雅な生活が出来たでしょうね。彼の年収は1000万を大きく超える優秀な人なのですが…日本の政策失敗に影響を受けました。毎月30万の預金をしていたら…。まぁ、家賃が掛かりますから、基本的には大差はありませんが…、資産デフレの影響を受けた訳ですね。
企業も同じです。劣化する資産評価を、毎年、稼ぐ収入から補います。1億円の物件が1割ずつ下がると…1000万の収入の人は、資産の損失分を働いたわけです。このバブルの整理が終わったのが、実質的な日本の実力である1997年当時ではないかとカタルは推測しています。丁度、興銀や長期信用銀行、日債銀などの割引債マジックで、投資資本を集め、日本の産業創設に貢献し、その役目を終え倒産が重なった時期ですね。だから長期投資銀行は、消えたのですね。
この1997年以降の資産劣化は、駄賃です。単純平均株価では600円前後の筈ですね。今の単純平均株価は290円処です。1997年の日本の土地資産の総額は1793兆円です。2012年は1143兆円まで劣化が進んでいます。カタルは、何もバブル当時の土地資産価格、2477兆円まで戻せと述べているのではありません。収益還元法により採算ラインになった1997年当時まで、資産価格を戻す必要があります。そうすると…毎年、働いて得たお金が生きるのですね。Tさんのような資産劣化と言う、後ろ向きに使ったお金の方向が、前向きに変わります。そうすると日本人全体の心理が大きく変わりますね。田舎でも持っている土地が売れれば…そのお金を活用しようとします。
菅政権の原発判断は、最悪の選択でしたね。カタルは原発事故が起り、直ぐに東電の1兆から2兆円程度の有限責任にして、残りは、すべて国の責任負担にしろと…原発法の解釈を活かせと述べています。そうして汚染地域全体を、全て、国で買い上げろと述べましたね。その試算までしました。人口把握などを含め…そうして損害を計算しました。あの時、その選択をしておけば…、ここまで問題はこじれず、被災者も前向きな人生を歩めたでしょう。それを…最も悪い選択をしています。今度は中間貯蔵設備受け入れに、3100億円も投じるとは…。除染作業も無駄だし…、ずいぶんと無駄なお金を、どんどん使っていますね。すべては、あの選択が分岐点でした。国が責任を認め、最初の一歩を踏み出せば…みんながハッピーだったのです。
日銀は何でもできるのですよ。ETFの買い入れ額を増やしても良いのです。諸悪の根源の一つが資産の劣化ですね。この為に毎年、損失を収益の中から計上してきたのです。個人の事例では、値下がり分の為に、自分の働いたお金を投じてきたのですね。持ち合い株の損失を埋め、従業員の年金積み立ての損失分を、毎年、計上してきたのです。収益還元法価格になっても…、一時的に付けた実際の取引価格を元にして、金融庁は銀行の融資先を検査して、厳格な減損会計を求めてきました。通常は、売ったら初めて損失が出るのですが…時価が下がったと言って…実際に売らなくても、損失の計上を強制したのです。バブル期なら、いざ知らず…収益還元法で10%の利益が在っても…たまたま付いた取引価格で、減損会計を強要したのですよ。おかしいですね。常識的に考えてください。バブル期に、あなたが相続した3000万の土地が下がったから、毎年、その値下がりの減損分のお金を、税務署に払いますか?
人間だれも、売れると考えていた土地が売れなかったら…持っている価値などありませんね。希望が、如何に大切か…。先行き期待が、如何に大切か…。何故、アメリカン・ドリームとの幻想を持たせることが大切か…。良く分かると思います。ガンガンやればいいのです。最初は日銀が主体でも…やがて値上がりが続くと、みんなが洗脳され始めます。だって日本だけが、資産デフレを容認しているのです。おかしな仕組みですね。金融庁様の政策姿勢が、如何に大切か…。竹中平蔵は、確かに目先的には不良債権を処理するためにあの処置は必要だったかもしれません。しかしUFJの独自査定を認めなかったための弊害を彼は考えたのでしょうか?
あの事件を切っ掛けにして、金融庁が神格化されたのです。たかが、下っ端役人の癖に…横柄な態度で、事件をねつ造までするほど…驕ったのでしょう。ただ真実は分かりませんが、カタルの友達の歩合セールスは、在りもしない契約書を書かされ、罪を認めさせられたと…彼は、言っていました。そうしないと営業停止は解かれず、渋々、ねつ造に同意するしか、他に方法はなかったと言います。似たような話は、ゴマンとありましたね。
カタルは信じています。行き過ぎた行動は、必ず咎めを受け、揺り戻しが始まるのが自然界の現象です。だから証券株や金融株、不動産株などの金融相場の3点セットは、まだまだ株価が、上がるのでしょう。さて下準備に、長い時間を使いました。明日はケネディクスの数字を掲げ、ポイントだけを採り上げます。何しろ、すべてを書くのは大変です。今回のポイントだけを取り上げるつもりです。
ここで重要な点は、「レガシー・アセット」、「リートの上場」、「株主還元とROE」など…3つのポイントがあります。カタルが、明日、解説する前に、皆さんも事前に、30分程度の時間ですから、決算説明会の様子を見ておいてください。その方が、よりよく、カタルの主張の理解が進むとおもいます。会社説明会の様子は此方からです。それでは、また明日。