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調整の形を考える(2014年09月20日)
中国のアリババがNY市場に上場され、なんと、この時価総額が25兆円だと言います。信用創造による、付加価値の増加と言うのは、こうやって生まれるのですね。信用創造こそが、時代を大きく進める推進力なのです。一方、トヨタは22兆円です。この現実が市場経済での評価なのです。トヨタは僕らが生まれる前の時代から、糸を織物にする自動織機で、財を成した豊田佐吉の資金力をバックにして、喜一郎が作った会社です。喜一郎が生まれたのは1894年ですからね。120年も掛けて、ようやく世界トップ水準の自動車会社を作ったのに…。この歴史あるトヨタと言う会社をアリババは、僅かな期間に、上回る評価を世界から勝ち得たのです。カタルが「村論理」でライブドアを追い込んだ、社会体制を批判し続けている理由の一端が窺える現象だと思います。
関電の内藤元副社長が、盆・暮れに1千万ずつ、歴代の総理7人に送るお金は、この村論理から生まれています。確かに…イスラム国が誕生するように、アメリカのシステムが全面的に正しいとは言えませんが、市場原理の意味を、多くの人に理解してほしいものです。ようやく日経新聞も「ROE」関連の報道が増えていますが…与えられた経営資源をどうやって活用するか? ソニーの凋落をみれば、分かると思います。経営者の考え方の違いで、僅かな期間に大きな差が生まれるのですね。アリババの創業は、1999年ですよ。僅か15年ですからね。さて今日は、与太話より…チャート論でしたね。
今日は、お約束の新興御三家と富士通の調整を比べて見てください。それぞれのチャートを同じ、時間軸で並べました。昨年末のスター株は、なんと言っても「アドウェイズ」2489でしょう。
四季報では2013年4集の四季報での大株主名簿を観ると…浮動株比率は17.2%です。最近のものは36.1%です。つまり筋は逃げたのですね。当時の2014年3月の売り上げ予測は285億円で、利益は2億4千万円です。当時の一株利益予想は3292円です。この時期は、ほぼ、横ばい予想の業績予想でした。2013年8月の高値は523000円ですから、新興御三家の年末相場が生まれる前の、8月時点のアドウェイズのPERは158倍ですね。現在の株価に直すと…1046円ですね。カタルにとって、何故、この株が上がるのか? サッパリ理解できなかったのです。確かにインターネット広告は伸びていましたが、あまりに割高で…どう考えても、理屈に合わないものでした。この株価が、なんと…その後、3345円まで買われるのですね。1046円でも、既にかなり高いのに…これが「イナゴタワー」の実力ですね。PER100倍超えは、どんな理屈を述べても、状況を観る場面でしょう。ただアリババのような事例も、中にはありますからね。株に絶対はありません。
「エナリス」6079は、新規上場株で電力の効率配分の夢がありましたが、此方も2014年12月予想でも、売上170億円に対し利益はわずかに8億円予想で、当時の一株利益予想は18円です。しかし株価は昨年10月に2578円を付け、今年1月に再び2585円の二番天井を付けるのです。どう評価しても、PERが100倍を超えるような理屈はあり得ませんね。ただ…かなりの成長が見込めることは事実でしょう。
新興御三家の中で、唯一、昨年末に付けた高値を超えたのが「コロプラ」3668です。昨年末から今年初めに4475円の高値を付け、この高値を、今年8月に塗り替えましたね。「白猫プロジェクト」が累計1000万ダウンロードを突破したと言います。この理由は業績の推移と、位置情報を利用したゲーム開発のようですね。「ステーションメモリーズ」など行動参加型のゲームのようですが…面白そうです。ただ、もともと位置情報のゲームは、あまり収益が上がらないでしょうね。
最近、パズドラを始めたカタル君にとって、全てを理解するのは、なかなか難しいので、コメントは避けます。でも基本的にゲームは一過性の利益の面が強く、あまり好きになれません。しかしソニーが開発しているゴーグル型のゲームは、異次元感覚で、爆発的なヒットに繋がる可能性はありますね。ソニーが娯楽産業の新しい分野を開発するかもしれませんね。基本的に目先、カタルはソニーを批判していますが、本来は…、元来は好きな会社なのです。だから良くなって欲しいのです。ソニーの株価については、また語る場面があるのでしょう。
今日のテーマは調整の形なので…。好業績のコロプラ型から富士通などの未来のかたちを感じ取ってください。富士通の株価を観て貰うと分かりますが…、基本的に調整期間が足りませんね。200日線を割れる場面が、必ず、あると思っています。本来、カタルは2月に付けた600円台での高値揉み合いを想定しており、あの時点で手を抜くべきだと考えていました。高値保ち合いが正しいと思っていたのです。でも現実は違ったので…おそらく調整は長引くと考えています。それとも一気に、収益変化が訪れるのでしょうか?クラウド環境は、多額の投資が見込まれ…NECと共に注目されます。
株価の調整は、基本的に200日平均ラインなのでしょう。つまり、ほぼ1年の平均値を、維持できるかどうか…と言う事です。期待感が先行し、株価が現実の利益より大きく評価され、上げ続けることは良くありますが、大きく上がった株は、必ず現実の利益確認を求めます。これが理想買い(これから起る007とJ・TECの相場)と…現実買いの時間推移(ケネディクスは此方のパターン)ですね。
日本通信も、そうですね。カタルは前期の数字を元に、2015年3月予想は、571円(1/100分割なので、5円の一株利益水準ですね。)だったので、株価が500円を超えた段階で、売り推奨をしました。しかし株価は1200円台まで上がりましたが、これは期が変わり、最新の2016年3月期の一株利益予想12円を基礎に弾いたのでしょう。大概はPER100倍以上に評価されれば、実態評価を求めるものです。つまり本当に利益が上がるのか…確認作業が必要になります。
株価が、一番面白いのはアドウェイズの相場です。企業業績の伸びが見込まれ、ドンドン増額修正をしていき、未来評価が高い時に馬鹿高値が生まれます。この理想買いの段階が、現実的な利益を買う相場より、見えないから…面白いのですね。カタル銘柄の多くは、この段階で注目しています。007もJ・TECも未だに赤字ですね。でもこの利益カーブが、一度、利益が誕生すると、急激に増大すると…思っています。007やJ・TECは時代が開花すると、一気に利益が生まれるパターンですね。
だからアリババ型と、言えるかもしれません。現在、力を入れているケネディクスは、違いますね。来年の2月になれば、カタルの述べている収益が見えてきます。春から夏にかけ増額修正のラッシュになるでしょう。この時に、市場は、株価の再評価をしますね。ただ株価が上がるのは、複数のヘッジファンドが参入する時で、現時点ではアドウェイズ型の可能性も否定できないので、高値でも買い増しを続けている訳です。
株は、収益の先取りをする事が良くありますが、絶対に割安銘柄を、大きく評価することはありません。小野薬などのケースをみれば、分かると思います。割高に見えるから、信用のバランスが売り過多なのですね。株価が上がると段々そうなります。でもまだ利益は見えませんね。もともとメラノーマは市場規模が小さく、利益は見えませんからね。
日経平均株価を観ると分かりますが、今回は3回目の挑戦です。この水準は簡単に抜けませんからね。現状は期待先行の指数による株の上昇です。だからカタル同様に、あまり儲かっている感覚が多くの人にないと思います。マツダなど、確かに新高値更新ですが…普通の株になった上昇は限られますね。むしろ、カタルはシャープに関心を持っていますね。ただ増資の懸念が、なかなか消えませんね。やる以上、それを覚悟して臨まなくてはなりません。ソニーにシャープの覚悟があれば、面白いのですが、ソニーは、まだまだ豊富な資産がある為に、心理的に追い込まれていませんからね。社員に気概が生まれません。倒産の危機を覚え、株価が1000円を割れ、急落すれば…面白いですね。
あの時のオリックスのようなものです。1万円を割れ急落するオリックスは、絶好の買い場でした。流石、天才の小手川君です。カタルなんか…1万円を割れた段階で、買い推奨をしていましたからね。今の株価で言うと、1000円割れの話をしています。2008年の10月でしたね。それから2月まで急落して…倒産が囁かれ、株価は、なんと1700円(170円)まで下がります。ここで小手川君は、大量に買い始め参加するのですね。彼はその後、直ぐに売ったようですが…。今でもオリックスは、カタル好みの会社です。今は、まだ早いでしょうが…だから、アークに関心があるのです。
さて今日は、チャートをみながら…非常に簡単な解説をしました。皆さんには、調整は時間が掛かると言う事を、認識して欲しかったのです。通常は、1年半から2年程度の感覚ですね。ケネディクスの弁解に聞こえるかな…トホホ。カタルの意見は絶対ではなく、今日のNHKの「朝ドラ」の様に…心の窓は開かれてなければなりません。他人の意見は苦言でも必要なのでしょう。メールでも質問も受けています。あまり程度の低い質問は、控えてくださいね。株価の未来は、誰にも分かりませんから…ね。