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炭鉱のカナリア(2014年09月27日)

多くの読者の人はカタルのページを、儲かる株を探す手段としているかもしれませんが、カタルの真意は、市場経済を、株式の取引を通じて知ることで、日本の仕組みを変えて欲しいと願ったページです。カタルが上京して25年間、日本の株式市場は、失われた時代と言うデフレ環境下の為に、沈む世界でした。株屋にとって、時には激流の川を、流れに逆らって泳ぐようなものでした。故に、多くの株が沈みましたね。カタル銘柄もベンチャーリンクは、非常に良い仕組みでした。ただ資本取引の罠を陥り、システムが崩壊したのです。

フランチャイズ(FC)の活用は、素晴らしい仕組みです。ある街の小さなお店の美味しいパンが、その製造方法から販売方法までのノウハウを伝授し、全国展開し優れた仕組みを広げるビジネスを展開したのですね。しかし儲かり始めると…、パン屋のオーナーなどがベンチャリに払う手数料を払わなくなりました。もしベンチャリがその企業の株主になっていれば…あるいは、確りした契約を交わしていれば、折角、努力して儲かる大きな企業を作った報酬は、永続的に入ってくるはずだったのですね。でも此処に甘さがありました。離脱する参加企業が相次ぐ中、再建に踏み切り、今度はカーブスなどの安い健康システムを自らがオーナーになり全国展開し、成功し始めましたが…資金繰りの悪化から、このビジネスも売る羽目になりました。もし、この時に銀行支援があれば…きっと乗り切れたのでしょうが、あいにくの金融環境で、支援先が現れず消えました。今ではベンチャリ―リンクが考えた保険窓口サービスなどの多くは、成功していますね。

確かにカタルは失敗しましたが、FCの仕組みや組織力は大きな価値があったと思っています。この事例の様に、5年程度の支援を続ければ、伸びる企業があっただろうに…、厳格な金融規制を引いた為に、日本全体が沈んでいきました。一方、この矛盾を逆手に不幸な事件もありました。日本振興銀行の存在は、木村剛さんが中小企業の資金繰りを助ける目的で設立しましたが、おそらく着眼は悪くなったかと思います。しかし経済環境などがマッチせず失敗し、最後は、詐欺まがいの手段を用い破たんしました。彼に詐欺行為の認識が、最初からあったかどうかわかりませんが…、きっと当初は、日本にもハイリスクの融資をする銀行システムが必要だと思ったのでしょう。

1997年から1998年の段階で、カタルは日本の政策路線を大きく変化させるべきだと考えていました。丁度、その頃に、IT相場が生まれます。今では落ちぶれたソニーが年末年始に急騰し、ソフトバンクが198000円と言う馬鹿高値を付けるのです。でもこの後に小泉・竹中改革の厳格運用が始まり、さらに混乱します。三菱グループは日本の中核企業グループですが…、そこも青色吐息の綱渡りを強いるような政策運営が、果たして正しいのか、疑問に思ったのです。その頃に、このIRNETの前身である「株式市場 日本を考える」というホームページがスタートします。もう株屋では限界だ…ネットの世界に身を投じる為に、カタルなりに、この世界の知識を仕入れる為に始めたホームページですね。

その頃はプログラムを解説した本も少なく…何の知識もないカタルは、試行錯誤の毎日でした。まったく謎の世界でしたね。でもITバブルで株屋として食えるようになり…転職は諦めたのですが…。此処が、人生の分かれ目だったかもしれません。その当時だと思いますが…ソフトバンクなどと、一緒に事業をしようと孫さんに面会を申し込んだことがあります。アリババが生まれる前の話ですね。

今日は何故、こんな昔話を書いたかと言えば…、金融力の大切さを、みんなは誤解しているのではないかと思っているのです。宇沢弘文先生も、市場原理主義者を金儲け主義者と…誤解しているようにも、感じています。あのオバマ大統領も、そう感じますね。確かに僕らの世界には、金儲け主義者も大勢います。僕自身も、歩合の世界に入ったように…より豊かな生活をする為に、高額納税者になる目的で歩合セールスになりました。真剣に仕事に燃えれば、自然に勉強もします。証券アナリストの試験を受けたもの、より高いレベルを目指したためです。その結果、どうしようのない壁が「失われた時代」ですね。構造改革の為の時代です。ようやく日立も変わるそうですが…。日本は…まだまだ、末端の人は現実変化に気付いてないのでしょう。

話しが例の如く飛んで…、分かり辛い「まくら」ですが…、先頃のG20で自己資本比率規制を更に高めるとされていましたね。カタルには、オバマ政権下のボルガー・ルールから始まる金融悪者論が、気になって仕方がありません。日本の間違いも…そもそも此処にあります。FRBは量的緩和で溢れているドルを回収しようと思っているのかどうか…。非常に気になりますね。カタルは市場原理主義者なので…インフレも起こってないのに、昔のマネタリーベースの残高に戻すことが、正常化という認識は間違っていると思っています。金利を引き上げることも含め…多くの識者が、過去の正常化ラインを、正しいレベルと勘違いしているんじゃないか…と、心配でなりませんね。

市場原理は、均衡点を探るものですね。物価は需給と供給バランスで決まるように、お金の量や金利も、需給バランスで決まっているのです。それを過去の正常化だった位置が、適正だと、思っているんじゃないか…と、心配になるのです。あれは…、福井さんの日銀総裁の時代かな…。マネタリーベースを前年度比で大きく落としましたね。カタルは大恐慌の頃を生きてないので知らないのですが、あの時は、一度は景気は立ち上がったのですが…確か、再び経済は沈み、世界大戦に発展して行ったんのじゃないかな…。

今は丁度、同じ環境下ですね。米国のおかれた環境は、日本の2005年~2006年に似ていますね。自然に、中央銀行が供給したマネタリーベースが、民間資本に置き換わるのは待つべきですね。ところがオバマは、未だにデリバティブ商品の不当売買に対し、制裁金を科していますね。つまり米国金融は、表面上は立ち直っている様に見えますが、実態は、非常に希薄だと思っています。砂上の楼閣です。故にカタルは、NY市場が急落するたびに、ヒヤヒヤしています。今回は、既に高値を奪回した後の下げなので…別に気にしていませんが、実は内心、今回は高値を更新できずに、二番天井を形成するんじゃないか…と、密かに思っていたのです。故にイエレン議長の言動から目が離せないのです。米国の中央銀行総裁だから、日本のような眉唾人事とは違い、本当に実力があるのでしょうが…一抹の不安も感じている次第です。FRBのマネタリーベースのさじ加減は、非常に需要だと考えている次第です。

現状は、既に石油などの資源価格は下がっています。この政策は、おそらくアラブへの戦略的な政策かな…とも思っています。ドバイの発展はあきらかに異常ですからね。UAEでは、同じ民族の国民同士が結婚すると、国から御祝い金がもらえ、国民は医療も教育も無料で、しかも高級がもらえる公務員への登用も優先されます。実質的に働く公務員は僅かで、多くの公務員は、遊んで暮らしていると言います。明らかに、おかしいですものね。この歪みは…市場経済下において、どこ程度、修正されるのか…。

市場経済は、基本的に歪みを正すのですね。異常な乖離が生まれると、それを修正するのです。マネタリーベースの残高は、本当は行き過ぎており、積み上がったのかもしれません。だから「炭鉱のカナリア」の原稿を書いた三反園哲治さんの見方は、ある意味で当たっているかもしれません。でも、逆に、このような原稿を書くほど、日本経済は明らかに戻っていませんね。米国は兎も角、日本の現状は、明らかに…長い構造改革からの脱出場面に見えます。今日の新聞広告には、医者がタワーマンションを相続対策の為に探していると言います。この手の需要が生まれているのですね。相続対策の為の資産投資が始まっています。借金も相続が出来ますからね。

このような与太話を通じて、カタルは、皆さんも一緒になって考えて貰いたいのですね。カタルの意見が正しいとは思いませんが…一緒に考えながら投資をする事で、賢い投資家が日本に多く誕生すれば、やがて市場が洗練され、より良い日本が生まれると…市場経済の力を信じているのですね。もっともポピュラーな日経新聞を題材にするのは、皆さんも記事を読んで、時代を感じて欲しいのですね。新聞記事の背後に隠された時代的な現象を通じて未来を共に読み、時代を変えることに参加しようとしています。まぁ、所詮は6000人程度の読者ですから、市場では大きな力にはなりませんが…、それなりに皆さんも、一緒に考えることで、仕事に活かしてくれれば幸いです。

今日のレポートは及第点スレスレかな…。いや落第かな…。出来は今ひとつでした。