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資本の移動(2014年10月11日)

今年は東京オリンピック50周年にあたり、当時の回顧録をNHKで盛んに取り上げています。この辺りはノスタルジーを醸し出す「3丁目の夕日」の時代ですね。昭和30年代の高度成長期は、日本が最も輝いた時代の一コマです。カタルは昭和30年生まれなので…小さくあまり覚えていませんが、兎に角、テレビや冷蔵庫、電話と目まぐるしく生活が豊かになっていく時代でした。当時の風呂は銭湯に行くので、毎日ではなかったように思います。隣の家が風呂を沸かすと…その風呂に入りに行く時代でした。カタルは東京に住んでいたわけではないので、東京の活況ぶりが分かりませんが…高速道路に新幹線と突貫工事が続いていたのです。東北からの出稼ぎ労働者は、ヒロポンを打ちながら徹夜の工事をしていたと言います。面白いのは…ヤクザがオリンピックの開催に合わせ、地方に疎開したと言います。小説の話しなので本当かどうかわかりませんが…あり得る日本村論理ですね。兎に角、ヤクザまでもが…国を挙げてオリンピックの成功に邁進していたのですね。

わが国は、江戸時代から村単位の縛りが多く存在し、個人の自由より、村の論理が優先されました。年貢が苦しくなると庄屋などが、死を覚悟で陳情に行きます。この意識が明治になっても色濃く残っているのですね。富国強兵、殖産興業と国家目標に向かい、みんなで一緒に、目標達成に歩んだ時代背景があります。この制度が、やがて年功序列、終身雇用を生んで行きました。だからバブル崩壊でシステム崩壊が進みましたが…パイオニアの指名解雇問題は、大きな社会問題になりました。

今でも、この村意識は強く残っています。グローバル化って…人々の意識改革なのですね。だから失われた時代が、25年も長引いたのです。過剰な清貧思想はメディアによって植え付けられています。過剰な安全・安心意識も、そうですね。1億人も人間が居るので…100人や200人程度、不幸な事故で死んでも当たり前の確率だと思いますが、御嶽山の噴火や広島の土砂災害など…、簡単に自然災害なので仕方がないと…一掃しない風土がありますね。気象庁や行政の在り方が、問われています。カタルには過剰反応に見えますね。どんどん、行政の責任回避は、新たな縛りを生み、自由な行動が束縛されていきます。

今日は、太陽光発電の買い取りで…見通しの悪さを理由に、経産省は指針を変えると言います。原発反対派は、これで声を上げるのでしょうか? 論理的には…原発反対派は、この行動に対し、デモをすべきですね。電力会社は太陽光発電の買い取りを拒否しては駄目な筈です。安定供給を理由としていますが…まだシェアは10%未満でしょう。30%とかの水準なら、その言い訳も分かりますが…こんな日本の迷走は、何処まで続くのでしょう。まるで掘っては埋める無駄な公共事業投資や、減反を生む農業政策と同じレベルです。

上場企業も10%程度の収益が見込まれるので、多くの会社が参入しましたが…こんな会社は基本的には売りですね。むしろ余剰資金を株主に還元すべきです。このような村意識の改善は、やっかいです。でもカタルは既に市場原理主義者ですし…おそらくIT世代と言うか…カタルの年代を境にして…考え方も大きく変化しているのでしょう。

久しぶりに日経産業新聞を読んでみると…時代変化にワクワクしますね。新技術は続々と誕生し…価格競争で負けたスマフォも、多くの部品が日本で作られたものです。村田を始め、TDKや太陽誘電など…流石です。エフテックのアルミとスティールの溶接を可能にするロボット技術、ケーヒンの直噴射エンジンなど…も、なかなかですね。自動車と言うのは適正な燃料を、如何に効率よく燃焼させるかで技術が競われていますが…電子制御の技術開発は日進月歩のスピードで変化しています。ダイキンもコマツのような遠隔操作のソフト開発に取り組んでいますね。きっと007の通信技術が生きるのでしょう。中村さんだったかな…ベンチャーが世界を変えていく…との発言がありましたが、技術者も素晴らしい職業ですね。

市場経済において…躍動感がないと、市場に円滑な資金が供給されず…社会の進歩も止まります。だから米国は、株価を重視する政策を実行します。日本の公的債務は大きく、官民一体の開発には、やはり無理があります。だから市場原理を活用する資金の循環が必要になります。でもわが国の金融株の水準をみると…、純資産価格を割れているのですから、呆れる水準ですね。論理的には自社株買いをすべきなのですが…自己資本比率の関係で、そうはいきません。(明日、解説する予定です。)

異次元緩和の意味は、強制的に国債に眠る資金を追い出している訳です。だから日銀は当座預金に眠る資金に、たとえ僅かでも付利金利を付けるのは、間違っていますね。それこそマイナス金利にすべきでしょう。リートは市場規模が小さいので、大きく買うことは出来ませんが、ETFの市場規模は比較的大きく、100兆規模は無理ですが…10兆円規模なら、いくらでも消化できます。ただ日経平均株価の採用銘柄を見ると…既にかなり良い水準に位置している銘柄も多いですね。

この量的緩和は、確実に実体経済に効いています。基本的にマネタリーベースが伸びていて…株や土地が下がる道理がありません。欧州、特にドイツの輸出が減り、不安感を醸し出しているようですが…ドイツは弱い通貨を餌に、自動車輸出で稼いできたのですね。だから原油価格の下落など…(カタルは金や銅をみましたが…)、新興国(東欧を含め)の活動が鈍っているので、これは当然の帰結です。新しい先進国の成長は、クラウド環境の活用を中心とするスマートコミュニティーへの変化ですね。とくに「情報管理」ですよ。ビッグデータの活用など…この辺りの成長が大きい筈です。

耐久消費財の労働生産なら人口の減少が問題になり、移民政策が問われますが…ロボット開発を加速させ…情報の活用で効率的な社会構造は、一気に進みますね。気象衛星「ひまわり8号」の打ち上げが成功しましたが…情報処理能力は、一気に50倍にアップだとか…。利用している雨雲情報のデータも、来年の夏には精度が更にアップするのでしょう。さて皆さんは、追証に揺れる株式市場の方が、関心は高いのでしょう。市場経済は、このような上下を繰り返し、企業への資金配分を淘汰していくわけです。

この所、減益修正のアイフルと増額含みのケネディクスの株価の乖離が開いています。基本的にROEの高い企業に資金を回し、低い企業から資金を奪い、市場経済は淘汰していくのですね。だから小泉・竹中改革は、論理的には正しいのですね。村論理で雇用を守るために救済するのは、間違っているのですね。だから強制的に排除しようとした行動でした。カタルは強制介入はやり過ぎだと…あの時、批判しましたが…、論理的には正しいですね。お金は、高い運用が社会から求められている所に、回すべきだと言う考え方です。だから株式投資は、時代背景が重要なのです。新日鉄など…鉄鋼生産は重要な基幹産業には違いはありませんが、もう大きくならずに、効率経営を求めるべきなのですね。新日鉄のROE変化は、どうですか? 努力をしているのでしょうか?

このような市場原理の淘汰が、村論理で阻害されているので日本株のROEは低いのです。その代り無駄な資本が多く、PBRが1倍を割れている企業が、多くあるのですね。売上高営業利益率が低い企業で、内部留保を抱えている企業は自社株買いをすべきなのです。養命酒などのような太陽光発電に乗り出すなんて…市場原理からすれば言語道断です。ただソフトバンクは戦略的な側面もあり、一概に否定はできません。明日は、今回の株安の背景を考える予定です。カタルはG20の方針を批判しました。レームダック化しているオバマ政権は、間違っていますね。やはり金融論理を否定するのは…非常に危ういのです。悪戯に、インフレにもなってないのに…金融機能の縮小を目論むべきではありません。

きっと…大恐慌の後処理が失敗したために、世界大戦に発展したのでしょう。量的緩和は時代の流れなのでしょう。金融デリバティブの発展もそうです。ノスタルジーに浸るのは自由ですが、時代の流れを見極めることが、非常に大切なのでしょう。産業革命以来の時代の躍進期のスマートコミュニティーの扉が、もう直ぐ開きます。衛星の活用やスパコン開発も加速させるべきですね。新しい社会基盤でしょう。日本は中国、米国の後塵に拝しています。活用を更に広げるべきでしょう。

折角のチャンスだった9回表のノーアウト満塁を潰し、駄目かな…と思いましたが、延長になり10回表に3点をあげました。守れるかな…。頑張れロイヤルズ…。と言う事で今日はお終いです。また、明日。