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世界的な株安を探る(2014年10月18日)
案の定、NY市場は反発しました。通常は、これで目先の下げは終了でしょう。ただ今回はカタルが疑っている様に、広範囲に金融デリバティブ商品関連が売られました。…と言う表現は間違いですね…債券など、買われているものもありますからね。ポジションの解消が感じられました。この表現が正しいかな…。IRNETの履歴を見てみると…、9月22日となっていますから…日経新聞の掲載は、その日なのかどうか…。この日の報道に大手銀行の自己資本比率規制を16%~20%と言う文字が初めて登場し、前回のG20でCDSが無効か…が、指摘されましたね。保険機能を認めない商品など、価値がありませんから、当然、CDSと言う保険を組んだポジション整理が、解消されますね。清貧思想に染まったオバマ政権らしい選択です。この背後には力を付けた中東や中国が念頭にあり、パワーバランスの一環としての…新しい動きなのかどうか…。背景は分かりません。
基本的に米国金融は、不当販売の疑いをかけられ、多額の制裁金を米国政府から求められています。金融界は時間闘争せずに、粛々と…この制裁行動に応じましたね。ファニーメイ、フレディーマックのGSEが、民営化されていない現状を考えれば、米国経済は未だに管理下にある訳です。だからカタルは、何度もICUを抜けたばかりの米国金融との…表現を用いています。日本も同じでした。日本の場合、長銀や日債銀など…の破たんなどが象徴されるように、基本的に日本の戦後が終了した現象でしょう。わが国の社会資本整備に活躍した、割引債の販売会社が倒産したわけです。倒産の表現は正しいかどうか意見が割れますが、ワリコーの興銀は、みずほに形を変えましたね。NTTが完全民営化され、日本の社会資本銘柄は、これで…みんな卒業をしたわけです。
小泉・竹中改革を、かたるは批判しましたが、竹中さんの意見も良く分かります。彼は取捨選択を強化して、リストラクチャリングを強要したわけです。つまり利益率に低い取引を一掃しようとしたわけですね。要らないものを捨て、新しいものに産業資本の流れを変えようとしたのです。方向性は正しいが…やり方がどうだったか。今でもそうですね。戦後教育の影響か…日本人は経営者を含め、みんな官主導の受け入れ態勢で、成長してきたのですね。しかし日本の村論理がグローバル化で通用しなくなった。だからゴーンと言う外人社長を迎えた日産自動車が、マーチのタイへの生産移転に先陣を切ったのです。この辺りの論理が、しっかり理解されていないと…相場観が歪みますね。
世界は日本と同様のバブル崩壊に遭ったわけです。中身は違いますがシステム崩壊の流れは似ています。米国金融の先走る金融デリバティブが膨張しすぎた為に、制度疲労を起こし破たんしたわけですね。この破綻を修復したのがAIGを救った米国政府です。AIGは多額のCDSの販売元でした。計算されたオプション理論で、リスク計算は的確だったのです。だから米国政府はAIGの救済で、多額の利益を計上しました。しかし古い産業のGEは、損失を抱えましたね。通常は必要な産業なら、儲かる筈なのですが…。それが市場経済です。
今回の下げは、G20への警告でしょう。こんなものじゃないでしょう。もっと天文学的な金融デリバティブがある訳ですね。市場経済はボールを世界の政策担当者に投げたのです。政策担当者が、そのボールを的確に返さないと、再び第二段が考えられます。でもカタルは現場にいるわけではなく、このような内部の争いは、分かる訳がありません。内部でも上層部のポジションの話ですね。一介の新聞記者が理解できる水準ではないでしょう。基本的に世界のヘッジファンドは、政策トップのスタッフを再雇用しています。情報は非常に価値が高い訳ですが…日本人はその教育を受けてないし…官主導の受け身ですからね。最近、ソフトバンクの孫さんやファーストリテイリングの柳内さん程度しか、真の経営者は存在しません。いや…日本電産に村田、京セラなど居ましたね。ファナックにSMCなども、たいしたものですね。今度、ニトリなども、その列席に加わるのでしょう。
この金融デリバティブには、様々な組み合わせがあると言われています。原油や為替、銅から金などを株式と組み合わせたり…中国向けの外貨の貸出金利なども…その範疇にありました。南欧の国債を絡めた商品も開発されていることでしょう。基本的に無限なのです。だから放って置くと…ドンドン利益を求め、拡大します。その為に自己資本比率規制が存在するのですね。通常の銀行貸出だけでは自己資本が16%じゃ、おそらく利益も出ないでしょう。レバレッジを掛けるから、利益が生まれるのですね。自己資本を高速回転させれば収益は無限に膨らみます。邦銀は疎いのか…古い産業形態のままなのでしょう。
都市銀行の豊富な資産を活用していませんね。だからPBRが低いのです。これはROE経営と言う近代的な経営数字が、経営者に認識されていないのですね。未だに配当利回りやPERばかりが、市場の「ものさし」だと思っているのです。社会人の教育機関である日経新聞が、自らの責任を果たしていないのです。だから失われた時代が、何年も続いているのです。馬鹿ですよ。政治家も、次元の低い村論理で、小渕さんをくだらない理由で攻めています。法律がおかしいですね。団扇を配ろうが…、観劇代を補てんしようが…そんな事は、個人政治家の自由ですよ。(まぁ、やり過ぎは問題ですが…。)もっと日本をどの方向性に向かわせるか? 太陽光発電の行方など…エネルギー政策をどうするか。宇宙開発を、どう進めるのか? いい加減に…村社会の恥部を、突っつく姿勢を変えねばなりません。
日銀総裁を呼び、インフレターゲット目標の成果を正せばいいのです。どうやって物価目標を達成し、賃金を上げ、正しい成長スタイルに…名目重視の世界に戻せるのか? 議論をすべきですね。確実に目標が達成されるなら…、狙った銘柄は上がり続け、良い社会になります。カタルが時代性を考え、候補に挙げた銘柄が、なかなか軌道に乗らないのは…政策の方向性が間違っているか、アクセルの踏み方が足りないか…のどちらかですね。NY市場も同じです。なかなか新しい時代の扉が、開きませんね。カタルはナスダックの新高値を想定していましたが、なかなか2000年に付けたITバブル期の高値を、ナスダックは更新できていません。理由はスマートコミュニティーへの政策方向が、弱い為でしょう。
リクルートが、何故、素晴らしいか? もっとも価値がある、「情報」を商売の糧にしているからですね。しかし売上高営業利益率をみると10%に満たないのかな? 9.4%ですね。低すぎます。きっと無駄な投資をしているのです。情報産業の利益率は30%を超える筈です。カタルは一株利益を189円としましたが、のれん代償却前の利益でしたね。ごめんなさい、修正させてください。通常、こんな書き方をしませんね。なにか野村らしい作為的な発表ですね。正しくは121円48銭なのですね。
つまり株価は3545円だからPERは既に29倍ですね。なるほどなぁ~。妥当と言えば妥当だし…、やり方次第では50倍程度もあり得るかもしれませんが…、既に大企業だからね。やはり救世主は無理かなぁ~…。通常、株価4000円前後には、かなりの壁が存在しますからね。これは経験則で理由は分かりませんが、何故か、株価の400円とか4000円と言うのは、一つの節目になるケースが多いように感じています。あとは800円の水準にもありますね。
さて話を戻しましょう。
NY市場は、日本と全く違います。一旦、緊急避難的な動きは、来週には、自己資本強化が表面化して、既に1カ月が経過しますから…一巡する筈です。下げの真相は、いまだに定かでないから…新高値更新はせずに、ボックス相場の動きを予想すべきだと考えています。ここ半年から1年程度、株価はボックス圏で、推移するのでしょう。大きく下がるとしても…それからですね。しかしNY市場は、基本的に株価が下がると自社株買いを企業はして市場を育てようと…皆が考えています。日本と違いますからね。日銀は10月に入って、既に9営業日も、ETFの買い入れを実行しています。これまで12営業日しかないのに…9日間も、147億円ずつ買っていますね。合計で1323億円です。日銀は何でもできるのですよ。全ての外人投資家の売り物を、全部、買う事も出来ますね。
カタルは述べています。異次元緩和と言うスタンスが続く以上、確実に、株や土地は上がると…下がることはありませんね。日本経済は、既に25年もデフレ経済の失われた時代が続き、初めて異次元緩和実行で、政策スタンスを変えたのです。包括的金融政策が実行された2010年10月に、とうとう政策担当者は時間切れを認め、日本の方向性を大きく変える舵を切ったのですね。だから株や土地は上げるのです。相続税の引上げも…今日の新聞には、法人減税の代わりに賃上げを求める姿勢も、官主導で方向性を大きく変えようとしています。多くの人は目先的なGPIFの買いなど…に期待しますが…既に日銀が先陣となって、デフレの世界に切り込んでいるのですね。最後は、株を買えば相続税免除などと言う劇薬も考えられます。
やる気になれば…何だって、出来るのですね。物価を上がることなど…簡単な事ですね。黒田さんの「ほくそ笑み」は…そんな辺りに起因しているのでしょう。円安の弊害を原油などの下落が、補っています。日本は非常に恵まれていますね。米国にはシェールガスがありましたが…日本は色んな環境から見て、世界で一番恵まれています。多くの識者は少子高齢化を弊害と見ていますが、カタルはチャンスだと感じています。ロボット産業は確実に育ちますね。大震災は不幸な出来事でしたが…あの原発事故は、ある意味で画期的な実験場化しています。ロボット開発の…実践的な技術が確実に蓄積されています。やはりバラ色ですね。
今日の日経新聞を読んでください。日本には有り余った資産が充分に活用されていないからPBR1倍以下の会社が、多いのですね。つまりROEの改善余地は、非常に高いと言う事なのですね。経営者を洗脳すれば…飛躍的に、利益率が改善されます。既に日立を始め東芝なども、黒字なのに…リストラを敢行しています。ROEの考え方は確実に浸透し始めています。日銀に次いでGPIFが参加し、国債に眠った1000兆円規模の資金が、ようやくデフレの酔いから醒め、動き始めるのです。この躍動感を感じることが出来れば…株を買う事に躊躇する人は…、何処か認識が間違っています。IRNETの読者に於いては…正しい見方を、共有して欲しいと願っています。僅かな揺れは何処にでも存在します。
いよいよ…1年で一番、もうかる年末年始の相場の扉が開かれようとしています。