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中弛みの考え方(2005年04月02日)

日銀短観が発表され、プラス圏の推移ながら前回より悪化し、二期連続の後退です。年度末の株式騰落率の発表がされており、この一年間で見ると若干のマイナスだそうで、なかなか綺麗な全面回復局面まで行かないようです。理由は明白です。銀行が公的資金返済に追われている為です。故に景気回復速度がゆったりとした展開になっているのでしょう。

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先頃、公示地価が発表され都心では値上がりする所が多く、完全に下落波動が止まったと考えて良いでしょう。銀行はノンリコースローンを取り上げ融資活動に入り始めています。ノンリコースローンとは、仮に利払いなどが困難になって不良債権化しても、銀行に入れた担保の土地を取られるだけで、あとは免責されるのです。バブル時代に、この仕組みがあれば、多くの方が苦労もしないで済んだでしょうね。更に不良債権もこんなに大きくならなかったでしょう。

このような現象をみると銀行の融資活動が今ひとつ活発ではないが、確実に広がっている現象を感じられるでしょう。景気動向とは何か?お金が動く事なのです。お金は臆病でさびしがり屋です。だから仲間がたくさん居る所に集まります。お金持ちの所には更にお金が集まり、貧乏人はいつまで経っても貧乏人なのです。折角、経済活動をしようとしてもデフレで地価が下がり続けていたら、誰もビルを建てませんね。経済活動が鈍るわけです。ところが既に地価が底を打ち、上り始めているとすれば、我先に積極姿勢に転じますね。借金をして土地を買いビルを建てれば収益が上り、地価が上っていくから含み利益が生じますからね。

つまり金利分以上に地価などがあがるインフレ経済が市場主義の原点なのです。デフレにして経済活動を制約する政策はおかしいのです。ところが、わが国では様々な規制によって民間の積極的な動きが封じ込められているのです。土地税制もその一つです。リスクを犯し土地を買い事業をしても、その土地などにかかる固定資産税などの税率が高くなれば採算に合わなくなりますね。更に建ぺい率や容積率など、様々な規制があるのです。かと言って全て自由にすれば、美観も損なうし安全基準もおろそかになるかもしれません。

この兼ね合いは難しいのでしょうが、わが国では合議制の為になかなか事態が進展しないのです。アメリカが牛肉の輸入解禁を求めイライラしている現実が分かるように思います。トップの責任者が自分の責任で決断すれば良いのです。その代わりきちんとした責任体制が必要でしょう。

銀行の財務内容は時間と共に改善しています。だから景気は回復基調にあるのです。景気はお金が動く事ですからね。銀行に余裕が生まれれば、多少リスクの高い融資も実行されるようになり、景気が回復するのです。株式を上げる事も有意義な事です。株で儲けたから家を買おうとか…車を買おうとか消費が起きますからね。日銀短観の景況指数のようにプラス圏での調整は、ある意味で仕方ないのでしょう。

さて株式です。株式は銀行などの先導株が市場を席巻し、鉄鋼株などの素材産業が潤っています。この動きはやがて設備投資に回り、(既に上昇しているが)残業などが増えたり、新規の雇用が増え、消費に繋がります。この消費が景気を支え循環を生むのです。日銀のゼロ金利政策の出口論が盛んに繰り広げられていますが、銀行が公的資金返済を実現しないうちは、日本経済は、まだ入院状態なのです。昨年のICU入りから一般病棟に移っただけの話です。退院まであと僅かなのですが…

お金が限られているから景気の浮上も鈍いのです。蓄積があれば新規事業投資をするのが当たり前になります。一部のアナリストが業績相場などと言っていますが、基本は未だに金融相場なのです。この金融相場と業績相場の行ったり来たりの繰り返しを日本経済はしているのでしょう。

やがて時間の経過と共に第一線の成功者がもう一回り大きな事業展開を始めます。その頃には出遅れていた優秀な連中が潤い始めるのです。今はこのような時期なのでしょう。だんだん景気の輪が広がりを見せ始める。日銀短観のイメージはこんな感じでしょう。

さて株式市場は、その事をいち早く察知し昨年末からPBRの割安銘柄の水準訂正をしていましたね。まだまだ、割安銘柄はゴロゴロしています。金融相場の銘柄群と割安株物色、更には市況関連の好業績銘柄の物色が行われています。ハイビジョンなどで遅れていたデジタル時代はもう直ぐです。ITの新技術と生活が融合する過程に位置しているのでしょう。もう少しネットの活用など我々人間も慣れが必要でしょう。まだまだですね。パソコンが固まる現象など…この世界は、依然、改良の余地が高いのでしょう。だから変化が急で付いていくのが大変ですね。ジャバにフラッシュ…色んな手法があるようです。

今まで述べてきたように、日本は加速度的に進化し始めています。例えばライブドアの事件など氷山の一角なのでしょう。市場経済は可能性のあるところに資金を集める事で、人間生活をより豊かにさせる仕組みです。だから新技術などの開発や積極的な行動を取る経営者の下へ投資をすれば潤う可能性があるのです。ヤフーの成長を今更語る必要もないでしょう。

実際の経済がこのような環境下にあるわけなので、日経平均株価の下落局面を考えるのは言語道断です。今の中弛みはやがて羽ばたく下準備と捉えるのが正解なのでしょう。

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これは私自身の考え方です。投資にあたっては自己責任にてお願いします。

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