懸念材料(2005年04月16日)
嫌な気分の週末は日経報道のおかげで少し改善しました。最近の日経は、多少、気分が良くなってきたようで清貧思想が薄れつつあるようです。なにしろ「ソフトパッチ」だそうで「スタグフレーション」と言う言葉を使ってなかったですからね。ブッシュ大統領の苛立ちが人民元に向けられ、上院の動きを受けているようです。日本の農業政策不在のツケを払うためにオーストラリアとのFTAの見送りだとか…官僚の寄生虫人生の為に相変わらず政策不在の展開です。政策批判は兎も角、今日は株式市場の懸念材料を考えて見たいと思います。
アメリカ金利の行方
世界の基軸通貨のドルの流動性が細る懸念が出ている点です。これは非常に重要なんですね。基軸通貨の金利が現在2.75%となっており、4~4.5%と言うのが現在のコンセンサスなのでしょう。
株式市場は半年先を考えますから、かなり金利高は織り込まれていましたが、グリーンスパンの原油相場発言から、ヘッジファンドは原油高へのポジションを減らし始めたようで相場が落ち着きを取り戻しそうな展開ですね。故に5%を超える予測は実現性が乏しくなり流動性不足の懸念材料が薄れているようです。なにしろヘッジファンドの成績は悪いですからね。かろうじてプラス圏とは…情けない。日本の機関投資も資金配分を考え直すべきです。世界の流動性は若干減りますが、日本は相変わらずで、ようやく貸し出し姿勢に変化の兆しが見えます。
ハイテク懸念
日経新聞には期待減速観が載っていました。人間、一度、優雅な生活を覚えるとなかなか生活パターンと言うのは変わらないものです。消費が大きく減速するという観測は無用でしょう。2006年には欧米でもデジタル化の動きが加速します。日本でも光ファーバー配備の動きが加速していますね。このIRNETのデンが「Take IT Easy」のコーナーで「21世紀とともに始まったブロードバンド」と言うコラムを寄稿しています。ラストワンマイルの部分が解消されるわけです。
先日、かたるの住んでいるマンションも光ファーバー配備がされました。ようやくビデオ屋さんに行かなくても好きな映画が見られるようになります。(ただし契約本数が少ないみたいで品ぞろいはありませんが…)堀江さんにテレビ局の経営をやらせてみたかったですね。彼の提言する「ネットとテレビの融合」がどんな形で進展するか見たかった。残念です。彼自身、試行錯誤の世界でしょうが、少なくとも日枝氏より可能性が増すでしょう。これでまた10年、進化が遅れるかも…と心配です。
兎も角、新しいデジタル家電の流れは加速しています。技術進歩が新しい製品をどんどん生み出しているようですね。アップルのiPodなんか素敵ですね。昔はレコードだったのが…ウォークマンに変わり、MDからiPodですから…日本でもテレビ塔が建設されデジタル放送化が加速しますからベンチャー企業への資金提供が容易になり市場が整備され、加速している様子が窺えます。成熟企業は自社株買いをして市場への恩返し、ベンチャー企業が市場で資金調達をする。市場主義の良い流れが生まれつつあります。資金を得たベンチャーは新しい文化を築くでしょう。
その意味で引き分けと言うか…大成功を収めたライブドアの今後の資金活用が注目されます。読売新聞によるこの記事は良い選択でしょう。堀江氏は株主の要求に応えるように1500億円程度の資金を活用して欲しいものです。一つ要望があります。利益を得るのではなく文化を築く精神を持って選択して欲しいのです。国民の利益を考える事を…野望のなかにもロマンがなくては意味がありません。ヤフーなど追うのではなく、新しい発想で自ら築くのです。雪山をラッセルする精神ですね。頑張って欲しい。
中国懸念
正直に言えば厄介な問題です。どうも湖錦濤政権は共産主義者精神のように感じられます。だから揺り戻しが始まっているようにも見えます。市場で一番の懸念材料は暴動とか対日批判とか言う民衆の動きより、指導部の精神構造が問題です。目に見えるテロなど恐くありませんが、「反国家分裂法」などの一連の流れが恐いですね。ただ市場の懸念は今のところデモの動きから不買運動までで、これはかなりの部分が織り込まれつつあるようで、まもなく峠を越すでしょう。自由経済の味を思えた民衆の心を閉じ込める事は出来ないから、過剰な心配は無用でしょうが…多少懸念はあります。
日本の反応
中国の行動を受けた日本のマスコミの対応の仕方が恐いですね。過去にマスコミは重大なミスを何度か犯しています。テレ朝の久米宏が日本の10年を奪ったと言っても過言ではないでしょう。住専処理の時に彼は声高に連日、公的資金投入の矛盾を叫んでいました。短絡的に考えるとあの通りなのですが、実は深い事実を持っていたのを無知の為に知らなかったのですね。世論をあのような形で誘導した為に考える力のない民衆は、公的資金投入に対し反対運動を繰り広げたのです。その為に、政治家は日本の行く末を心配しても、反対を押し切って公的資金投入ができなかったので、傷口がどんどん広がったのです。最初は小さな傷が化膿し全体に広がったのは報道機関のコメントの所為でしょう。
60年前の歴史認識問題は誠実に対応しなくてはなりません。先人のなした罪を僕らが償うのはおかしな論点のような気もします。だから不満もありますよ。しかしドイツの行動を見ると日本の態度は傲慢にも映りますね。戦後補償でなく問題をすり替えて経済援助ですからね。外務省のこの方針は正しかったのかな?この問題の結論は僕自身出ていませんが、日本人の水に流す精神と言うか…「あいまいな笑い」の文化と言うか…この島国根性は外人には分かり辛いでしょうね。関東軍の辻少尉が何故、復活するのか?不思議な歴史観がそこに存在します。全て一連の流れの中で存在するように感じます。
上手く読者には伝わらないかな?詳しく説明するスペースもないし…
ただ相場はここまでは読まないでしょう。おそらく表面的な存在を織り込めば終わりなのでしょうね。業績は悪くないですからね。住金は一株利益が20円ですね。何故、みずほが休むのか?市場に流動性不足が生じ、薔薇色相場が見えないのでしょうね。まだまだ天井は高いですから心配する事もないし、ゆとりがあれば買えば良いのです。読者から二つほどのメールを公開し、明日また続きを書きましょう。
こんばんわ。いつも アイア-ルネット読ませて頂きありがとうございます。わたしは、有料株価情報を2~3購読しておりますが、情報通り売買しても、結局マイナスになります。最近解ったのですが、我々有料購読者は本尊を成功させるための手下でしかないのです。時には儲けられるが、いざとなれば、見捨てられ、犠牲になって大損するのです。正に、訴えたい気持ちです。今まで5年程 有料で、情報を得ましたが、今日、過去の損得を調べた結果、有料情報に5年で、約100万円払いましたが、結果マイナス265万円でした。それに対し、かたるさんのホ-ムペ-ジに従い売買の結果は、なんとプラス750万円でした。詳しくは、みずほ、双日でずいぶん儲けさせていただきました。ありがとうございます。今現在も双日買ってますが、下がったら、現受けするつもりです。 いつの日にか、かたるさんの客としていただける日を心待ちしています。
ありがとう。ご支持を頂いて…でもね、かたるだって将来のことは分かりません。たまたま相場環境が良かったので儲けられただけなのです。他人の意見など鵜呑みにせずに自分なりに考え納得した投資をしてくださいね。その成果は僕の成果ではなく、あなたの選択の結果なのです。かたるは精一杯皆さんを応援します。
かたる様
毎日拝見し、かたる様の相場観にしたがって売買してます。時々のニュースに対する見識にはいつも関心させられますが、年に何度かある暴落時における、かたる様のいいかげんな態度にも関心させられます。
双日とみずほの底値、日柄についての相場観を是非土日にお願いします。私は、そこで大買い増しします。
あるいは、双日は切って、みずほ1本にします。みずほはボラティリティ高いと考えてよいですよね。
いい加減か…そうかもしれないね。株に対する姿勢が違いますからね。株なんて下がったら買っていけば必ず儲かるのです。ただし倒産しなければですが…そんなもんなのですよ。儲けようなどと考えず、のんびりした投資をかたるは推奨しているのです。だからディートレなどは否定的です。株式市場を通じて日本を変えたいと願っているだけです。儲けなど副産物でしかない…と思っているのです。僕自身、下値は分からないし、上値も分からない。だから自分で考え投資するしかないでしょうね。
長年の改革に耐え、業績の良い日本の企業がへこたれませんね。他に懸念材料が今の市場にあるでしょうか?参考になりますので、あると思う方はメールをくださいね。じゃ、また明日。