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景色(2005年06月11日)
どうだろう?
株の世界には色んな景色があり、ドラマがあるのだけれど、皆さんは、その見えない景色が見えるのでしょうか? 自分の持っている会社の株価が、何故、上ったり下がったりしているのか考えた事がありますか? 単に投資した会社の業績や個別の材料で動いていると思うのは早計ですね。更に、自分の知りえる範囲だけで、簡単に結論を下さないことです。影に色んな理由が存在することがありますからね。
多くの人が誤解をするのがこの点でしょう。
同じ一株利益でも継続的な性質のものか? 一時的な性質のものかにより、PERの価値が大きく違うのです。何故、くどいくらいにアメリカ金利の行方を、かたるが気にする記事を書くのか、考えた事がありますか?
その背後には、銘柄の選択肢が大きく変る背景があるのですね。
仮にアメリカの景気が好調で、ドンドン金利が上り続けるとすれば、輸出関連などのハイテク株式を中心に、銘柄選択をすれば良いのです。何故なら、ドル金利が高くなり円安気味になり(金利平価説)、景気好調によりアメリカの消費が増えますから、輸出関連の多いハイテクなどが伸びると考えられるからですね。
一方、アメリカ景気はやがて悪くなり、金融姿勢のスタンスを中立に移したとすれば、どうでしょうか? 金利の打ち止め感は、金融緩和姿勢への第一歩であります。金利が安くなるとワールドダラーが増えます。(6/8の今日の市況)だから、ドルの調達コストが下がりますから、事業投資が活発化し経済成長の伸び率の大きな新興国にお金が流れ、それらの国々は人口が多いので、一次産品のコストが上ります。GDPの発射台が低いほど変化率は高くなり、消費が刺激を受けますからね。即ち、ハイテク株より市況関連の会社の方が、利益が出やすくなります。
何故、鉄鋼株や海運株などの市況関連の会社がPERが低いのでしょう。それは鉄鋼相場や海運相場が一時的な現象だと市場が思っているからですね。市場は投資家皆さんの心です。しかし、この考えが可笑しいと誰も考えないのでしょうか?
何故、アドバンテストー6857の利益と新日鉄―5401の利益は違うのでしょう。
アドバンテストの前期の一株利益は389円今期予想は400円で株価は8210円。
一方、新日鉄の前期は32円で、今期予想は39円で、株価は260円です。
アドバンはPER20.5倍、新日鉄は6.6倍です。現時点のこの評価の違いは何処から来るのでしょうかね? 私にはさっぱり分かりません。アドバンが日経平均などの指数取引の代表銘柄で色んな組み合わせに用いられている現実は分かりますが…半導体の製造装置なんて市況産業と呼んでも差し支えないですよね。あの業績の変化を見れば、ずっと鉄鋼株の方が安定していますよ。
現在の市場の読みは間違っていますね。BRICsの台頭と言う意味を織り込んでいないと思います。日本は空前の金余り状態ですが、日本人の心理が、過去の歴史上の中で比較してかなり冷え込んでいますね。そこに空前のITブーム、産業革命に匹敵するユビキタス社会が到来しています。しかも重要なのは人口の多い新興国が爆発的な変化点を迎えているのです。人口1億の日本と違いますね。ブラジルが1億67百万、ロシアが1億45百万、インドが10億2百万、中国は12億75百万(2000年時点)
分かりますかね。新日鉄を買って置けば儲かるでしょうね。ハイテクなんか…もっと先でしょう。先ずは道路や鉄道、橋などのインフレ整備が先でしょう。日本の昭和20年代後半から30年代を考えれば良いですね。かたるが、未だに金融相場のイメージしているのは様々な理由があるのです。アメリカは長い低迷を抜け出し、ここ十数年かなりの成長を示してきましたね。走れば疲れるのが自然でしょう。何故、日本は長い時間、低迷したのでしょう?
色んな原因を言われていますが、何故か自然な現象のようにも感じるのです。大蔵官僚のご指導の下で、奇跡の復興を成し遂げたのです。その咎めがあっても不思議ではありません。走れば休む、休めばエネルギーが蓄えられる。相場のスケールが違うのです。あのバブル時代に、1000円以下の株価が消えた38915円は、何故か、前夜祭のような気もしてくるのです。歴史の流れは面白いですね。相場の景色が見えますか?