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問題は自分の心の変化(2005年07月16日)
相場の方向性は混沌としている様子です。目立ちませんが松下、キャノンなど、わが国を代表とする国際優良株が新高値を追っています。この事は世界の株式が強くなり出遅れ感が強くなった日本市場に、海外からこぼれた資金が流入しこれらの株式を買っているのでしょう。一方、銀行の窓口販売では投資信託を販売していますが、主流は債券投資です。この感覚の「配当利回り投信」が、野村などでは販売停止に追い込まれるほど好調な販売状況だったようです。この事実はデリバティブを駆使し、元本保証の株式投信なら、かなりの額が売れることを意味しているのでしょう。たぶん、この冬のボーナスシーズンはこの手の株式投信が開発されるでしょう。
この二つの流れを見ると、歯痒さを感じますが、徐々に株式に対する認識が変わり始めているのでしょう。日本生命、ミレアHDなどのわが国を代表とする機関投資家は、依然、株式運用に慎重な態度を取り続けている様子です。これらの保守的な投資家が積極姿勢に変る為には、債券金利の上昇が必要条件になり、なにかしら追い込まれる環境が必要なのでしょう。日銀内でも意見が分かれ始めており、普通に考えると来春に変化が起こるスピードでしょうか?
外人投資家の投資姿勢の鈍りは、TOBに絡む日本企業の姿勢があるように思えます。「村社会」から、「会社社会」に移行した「なごり」が、まだ、国民感情に残っているのでしょう。その団塊の世代は、時代の流れで2007年から退職組みになります。松下などの株価推移を見ると、それほど深刻に考える必要もないのでしょう。外人投資家と共に活躍セクターの個人投資家は一部の買い煽り勢力に便乗し、本質を欠いた姿勢が続いています。株式投資の醍醐味を理解できない種族はいつも時代にもいます。
過去に時代を席巻した「誠備」と言う投資グループの存在は何を市場に残したのでしょう。宮地鉄鋼の社員はどうなったのでしょう。投資グループの会員の末路はどうでしょうか?歴史を見れば欲だけで動いた、目先的な行動は、時代に足跡を残したのでしょうか? 何も残さない投資家の心を煽る行動に意味があったのか考えさせられます。
市場での行動は自由ですが、株式市場への投下資本は、新しい時代を創る肥やしにならなくてはならないでしょう。ネット投資家を育てた意味は松井証券などにあるでしょうが、単に手数料だけに照準を絞った競争より、別の経営の仕方が社会に貢献するのではないでしょうか? 経営者は常に先ずは商売ですが、その商売を支えるポリシーを伝えなくてはならないのではないでしょうか?
道路公団の「天の声」はまさに人間の醜い部分をさらけ出した行動ですね。「かたるの本」で述べている仕組み社会の元凶は、官僚などの役人組織です。社会のダニであるこれらの人はよく考えるべきです。金融庁がたびたび批判されている原因を幹部職員は認識しているのでしょうか? 権力を使う側は個人的な感情に溺れずに、慎重な行動姿勢が求められるのでしょう。おごりが役人には生まれやすいのです。不正が働かないキャッシュレス社会の構築が求められるわけです。
さて、相場の最大の焦点は夏相場の行方でしょう。
個人投資家は、多少、痛みを回復している様子です。かたるのお客様の推移を見ると4月、5月、6月とやられ続けましたが、7月は5月、6月のやられを取り戻しました。しかし4月分の損失は大きく、回復には時間が掛かりそうです。通常、景気回復が確認され相場が上昇してくると、再生銘柄の出遅れ感が目立つものです。双日は早くも信用規制解除になったようです。このような規制から解除までの不可解な行動は、取引所の裁量権なのでしょう。野村の姿勢は、なにを考えているのか?
しかし、この15年の歳月の間に証券マンも小粒な集まりばかりになりましたね。私が新人の頃は、大手証券の役員がオイルマネーを導入する為に、何度もアラブに行ったように記憶しています。やっているのでしょうが、目立った成果をあげられないということは、質が低下したのでしょう。金融庁に文句を言えばUFJのような末路を遂げる社会が人間の質を変えているのでしょう。悲しい現実です。多少の出っ張りを認めないと社会に潤いがなくなります。画一化教育の弊害をよく認識すべきですね。
郵政民営化に絡む解散総選挙、6カ国協議再開、色んな材料は常にあるのです。清貧思想の悪い所は行動を縛ることですね。常に挑戦なのです。挑むことを忘れれば、進歩はないのです。15年も歳月をかけ、多くの方が犠牲になり、構造転換してきた日本市場は、まだまだ始まったばかりの初期波動段階なのです。この歴史的な認識を確り持てば、株が鮮明な上昇波動を描く道筋が見えてくるのでしょう。
最後の上昇相場に挑む銀行株でも良いし、下値を彷徨う国際優良株のソニーでも良い。なんでも銘柄など良いのです。長期に上昇波動を描く銘柄に標準を合わせ、果敢に挑めば良いのです。大きな流れの方向性は変わりません。変化するのは自分自身に、自信が持てない自分の心の弱さなのです。
残念ながら、明日はお休みさせて頂きます。休日の月曜日はコラムを書く予定です。これから「かたるクラブ」でチャットの感想を書く予定です。