高値安定へ(2005年08月27日)
上記掲載の主力3銘柄を見てみると、どの株式も短期的に乖離率が高く調整を余儀なくされるように感じられます。決して、悪いわけではなく株が下がるとも思っていませんが、株には必ずスピード調整は付き物なのです。株価が上がったことを周囲に知らしめる時間が必要で、その作業を省くと後で調整を強いられるのです。この調整過程には時間調整と値幅調整があります。もっと上がるだろうと思っている人が、株を売らずに居たら、その人がやはりこれが限度かな?と思わせる作業が乖離調整ですね。何も市場の参加者は短期の値幅ばかりを追っている投資家ではないのです。
一番手(最初に上がったグループ)を利食いした資金が二番手の銘柄に向かい、やがて三番手銘柄に波及します。そうして物色の輪を広げていく。まさに理想的な循環物色作業が市場で行われていくのです。商社の三菱商事は現在お休み、代わって野村の転換売りで休んでいた双日が物色の対象になる。やがて双日も何処かの時点で休むでしょう。そうしたら、またもっと小さな会社に波及し、循環物色が一巡するとまた一番手の物色に戻り、この作業が継続し相場が形成されていく。大型株から中型、小型への流れが市場には存在します。
この乖離調整の時間はどのくらい掛かるのかケース・バイ・ケースで出来高推移によります。今のような20億株の出来高が続くようであれば、調整は短期で済むでしょうが、出来高が落ちて10億株に戻るようだと調整が長引く可能性もあります。次の焦点は総選挙になるのでしょうね。しかし選挙の結果如何に拘らず、株価の堅調さは変らないでしょう。日経新聞などを読んでいると需給動向などが気になる人が居るかもしれませんが、そんな小さなスケールの話ではないのです。
1985年のプラザ合意からはじまり、BIS規制、IASと言う日本のグローバル改革は2003年の金融改革で一定の評価を得て流れが転換したのです。実に20年近い歳月が使われ国民感情の変化を生みました。ここが重要なのですね。即ち体制が転換したのです。鈴木宗雄、亀井静香などの村社会政治家が排除される風潮が新しい時代を創っているのです。今度の総選挙である二大政党化体制が日本の変化の象徴、だから外人投資家は選挙の結果を待つのでなく、買いに走ったのでしょう。
今回の買いはおそらくオイルマネーでしょう。この買いは長く続く可能性があります。イスラムを豊かにすれば、世界からテロ行為がなくなります。イスラム教徒の数は多く世界のおよそ20%を占めます。この地域のグローバル化なくして世界経済の発展がないのでしょう。だからイラクへの侵攻が背景にあったのだと思います。そのイラクへの投資資本の回収を図るために石油価格の高値安定が欠かせない。原油価格はこれ以上大きく上がらないと思いますが、下がりもしないでしょう。何故そう思うかといえば、既にインドネシアは原油高の弊害を受け始めています。限度が近づいていますね。
私は以前言いました。原油高の懸念は先進諸国にあるのではなく、新興国にあると…何れ中国なども表面化はしてませんが深刻な状況でしょう。だから原油価格がこれ以上、上がる道理がなくなります。しかしイラクの復興はこれからですから、簡単に原油価格は下がらない。故にオイルマネーは膨らみ、日本への外人投資は続くのだろうというのが私の基本的な見方です。だから日経新聞が外人売りはどうのこうの…と市場人気を増幅させる記事など論外の話しなのです。
アメリカ金利の上昇は年内までぐらいでしょう。やがて資源価格へのパイプは細り安定を迎えるでしょうね。インドネシアの報道は重要なシグナルですね。相場観の形成は様々な要素を加味しながら形成されていくのです。個別株の動向などたいした問題でもありませんし、全体のエネルギーの行方を考え景気循環を考え、銘柄を物色すれば良いのです。来年、日本の銀行は公的資金返済を終えます。このことは非常に重要なのです。第二ロケットエンジンに点火されるのです。日経平均株価が下がるような錯覚を感じないほうが良いですね。空売りをするのは馬鹿ばかり…