ダム理論(2005年08月20日)
相場の力強さが分かるのは大型株の活躍です。大資本の株式が軒並み新高値を更新しています。ダム理論と言うのはどの世界でも通用します。基本的に先頭を行くものが恩恵を被れば、その勢いは次に2番手、3番手と広がりを見せてゆくものなのです。昨日の相場はみずほHDが新高値を更新しました。同じように大型資本の新日鉄は予てから申し上げているように、やはり新値を追っています。何もこの2銘柄だけではありませんね。旬の時期が違うトヨタなども新値圏内です。まさに外人投資家は代表的な日本株を買っているのです。
明らかに金融相場の延長線上を歩んでいることは、昨日の売買代金ランキングに表れています。三大銀行が1位から3位までも独占しています。ただグローバル化の進展によって昔のように明確な景気循環を意識した循環買いが見られなくなりつつありますね。景気回復は再建銘柄の足取りを強くします。その意味で優先株の消却を発表した長谷工は売り圧力の軽減から水準訂正をしております。ここが重要なのです。景気回復が強くなると再建計画以上に再建が確かな環境が出来るのです。
私が双日を選ぶかダイエーを選ぶか悩みましたが、商社の方が好業績を維持できると踏んで双日を選びました。しかし最近ダイエーも上がってきていますね。産業再生機構に利益を搾取されたので本来の値動きは期待できないでしょうが、そこそこの動きになるでしょう。設備投資から消費への流れにも乗りますからね。この景気循環の考え方を、しっかり頭に叩き込んで置いて下さいね。金利が下がり銀行などの金融株が上がるのです。当然、他の金融株も追い風です。商社も旬の時期を迎えます。
最初は公共事業投資などが景気の呼び水になります。そうして力を付けた経済は、設備投資に走るのです。やがて景気は本格的な回復期を迎え、消費が景気を押し上げるのです。今回は公共投資ではなく、グローバル経済の市場経済革命と言うべき中国のなどの成長が景気回復の呼び水になりましたね。そうして設備投資は過去に類のないくらいに大きな規模のスケールで広がりを見せています。だから建設機械や工作機械株などが賑わっています。企業業績は好調になり、やがて増産体制に入ります。そうして人員確保が難しくなってきて人件費が上がります。勿論、今の時期は残業などが増えている会社も多いでしょう。収入が増えますから、消費が増える段階をこれから迎えます。
実際の経済も株式市場も同じ理屈なのです。銀行株などの大型株が上がると、そこに投資していた投資家は利益を手にして次々に物色の輪を広げていきます。スケールが大きな相場が持続するのです。ダムから零れ落ちる水は、やがて全ての産業を潤すのです。大型株が乱舞するような時期に、何故、空売りをするのでしょう? 次々に新規の投資家は出現するのです。だから多少の高値を買っても業績動向さえ無視していなければ、株はまた高値を更新するのです。こうして株式市場は好循環物色を続けるのです。金利がまだ1%台です。空前の好環境下に、僕らはチャンスを貰っているのです。株式市場には景気循環の流れに伴って四季があります。その季節認識をしっかりとイメージして銘柄選択をしていけば、誰よりも効率的に儲けることが可能になるのでしょう。スイカは、冬、食べるものではなく、やはり暑い夏に食べるからおいしいのです。