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継続する勇気(2005年09月17日)
いよいよ誰の目にもハッキリとしてきた改革の嵐の時代がやってきました。株式市場の好調さはその証。本日の日経新聞には損益分岐点がさがり、利益が膨らむ構造が書かれています。一方、官僚社会主義の象徴である公務員宿舎などの家賃の低さを問題にするレポートが文藝春秋(月刊)に載っていました。財務省の監督下にある国税当局は民間家賃30万円から40万円の宿舎を利用しているキャリア公務員に対し、所得補填と認定せずに5万円から7万円ほどの自己負担で入居させている矛盾は、既に民間企業ではなくなりつつあります。社会厚生費は多くの会社で削られました。そのような努力の影で損益分岐点が下がり収益の改善努力をしてきたから株価が新高値を迎えているのです。
一方、この流れはこれから加速する自覚をどれくらいの人がお持ちなのでしょう? 昔なら好業績になればボーナスも増え、多少の経費を使えると思っている人は、新しい時代についていけなくなります。だんだん、年功序列の壁はなくなり実績給が加速するのでしょう。企業は好業績でも改善の努力は続き、更なる収益を求めるようになるのでしょう。現場の流れについていく為に、個人でパソコンの講座や英会話などの勉強をする人が更に増えることでしょう。社内の会議は英語が標準になり、英語を理解しないと既にグローバル企業では昇進も出来ません。経済を知らないと社内の会議にも付いてこれない。こんな時代になったのです。
IT化の進展は証券市場に大きな変革を強いました。手数料の引き下げによりプロと素人の垣根が低くなり、本物の時代がやってきたのです。各省庁が発信する統計資料はネットにより簡単に手に入れることが出来るようになり、相場観の組み立てはアナリストのレポートを読まなくても、ある程度、予想できるようになりました。その半面、ストレートに理解できるものと、出来ないものの差が更に広がるようにもなってきています。昔なら手作業でしていた銘柄検索作業をコンピュータが簡単にやってくれます。良い時代になりましたね。その反面、その資料の使い方を知るものと、知らない人間の格差が開くようにもなっています。だから、前にもまして勉強しなくてはならなくなりました。
新しい時代は誰にでも平等にチャンスがあり、誰でも公正に裁かれるのです。だからこそ日々の研鑽が欠かせない時代になったのでしょうね。この自覚がないと年収がドンドン落ちるのです。昔なら会社に出るだけで実績も残さないのに、毎年、給料は上がり続けました。今でも多くの会社ではこの範疇にあります。しかしグッドウィルやパソナなどの人材派遣会社はドンドン成長しています。あなたのキャリアを上回る人間を安く提供する時代になっているのです。この現象は人間の(労働力)の二極化現象を加速させ、力ある人の希少価値を際立たせます。ごく一部の人間の年収が更に上がり、多くの人間の低所得化が促進されます。早い話、努力しない人は中国人の所得に置き換わるのです。
さて、あたらしい時代の株式市場も二極化の動きが出るのではないでしょうか?伸びる企業はドンドンM&Aを繰り返し、市場シェアを上げ利益を独占していくが、努力を怠った企業はドンドン食われる側になる。金融庁の時代を読み違ったUFJは三菱に吸収されました。あれは象徴的でしたね。IT化は地域差をなくし、時間差をなくします。SEなどの単純作業の商売はやがてインドの技術者に置き変るのでしょう。労働力のコストパフォーマンスを効率化しなければ他社に負けますからね。時代の変化と共に、更に自己研鑽を積み重ねないといけませんね。
来週の相場は年休の谷間ですが、あまり関係ありませんね。自民党が圧勝した事により、よりスピーディーな対応が求められます。何故なら、言い訳が通じない数字を獲得したからです。実績が求められます。株式市場は結果が全てです。証券マンは最低2割の実績を確保しなければお客様に切られるのでしょう。良い銘柄に投資しておれば、やがて順番はやってきます。多くの人が株式投資で失敗をするのは「我慢」ができないからです。1年も2年も持っていて、やっと順番が来たのに、やれやれで売ってしまう愚かさは避けるべきでしょう。むかし、かたるは日揮で同じ失敗をしました。今度は市場が確実に認知するまで継続する勇気を持ち続けようと思っています。