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乖離調整(2005年10月15日)
上のチャートを見ると分かりますが、株式には乖離調整と言うのが必ずあります。この乖離調整とは、移動平均線と株価の離れ度合いが広がると、当然、過去に株式を買い付けた投資家が儲かるわけで、過去に買い付けた投資家が利食いをするので、その進行度合いを示すものと判断して差し支えないでしょう。ご覧頂くと分かりますが住金の場合、25日移動平均線に一度も触れずに上昇しています。よって、未だに利食い玉を抱えた方がかなりいる状況が窺えます。
一方、みずほは一度タッチしており、住金に比べれば乖離度合いが低いといえます。同じように鉄鋼、銀行に次ぐ主役の商社の三菱商事もマズマズの進行度合いのようです。住金は25日線の9.9%の乖離で、75日線では47.7%の乖離にあります。同じようにみずほでは5.8%、23.9%の乖離で三菱商事では3.9%、20.1%の乖離度合いです。この乖離度合いを測定する目安は、全体の市況状況によります。相場が強ければ25日移動平均線で再び反発するケースもありますが、長い上昇を伴なった場合は何処かで26週平均と言う長い調整を強いられる場合もあります。因みに住金の場合、13週線は283円で26週線は235円です。かなり乖離が開いていると言えるわけです。
10月後半の相場をどうみるか?
機関投資家は売買動向を見ると今のところ売っているようです。しかし事業法人は自社株買いがなどが盛んのようですね。代表的なのは大手鉄鋼の持ち合い株など…大手企業の借金返済はほぼ終わり溢れるマネーが自社株買いなどに繋がっているようです。その意味では村上ファンドや楽天の活躍が経営者の心理を刺激しているのでしょう。弱気なのは日本の機関投資家です。ここに来て銀行の貸し出し状況を見ると、ようやくプラス圏が見えてきたようで日銀の量的緩和政策が効きやすくなってきました。地価が反転し、ようやく正常な経済活動の兆しが見えてきたのでしょう。
PER10倍と言う水準は、10年間現状の業績で推移すれば、投下資本が回収できる水準です。企業の寿命は30年と言われPER30倍の評価でも、なんら問題はないのでしょう。事実、過去の日本ではかなりの高PER状態が続いた例があります。日本の置かれた環境は新たに市場経済に参入した20億人規模の需要が後押ししています。10億人の市場経済からベルリンの壁崩壊により、東西冷戦が消滅しグローバル経済が誕生しました。国際会計基準など環境も整備され世界の市場は一つなのです。優秀な日本民族が官僚社会主義の呪縛から解かれ世界に羽ばたく歴史的なスタート台に立った相場なのです。
この認識が今の日本の仕組み経済の支配層にはなかなか理解されないようです。村上ファンドや楽天を奇異に感じ報道されている現状は、日本の社会が過渡期にある表れでしょう。やがて日本も当たり前のようにM&Aが起こり、効率化社会のスピードを上げることでしょう。鉄鋼株のPERは10倍程度なのです。時価総額を利用し韓国の鉄鋼会社や中国の会社を買収する時代が来ても不思議ではないでしょう。ルノーが日産自動車を傘下に入れたのです。よくこの辺の認識を噛み締めて投資に望むべきでしょう。
新生日本の相場はスタート台に立ったばかりなのです。来年に銀行の公的資金返済がほぼ完了し、金融界が日本の成長の後押しをします。お金の流れが経済活動を刺激するのです。今はアクティブな外国資本の流入が日本の経済を支える片肺飛行ですが、来年になると日本の銀行が積極姿勢に変わります。今日の日経新聞のヘッジファンド設立のみずほの記事などほんの走りの一現象です。ひるまずに強気を貫く投資態度が、成果に結び付くものと考えます。
あとで「かたるクラブ」を更新します。