今日の市況(2007年10月15日)
かたる:NY市場は高値保ち合いの印象で…月末のFOMCに絡み神経質な動きが続くのでしょう。既にアメリカ景気の減速は確認されており、この度合いが注目されるわけで市場主義のアメリカとしては経済成長を続けることが命題になっているのです。さて、ビスタニュースで取り上げた貿易統計では、既に総額ではアメリカより中国との関連が強くなった日本ですが、輸出では、依然、アメリカの方が多いのですが、既に時間の問題になっているようです。(最終項は上期のみの数字)
この中国では、現在、5年に1回の中国共産党大会が開かれています。歴代のトップは毛沢東(主席)、華国鋒(主席)、胡耀邦(主席→総書記)、趙紫陽(総書記)、江沢民(総書記)、胡錦濤(総書記)となっています。中国の政治は9名の中国共産党中央政治局常務委員が実質的な権限を有しており、今大会で改選されるメンバーが注目されるとか…。報道によれば前総書記の江沢民は、依然、権力を保持していると言われていますね。
この大会の中で胡錦濤総書記の活動報告で、貧困や環境の問題に配慮しながら持続的な経済成長を目指す「科学的発展観」に基づき政策を運営していく方針を強調したそうです。経済成長を優先した結果、深刻になった環境汚染や格差拡大などのひずみを解消し、調和のとれた社会の実現を目指すとも述べ環境に配慮を示しています。また重要な事は一人当たり国内総生産(GDP)を20020年までに2000年の4倍に増やすとの発展目標も掲げたそうで、2000年はおよそ1000ドルですから、4倍と言うことは4000ドルを目標にするとの事です。あぁ、ずいぶん日本と違うね。福田さんもGDPを増やすことを言えば良いのに…トホホ。
上海では約7600ドルですからね。この数字で2億円のマンションがどんどん売れるのだそうです。中国の2006年のGDPはおよそ330兆円です。しかし株式の時価総額(香港も合わ)は700兆円を越えました。勢いのある国はすごいですね。池田勇人の所得倍増論ではなく4倍ですからね。この発言を受け上海総合指数は6000ポイントを上回りました。預金準備率を引き上げましたが、中国株の勢いは止まりません。
トロ:やはり素材や社会整備関連だろうね。注目している建設機械の日立建機も、もう直ぐ新高値だね。今日は相変わらず、商社に資源、海運、化学などが高いよ。まもなく中間決算が発表されるから、これらのBRICs関連銘柄の新高値が何処まで伸びるかだね。
時代や:むぅ…やはり株は業績だからね。BRICs銘柄は勢いがあるね。
かたる:お前は調子がいいな。先日は新興株に勢いが出てきたと言っていたのに…。今日はBRICs関連銘柄か…。まぁ、証券マンはそんなもんだよね。失敗した銘柄など忘れて常に新しい新高値銘柄だから…
神主さん:でも先日の出来高も、売買代金も一時的な現象のようで…今日は伸び悩んでいる印象だったね。
かたる:確かに…売買代金一位こそソフトバンクだったけれど、2番目のトヨタ、3番目のみずほは、共に株価が下がっていたね。
トロ:かたるは市況関連を嫌うけれど、海運株は軒並み新高値更新だよ。バルチック海運株指数は強く、直ぐに急落はしないから、起きもしない懸念を先取りするのはどうかね?
かたる:市況関連の株は非常に恐いよ。ニッケルなどの市況を見てみれば良いよ。海運株も現在の上げかたは、常識を考えるとおかしいね。まぁ、いつまで続くか…
トロ:転ばぬ先の杖を持ち歩き、警戒するのは良いけれど、中国のGDP4倍説を宣言するのだから…まだ、まだ大丈夫だよ。
かたる:あれは…、既に、昨年は2000ドルだからね。まぁ、池田勇人の所得倍増論の真似だね。確かに、更に成長を続ける事になれば、BRICs関連も有望だよね。しかしそろそろおなじBRICs関連でも変化するんじゃないのかな?
時代や:別なBRICs関連と言うのがあるの?
かたる:景気循環を考えれば分かりやすいよ。基本的な社会基盤の整備が終れば、次に目指すのは耐久消費財に向かう段階じゃないのかな? 日本にもあったね。三種の神器とよばれる時代が…テレビに冷蔵庫に洗濯機から、今は車に、クーラー、薄型テレビかな?
トロ:中国は広いからね。どうかな? そんな先のことを考えなくても…。株式市場は、どっち道、目先で動くからね。好業績になるのは分かるわけだから…
かたる:僕は、僕の道を行くよ。一番人気のソフトバンクは粘り腰だったね。やはり、アリババの評価を、株は感じるんじゃないの。Baiduの時価総額は109億ドルだからね。楽しみだね。ヤフーに続く新高値銘柄の候補として、このソフトバンクや楽天が新値に踊り出れば、新興株相場に厚みがますよ。
時代や:100億ドルと言うことは…117円で1兆2753億円…そんなに大きいの?
かたる:日本のヤフーは3兆円ほどだからね。そんなもんでしょう。
神主さん:難しいね。業績推移から行けば、やはりBRICs銘柄だよね。しかし気になるのは、やはりトヨタなどの国際優良株の下落だね。一体、誰が売っているのかな?
かたる:機関投資家じゃないの? 基本的に自動車の利益はアメリカで生まれているよ。そのアメリカ経済が減速しているわけで、車だけ例外と言う訳には行かないね。僕は今日も分かるように、出来高のボリュームが足りないから強気になれないよ。BRICs関連は、充分評価しているよ。だって、新日鐵がPER16倍だよ。
トロ:お前だって知っているじゃないの。基本的に中国への鉄鋼製品の輸出は伸びているよ。それに付加価値の高い車用の薄板鋼板の需要は、どんどん伸びるよ。
かたる:まぁ、意見が割れる所だね。僕は充分評価していると思うし、お前は新興国の伸びは、まだまだ続くと思っているし…。しかし原理を考えてみれば分かるよ。自国の需要は国内企業で賄うはずだよ。何も輸入までしなくても…故に鉄も建設機械も、まもなく…
例えば船舶を考えれば簡単だね。現在は急激な中国をはじめとするBRICs需要により資源が足りずに、需要が膨らんで資源輸出国の港湾設備などが充分でないね。故に拡張や更新の設備投資が行われているよ。現在は荷揚げ待ちの船舶が、港に1ヶ月も待たされているという。更に船舶の新規発注は大量に行われ…この供給力はこれからどんどん増えてくるからね。やはりバルチック海運指数の急騰は、急落に繋がると思うよ。一度、市況がお辞儀したら大変だよ。株価はあっという間に半値だろうね。恐い話だよ。ババ抜き合戦さ。
トロ:だから理屈は分かるが、市況は1万が2万になるかもしれないよ。何処が天井か、分からないよ。故に、起こってから考えれば良いのさ。心配性だね。強気のかたるが、臆病かぜか…ハハハ
かたる:なんとでも言えば良いよ。僕は選別が進む新興株に注力するよ。
投稿者 kataru : 2007年10月15日 18:32