未来かたる・時代や・トロ・神主さんの

今日の市況

今日の市況(2007年10月18日)

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かたる:NY市場は小動きの様子でハイテク株が強かったようですね。週末にG7が開かれサブプライム問題が話し合われるようです。ドイツが強硬にヘッジファンド規制など主張している様子でSWF(国家ファンド)の投資戦略の透明性なども話題に上る様子です。まさに投資は経済戦争の様子と言う見方は過言でしょうか? 日本にも膨大な外貨準備高が眠っているわけで、このような資金を効率的に運用しようとしているわけです。一番大きなのは中東などの産油国ですが、ノルウェー、ロシアなども運用しています。ここに来て話題になっているのは中国の戦略ですね。

時代や:SWFか…たしか中東などは、石油資源がなくなった時、国民が豊かな生活を確保できるように石油を売った資金で運用を始めたんだね。

かたる:うん。最近ではドバイのケースのように関税をなくし、貿易の自由化、金融、流通、観光を軸に交流によるビジネスで収益をあげようとして積極的に開発が進んでいるようだね。まぁ、香港の中東版かな? このドバイの成功例を見て、資産運用だけではなく直接投資を始めた中東資金が「イスラム金融」と呼ばれ、市場で注目され始めているね。

神主さん:しかし、何故、ドイツはヘッジファンド規制に拘るのかね?

かたる:もともと、ドイツは日本と同じような感覚なんだね。イギリスやアメリカのように金融を操るより、実物経済で頑張るタイプだよ。前からヘッジファンドによる行動には批判があったけれど、今回、ドイツはサブプライムで大きな損失を被っているね。実物経済では勝者なのに、金融では敗者になっている。日本と同じ構造だね。まぁ、日本政府の根底は、明治創設時にドイツの仕組みを基本としているからね。当たり前だけれど…

神主さん:野村證券のサブプライムの損失が総額で1456億円と大きかったけれど…他の金融機関はもっとあるらしいね。

かたる:そうらしいね。日経金融新聞によれば、野村證券のRMBCの引き受け額は61億11百万ドルだって…1ドル=117円とすれば、引き受け額の円換算では約7149億円だね。なんと損失額20.4%だね。この比率で計算すると、上位の銀行は兆円単位の損失額になるね。トップのベアー・スターンズは937億22百万ドルの引き受けだから、20.4%で191億19百万ドルになるよ。邦貨換算で2兆2369億円になるよ。

トロ:計算違いしてない? 大変な額じゃないか…

かたる:勿論、野村證券は無理やり、安値を叩き売ったらしいが…損失が半分にしても大変な額で買い取れる所はないだろうね。故に大問題になっているんだね。でも背景には実物資産があるわけで、住宅事情が重要なキーワードになるだろうね。世界に名だたる銀行が総やられだが…実態は何処にあるのか? ハッキリしないよ。あまり気にする必要もないと思うが…やはり気になるかな。

因みに金融新聞によれば、リーマンが896億06百万ドル、RBSが892億66百万ドル、クレディーが616億、ドイツ銀行が586億、UBSが575億、GSが564億、バンク・オブ・アメリカが485億、そうして、度々話題に上るカントリーワイドが472億ドル、JPモルガンが459億ドル、シティーが445億ドルとなっているが、この数字はあくまで引き受け額だからね。手元に抱えているとは限らない。危ないものは切り離し証券化して売っている可能性もあるから…

時代や:いったい、何が言いたいんだよ。

かたる:サブプライム問題は証券化リスクに発展し、銀行のリスク許容度が減ってきたので、昨日書いたように三洋電機の半導体部門のLBO融資がストップしたりして、この問題は世界景気のブレーキ役になっていると言う話だよ。問題はこのような事実をどう考えるかにあるよ。よく、追証で株を安値で叩き売り行為に、野村證券の行為は似ているかもしれないね。あっという間に、元に戻ることもあるよ。アメリカ政府が保障を宣言しただけで、損失リスクはなくなるよ。だから過度の心配は要らないが、流動性が減っているという認識は必要だと思うね。

時代や:だから…相場にどう響くのさ。

かたる:一つは市場の小さな新興国へのリスクが取り辛くなる。だから市況関連株の動向は、要注意だね。更に大型資本の株式は資金が減るから、相場の形成が難しくなる。

トロ:勝手な推測だよ。現実は、原油価格は新高値、金も上がり続けているよ。

かたる:昨日、ムーディーズの格下げの話をしたよね。トリプルA債がジャンク債になるんだよ。価格はあっという間に、2割減は当たり前だよ。中には5割減になるものも…。今回のサブプライム問題は住宅だけでなく、証券化商品にリスクが拡大したことが大問題なんだね。まぁ、先ほども言ったけれど、過度に深刻になる必要はないが、方向性を確り捉えないと…

時代や:じゃ、どうなるのさ。まさか…

かたる:世界恐慌? そんな事はないよ。しかし処理を誤ると大変だね。昨日はインド株が大きく売られたそうだが…リスク許容度が低下しているんだろうね。安全資産へ逃避の動きがあるのかもしれないね。だから大型株は駄目。新興国の経済成長が鈍る可能性が捨てきれないから、BRICs関連株は売り対象なんだね。そうして少ない資金で株が上がる新興株が上がるのは道理に適っているよ。

トロ:目先の業績が悪い新興株が上がる道理がないよ。成長しているって言うが…特別損失など巨大だよ。それにPERはまだ高いよ。

かたる:新興株投資の場合、PSRと言う尺度はある意味で重要だね。売上高を基準に考えるんだね。時価総額と売上高が一致するポイントはPSR1倍、例えば売上高100億円、時価総額が100億円なら、売上高営業利益率が10%で、実効税率が50%ならPERは20倍の水準だね。売上が伸びる会社は成長性があるから、20%成長続けているならPER40倍が妥当な水準だとすれば、時価総額200億円、売上が100億円でPSRは2倍だよ。そう考えると、面白い株も見つかるね。前期は大幅赤字だが…今期は黒字になる企業など興味があるね。

神主さん:意味深の言葉だね。儲かりそうな銘柄が見つかったの?

かたる:さぁ、どうでしょう。かたる投資はハイリスク・ハイリターンだからね。

トロ:お前のは、いつも利益が期待できずに、大ヤラレじゃないの。どうせ、またくだらない銘柄なのだろう。

かたる:まぁ、僕も恐くて…なかなか買えないよ。儲かっているなら薦めるが、みんな損をしているからね。博打は打てないね。故に再来週の決算発表まで待つべきかな?

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投稿者 kataru : 2007年10月18日 18:32