今日の市況(2007年11月08日)
かたる:NY市場は大幅安していますね。GMの大幅赤字や米国貯蓄金融機関(S&L)ワシントン・ミューチュアル(WM)が多額の引当金を計上する見通しを発表するなど、住宅絡みの損失の話題が次々に表面化しています。噂ではモルガンも…とか、言われています。下のグラフは見難いですが、アメリカの住宅着工数の1996年からのものです。2006年から急落していますね。226万戸をピークに9月は119万戸まで急減しています。私はこの数字がサブプライム問題の先行指数だとの仮説を立てています。つまり前から述べていた11月株安説は、やはり来たのかな?と言う印象ですね。
時代や:一時、強気に見えたけれど、また弱気説に逆戻りなの?
かたる:さぁ~、もう少し見ないと分からないね。しかしほぼ仮説どおりの株式の展開だと思うよ。今、発表されているサブプライムがらみの損失は7-9月期の数字だね。10-12月期は、来年発表されるよ。サブプライム問題の数字上のピークは、何度も解説するが、来年の1-3月だと言われているね。つまり、まだ大きな損失発表が控えていることになる。しかしFRBは連続で0.75%金利を引き下げたので、予断を許さないが、住宅ローン者の破綻懸念は減っているはずだね。
神主さん:しかし当初はドイツが被害を受けていると言う話だったけれど、やはりアメリカの損失は大きいんだね。
かたる:当事国だからね。GMはサブプライムの金融子会社だけでなく、GM本体の過去の損失の累損と、これから見込まれる損失を、前もって計上したのではないかな? そんなことが出来るのかどうか…分からないけれど、解説ではそのようになっているね。だから数字の大きさに驚かないほうが良いね。WMは10-12月期の貸し倒れ損失の引き当て見通し額は13億ドルだと言う。利下げをしているから、深刻になる必要があるかどうか…
トロ:アメリカの落ち込み以上に、アジアの需要が補えると言うのが通説だよ。BRICs関連は売られすぎじゃないのかな? 好業績なんだから…
かたる:そうだね。何れ株価が下がる可能性も否定できないけれど、現時点ではPER10倍割れも散見され、まともな数字になっているね。信用買い残が多い新日鐵や双日は売られている。追証の声が、あっちこっちから聞こえ始めたね。
時代や:今日は全面安だったけれど、新興株が戻り始めたね。このまま続くのかな?
かたる:アメリカ景気は住宅着工数のグラフを見ても分かるが、ソフトランディングできるかどうか見極める必要があるよ。一方、好調な中国も共産党大会が終了し、徐々に新しい動きが見えるだろう。そんな中で日経新聞には、オリンパスが中国からベトナム工場へ生産基地を分散する話が載っているね。これは重要です。既にIRNETでは中国が来年から労働基準を見直すことを指摘しているね。オリンパスのような動きが広がるかどうか…
時代や:奥歯にものが、はさまった様な言い方だね。
トロ:かたるは先読みだからね。米国のスタグフレーションからドル・キャリーの動き、中国への投資が減り、失速の話しなどを、言いたいんじゃないの? 相場が弱くなると弱気の見通しが受けるからね。
かたる:「3丁目相場」は、必ず来ると思うよ。しかしやはり順序が正しくないと…僕のイメージは2009年頃なんだけれど…今、下げている銀行の復活が先なんだね。
時代や:先の話は、どうでも良いの。目先の動きだよ。
神主さん:輸出など外需が不透明だとすれば、内需だね。しかし建築基準の改正問題で建設関連は50%ダウンだと言うし…金融証券取引法の新設で投資信託も売れないと言うね。
かたる:まさに行政不況だね。役人が景気の足を引っ張っているよ。一度、役人は中国の共産党に研修に行ったほうが良いね。みんなが中国の役人と自分を比べてみれば良いよ。如何に自分たちが働いてないか分かるね。民間の足を引っ張るばかりだから…。国会議員は守屋前防衛庁事務次官の証人喚問もいいけれど、建築基準改正法を指導した国土交通省の怠慢ぶりを国会で質問すれば良い。それこそ大問題だね。更に金取法で、銀行が投資信託を10万円売るのに、時間給3000円の社員を2時間も縛り、商品説明に時間をかけなくてならない現実を質問すれば良い。馬鹿な役人のために効率はどんどん失われる。
時代や:じゃ、買える株がないじゃないの。サブプライムで信用収縮を起こしているし…株は空売りしかないかね?
かたる:だから…20%以上売上が伸びているネット関連などの新興株に相場の芽があるわけだね。ところが多くの人は株が少し下げると、2006年1月からの悪夢が甦るから、株が下げると投げる人はいても買える人は少ないね。考えて御覧よ。20%以上も伸びている業界だよ。株はようやく適正な評価を受ける時期に来たね。ヤフーのネット広告の中間期は売上がなんと27%も伸びたんだよ。僕が期待している楽天は11月15日に決算発表するね。ネット・ショッピングは順調に伸びている事だろう。
トロ:おいおい、TBS株の処理はどうなんだ? NISも四苦八苦しているようだが、クレディアの倒産は、銀行の借り換えが出来なかったからだね。楽天も苦しんじゃないの? TBSなんかに多額のお金をぶち込んで…。たしか東電からも赤字会社のフィージョンを買ったんだよな。しかし、お前は危ない匂いがする会社ばかり好む奴だね。
かたる:僕はいつでもハイリスク・ハイリターン派だよ。同じ新興株でもヤフーと楽天なら、安全なヤフーより天井が高い楽天を選択するね。
時代や:ハイリターンなんて、ここ何年も味わってないよ。いつも損ばかりだよ。
かたる:ようやく、自信を持って薦められる相場展開になってきたからね。少しは気分が明るいね。今日も強気に買いで臨んだけれど、リハビリ中なので、ロットが少ないね。
神主さん:新興株か…なんか恐いね。
かたる:そう思うのは、一つは会計士の問題なんだよ。みんなは良く知らないだろうが…ライブドア以降、公認会計士が赤字の会社の査定が非常に厳しいんだね。例えば10億円で買った有望な会社が2年後に利益を生むと言っても、現状で赤字なら資産査定がゼロ評価なんだね。これで企業買収に積極的だった会社が投資を抑制しているんだよ。まさに行政不況だね。インデックスは盛んに投資をして拡大路線を目指したが、公認会計士が保守的な考えに、急に転向したんだよ。USENもそうだし…多くの新興企業は苛立ちを隠せないよ。特損を計上している会社は、将来、有望な宝物になるかもしれない。
トロ:しかしお前は…楽観的と言うか、馬鹿と言うか…。公認会計士も馬鹿じゃないよ。見込みがあるのをゼロ査定する筈がないよ。
かたる:いや、本当だよ。意見の分かれる難しい案件は、査定したがらないね。会計士も根性がない奴ばかりだね。僕が会計士なら、実際に払ったお金の価値で、みんな認めてやるよ。
時代や:大丈夫、かたるは公認会計士試験に受からないから…
トロ:そうだな。ハハハ…。
投稿者 kataru : 2007年11月08日 18:33