今日の市況(2008年02月07日)
かたる:今日は遅くなったので簡単に…
リオ・ティントがBHPの提案をはねつけている根拠の一部には、中国やインドなど新興市場の経済成長による市況商品への強い需要があるとされ、世界の基本的な鉱物資源供給の大きな部分を担っているリオ・ティントとBHPは、鉄鉱石、石炭、ボーキサイト、銅などの価格が上昇すると予想しているそうだ。
仮にこの見方やフィラデルフィア連銀のプロッサー総裁が、「インフレ抑制がFRBの仕事の一つであることを忘れてはいけない」と述べたと伝わり、これをきっかけに売りが優勢となり、主な株価指数は急速に下げに転じたというが、このような考え方が支持されるなら株価はリカップリングと言う事になり、BRICs銘柄なども株価が戻す筈だね。僕は昨日、新日鐵の株価が何れ500円を割るだろうと述べたが、この見方の根拠が希薄になる。
今日の市場の動きは2番底の模索ではなく、下値を確かめる動きと言う説が多いようだね。信用期日売りを迎え、かなりの玉が現引きや投げられたと思うが、明日は3連休前で売り物が予想される。果たしてどうなるのだろう? 僕が新日鐵に言及したのは、リカップリング説を疑っているわけではなく、単に、株式の持ち合いの買いが途切れる頃かな?と思ったのだね。1000億円だから50億円なら20日間で使い切る事になるね。
市場から株式を買うから、自社株買いも持ち合いも同じだと言う意見があるだろうが、確かに需給バランスだけなら、そう言えるかもしれないが本質的にかなり違うね。一つはコーポレートガバナンス問題だね。IHIの経営者は多額のプラントの損失を計上し、経営責任を取ったのだろうか? 先人が蓄えた豊洲の土地の含み利益で処理したのだろう。この含み利益は株主のもので、経営者の失敗に対する保険じゃないね。新日鐵の三村さんは日本の経営者はサラリーマンなので、2期4年程度で交代するから…と言う説を述べていたが、社長が終ると会長へ、そうして会長が終ると相談役へ、そうして子会社や関連会社の役員を渡り歩く。まるで官僚の天下りと一緒の構図が民間企業にもあるからね。
どうも僕には会社の存在が従業員や経営者により私物化されているように映るんだね。だから無駄な経費が多い。従って生産性が下がり効率化が悪くなり、ROEなどの指標で日本株は負けているのだろう。ところがトヨタは、今回の例でも分かるように自社株を消却できる。この方法により一株利益はあがり、株主の利益に結び付くね。アメリカ株は企業の利益を株主に自社株買いを通じて還元したから、株価がドンドン高くなったんだね。果たしてトヨタは、再び継続的に自社株買いを実施し、株価は高値を目指すかどうか? そうして株式持合いを強化した新日鐵はどうなるのだろう?
このような例は一例だけれど、日本株が安くなる理由の一つになっているね。さてアメリカのワコビア銀行は35億ドルの資本を増強したと言う。年率7.98%の金利を払うそうだね。モノラインが注目されているが何度も言うがアメリカ経済は多少の落ち込みでリカバリーできるだろう。この結果が分かるのは早くて今春、通常は夏ごろだろうし、アメリカの景気後退の影響や金融引き締めの影響など中国経済の行方は、どっちにしても北京オリンピック後の動向を見なくてはなるまい。チャートを見てもわかるように、既にかなり株価は売られているから、どっちにしても、一度は戻りを入れる位置なのだろう。
故にこの2月は買い場で、しばらく上昇波動の相場になるのだと考えているしだいだね。物色の中心は値下がりのリバウンド相場、そうして新興株の中から業績の推移に期待が持てる新興株が主役だと考えているわけだね。はたしてこの狙いは当たるかどうか? 結果はどっちにしても、今年の春には分かるわけですね。さて今日はこの辺で…。明日、もし期日売りなどで下がるような思い切って買ってみるもの一方だろう。
投稿者 kataru : 2008年02月07日 22:38