今日の市況(2008年04月21日)
かたる:NY市場は信用リスク懸念の後退やグーグル、キャタピラーなどの好決算に支えられ大幅高しましたね。下のチャートを見るとサブプライム問題が一応、峠を越えたように感じます。キャタピラーの決算ではアジア・太平洋地域の建機販売が35%も伸びたそうです。これを受け日本でもコマツや日立建機が高かったですね。先物からの買いが広範囲に入り全体の値戻しが進んでいる印象です。
トロ:安心していると危ないよ。本当に峠を越えたかどうか? まだ分からないよ。
時代や:えっ? まだ危ない可能性があるの?
トロ:LIBORが高止まりしているのさ。つまり資金繰りを疑っている連中が大勢いると言う事だよ。仮に本当に峠を越えたなら、この金利は下がる筈だよ。
時代や:LIBORって?
トロ:ロンドン銀行間市場金利の事さ。
神主さん:確かにそうだね。…と言う事は第二幕があると思っているのかね?
かたる:週刊誌にも色んな話が載っているね。日本人は好きだね。悲観論を探して、なんやかんや…と言う事が。確かに株価はある程度戻り、此処からの物色判断に迷う事だろうね。大きく株価が下がった好業績のBRICs関連を取り上げるか? 景気回復を見込んで電機を追うか? あるいは外部環境に左右されない新興企業の株を買うか? 色んな選択肢が考えられる局面だね。
トロ:お前には…常に株が上がると思っているね。株が下がるという選択もあるんだよ。みずほなどは、結構、戻ったよ。サブプライム問題の損失を一番被り多額の損失を計上し、今度は2003年の金融危機時に増資した1兆円の整理が始まるよ。ヘッジファンドは優先株を元に、空売り攻勢をかけるという読みもあるね。
かたる:日経が恣意的な書き方をするので、面白おかしくマスコミがその節を採用しているがどうかな? 確かに1兆円は大きな金額だけれど、時間をかけて会社側は自社株買いなどで償却すると言っているんだね。売り物があるから買い向かう勢力もあることを忘れちゃならないよ。
トロ:そんなお金を誰がこの段階で投じるの?
かたる:みずほのグループ力を馬鹿にしちゃ駄目だね。1兆円程度の株式ならどうにでもなるよ。あの金融危機時に1兆円増資を実施したんだからね。同じ連中に再び市場から買い取ってもらう事も出来るよ。日本と言うのはそんな国なのだろうね。しかし純粋に投資を実施してもおかしくないタイミングだね。正直に言えば、金融庁の過剰な民間指導体制が銀行の収益の足を引っ張っていると思うよ。自由な経営をさせるべきなのに、何かと縛りを入れるからね。本当に彼らは邪魔な存在だと思うよ。
日本の良い所は、政官民の一体攻勢が高度成長時には有効に働いてきたけれど、ここ十数年の失われた時代を見ていると、この体制が邪魔な存在になってきたように思うよ。何故かな? おそらく時代の認識が行政側に足りないのだろうね。既に大きな会社になったのだから、グローバルな側面支援だけにすべきなのに、自分たちがまだ日本を主導していると言う誤った考えかを官がしているから、日本のGDPの伸びが悪いのだろうね。
時代が革新的に進歩しているのに日本の法律などがシステム不全に陥っているんだね。時代に追随も出来ていない。日教組のようなものだろう。最近はどうか分からないが、数年前に子供が携帯電話を学校に持って行ったら取り上げられたよ。あの時に親が学校に呼ばれ注意を受けたが、僕は公衆電話がなくなり社会が変わっていることを指摘し安全上も携帯電話は必要だと述べたが、教師は学校の規則を規則にしていたね。このような時代を考えない法律がたくさんあるんだろうね。
でも僕は最近の新聞報道を見ていると、日本企業がようやくグローバル展開を始めたように感じるよ。まぁ、一例を挙げれば新日鉄がブラジルに高炉を建設する事実だろうね。新日鉄と言う会社を見ていると、あぁ、日本と言う国はこう言う国なんだと思うね。株式持合いをしたり、在庫が減り慌てて高値での原料炭の値上げを飲んだり、製品への価格転換もそうだし、あの会社はまさに日本と言う国を象徴している会社だね。三村さんはやはり一般的な日本的人なのだろう。僕は株式持合いなどせずに、そのお金で自社株買いをして、グローバル展開をやるべきだよね。日本人が世界から見て異質な存在だと考えるべきだよ。
神主さん:そうかな? サブプライム問題はグローバル金融のつまづきだよね。リスクを軽減させる為に新しい金融技術に頼りすぎた。充分な流動性を確保する金融市場がないのに、自分達の論理を発展させ自分たちで勝手につまづいた一例だと思うよ。グローバル基準だって間違っている事があるよ。何でもそう決め付けるは…かたる君らしいが、先走ってない?
かたる:まぁ、良いよ。新日鉄の姿を見て、僕は新しい時代の幕が明けたと思っているよ。ファーストリテイリングもブリヂストンも…みんな遅れていた企業も他社を真似て走り出してきたイメージを持っているね。
トロ:何が言いたいの?
かたる:グローバル化さ。日本企業はグローバル化に目覚めたんだよ。建設機械の戦略の流れを見ているとそう感じるね。新明和みたいな小さな会社が重慶に工場を建てたり、近畿車輛などは海外の受注が非常に多いね。日本の車輌メーカーは優秀だからね。日本車輌などの新幹線の技術は旅客機と同じ技術を用いていると言うからね。歯車がようやく回りだすんだね。銀行もこの山を越えると負の遺産の整理が終わり、グローバル展開を加速させる事ができるね。新興企業もグローバル展開さ。だから株は新しいステージに入るんだね。今日は此処までだね。おいおい、何故、日本株が新しいステージに入るのか? みんなに分かるように色んな事例を出して説明する機会があるよ。多くの人は高値を買うことに躊躇していると思うが、実際はまだ株価は下値なんだね。
投稿者 kataru : 2008年04月21日 19:22