今日の市況(2008年06月02日)
かたる:えへへ…久しぶりに気分の良い日だね。この数週間、もやもやしていた謎が解けてうれしい限りだよ。ようやく長かったトンネル生活も終るね。僕が東京に出てきてからITバブルの時は短かったけれど、証券マンをやっていて良かった。何とか助かったと思ったが…、実際はその後も不良債権処理に明け暮れて2003年の下げに向うんだね。その時は、本当に薔薇色相場がやってきたと思ったんだね。僕は頼まれて仕方なく書いた本のタイトルは「2007年まで 株で稼げます!」と言うものになったけれど、本来は「薔薇色相場がやって来た!」と言うものにしたかったのだね。でも出版社の都合で「2007年まで、株で稼げます!」と言うものに、なったんだね。しかし意図しないタイトルが見事に的中した。ここに来てようやく、新しい世界が始まったようだね。
トロ:おいおい、また法螺が始まったのか?
いい加減に、みんな飽きあきしているよ。
かたる:最近、楽天から始まった三菱商事、みずほの流れは、なんとなく理解できたのだけれど、理解できないのがNTTの上げや、松下、ソニーなどの動きだったんだね。僕の謎は深まるばかりだったのだけれど…。ここに来て1.2%台まで下げていた長期金利が急騰し1.8%台を、一時、付けたんだね。どうしてかな? 一連の謎をスッキリさせたのが今日の日経新聞だったね。モルガン・スタンレーのジョン・アルカイヤさんの意見が新聞に載っていた。なるほど…。今、起こっている現象は、これなんだね。
やった!
ようやく、長かった2年半が終るね。いやはや、僕は政策への読み違いで、お客様には迷惑をかけ通しだったけれど、今度はご恩返しをする順番が回って来たね。良かったな。僕もこの世界から、ようやく足が洗えるようになるよ。おそらく今度の動きは長くなるだろう。
時代や:何を言っているか…サッパリだね。株が上がるような言い方だね。本当にそう思うの?
トロ:僕も読んだよ。債券から株式に資金がシフトするという記事だよな。
かたる:まぁ、それもそうなんだけれど、本質は違うんだね。やる気のある奴が報われる社会がやって来ると言うことなんだね。これまでは営業ではなく内勤者の内向きの社会だったわけ。目立つ行動は慎んで、ひたすら我慢の世界だったけれど、今度の社会は積極的に動いた奴が勝てる「陽の世界」だよ。陰ではなくて…時代はようやく変化を迎えるわけだね。
時代や:何を言っているのか…本当に分かりにくい解説だよ。どういうことなの?
かたる:僕は何度か日経平均株価ではなく、単純平均株価を用いてきたね。1998年10月に481円を付けてから日本株はITバブルに突入したわけよ。2000年の春に天井を打つのだけれど、単純平均はそれより遅れ7月に723円の高値を付けて2003年の3月の308円まで下落して、5月を転機に上がり始めて、再生相場が始まった。この相場は2006年1月に579円を付け下がるんだね。そうして、今年3月に297円を付けて上げ始めたのだけれど…、今度は息の長い上昇波動に入ったのだろうね。
時代や:どうして、そう確信が出来るの? だってアメリカだってサブプライムが片付いているかどうか分からないし、米国景気に中国景気、資源高など色々面倒な問題が山積みだよ。どうして株が上がるのさ。
かたる:僕は株式教室で5月17日に「努力しても報われない社会構造」と言うレポートを書いているよ。確かに政策ミスで、このような社会構造だけれど、原油高や小麦などの食料品が上がり、日本も値上げ時代に入ったね。ガソリン価格は170円台だよ。
時代や:だから、資源高で、ますますみんなの暮らしが苦しくなるじゃないの。
かたる:メリットもたくさんあるね。例えば技術革新だね。今日は郵政省が電気自動車の話が話題になっていたね。ドイツでは自然光発電の電気を電力会社が高い価格で買い取る義務があり太陽電池が大幅に伸びたね。Qセルズと言う会社はすごい成長を示したよ。ピンチがチャンスに変わる。
日本も物価高が訪れて悪いことばかりじゃないよ。日本人は長い間デフレの社会構造に慣れてきたね。下のグラフはGDPデフレーターのグラフだよ。黄色のラインがマイナス数字になっているね。その為に日本は長い間、2%を下回る長期金利の異常事態が続いていたね。しかし商品相場が上がったおかげで、内外価格差が大きな日本でも物価が上がり始めてきたね。日本人の消費パターンが変化を迎える可能性があるよ。
その事をモルガンのアルカイヤ氏は、ティッピングポイント(状況が劇的に変わる瞬間)と表現しているね。色んな見方が大きく変わるんだよ。失われた時代が変化して前向きな社会構造の時代が訪れるんだね。だから、銀行株のみずほが新高値を更新してきている。僕はこれまで、このラインの株価までしか予想してなかったけれど、見方を大きく変え始めなくてはならないね。
時代や:えっ? 銀行株が更に上がるというの?
かたる:既に株価としての面白みは、どの程度あるか分からないが、今回の相場で新高値を抜くことは間違いないと思うね。場合によれば400万とか500万もあるかもしれないね。
トロ:えっ? 法螺、ほら、ホラ、が始まった。
かたる:別に1年なんていう短いサイクルで言っているわけじゃないよ。ITバブル時は2年かな? そうして前回が3年だから…今回は5年ぐらい続く可能性があるね。僕は単純平均株価でITバブル時の高値723円を抜くと思っているね。暫く、株価は上昇波動の時代が続くんだね。まぁ詳しい解説は、週末にでもビスタニュースで書こうかな。ITNETの読者の皆さんは、大まかな概略を捉えておけば良いね。
下の長期金利は何れ2%を超える時代に入るね。実に10年ぶりの新しい現象が日本で起こるんだね。道州制が議論され地銀などの統廃合が進み、ブルドックで沈んだ日本がアデランスで甦る。いいぞ、株屋としてようやく新しい時代を迎えることが出来るね。それにしても長かったな。2年半か…。さぁ、夜明けがやってきたよ。元気を出そうね。低位株は何でもかんでも、上がるインフレ相場がやってくる。
投稿者 kataru : 2008年06月02日 17:22