« 2008年05月 | 戻る | 2008年07月 »
2008年06月30日
6月30日
かたる:あえなく8連続安となりました。市場には弱気派が跋扈し、買いの勢力は居るのかな? …と思うぐらいです。原因はハッキリしています。一つはFRBの信頼感懸念も一因なのでしょう。バーナンキ議長に代わり初めての試練です。利下げが若干遅れたとは思っていますが、基本的に僕は彼の金融政策を支持しています。色々な連中が、ことさら金融不安を煽るのは、いつもの事です。しかし市場経済と言うのは、あくまでも市場が政策を決めるものなのです。状況に応じて変化するのです。意外に小さな変動率(下のグラフ)。
6月4日に、今の流れは決定付けられたのでしょう。バーナンキ議長はハーバード大学卒業式で講演し、「長期的インフレ期待を示す一部統計がここ数カ月間で上昇しているが、それはFRBにとっては重大な懸念事項だ」と語った。この発言を切っ掛けに株式のポジション整理売りが加速したようです。加えてサミットを控えイベント・リスクがポジション残高を落としており決算末も影響しているのでしょう。
トロ:かたるはサブプライムからの一連の現象に対し好意的だけれど、とてもじゃないドンドン悪化しているじゃないか。レーティングは引き下げられるし、何が出るか分からないから恐くて、みんなは疑心暗鬼になっているよ。やはり情報の開示が大切なのだろう。既にSWF(国家ファンド)も資金供給に及び腰だよ。4-6月期の損失をどうやって埋めるのかね?
ムーディーズが英銀ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)の信用格付けを引き下げた。英国部門で顧客のデフォルト(債務不履行)リスクが上昇していることが理由だそうだよ。モノラインのMBIAは資金繰りに苦しんでいるようで綱渡り状態だし、とてもじゃないが強気に対処が出来る場面じゃないよ。
かたる:うん。現状は分かるね。でも僕は意外な面もあるんだな。…と感じたんだね。トロが指摘する弱気論は、一般的な概念で活字になっているが日曜日の日経新聞に米国企業の主要500社の純利益の四半期決算が、6年ぶりに4・四半期連続で減少すると載っているが、この記事をよく読めば、昨年の10-12月期がピークに下落幅は縮小傾向になっていると述べられているよ。先日のケース・シラー住宅価格指数と同じ傾向だね。確かに、まだ悪化しているが、色んな対策が効いていると言うことなのだろう。
株は6ヶ月先を行く。現状の景況感を当て嵌めて、株で儲かるなら誰もが大金持ちになるね。解説どおりに、株の売り買いをすれば良いからね。しかし…大勢に流れに逆らった投資、すなわち少数派の理論を有する投資家が、現実では利益をあげているよ。僕はこの2年半、ケチョンケチョンにやられているが、主義主張は変わらない。
トロ:あれれ…昨日の「影響の輪」の話はどうなったの?
かたる:確かに日本の政策はメチャメチャだよ。福田内閣の支持率が上がったそうだけれど…僕は支持してないよ。消費者庁と言う発想が文化大革命の清貧思想に繋がるからね。日本人は妬み意識が強い国民だね。馬鹿じゃないかと思うけれど仕方がない。僕は昨年一度だけ、カラ売りをしたよ。7月だったかな? あれは…。でも本当は2006年の6月だったんだよね。あの時に、最初の追証でゾッとして青くなったのを覚えているよ。
しかし売りは嫌いだ。これが本音。だから常に買いの材料を探すスタイルは変わらないと思うよ。ただ、これだけやられると少し投資スタイルを考えないと駄目かな?と思っていることは事実。例えばGMだけれど…この会社は一番高い時は87ドルだったんだね。今は11ドル55なんだね。世界一の自動車会社が時価総額は65.4億ドルだから、時価総額は106円として日本円に換算すると6932億円でしかない。市場主義と言うのは、こういうことなのかな?
トロ:一体、何を言いたいんだい?
かたる:僕はこれまで株は下げれば、また買えば良いと思ってきたけれど…。この所、少し考え方が変わってきたかな? 自分の選んだ株が下げると、同じお金で多くの株が買えるから喜んだけれど…。2年も3年も下げ続けると…少し考えるね。まぁ下げ続ける株を選ぶのは、基本的に読みは間違っていた為だけれど…。
時代や:追証の身になってごらんよ。暢気な会話をしている場合か?
かたる:自分の失敗を、反省はしているよ。 でも僕は今はチャンスかな?とも同時に考えているんだね。タイミングがいつなのか分からない。本当にそう思うんだ。2000年にITバブルが崩壊し、光通信やソフトバンクが異常に上がったから、異常な下げ方をしたが…その後、ヤフーは見事に新高値を更新したね。新興株は既に底値を付けて上げ過程になっていると思うよ。ただ値動きが鈍いから分からないだけ。1998年、2003年、そうして2008年。奇妙にも5年ごとに株価は底入れを迎え、上がって行く事になるかもしれないよ。
時代や:もうお前の戯言なんか信じないよ。ふん。馬鹿らしい。
かたる:相場は孤独だから…天下を取ったように弱気派は持論を展開するが…ほんの3年ほど前の僕を見ているようだね。実力もないのに浮かれちゃて…今から思えば良い経験。失敗は良い経験だね。失敗して諦めればそれで終わりだけれど…僕はあきらめない。さて、相場は8日連続安だけれど、東京は青空で気持ちが良いですね。辛い時はくよくよ悩まずに、自然に接すればいいよ。お金なんて必要だけれど大きな問題ではないね。辛い自分の立場を客観的に、映画を見ている気持ちになって楽しめばいいのさ。明日はどうなるのかな?って…のんびり、のんびり。
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2008年06月27日
6月27日
かたる:いやはや…、割れないと思っていたNY株式市場は、今年の新安値をとうとう付けてしまいました。皆さんは暗い週末を迎える事になりますね。そして僕もそうなのですが、意外に僕は明るいのです。カラ元気? なのかも知れませんが…。何故、明るいのかと問われれば、インフレ相場を考えていたら、そこからヒントが生まれその発想に裏付けが生まれたのです。おそらくNY市場は決算期を迎えているので、多くのヘッジファンドがやられているので、清算に向けた現金ポジションの引き上げによるものと思われます。だから彼らは決算期末ギリギリまで叩いているのです。
一方、株式の下げを演じたのはGSによる仕掛け売りと思われます。休業延長ニュースが伝わったGMを…。4-6月期の追加損失を過度の刺激したシティーバンクを…。それぞれ売り推奨にしています。3月10日のNYダウ平均株価11740ドルの安値から6月26日までの下げの主役は、45.3%下落したGMの値下がりが大きく、続いてAIGが33.0%、バンカメが29.7%と続きます。シティーは7番目で10.3%の下落なのです。残念ながら、新安値になりました。今年、2月にバンカメと石油大手のシェブロンが加えられ、タバコのアルトリアと航空機電子部品のハネウェルが、NYダウ平均株価から外されました。2004年の4月以来です。NYダウ平均はわずか30銘柄の指数なのです。つまり僅かな採用銘柄を、ことさら悪い表現し売り叩く手口は、外資系らしい仕掛けですね。GSは思惑があるのでしょう。
今年、米国は大統領が変わります。今のところ、黒人のオバマが人気になっており、テキサス出身のブッシュから変わりますね。テキサスは原油の産地です。ここに辺りを考えると、相場のヒントがみえます。
時代や:まぁ、将来のことはどうでも良いんだよ、追証なのに…。何故、比較的、元気なの?
かたる:日本株には明るい未来があるからね。今日はお客様に笑われたよ。北朝鮮の復興需要を話したら…。おいおい、早すぎるって…。まぁ、その通りだね。しかし何故、外人投資家は日本株を買っているの? 理由が、ちゃんとあるんだね。下のグラフは外人の売買動向の推移とこれまでの累積をみたもの。
トロ:外人投資家が買っているのは分かるよ。1-3月はポジションの整理で売ったけれど、直ぐに買い越し、再び累計でも増え始めているね。それで…
かたる:一つの理由は、日本がインフレに強いんだね。この話は前にしているよ。コメを例に、内外価格差の存在があることを…。故にインフレに強い国だね。更に下の経済産業省のデータを見ると分かるけれど、日本は1のGDPに対し、日本の使用エネルギーを1とすると、ドイツは1.5、アメリカは2、中国は8.7、インドは9.1なんだね。ロシアに至っては18倍も、エネルギーを使うんだよ。分かるよね。エネルギー効率が非常に高い国なんだね。
多くの理由があるが、更に、ここに来て日本企業の姿勢が変化しているよ。コーポレートガバナンス意識が芽生えてきたんだね。新日鐵のように株式の持ち合い活動を継続しているケースもあるが…、自社株買いは盛んになっているよ。今日だって第一三共が500億円の自社株買いを発表していたね。発行済み株式のおよそ2.5%。この所、売られ続けている武富士も300万株の自社株買いを、新たに発表しているね。こちらは発行済みのおよそ2%だよ。下のグラフは事業法人の株式の売買動向だよ。
このように企業利益が株式に変わる時代になってきたよ。この傾向は2005年から継続しているね。2005年は1兆3523億円、2006年は2兆290億円、2007年は1兆5555億円、そうして今年は6月3週まで8731億円だね。この分では今年は2兆円近くなるよ。この現象は、今、盛んに行われている株主総会の影響が背景にあるね。2006年のブルドックでは負けたけれど、2008年のアデランスではスティールの意見が通り、経営者が真剣に株主の利益を考え始めたんだね。だからROEと言う指標が重要になってきて、ソニーがROE10%を経営目標に掲げたんだね。この意味は資本効率を考えるという事だよ。だから日本株はこれから上がるんだよ。
時代や:ROEが重視されると日本株が上がる?
かたる:そうだよ。自社株買いをすれば自己資本が減るからね。そうして無駄な投資をしないし、儲からない分野からは撤退し、儲かる分野を伸ばすようになるよ。昨日、話題の企業の一つ、NECエレクトロニクスの株主総会が開かれ、アクティビスト・ファンドのペリー・キャピタルは、「何故、親子上場をしているのか? 」更に、「儲からない携帯電話向けのベースバンドLSI事業から、何故、撤退しないのか? 」と質問していたという。分かるかな? 親会社の意向でも、経営効率の悪い分野から撤退し、儲かる事業をしろと言っている。
トロ:しかしNECは…当然、拒否したんだね。きっとNECは苦しい答弁をしたんだろうね。
かたる:中島社長は、ある程度シェアを取れば利益が出ると述べたとか…。きっと、次の株主総会では、また指摘されるよ。そうして改善されなければ、経営者は首になる。新日鐵が株式の持ち合いをやっているが、持合いなど意味が無いんだね。利益を最大限にするような経営をすれば、論理的に責められないよ。株式の持合いなど無駄な投資だね。ブルドックからアデランスに変わった様に、時間の経過により世論が変化するよ。だから経営者は自社株買いをして、配当を増やす。何故、60円配当する武富士を売るのかな? 1株あたり3000円も自己資本があるから、会社を解散すればお金は倍になるよ。株価が1500円だから4%の利回りだね。現在は黒字だよ。
トロ:それはどうかな? インフレで金利が上がれば、赤字になる可能性があるよ。資金調達が難しくなるよ。だから資金が入る銀行系は高く独立系は安い。
かたる:馬鹿だね。お前は銀行系のプロミスよりずっと財務内容はいいよ。株価が安い原因として考えられる一番恐い理由は、金融庁の復讐だろうね。グッドウィルなどの例を見ると、役人と言うのは私情を挟んで政策を実行するようだね。証券会社もオーナー系の検査は非常に厳しいよ。何故か、彼らは社会主義者が多いんだね。論理的には買えば儲かるのだが…。URBANも300億円の資金を外資から入れたようだね。日本の銀行は本当に何をしているのかね。金融庁の顔色ばかりうかがって…儲かる商売をしないのだから…。
兎も角、日本の株式市場は、世界で一番、明るい市場なんだね。もう恐いものはないよ。経済を支える金融は意識改革の問題だけで、一番、健全だしユトリがある。企業はコーポレートガバナンスに目覚めて効率経営を目指すよ。世界で一番、無駄のある経営をしていた日本社会が、大きく変わる瞬間だね。だから問題は…、あとは意識改革だけだね。株式を売っているセクターは個人投資家もそうだよ。外債投資などやめて日本株を買うべきときが来たね。だからインフレ相場の芽が、先日、見えたんだろうね。兆しが…。
さぁ、元気を出そうね。僕等は自分で考え、自分で行動するんだよ。明日に向かって!
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2008年06月26日
6月26日
かたる:昨日はケース・シラー住宅価格指数の地域別を選んで載せましたが、今日は10都市の指数を載せます。20都市も同じ傾向なのですが、この2ヶ月間の下げ幅は、やはり縮小しているのですね。ロサンゼルスと同じ傾向です。グラフを見ても分かるように前年度比と比較すると大きく落ち込んでいると思われますが、この2ヶ月間は前月比の下げ幅が縮小しているのです。グラフも数字もトリックがあるのですね。雑誌や新聞を読む時に自分なりに考えてみると良いですね。
さて、アメリカは人口が増加している国です。2000年は2億8233万人だったのですが、2005年は2億9573万人、そうして2006年の7月現在は2億9844万人です。既に3億人を突破していますね。まぁ基本的に、地価がズルズルと長く下がるような国ではないのでしょう。
トロ:お前は逆資産効果のことを、言っているんだな。つまり米国の景気低迷は長くないと言いたい訳だ。しかし、レベル3の資産が多くなり評価損が膨らめば、自己資本は毀損し、自己資本比率が下がるから、その解決策として増資をするか、総資産の圧縮をする事になるね。更に今、話題にされているのはSPCの問題だよ。会計処理を厳密にすれば、日本と同じ現象になる可能性があるよ。既に大きなファンドからの追加の資本投入も難しそうだよ。
時代や:今、懸念されているのは、上海総合やムンバイの株が下がっているように、新興国からの資本の引き上げがあるという、懸念なんだろう? つまりBRICsの景気も落ち込むということを新興国の株は訴えている。
かたる:そのだね、可能性はあるよ。
しかし今日は6月26日だよ。カレンダーでは来週の月曜日で、今月は終るよ。日本株は4日目受け渡しなので、既に6月の中間決算の処分売りは終っているね。だから株式市場は、次第に落ち着いてくるんじゃないの。事実、今日感じた動きは、ビスタニュースの原稿通りの動きに成りつつあるよ。
時代や:以前も聞いたよ。もう売り物が切れるって話は…。
かたる:うん。僕が法人マンをやっていた時は、だいたい15日が目処だったんだね。伸ばしても、20日までには決算対策を終えるのが普通だったんだ。だから、てっきり終ったかな?と思ったのだが、相場の動きを見ると、昨日まで処分売りがあったようだね。でも今日は、それらしい売り物は見られなかったよ。
今、関心があるのは、一番目は自社株買いの銘柄。これはROEに関係があるよ。自己資本を減らせば分母が小さくなるからROEは上がるよ。二番目は金融株の動き、三番目がソフトバンクかな? 来月から、みずほの転換売りが開始されるね。同時に既に、みずほは自社株買い期間に入っているね。今回は僅か1500億円だけれど、追加で自社株を買うことを発表しているよ。
時代や:今日は少し嫌な雰囲気だったね。てっきり50万円を割れるかと思ったよ。
かたる:そうだね。チャートを見ると、少し疲れを感じるようにも見えるし…。果たして1500億円程度で株価が反応するかどうか…この銘柄もカラ売りがあるからね。相場としては面白いかもしれないよ。
時代や:今日は下げたけれど、カラ売りの水準ならGSユアサじゃないの?
トロ:そういえば、このところ株価が強かったオリンパスも、たしか自社株買いをしたと発表していたね。
かたる:そうだね。でも100億円程度じゃ…インパクトが小さいかな? 少なくとも発行株式総数の1%以上でないと…。時価総額の1%だから1兆円の企業なら100億円だね。毎年、1%程度の自社株買いを実施する企業はたいしたものだね。それなのに自社株買いをせずに、株式持合いをする株主還元の意識の薄い経営者が大勢いるから、困ったものだよ。会社の利益は株主に33%、社員に33%、内部留保に33%、僕はこんな感じで考えているが…。
トロ:自社株買いと言うのは、償却をしなくては意味がないね。しかし日本の場合は株式持合いの為にするとか…経営者のストックオプションの為にするとか…金庫株として一旦買うケースが多いね。
かたる:今の市場は弱いから、当然、自社株買いは注目されるよ。何度も言うけれど、インフレ相場の可能性があるとすれば、海外から資金流入があること。その資金が株式に向うことだね。その意味で、昨日の日経朝刊の大機小機と同じく昨日の夕刊の所得流出の交易利得(損失)の実質GDP比の話しをもう少し勉強する必要がありそうだね。企業の利潤が海外にプールされている問題と合わせて考えてみたいね。
時代や:どうもお前の考えていることがサッパリなんだよ。一体、何が重要で何を言いたいのか分からないよ。
かたる:僕はいつも理想派だからね。日本株が上がることを考えているよ。その切っ掛けは何かな?と思っているの。だから海外に向っている資金が日本の戻ってくる動きは非常に重要になるね。株が上がるという事は資金がだぶつく必要があるよ。分かるかな?今は確かに低金利だよ。世界で一番低い金利だけれど、清貧思想が跋扈して、金融業行政の締め付けが大きくてお金が流れない。だからPBR1倍割れがゴロゴロしているんだよ。本来なら、TOBや自社株買いが盛んになるはずなのに…Jパワー問題を見れば日本のスタンスが分かるね。悲しい現実だよ。
トロ:そうそう。全て却下されたんだね。日本興亜もそうだね。しかしあの要求はないね。社長になった期間が短いんだってね。やはり継続されるべきなんだろうね。
かたる:僕もその記事を読んだよ。まぁ、ケース・バイ・ケースなんだろうね。しかしアデランスだとか…いろんな問題が起こる事によりだんだん世論が変化し日本もグローバル化されるのだろう。やはりまだ時間が必要なのかな? 今の日本は中国の文化大革命の時期に似ているね。あれほどひどくはないが似たような経過だね。冬の時代か…でも春の来ない冬はないから大丈夫。さぁ、今度こそ、売り物が切れていて欲しいものだね。久しぶりに、明日の相場が楽しみだよ。
2008年06月25日
6月25日
かたる:NY市場は微妙な株価位置で踏ん張っている感じです。ごらんのようにザラ場の安値を下回っていませんし、終値でも上回っています。シティーも頑張っています。まぁ、風前の灯のように見えますが…頑張っています。
サブプライム問題で一番きついのはマイアミやロサンゼルスなのでしょう。
ケース・シラー住宅価格指数がいつ頃からの統計か知りませんが、先ほど少し調べてみました。確かに前年度比では下落が拡大していますが、前月比では…違った見え方がします。下のグラフのようにロサンゼルスは2ヶ月連続下落幅が縮小しており、マイアミでは2月から3月がー4.5%の下落でしたが、3月から4月はー4.1%に縮小しています。ニューヨークは前年度比でも-10%を越えておらず、-8.4%の下落に留まっています。詳しくは…此方から。
トロ:また、株上がる論理だな。素直に現実を認めれば楽になるのに…。どうして、そう無駄な努力をするのかね?
かたる:だって現実だもの。僕はここ10年近くIRNETで原稿を書いていて思うんだね。グラフの書き方や統計数字の採用の仕方で、事実の解釈の仕方が大きく変わることがあると思うんだ。ケース・シラーもそうだね。S&Pが発表しているグラフと、僕の作ったグラフとでは同じ数字でも違った見え方がするだろう? 時間があれば、もう少しさかのぼることも出来たけれど…この辺で我慢してね。つまり利下げ効果が効いている可能性があるんだよ。来月の発表が楽しみだね。マイアミは4%の壁を下回るかもしれないよ。
時代や:株と、どういう繋がりになるの?
かたる:住宅価格の下落が20%だとして、まぁ、惰性があり25%ぐらい下落しても…レベル3の証券は50%以上の下落で償却される可能性があるんだね。サラ金屋の過払い金請求権の積み立てと同じだね。過剰に償却すれば、実際に、あとで違ったら決算上、お金が帰ってくるよ。あとで含み利益に変身する可能性があるから…。つまり住宅価格の値下がりの鈍化が見られると、金融株は上がる事になるよ。
トロ:いつも、かたるはそうだね。起こるか起こらないか分からない段階で、もっとも理想的なシナリオで株を売り買いする。だからいつも失敗をしているんじゃないの? 今のように疑心暗鬼になっている相場は、実際に業績が上向いても反応しないことがあるよ。仮に好業績に反応しても、直ぐに効果が切れることが多いね。だから可能性を考えることは重要かもしれないが、そんな事は…実現してから考えればいいよ。相場が弱いときは、逆に、悪材料でもない材料を悪く市場は取るから、むしろカラ売りを考えたほうが儲かるよ。特に個人投資家に人気の高い株は…よく下がるよ。
時代や:例えば?
トロ:スルガコーポレーションの民事再生法によって、不動産株が連想で売れているね。先日、かたるは日本に必要な会社として不動産再生業のダビンチやアーバンを掲げたよね。
かたる:うん。アーバンは何処かのファンドが、大量に買っていると言う事で人気株となって400円ぐらいから700円ぐらいまで戻っていたね。
トロ:その株は、今日は一時、ストップ安をつけて新安値を更新していたね。結果論だけれど、あのような個人好みの株は絶好の売り場だね。個人投資家は株を投げるからね。投げが投げを呼ぶ。このような株を機関投資家は買わないよ。失敗しても言い訳が出来る株。三井不動や三菱地所しか…せいぜい頑張っても住友不動どまりだね。不動産でも下位の銘柄はやはり売りの対象になりやすいよ。特に相場が弱い局面は、流動性がものを言うからね。かたるが良く比較に出すコマツと日立建機の話と同じだね。
時代や:難しい相場だね。買いで入ると、上がったらすぐに利食いを入れないと損になる相場だから…やはり博打株しかないんじゃないの。かたるは嫌うけれど…お前だって似たような博打を選択しているよ。
かたる:そう思いたければ、思えばいいよ。
僕は自分の選んだ銘柄には夢があると思っているよ。夢がなくなった段階で、かたる銘柄から外している。会社が株主を裏切らずに、頑張って努力して業績が悪化したのは仕方がない。しかし会社が株主を騙すのは許せないね。社長が嘘を言うような会社は嫌いだ。サラリーマン社長は自分の任期限りの発言するから、言葉に重みがないよ。所がオーナーは自分が多く株を持っているから、株主の立場を考えているからね。中には違う奴もいるが…MBOなど卑怯な手段を取る奴がいるね。一度、上場したからには、MBOなどの手段を取るべきじゃないね。取るなら上場来高値の時に、やれば良い。安値の時にすべきじゃないよ。今なら任天堂がやるなら許せるね。
時代や:新興株指数は、かたるが応援しても、全然、駄目だね。
かたる:ふん。株屋としては日本の将来を思い行動すれば、新興企業を応援すべきだろう。アメリカみたいに、マイクロソフトやグーグルと言う新興企業が巨大企業に育つような市場にすべきだね。今日、日刊工業新聞を読んでいたら…、マンパワー・ジャパン会長のダリルE・グリーンさんのインタビューが載っていたね。ボーダフォン(日本)の社長をしていたのだけれど…。その中で「金融機関から莫大な資金を調達し、ギリギリの経営だったのだろうが、孫さんは自分の儲けではなく強い国を作るためにやっている。一番尊敬できる人物だ。」と述べている。僕と同じく彼は、孫氏のおかげで日本は世界一安く豊かな情報インフラを手に入れることを出来たと評価していたね。僕は証券マンとして悲しいね。そのソフトバンクの株価が低迷していることがね。儲かるとか、儲からないという次元の話ではなく、みんなで日本を良くするには、彼にお金を預ければ良いんだね。
決して、ドコモやKDDIじゃないね。市場原理がなかなか働かないから、ブルドックやJパワーの現状を認めるから、正しい資金の流れが生まれない。これじゃ日本は益々おかしくなるね。GSユアサでもいいけれど…。どうせならソフトバンクで仕手戦をやってみたいね。アーバンの株価が下がっているが、ダビンチやアーバンは効率化の考え方を、不動産産業に持ち込んだグループだね。出来たら銀行屋は融資すべきだね。お金は貯めるものではなく、如何に使うべきか? そう考えるけれど…残念な現実が続いているよ。
トロ:株屋は株屋らしく儲けを考えればいいの。良くあるじゃん。理想は理想。自分がその理想を実現できる立場になるまで、我慢して下積みをする話しがさ。サラリーマンは嫌な上司にも黙って仕えて、自分が上司になり立場が逆転したら、その時に理想論を追えばいいのさ。それまではじっと我慢すべきだよ。
かたる:我慢してカラ売りをするの? 馬鹿らしい。なんでTOBが盛んにならないのかね。王子と北越製紙のときはワクワクしたけれど…駄目だったね。野村証券が日本株を売り込むためにキャラバンを組んだ筈だけれど、不発だったのかね。力がないね。僕なら双日をアラブの王様にくれてやるよ。MSCBを大量に出して自社株買いもしない裏切り企業だからね。市場の洗礼を受けるべきだよ。双日の社員にとても、日本にとっても、サウジの王様の傘下に入れば有利だね。
日本には割安の企業がゴロゴロしているよ。まぁ、不平不満を言っても仕方ないから…ともかく、頑張るぞ!
2008年06月24日
6月24日
かたる:今晩はS&Pが発表するケース・シラー住宅価格指数が発表されます。何故、この指数を注目するようになったのか良く分かりませんが、最近はよく注目されるようになりました。概ね、前年度比20%ダウンの数字だと理解しています。昨晩はGMが夏季の工業休業延長報道により、33年ぶりの安値を付けたそうです。株価は12.91ドルです。なんだか不思議です。北米依存度の高いホンダの株価は100円高の3770円だったのです。黒字の日本の自動車株と赤字の米国の自動車株の違いですね。米国は住宅と自動車が売れないのですから景気の状態は深刻でしょう。一時、V字型回復論が言われていましたが、金融株の動きを見ると、幻のように感じます。シティーバンクは安値スレスレの状態ですね。
トロ:お前は、NYダウ平均株価は底割れをしないと言う強気だったんじゃないの?
かたる:うん。そうだったのだけれど…。なんか金融株の動きを見ていると怪しいね。日本株も出来高がどんどん減っているし…。市場エネルギーのバロメーターとして、コマツと日立建機の株価を比較していたが、昨日は、とうとうまた同じ株価になったからね。今日は日立建機が40円ほど上鞘だったけれど…。
時代や:コロコロ、変わる奴だね。…と言うことは、日本株も下がるという判断になりつつあるの?
かたる:う~ん。難しい。
昨日も指摘したようにアデランスや日本興亜火災などの推移を見ていると、日本にコーポレートガバナンスの意識が芽生えているような気もするからね。事実、事業会社の自社株買いは盛んになっているよ。最近では年金資金がROEを基準に役員の選別を考えるというし…。日本にも資本の効率化と言う概念が入り、経営者の意識改革に繋がっているからね。
トロ:しかしアメリカがこければ、日本は弱いよ。もともと日本のバブル崩壊からの脱出はBRICsの成長による世界景気の好調がもたらしたものだからね。だからダイキンのように、早くから海外に視点を向けた会社の業績が好くなったんだね。お前が、ずっと気にしているコマツと日立建機の株価レースは、何れも建設機械だからBRICs関連の本命筋銘柄だね。考えてみれば、良い路線を選んでいたんだね。お前は…。日揮は中東関連だし、双日は商社だからね。選択銘柄が悪かったが…。路線は評価できるよ。しかし新興株に、何故、そんなに拘るのか? そこまでこだわる理由はあるのかな?
かたる:時代は常に新しい産業が作ってきたんだよ。日本人には、特に情報の価値観と言う概念が希薄だよ。その為に外貨預金もしなければ株式も買わない。定期預金や郵便局貯金をするだけだからね。しかし僕らが毎日稼ぐお金と同じように金融取引でお金を稼げる筈だよ。僕は産業と金融は、同じウェートだと思うよ。金融が栄える国は産業が栄えるよ。だから金融産業を苛めちゃ駄目なんだね。それを日本は、ずっと苛めてきたから、GDPが横這いの活力のない国になっているから、秋葉原のようなやりきれない馬鹿な犯罪が起こるんだね。国民に希望を与えるのが当たり前の政策なのに…清貧思想ばかりだよ。安全、安心は必要なことだけれど…行き過ぎはどうかな? 日本の賞味期限などの考え方は、異常だよ。赤福の事件は、ある意味で日本人が意識改革をすべき事例じゃないのかな?
トロ:僕は新興株のことを聞いているんだよ。
かたる:ゴメンゴメン。
インターネットの発展により僕等は知らないことを色々分かるようになったね。総務省など役所のホームページに行けば経済データは直ぐに手に入るし…有価証券報告書も、最近ではIRが発展して月次の業績を発表する会社も増えているよ。フェアになるんだね。ところがIHIを代表するような会社が未だに残っている。荏原にしてもそうだよ。資産効率の悪い経営をしているね。逆に東芝のように過去のしがらみから、転換している企業もあるね。日本は明らかに過渡期だね。
情報産業のインターネット関連で、日本が世界で一番になれば…強国になれるね。森内閣が目指したIT国家戦略は時間が掛かっているが素晴らしい事だよ。市場経済の中心の株式市場は、残念ながら新興産業に資金を提供できてないね。IPOは、今年は非常に少ないよ。これじゃ、日本は世界から負けるよ。この原因は時代を読めない地検の勇み足にあるね。ライブドアの事件は致命的だった。もう少し方法があっただろうに…。国家戦略から見れば、お灸程度にすべきだったね。
時代や:だって粉飾決算と言う悪い事をしたんだよ。
かたる:日興証券は? IHIは? 他にも多くの会社がやっていたけれど、何故、ライブドアだけが? IHIなど公募をしているから詐欺罪だよ。
時代や:分かったよ。その話は、もう…充分に。
かたる:いや、理解してないと思うよ。事はライブドアだけの問題ではないんだよ。公認会計士が指導する決算の問題だね。効率化社会を促すために、M&Aは欠かせないよ。のれん代を計上するのが一般的だけれど、赤字企業だと決算の査定がゼロに近いんだね。100億円で企業を買っても、いきなり決算を迎えるとゼロになる。おかしくない? ライブドアの影響は、決算のやり方を大きく変えたんだよ。だから急速に日本経済にブレーキが、かかちゃた。地検幹部はきっと自分たちは、正しいと思っていると思うよ。しかし…その後の現実を見れば…後悔している人もいると思うね。
でも安心していいよ。僕はインフレ相場の可能性をずっと考えてきたら、やはり日本は変化しているからね。ライブドアの失敗を乗り越えて、アデランスや日本興亜火災を踏まえ変わりつつあるね。だから多少、株が下がっても、これから世界の中で一番変化率が高い日本株を外人は継続投資するよ。ようやく、日本も1989年に起きた「ベルリンの壁崩壊」のスタートを切ったのだろう。
トロ:どういう事なの?
かたる:世界の共産国家などは自分達の失敗に気付き、計画経済を諦めて市場原理を取り入れてきたんだね。鄧小平の南巡講和はそのものだよ。これまでの中国の動きを見れば良い。日本も同じ過程を歩むよ。一般企業に効率化と言う当たり前の考え方が導入され始めたからね。だんだん日本の企業は、松下のようにROEを重視するようになるよ。そうすると総資産の圧縮をしなくてはならないよ。企業が利益を生まない土地を持っている必要がないからね。そんな土地は売って自社株買いをせよ。と株主総会で求められるよ。どんどん企業利益は、自社株に変わって償却される。株価は当然、高くなるよ。そうして、その株を売った資金が、新しい産業の新興株に流れるね。
PFIのような事業も公共事業に代わり、もっと盛んになるよ。建設会社はPFIの会社に変貌すれば良い。建設会社が図書館を運営するような時代になるよ。役人が公団を作って家主になるより、建設会社が住宅を供給すれば良いね。学校だって…小さな政府になるべきだね。役人はもっと大きな視野で、アジアのインフラ整備を民間の力を利用してやるイニシアティブを取るべきだね。
トロ:全体の構想は分かるが…、どうも…お前が新興株に拘る理由と結び付かないな。
かたる:世界の覇権を握れる産業は、マイクロソフトやインテルのような企業を育てないと。やはり携帯コンテンツだと思うね。携帯電話は便利な情報ツールになるよ。そうしてインターネットは、確実にテレビと融合するんだね。デジタル時代に向け…。ひょっとすれば、成長株になり得る企業が一つ見つかったね。ビスタの読者には何れ明らかにするよ。いいぞ。今の相場の後の…波は、大きな相場になるよね。今度は揺り戻しがないからね。今回の失敗で、経済の勢いの大切さを役人は学んでいる筈だから…やはりインフレ相場と言うより、日本の意識改革の相場がやってくると思うよ。
時代や:こいつの話は…大法螺ばかりで…何が大相場だ。こっちは追証だよ。
2008年06月23日
6月23日
かたる:NY市場はSPCの連結入りが新たな材料となり、金融株が売り直されていると言われているが…何処まで広がるのかな?との印象ですね。記憶によればシティーは既に組み込んだ筈ですが、今朝の日経によると、かなりの部分がまだ簿外にあるようで…。本当なのかどうか…。540兆円などと言う規模が、本当なら大変ですね。最後は公的資金の投入で日本は立ち直りましたが、みずほの1兆円増資の後始末はまだなのですね。りそなは第一生命が資本を入れましたが「焼け石に水」の状況で…。弱気派が勢い付くのも頷けます。しかし、シティーは、まだ新安値を更新していませんね。
トロ:ほら…弱気になってきたね。まだ大丈夫などと、強気を堅持することが如何に危険か…。既に充分、認識したんじゃないの?
かたる:そうだね。流石にここまでやられると、自分のアホさ加減が身に沁みるよ。日経平均株価は意外に強い印象だけれど、新興株は弱い動きを続けているね。ほぼ底這いの動きだからね。
何故、インフレ相場の可能性があるのか…
ずっと、考えていたのだけれど、インフレ環境の中では日本株は優位なんだね。同じ付加価値を得るのに日本の場合は、エネルギー消費量が小さいし、金融が痛んでない為に資金を得やすいよ。更に、近年、ROE経営に目覚め始めているね。日本の自社株買いは、定着しているし株主還元の姿勢が高まっているね。やはり大きなのは、経営者の意識改革だろう。無駄な資産を持たないようになりつつあるね。だから外人投資家が買うんじゃないの?
トロ:おいおい、まだ強気を貫くのか?
強情だね。 新興株からしか銘柄を選ばないし…。今度は日本復活論か…。自らは政策批判を繰り返しているのに、明らかに矛盾しているよ。
かたる:昨日、NHKテレビの後半だけ、「沸騰都市」ダッカの番組を見たよ。日本に欠けているのは、あの精神だね。「今に日本を追い抜いてやる」って、言っていたね。あのバイタリティーが日本人に失われちゃった。昔は日本人も「追いつけ、追い越せ」って、頑張った時代があったのに…。後期高齢者医療制度の混乱など見ていると、悲しくなっちゃうよ。富を創造する話は一つも出てこなくて、分配の話しばかりだから…。何故、総額を増やそうとしないのかね? 営業が小さくてなって、バックオフィスの管理部門が、肥大化する社会構造は何処かおかしいね。消費者庁などの創設はその象徴だよ。
時代や:だから日本株は1989年から低迷しているというのが、かたるの持論だよね。耳にタコが出来ているよ。そんなことを嘆いてもしょうがないよ。僕等は与えられた土壌で勝負するしかないんだから…。やはり国策関連だろうね。太陽電池は新しいテーマになるんじゃないの? 電池だって…そうだよ。
かたる:僕は電池より業績に寄与している太陽電池に興味があるね。しかし今日、日経産業新聞報道で上がった、イーエスピーなどみると行き過ぎている印象もあるけれど…。関連銘柄は多いね。簡単に列挙すれば、NPC-6255、SES-6290、アルバックー6728、シャープー6753、フェローテックー6890、トッキー9813、京セラ―6971、信越化学―4063、SUMCO-3436などが関連かな?
トロ:珍しいね。材料株などは、あまり取り上げないのに…。
かたる:理屈からすれば、考え方は三菱商事なんかと同類なんだよね。太陽電池も電池自動車も…資源価格の高騰が背景にあるから開発を迫られ、その発展を促すために補助金を出すわけだから…原子力もそうだし…みんな一緒の仲間だね。
時代や:GSユアサだって、馬鹿にしたもんじゃないよ。カラ売りを飲み込んでいるから…第二ステージがありそうだよ。
かたる:勝手にやりたければ、やればいいよ。内容のない株は、いつかやられる筈だよ。SUMCOなどに興味が前からあったね。今年の3月に1664円を付けたけれど…、買って見たかった株の一つだよ。何故なら、大きな設備投資をして賭けに出たわけだから、その見込みが当たれば利益が伸びるよ。ただ大規模な設備投資は減価償却費が増えるので市況ものの場合は恐いけれどね。需要見通しで意見が大きく割れるからね。GSユアサなどは業績の大きな伸びは期待できないよ。そりゃ、日本電池とユアサバッテリーが統合した会社だから、効率化の精神を汲んでいるけれど…果たして、どんどん人気株になるのかな?
時代や:お前のような理屈やが大勢居るから、空売りが入り相場になるんだよ。ハハハ…当面は博打株さ。
かたる:そんなものかね。僕には夢を感じられないから、やはり応援はできないね。やはり夢を感じさせてくれる会社が良いよ。
トロ:100円割れのベンチャーリンクに夢があるの?
かたる:今日発売された週刊東洋経済に就職ランキングが載っていたね。
1位がオリエンタルランド、2位がJTB、3位がANA、4位がソニー、5位が集英社だったね。商事は30位、リクルートが36位、三菱重工が83位、サイバーエージェントが107位、武田製薬が130位、楽天が137位、なんとベンチャーリンクが146位、京セラが161位、僕の息子が入ったUSENは182位、ワールドが191位、ソフトバンクは220位、竹中工務店が300位だったね。
トロ:くだらない。学生の評価が、株価の評価になるのか? 駄目な会社は駄目さ。
かたる:考えて欲しいけれど、学生は何を基準に会社を選ぶの? 将来の夢だよね。優秀な学生が入るのだから頑張って欲しいね。この雑誌でもう一つ目に付いたのが、スーザン・シャークと言うカルフォニア大学教授(元米国務次官補代理)の「中国を暴走させかねないナショナリズムの危険性」と言うコラムだったね。連続インタビュー記事らしいが…中国は大丈夫かと言う特集を、これから組むらしいね。
株価を考える上で中国の今後を展望することは重要だからね。アメリカのサブプライム問題は注意をしているが、それほど重要視はしてないね。冒頭にSPCの問題を書いたけれど…彼らは市場主義の人間だから、大丈夫。やはり恐いのは、中国だと思うよ。仮に経済をコントロールできなかったら、どうなるのかな? 何しろ、外国資本に頼って固定資本形成と貿易で持っている国だからね。さて、冴えない展開だけれど、今晩のNY市場は上がって欲しいね。このラインの株価を割って欲しくはないのものだね。日本の場合は騰落レシオが136から79.6となってきたね。
2008年06月20日
6月20日
かたる:NY市場では金融保証会社(モノライン)のMBIとアムバックの格付けをムーディーズが引き下げたと言います。MBIのこれまでの安値は4.76ドルで、昨日は6.45ドルで終わり、時間外で6.10ドルまで下げているといいますが…。シティーも4-6月期の追加損失の話が出ていますが、20.17ドルと20ドル台を維持しています。たぶん、予想通り6月末は中間決算末でもあり、株はあがると思うのですがどうでしょうか?
時代や:今日の株式市場は弱かったね。後場から上海は戻っているし…日本も上がるかな?と思ったのだけれど、駄目だったね、残念。それに材料株が下げちゃったし…。日経新聞は、なんであんな記事を載せるんだよ。「業績寄与はかなり先」なんて言う書き方をするのかな?
かたる:事実だからね。しかしGSユアサはカラ売りが入っており、まだ株価がどう動くか分からないよ。僕は関心ないけれど…。昨日は電線で、今日は砂糖、そうそう、肥料なんかと言う切り口もあったね。リン鉱石は中国の輸出により価格が大きく変わるからね。肥料には窒素、リン、カリウムが欠かせないから…。リンは中国から主流に輸入しモロッコやヨルダンからも輸入しているらしいが…今回の問題は中国の輸出課税にあるんだってね。リンがなければ野菜が食えなくなるとか…、トホホ。それでイスラム金融方式を使ってサウジで共同開発か…。しかしめまぐるしい物色の変化は、市場の手詰まり感の表れだろうね。
トロ:まるで…いつも自分の相場観が正しいような言い方だね。材料株を批判したり…、お前の主張する新興株だって同じようなものだよ。
かたる:違うね。ネット関連などを代表とする新しい産業ビジネスは、これからどんどん拡大するよ。特に携帯コンテンツの3G技術などは、日本が世界の最先端を行っているね。これから世界中に広がるビジネスで、業績にも既に現れている。電池の技術革新は必要だよ。しかし改善はされているが画期的な発明じゃないね。リチウム・イオン電池を自動車の中で、大量に使えるかどうか…。仮に出来ても日経新聞の報道どおり2012年だった?
時代や:いや、2013年度って、書いてあったね。
かたる:そうか…かなり先の話だね。株は普通6ヶ月先って言うからね。やはり博打だね。まぁ、そうは言っても、フルスピードを日経さんが、大きく取り上げたけれど…。株には仕掛け人が存在しないのだろうね。ターゲット広告か…検索の会社だと思っていたのだけれど…。あの記事を読んだけれど、グーグルとヤフーのコバンザメ商法だからね。過大評価は出来ないだろうね。それにまだ決算期は過ぎてないから、取り上げるのは早いかも…。僕は、否定はしないよ。でも会社がまだ小さいね。やはりある程度の大きさがないと…やり辛い。
時代や:じゃ、上がりもしないソフトバンクか? それともヤフー? もういい加減に、厭きているよ。
かたる:そうかね。そんな話より、企業年金連合会は8%以上のROEを上げなくては、経営者の再任をしない。との報道があったね。これは非常に興味のある話だね。日本にもようやくROE時代がやってくるね。
トロ:ROEなんて、別に珍しい指標ではないよ。なにをそんなに興奮するの?
かたる:だって…考えてごらんよ。IHIのような経営の仕方を否定しているんだよ。ROEを上げる為に、総資産の回転率をあげなくてはならないから、資産の圧縮に動かなくてはならないね。荏原なんか都心に大変な含み利益があるのに利用してないよ。IHIなんか、佃に診療所があるんだよ。信じられる? 会社は豊洲にあるんだよ。僕は佃の病院を売るべきだと思うね。でもあの建物は健康組合の持ち物なのかな? まぁ兎も角、経営に失敗して土地を売って、失敗を隠すようなことが出来なくなるね。ROEを重視すれば、自然に効率経営に向うんだね。無駄な経営資源を抱えない経営になるよ。効率化だね。
トロ:効率か…合理主義者の発言だね。
時代や:どんな株が、ROEが高いの?
かたる:此方にリストがあるね。でもこれは時価総額が小さいのもあるから…。時間があれば僕がいいリストを作るよ。最近はこの指標に僕も関心があるね。
トロ:ソフトバンクやヤフーのROEは高いからね。でもソフトバンクは特別利益で借金が多くレバレッジをかけているからね。借金が多いリートと同じだね。お前は日経新聞の批判をするが、似たようなものだね。自分に都合のいい記事を取り扱うからね。騙されちゃいけない。
かたる:人聞きの悪い言い方だね。騙すなんて…。僕は嘘を言わないよ。そりゃ、株価の予想を間違うことは、しょっちゅうだけれど…。書かれている話は本当の話だよ。いや…自分で行ってるわけじゃないし…調べているわけじゃない。伝聞だね。新聞や雑誌の…
時代や:上海は下がるし…米国景気も悪化が長引くと、ポールソンが言っていたね。
かたる:予測などは当たらないものだよ。サウジの増産と中国の販売価格の引き上げで需給バランスが崩れるとの期待があるが、どうなるかな? 原油先物の手口に調査の手が入っているというし…、そろそろ仕掛け作りが始まってきたかな? 僕はやはり新興株の相場だと思うね。騰落レシオも83になり低下してきたね。そうそう、コマツと日立建機の株価がまた接近してきたね。市場の流動性が不足してきたんだろうね。さて今日はこの辺でやめよう。実は面白い売買のアイディアが浮かんでいるが…、週末にもっと検証する数を増やさないと…。上手く行けば…なんて、そんな夢のような話は、やはり、あり得ないかな?
2008年06月19日
6月19日
かたる:NY市場は遂に短期線(25日線と75日線)がデットクロスしました。昨年の3月15日、8月17日、11月19日と3回ありますが、その後3回とも上がっていますね。今回は昨年の3月のイメージが重なります。もう直ぐ、NY市場は強含みの展開になると考えています。残念ながら建築着工件数は17年ぶりだったかな?低い水準ですし不動産が下がり逆資産効果なども心配されるのですが、私は揺り戻し作業がほぼ終了したと考えています。理由はいずれ…。下のNYダウ、SP500、NASDAQのチャートを見るとハイテクは強いのですね。
今日はみずほを売買代金708億円で押さえ、GSユアサが806億円で堂々の首位になりました。市場は電池と言う将来の夢を買ったわけですね。僕は相場に批判的ですが、市場経済だから、株価を上げて公募増資を実現させ、その資金をGSユアサは研究開発費につぎ込めば良いのです。まぁ市場の支持は、そこまで続かないのでしょうが…。つまり市場経済とは、必要なところに資金を流す仕組みですから、それはそれで良いわけです。
トロ:原理はそうだけれど、実際の値動きは目先の金儲けに走る短期売買だからね。理想論はそっちのけだから…
かたる:選挙と同じで日本国民が、その選択をするなら受け入れないと…。事実、市場が応援して大きくなった会社はたくさんあるよ。古くは任天堂、最近はヤマダ電機などが代表的な例だね。
時代や:だいたい、かたるは堅く考えすぎだよ。日本の将来だと…そんなことを考えている投資家はいないよ。自分が目先、儲かればいいのさ。日本の事なんかどうでもいいよ。
かたる:建前を言っただけだよ。株式の考え方の原理を…ね。僕は市場が豊かになって欲しいからね。通産事務次官の北畑さんの「ネットトレイダーは馬鹿な寄せ集めのような…」と発言をされると、カチンと来るからね。博打も結構だよ。このような博打の中で投資家が学び、やがてどんな投資方法が儲かるか? 試行錯誤で考えるようになるよ。市場に厚みがつけば、豊かな市場になるからね。役人は自己否定をしないからね。自分達の作った法律や指導が正しいと思っているから…
今日は国際通信インフラ投資で、海底、光ファイバーの増強のニュースが流れると、大手の住友電工や古河電工をやらずに、沖電線や東京特殊電線だからね。両社は全く関係ないのに…、困ったもんだよ。まぁ、いいけれど…。まぁ、このような動きがあれば、市場は生きている証拠だからね。僕はソフトバンクやヤフーを仕掛けるのが筋だと思うけれど、そこまでのボリュームが市場にないのだろう。
時代や:何かハズレ屋が自己弁護しているみたいだね。要するに、基本は儲かればなんでも良いわけで、お前のような銘柄選びは合わない訳だよ。そろそろお前も引退をすべきじゃないの?
かたる:うん。確かに最近、思うよ。目先も考慮すべきかな?って…。でもね。このような材料株の動きで一時的に儲けられたとしても、またやられるんだね。僕はやはり企業が成長して、その企業の成長に合わせ売り買いをする方法が正しいと思うね。2年や3年は長い人生の中で大差ないからね。僕は株式投資の基本は、世の中が豊かになるものを提供する会社が、伸びる社会が良いのだと思うよ。だから銘柄選びもそのような豊かになるような社会起業的な会社を選びたいね。まぁ市場経済だから、儲けなくてはならないがね。
時代や:じゃ、サラ金やは、必要なのかよ。
かたる:効率的な市場原理は必要だよ。日本の場合は銀行が独自で動けないんだね。マニュアルで資金配分を決められる。公務員なら決まったお金が毎月入ってくるよ。民間企業は特に中小企業は、今月は給料が遅配になる…ってな事もあるよ。あるいは退職金も出ずに潰れるとか…そのような社会は当たり前だよ。ところが貸金業法改正は、国民、全てが公務員だという前提のような形で、作られた法律改正だよ。個人事業主だって国民だよね。取引先が支払いを1ヶ月待ってくれとか…、手形が落ちないとか…、そのようなことは日常茶飯事なのに、年収規制などで資金元を閉めるんだから、やはり異常な法律だね。最近倒産は増えているのは、そのような現象が原因の一つでもあるよ。
サラ金屋を上場させたからには、日本で認められた企業形態だからだね。違法なら潰せば良いし、上場させるべきじゃないよ。銀行にちゃんとした融資機能がないから、サラ金が発展したんだね。いわば補完機能だよ。僕はまた法改正を迫られると思うし、サラ金も世の中に必要だと思うよ。株価がぼくの算盤の理屈に合わないから買っているんだね。武富士は、何故、TOBされないのかな? NISだって事業金融として、必要な存在だよね。
トロ:なるほど…。なんか、かたるの銘柄選択は曲がってないかい? 企業の利益が増えるから、儲かるから、業績がよくなって株価が上がると言う発想だけじゃないね。社会に必要だけれど、政策で潰している。故に、悔しいから応援するって、聞こえるね? だから政策批判するのかな? 株屋は政治家ではないよ。やはりお前は変わっているね。
かたる:僕は市場原理の仕組みが…、例えば僕は買わないよ。GSユアサなんか…。直ぐに業績に貢献するわけじゃないし…。でも昔から市場では夢で相場を作ってきた時代が沢山あったからね。仮に本物の相場になると仮定すれば…、GSユアサの利益が30円、50円となって、株価も1000円、1500円と成長し、1500円の高値で3000万株の公募増資を実現させる。そうして、その資金450億円で新工場を建てて、多くの従業員を雇用して、世界中の自動車メーカーに輸出すれば価値のある話だね。
でも残念ながら、調べてないが大手の自動車メーカーには納入しているかどうか…。それに技術力もそんなに高いかどうか…。四季報では自動車電池は25%となっているから、電池自動車の夢は常識的に考えれば、幻だと分かるよね。だから僕は買わない。でもいつかも言ったけれど、僕の考えが正しいわけじゃないよ。日本製鋼所の例を見ると思うよ。また木村化工機もね。いずれも僕には乗れない株だったね。
時代や:理屈はいいの。株は儲かればいいのさ。電線株も強いね。東京特殊電線って…仕手化しやすいからね。
かたる:そうだね。でもGウィンはどうしたの? 一時的に水着は売れるかもしれないが…調べてみると、何回も着れない素材らしいね。例の水着は…。まぁ、改良されるのでしょうが一般的じゃないよ。どうも僕には一時的な線香花火のような銘柄は…苦手だね。
トロ:仮に米国株が堅調になると…どんな展開の相場を考えているの?
かたる:内緒。色んな銘柄が考えられるけれど…、意外に米国は強いって仮定も成り立つわけで…今、株価が弱い時に、こんな事を言っても無駄かもしれないが…僕はその路線も考えているよ。でも今は新興株優先だけれど…この考えはもう直ぐ分かると思うよ。
時代や:その自信たっぷりな言い方に騙され続けて…○○年。時々、当たるけれど…最近はサッパリだからね。
かたる:政策が…って、言い訳をしたいけれど。無駄なことだね。みんなは清貧思想が好きだね。僕にはサッパリだよ。インフレ相場の再来を臨んでいるよ。そうそう、重要なヒントを書いておくね。ペトロチャイナが大幅に下げているが、その理由は、親会社の中国石油天然気集団公司の税引き利益が40%減ったんだって。その理由は「特別収益金」の存在で、中国では昨年の10月から同じ価格で売られているんだね。つまり補助金を出しているわけ。そろそろ、この現象は限界で近く市場価格を引き上げると言われているとか…。この話は重要だね。意味はそれぞれが考えればいいよ。それでは今日はこの辺で…。
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2008年06月18日
6月18日
かたる:NY市場は予想より良かったGSの決算を受け高く始まったけれど、そのGSが発表した「米銀全体はこれまでに1200億ドルの資本を増強したが、新たに650億ドルの資本調達が必要になる」との発表を受け、金融株を中心に下げたと言います。市場予測どおりだったPPI(卸売物価指数)の前月比1.4%と高い伸びを嫌気したとも言われています。安値を更新していた、上海総合は今日は久しぶりに反発したようですね。
残念ながら、今日の東京市場は売買代金が2兆円を割り込みました。しかしNY安にも拘らず日経平均株価は高くなり、インフレ対応力の強さから外人が買っているのかどうか…。野村證券の日本株キャラバン隊が、頑張ってくれるのでしょうか? 売買代金が落ち込んだようですが、東京市場は個人投資家好みの値動きの粗い株が散見され、意外に個人投資家が元気になってきました。銘柄の中心は電池株ですね。
時代や:うん。すごい動きだね。古河電池―6737は184円から1399円、GSユアサ―6674は195円から595円だよ。手掛けている人は笑いが止まらないよ。
トロ:電池の関連銘柄は大手だよね。やはりソニー、松下、三洋電機などが自動車も強いのじゃないのかな?
かたる:詳しく調べてないから分からないよ。自動車電池は各社が研究しているが自動車の場合は耐久性が問題になり過酷な条件をクリアしないといけないからね。でも株価が上がっているほど、直ぐに業績に寄与するわけじゃないよ。要するにムードで上がっているだけで、このような人間の感情は直ぐに冷めるからね。業績の裏付けのない株価への期待は冷めやすいから気を付けた方がいいよ。
時代や:要らんお世話じゃい。お前の博打株と、どう違うんだよ。株なんか上がればいいんだよ。下がるような株を薦めていれば馬鹿だよ。やはりピンピンと上がる株をやらないとね。
かたる:確かに時代の要請がある株価を高くすることは、市場原理の理に適っているね。故に完全否定はしないよ。僕はヤマダ電機とコジマ電機の差が、ここまで開いたのは市場の力を上手く利用した会社と下手だった違いだと思うね。高成長する会社はどうしても資金の裏付けが必要だからね。市場が資金供給すれば、積極的な出店ができ利益を上げられ続けるからね。だから次世代の電池革命の為にも、株価を上げる必要はあるが…業績の裏付けのない株を、いつまでもやるわけには行かないね。
時代や:だって…古河電池だって四季報によれば、1株利益が33円も出る事になっているからPER30倍で990円。電池の成長性を考えればPER50倍で1650円なんじゃないの? GSユアサだってEPSは16円だから、PER30倍なら480円、PER50倍なら800円だよ。お前が批判するのはおかしいよ。
かたる:なるほど…一応、筋らしきシナリオと言うか…背景は分かったけれど、本当に成長できる可能性はあるのかな? 電池自動車のバッテリーは、まだ試作段階だよね。郵便局の電池自動車購入のアドバルーンは効いているね。きっと環境サミットに絡み、仕掛け筋が存在するのだろう。でも僕はやらないよ。季節限定の勝負は苦手だね。同じ季節限定なら増額見通しの三菱商事の方が良いと思うけれど…。
時代や:あれれ? 昨日は原油価格が天井圏説を唱えてなかった?
かたる:うん。でもまだ実際に増額修正をしてないから、株価は上がるかもしれない。しかし既に天井を過ぎているかもしれないし…。仮に上がっても次は二番天井になる可能性もあるね。やはり息の短い銘柄をやるのは苦手だな。大きく買えないからね。
トロ:今日はガイシが良い動きだったね。こちらの排ガスの話の方が、実現性が高く業績に見合った動きなんじゃないの?
かたる:僕は、僕の道を行くよ。今日は出来高が少ないように、相場の強さは、そんなに強くないね。だから次はこれ…などと言う感覚で、人気株を追うとやられると思うよ。株が高い時は、どんどん強気の人が増え、だんだん売り物が薄くなるからね。1月からスタートしている電池株は、既に5ヶ月を経過しているからね。それも急騰している人気株だから…。僕も嫌いじゃないが…お薦めはできないね。やはり確実な買いが継続して入る銘柄の方がいいかな?
だんだん、株価が上がっていくと人間と言うのは、その気になるものだからね。ところが、株価が安いと、そんな気持ちが直ぐに消えるからね。僕の場合は株価が安くなると、俄然、燃える方だけれど…高くなるとだんだん興味を失うんだね。でも、この性格がアダになることも…あるからね。今回は予想外の展開で、買っている株が多くなったね。今日も売らずに買い続けているのだから…困った性格だよ。さて今日はこの辺で…。賑やかな相場は大賛成。それぞれが思うような銘柄を買えばいいよ。
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2008年06月17日
6月17日
かたる:今日は時間がないので簡単にします。
NY市場ではリーマンの決算が終わり、どうやら読売新聞の報道では増資も決まっていた模様です。AIGなど一部の金融株は安いですが他は上昇している様子です。NYダウ平均株価の動きは微妙な展開でこの辺りで止まる可能性もありますし、更に下値を試す可能性もあります。結局の所わかりませんが私なら短期線のDC(デッドクロス)がまもなく見られますので一度は打診買いのチャンスなのでしょう。揺り戻しもこの程度でとどまれば強いですね。本当に2四半期のマイナス成長(リセッション)があるのでしょうか?アメリカでは小売売上は伸び続けています。住宅だけが深刻な状態なのですが、住宅関連株は意外に強いのです。大きな落ち込みがあるように感じられません。
日本は米国よりも中国の影響を受けますからね。東シナ海の資源の共同開発が決まりそうで意外感があります。中国って、案外、まともな国なのかな?と思います。その反面、フェロアロイだったかな? 鉄を作るための脱酸酸素を除去するために使われるらしいのですが、この材料が高騰し中国が契約価格どおりに品物を納めないという報道がありましたが、このような記事も、度々見るので、いい加減な国だなとも思うのですね。余談になりましたが…台湾の問題もあり経済に影響がなければ良いのですが…。
原油価格の高騰により、原油先物相場動向が注目されていますが、最近、立て続けにサウジに増産余力が大きくあり、原油価格は天井圏だという記事を読みました。どうなりますかね? まもなくテキサス出身のブッシュ大統領も変わりますし…。2006年初めに小泉政権の続投路線が消えると、その途端に在任中にも拘らず、改革への揺り戻しの事件が起こりました。そうして日本は景気後退に入ったわけです。(内閣府は未だに認めていませんが…)
相場は読みどおり、新興株の出番が来たのだと思っています。昨年の7月相場の再来かな?と感じているわけですが、しかし今回のBRICs銘柄は、意外に株価は確りするのだろうと思います。信用買い残も多くの銘柄で通過していますから…。やはり政権の交代は大きな変化を生むものなのでしょう。日本でもそうだし…おそらく世界でも。色んな意見はあります。食生活の変化だと購買力が上がったとか…しかしその反面、これまで開発されてないオイルシェールも採算が合うようになりますからね。此方はバーレル60ドルとか…言ったかな? 多くの新規の油田開発はバーレル30ドル前後だそうですね。イランは在庫があり備蓄しているとか言う記事も読みました。そろそろサウジの増産から売り崩しがあっても…なんて考えることもあります。反面、日本の化学業界は200ドル体制に向け、対応できるように準備しているとか…どちらに軍配が上がるのかな?
株式相場は自分の心理との戦いです。安いときはなかなか買えませんが、株価が上がってくると買えるものです。不思議ですね。ようやくこの2ヶ月間、仕込んでいた株が浮上の気配です。たまにはちゃんと上がって欲しいものです。ビスタニュースで掲げた買ってない観察銘柄ばかりが上がるより、買っている本命株が…。今回は利食いではなく、追撃買いと強気を堅持する予定ですが、どうなりますか…。今日はこれから大御所さんが引退するので送別会です。是川銀蔵との取引の話でも聞いてきますかね。他にも大物の人の話しなど…色々と彼は証券界を知っています。証券界の生き字引みたいな人ですね。昔は良かったのです。やはり経済成長している輝かしい日本が良いですね。
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2008年06月16日
6月16日
かたる:米国の5月のCPI数字予想が前月比0.5%だったけれど、実際の発表数字は0.6%でした。FRBが重視しているといわれているコア指数は4月と同じで前年比2.3%、それほど懸念する数字ではないと言う話ですね。年率のCPIは4.2%でした。米国のGDPは一人あたり4万ドルを越え、IMF調べで45845ドルですから、中国の2460ドルを大きく越えているわけです。つまりインフレの影響力が大きいのは所得水準の低い国ですね。アジア・欧州の43カ国が参加するASEM財務相会議議長声明では原油や食料品の高騰を「重大な試練に直面している」と言っています。中国のCPIは予想より低く7.7%でした。
時代や:最近、かたるは相場の話よりマクロ経済指数の話しを、良く持ち出すようになったね。何故なの?
かたる:グローバル経済になり相場の流れを予測するには、銘柄の物色を予測する為に、やはり世界景気の背景を知らないと駄目なんだね。そうしないと、どの銘柄が上がるのか分からないのだね。僕の今のメインシナリオは、みんなと同じように米国の景気後退、続いて中国の減速と言うシナリオだね。しかしその落ち込みの程度など、加速度が読みにくいね。米国の4-6月期はマイナス成長といわれているが…落ち込みが、そう大きくないと言う事で、米国株が3月の安値から戻ったんだよね。
しかしリーマンのNYタイムズなどの報道により、リーマンが第二のベアースタンズ化するんじゃないかとの憶測が、金融株全般に波及し楽観論を否定した相場が、最近のNY市場の動きだね。勿論、その背景には、原油高を気にするFRBの利下げ打ち止め発言などがあるのだけれど…。今晩だと思うが決算発表するリーマンの株価は金曜日、前日の22.70ドルから25.81ドルに上がっていたね。上手く増資が成功するのかどうか…。外人投資家の参加が多く、日本人主導でなかなか動かないから、仕方なく全般を見ないといけないよ。だからマクロ指標に関心を持たざる得ない。
トロ:そんな数字の流れを知っても、相場が当たるわけじゃないけどね。でも最大の関心はポールソン米財務長官の「為替介入の選択肢も排除しない」との発言じゃないのかな?この発言以降、ドルは強含みサウジの原油増産観測が出るなど、株価は戻し気味だよね。故に輸出企業株のトヨタなどが強い動きだよ。ほら…まともの株で勝負すればいいのさ。先週の5400円は絶好の買い場だよ。
かたる:確かに…。今日はGSユアサなどの株価も上がっていたね。日経新聞も、三菱自動車と一緒に煽るものだから…株価が仕手化しちゃって。
時代や:良いじゃん。お前は仕手株に対し、だいたい批判的だよね。日本電池とユアサ電池が、一緒になった会社だよね。
かたる:別に…市場が賑わうことは良い事だよ。僕は木村化工機にも批判的だったけれど株価は上がったし、日本製鋼所もそうだよ。実際の業績に寄与しないような材料株はあまり好きではないね。多くの株は何れ下がるから…。株は分からないものだよ。アームのような存在もあるからね。なんとも言えないよ。
トロ:金利がやはり上がっているね。今日は1.88%だね。まさか2%の壁は破れないと思うが…ところで、みずほの自社株買いは、いつからやるの?
かたる:既に始まっているよ。6月10日から11月30日だね。今回は1500億円だよ。しかし…値決めの時期に自社株買いを発表した姿勢は許せないね。フェアじゃないよ。それも今期は4000億円で、来期も4000億円やるというなんて…。もっと前に言うべきか、あるいは価格が決定してから言うべきだったね。転換価格は53満6700円だから転換を促進させる為に、株を上値で買う必要があるね。
時代や:つまり…みずほも株が上がるということか?
かたる:自社株買いをして株が上がるかどうか…そんな事は分からないよ。発表しても自社株買いをしない企業もあるし…。それにみずほの1500億円は時価総額が6兆4388億円もあるからね。更にこれから優先株1兆円分があるわけだし…。インパクトとしては浮動比率が低いヤフーの600億円の方があると思うけれど…。
トロ:おいおい、まぁヤフー程度なら時価総額も大きいから良いが、新興株はあまり取り上げないほうがいいよ。やはり一般論だけにしたほうが…。だいたい個別株に対し、どうのこうのと言うのはどうかね。
かたる:トヨタなら許せて、新興株は駄目なの? 何か日本的だね。
時代や:新しい四季報が出たけれど…何か目立ったのは、あった?
かたる:そうそう、昨日、ビスタニュースで観察銘柄に取り上げた銘柄が、いきなり値上がりランキング上位に顔を出していたね。まさか、偶然だと思うけれど…。まぁ、読みどおり売りが切れているような今日の動きだったけれど…。果たして明日以降、出来高のバランスはどうかな? 出来高は株価以上に重要なんだね。さて今日はこの辺で…
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2008年06月13日
6月13日
かたる:NY市場は微妙な段階、上海指数は安値追い、世界の新興市場は崩れています。実は日本の不動産市場も崩れています。経済を活性化させるために、お金を回すのですが、お金を回す人(外資)に、ゆとりがなくなったので実体経済が減速するのですね。本来ならお金が余っている邦銀が、貸し出し姿勢を強めるべきですが、自立的な判断が出来ない状態になっています。日本がGDPデフレーターに苦しんでいるのは、行動を押さえつける金融政策があるからです。さらに日本の経営者も右に倣いで自立心が失われていますからね。
中国などは株価を見れば、明らかに減速姿勢です。フェロシリコンと言う素材があります。鉄を作る時に使われる材料で、還元、脱酸、造滓、加珪用途に使われています。中国が主な輸出国ですが、この価格が急騰してきたので、契約通りの安値で出荷を拒否していると言います。契約をすれば、それを履行するのが当然の責務ですが…質が悪い人種ですね。中国人は…。まぁ、日本人の資質も近年、衰えていますから批判は出来ませんが…
時代や:ドイツ証券の持ち高を気にする向きがあったけれど、SQは無事通過したね。でも相場はサッパリだ。やはりNY市場の株価の行方や中国が気になるのかね?
かたる:本当だね。NY市場のチャートを見ると1200ドルの攻防だけれど、1月、3月の安値を下回らずに反転してもらいたいものでね。
トロ:かたるは、どう思っているの?
かたる:僕は強気だよ。でも金融株が下値を切ったものがあるのは、やはり気になるね。どっちにしてもアメリカは以前から言っているように、市場主義の国で大丈夫だと思うよ。問題は中国だと考えているがどうなるのかな?
トロ:要するに株価は低迷するということなの?
かたる:分からないね。インフレ相場が始まっても良いように感じるし…まだ早いようにも思えるし…。基本的に僕は世界経済の行方を判断するのは、時期尚早なんだろうね。米国の金利が上昇したのは、何もインフレ懸念だけじゃないだろう。景気回復の含みがあるのかもしれない。日本も同じ事だよ。
分からないのが消費庁の発足の影響だね。僕にはどう考えても、デフレ政策の一環のように感じるね。この庁が存在感を示そうとすれば、社会は萎縮するだろう。確かに、どうしようもない事件が多いから、コンプライアンス重視が叫ばれるのは分かるけれど、やはりどう考えても合成の誤謬だよね。
時代や:合成の誤謬って…前に流行った言葉だね。なんだっけ?
かたる:「ミクロの視点では正しいことでも、それが合成されたマクロ(集計量)の世界では、必ずしも意図しない結果が生じることを指す経済学の用語。」と解説されているよ。サラ金法案も建築基準も金融商品も今度は消費庁か…日本ぐらいじゃないの。物価高を喜ぶのは…
時代や:かたるは日本の物価が上がったほうが、良いと思っているの?
かたる:経済活動に良いインフレと、悪いインフレなんて区別があるが…多少のインフレは日本人の消費を刺激するから良いんじゃないの。世界中で物価高によりストなどが起きているが日本は蚊帳の外だからね。内外価格差が異常に大きかったけれど、だんだん縮小してきたよ。カニの足が一本ないだけで商品価値がなくなる市場は、世界から見れば異常なんじゃないの? スーパーの過剰包装も相変わらずだし…基本的に報道機関が作られた情報しか流さないから、日本人の価値観がどんどん歪んでいるのだろう。株が上がる為には何が必要か? 何故、株が上がらないのか?…を考えると、最後はやはり政策に行き着くんだね。既に1989年から20年近くも株価が低迷したままの国なんてあるのかな?
そのなかで上場来高値を更新する会社は、海外で活躍する会社ばかりだね。日本で商売をする会社で、株がどんどん上がる会社ってあるのかな? 僕は日経平均株価と単純平均株価を時々比べるが、その違いは他にも見られるよ。例えば街角景気の動向と鉱工業生産指数の推移のグラフだね。このグラフを見ると分かるけれど、鉱工業生産指数以上に街角景気の落ち込みが激しいね。つまり内需の景気はメチャメチャと言うわけだね。当たり前だね。折角、持ち上がってきた都心の開発競争に金融庁は通達を出して融資をストップさせるわけだから…。サブプライム問題で余裕がなくなった外資が減ったので、途端に景気が悪化しているね。
建設機械にも工作機械にも言えるけれど、国内の落ち込みは激しいが、新興国向けに需要はあり盛んに作っているね。工場はフル操業が続いているといわれているね。故に鉱工業生産指数は頑張っているが、街角景気は沈んでいる。物価が上がり始めれば、上がる前に物を買おうとする心理が働くから消費動向が強くなるね。ガソンリン価格が来月180円になるといえば、今月の170円のうちに入れたいという心理が働くのと同じだね。この動きが継続すれば、何れ、人間だからインフレに慣れるね。そうして行動が、積極的になるよ。この考え方が、インフレ相場が株高に繋がる原理だね。日本人は長らくインフレを忘れているよ。すっかりデフレ漬けにされているからね。
トロ:インフレ相場なんて、面白いネーミングを付けるね。しかし現実はなかなか変化しないね。そのような動きになってから、行動に移してもいいわけだよ。なるか、ならないか分からない段階で騒ぐのは、貧乏人の行動パターンだね。
かたる:悪かったね。貧乏人で…。今日のトップはトヨタか…。円安の方向性で一つの流れを感じるね。楽天も最近、頑張っているが…ソフトバンクの動きを見ると、市場は弱いんだね。さて、ようやく週末だね。今週は長く感じたね。なにか良いアイディアが浮かばないかな?
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2008年06月12日
6月12日
かたる:NY市場の動向より深刻なのは新興市場の動向でしょう。ここで言う新興市場とは上海やインド、ベトナムなどのことですが…。そのベトナム・ファンドを募集していた証券会社がありましたが…あの時がピークなのでしょうね。まるで仕手株ですね。今、起こっているGウィンなどの相場やGSユアサも似たようなものでしょうが…。今日は上海総合指数が新安値を付けたようです。インドも利上げがあったそうで弱い展開です。サブプライム問題は投機的な資金を封じ込めましたね。やはりGDPの成長率に株価も連動するのでしょう。どの時点がチャンスなのか分かりませんが、オリンピックが終了してから中国株を研究してみたいと思っています。その中国の消費者物価が正式に発表されました。予想数字7.9%から実際は少し下がり7.7%だったようです。四川省の地震で心配された食料品は19.9%と前月の22.1%より下がりました。ある意味でホッとします。
時代や:何故? 経済活動が鈍っているから、物価の上昇が抑えられているんじゃないの?つまりアメリカ景気の影響が現れているということで…、懸念材料なんじゃないの?
かたる:いや、消費者物価が日本の第一次オイルショックのように急騰するほうが恐いね。先日、調べたけれど1969年から1972年の平均のCPIは6.0%だったんだよ。その頃のGNP(当時はGDPではなくGNPが主流)が9.5%成長だね。ところが第4次中東戦争が起こると原油が1.9ドルだったのが9.8ドルに急騰する過程で、1973年のCPIは11.7%に跳ね上がり、74年はなんと24.5%まで上がるんだよ。でも73年のGNPは辛うじて10.2%の成長をしているが、74年は▲1.8%だよ。つまりCPIの落ち着きは健全な成長を示すもので、中国が上手く経済運営をしている証拠になるんだね。まぁ中国は統計数字も捏造されている可能性があるから、一概に信じるのはどうかと思うけれど…一応、数字上は大丈夫と言う解釈だね。
時代や:それじゃ、何故、上海総合株価指数が新安値を付けるのかね?
かたる:ずいぶん上がったので、その調整だろうね。何れ落ち着くだろう。その時に、もう一度、中国株を考えてみれば良いね。
トロ:デッカプリング現象、危うし…と言うところかな?
かたる:アメリカ株が金融システムの揺り戻しで下げているが、昨日も言ったけれど、日本の工作機械メーカーの受注は米国が伸びているんだね。好調だから設備投資をするわけだね。マックもコカコーラもグローバル企業のためか数字は伸びているよ。3月17日以来の米国株はバンカメ、AIG、ファイザー、メルク、GE、GM、JPモルガンと株価は下げているが、シェブロン、ウォルマート、ディズニー、マクドナルド、IBM、キャタピラーなどの会社は上げているね。個人消費は意外に強いんじゃないの。やはりノンリコースローンの仕組みだからだよ。
時代や:ノンリコースって、担保を差し出せば、債務額、全部が回収されなくても免除されるシステムだよね。
かたる:うん。日本の融資と少し違うね。貸し手責任が明確化されているんだよ。本来は日本もそうすべきだね。
時代や:総合的な話より株価なんだけれど…今日は弱かったね。でも、おいらの持ち株は上がっているのが多かったけれど…新興株は確りしていたね。やはり、かたるが言っている景気の動向が不透明なので、内需で好業績の新興株にシフトするのかね?
かたる:うん。僕はその路線で銘柄選別をして来たのだけれど…、インフレ相場の可能性もあるんだね。更に、昨日トヨタの株価動向を見たように…今日は下げているが、意外に世界景気の動向は強いかもしれないよ。微妙なバランスの上にいるような…感じがするね。
トロ:かたるは、今後の展開をどう考えているの?
かたる:僕の意見は以前から変わらないよ。新興株に的を絞ったのも金融システムの混乱が続き、世界景気は一時的な減速を示すので、内需で成長できる新興株をやるべきだと思うよ。しかし住宅着工件数などの回復が完全に確認できれば、米国景気の落ち込みも大きくなく、インフレ相場にシフトすべきだと考えているよ。現状では時間の経過を見るしかないんだよ。FRBの利下げの効果を見る時間が必要だ。だから新興株をやるべきだと言う意見だね。博打株はあくまでも博打だよ。同じ博打なら筋が通るソフトバンクと言う意見なんだね。
トロ:まだ言っているの? アリババの作られた利益だよ。
かたる:僕は最近、ROEで比較すべきだと思うようになっているんだね。PBR1倍割れの企業が続出しているのは、企業経営者が資産を有効に活用してないんだね。スティールがサッポルビールを狙ったのは、恵比寿の博物館? あのビール工場の展示場を売るべきなんだね。何故、ビールを造るために必要のない資産を抱える必要があるの? 経営者の保身だね。IHIのように経営に失敗した時に、用意しておく保険のようなものだよ。卑怯だね。経営者として全力投球しない姿勢は…これは日本企業全般に言える話だね。ソフトバンクは確かにPER18.9倍、PBRは5.35倍となっているが、ROEはなんと32.5%もあるんだよ。
時代や:話しを戻して良い? ROEってなんだっけ。
トロ:当期純利益を株主資本で割った数字だよ。要するに市場から与えてもらった資本を使って、どれだけ利益を上げたかを示す一つの指標だよ。欧米ではPERより重要視される指標の一つだね。
かたる:そうだね。ドコモはPERが14.3倍、PBRが1.65倍と割安だけれど、ROEは11.6%しかないんだよ。KDDIはPER13.9倍、PBRは1.8倍、ROEは13.6%と意外に高いね。更に松下はPER21倍だけれど、ROEは7.3%しかないんだよ。世界のトヨタにしてもPER11倍だけれど、ROEは14.4%だね。如何にソフトバンクのROEの水準が高いか分かると思うよ。日本が変身するためには、効率化が必要なんだね。無駄な資産はいらないし効率化を促進させ、世界で一番高い生産性を誇る国になれば良いんだよ。いろんな企業を列挙しようか…ソニーのROEは10.8%、武田は15.1%、三菱商事は15.8%、新日鐵は18.6%、東芝は11.9%。因みにヤフーは28.5%だね。今日は高いけれど、売り物が切れているかどうか…来週にはハッキリするだろう。
トロ:かたるがROEにこだわった原因は、効率化が必要だと思っているから?
かたる:そうだね。日本企業は無駄な資産が沢山あるね。持ち合い株なんて、本当は必要ないよ。何故、自己保身のために、持ち合いをする必要があるの? 商売上有益なら、資本関係がなくても商売を続けるね。馴れ合い関係を維持する余裕がグローバル競争の中であるとは思えないね。そんな余裕はないはずだよ。持ち合い株をするくらいなら、自社株買いをすればいい。
Gウィンの株価が急騰しているが物産や丸紅は持ち株を売るべきだろう。いくら取引関係があってもだね。以前、兼松日産と言う株が仕手化して暴騰したけれど、兼松は持ち株を売るべきだったんだね。どうしてもその子会社が必要なら、同じような会社をまた作ればいいんだよ。僕には市場が効率的だと見えないんだよ。僕等は賢い投資家になって市場を豊かにしなくてはならないね。市場が必要なところに資金を配分するような場になれば、日本はもっともっとGDPの成長率を加速させることが出来るよ。
トロ:まぁ、お前の意見も一理あるが…実績が伴わなければ意味がないね。
時代や:本当だ。
2008年06月11日
6月11日
かたる:NY市場は微妙な値動きで底固めをしているように感じるけれど…。理由は、僕はサブプライム問題の拡大懸念は杞憂だと思っているんだね。むしろ、金融デリバティブの安全性への問いかけと、市場の催促と、解釈したほうが良いのではないかな? 難しい数式の組み合わせは僕には分からないけれど、レベル3と呼ばれる資産をオープンにすべきなのだろう。不安が過度の不安を生んでいる様子が伺えるからね。
トロ:そんなことを分からないよ。本当に悪化しているのかもしれないよ。だいたい日本のケースを見れば分かるよ。崩壊から20年だった今日、みずほの優先株の価格が53万6700円にようやく決まった段階なんだよ。しかも、まだ転換も済んでないね。つまり金融危機の解消はとてつもない時間が掛かるということさ。
かたる:日本の場合は地上げなど…更地に融資をしたんだね。それも投機目的が多かったよ。しかしアメリカンの場合はノンリコース・ローンで、家を渡せば債務は免除されるんだよ。金融機関が損失をかぶるんだね。だから消費は大きく落ち込まないだろう。それに更地への融資ではなく、みんな住宅として使っている物権への融資だね。日本はテーマパークやゴルフ場などの開発にも、盛んに融資していたから本質が全然違うよ。それにも拘らず、証券価格の下落はAAA格でも45%くらい下げての評価だからね。
今日の新聞を読んでいたら、森精機やオークマの輸出が伸びており、なんと驚く事に、米国が好調なんだって…。景気後退がもっとも心配されているアメリカが伸びているなんて…信じられる? 僕はこの記事を読んでやはり…と思ったよ。時間の問題で米国の株価は揺り戻しの作業を終えるだろう。なんと今日の長期金利は1.84%だったよ。円安になりトヨタの売買代金が一位だったね。
トロ:おっ、まともな銘柄の話だね。そうだね。トヨタなどの輸出株の株価波動が変化している可能性があるね。ディフェンシブが弱い株価波動だと言われているが、第一三共がインドの製薬会社を買収するんだね。この話は大きいよ。インドの最大手らしいね。ようやく日本も世界相手に商売を考えはじめたね。
かたる:板ガラスも国内では生き残れずに…。その反面、日本興亜の問題はアデランスの延長戦だね。通産官僚の北畑さんは原油高に対しヘッジファンドの投機的な動きで、けしからんと言っていたが、確かに目先的な利益を追う行為に、世界中の人が迷惑しているようだけれど、そのおかげで太陽電池の普及や新技術の開発が進むわけだね。本来、市場経済の仕組みは効率化を念頭においているわけだよ。だから規制を前面に出す管理社会が良いのかどうか…。昨日、掲げた1988年の日本ね。あれから20年だよ。いい加減に自分達の役割は終ったという反省は、役人達にはないのかな? 相変わらず、頭のいい奴は傲慢だね。
時代や:そんな批判話はどうでもいいよ。武富士はどうなっているんだよ。とうとう、昨年の安値も更新してしまったよ。トホホ…。お前は言わなければ買わなかったのに…
かたる:何故、こんな水準まで売るのかね。僕が日経新聞を疑っているのは、あのような恣意的な観測記事をタイミングを見計らって書くからね。きっと武富士などのサラ金業界と政策当局の間には僕らが知らない深い溝があるんじゃないかと疑るね。だって、すごいペナルティーの法律だからね。過払い請求権などは…今回はシティーの撤退が引き金だけれど、良く考えると武富士は700億円のMSCBのような社債をUBSに対し発行したんだよね。その値決めが18日までの加重平均で決まるよ。
チャートを見ると分かるけれど、木曜日に一旦売り物が切れて上がったのに、金曜日に仕掛け的な売りが継続していたね。そうして土曜日だったかな? 日経の側面援護射撃記事だね。つるんでいると疑われても仕方ない書き方だったよ。一体、UBSは今回の取引でいくら儲けるつもりかね。まぁゲスの勘繰りかもしれないね。
時代や:じゃ、買い場と言うことなの?
かたる:僕は減収減益だけれど、純資産が3151円もあり黒字だし、配当も60円するのだから安いと思うね。今日の株価は1775円だから、利回りは3.38%になるね。
時代や:しかし減収減益だからね。年収規制が本格化し赤字になるかもしれないよ。
かたる:そうかもね。でも逆に、過払い引当金が多く積んであり、実際の請求は減少していると言われているよ。戻し入れがあるかもしれないよ。また銀行から買収されるかもしれないね。そうなれば、1株辺りの純資産価格は重要な株価算定基準になるよ。まぁ、想像の領域は出ないが、株価に興味はあるね。UBSの仕掛けなら金融庁は調べるべきだね。本当に情けないね。このような仕掛けを逆手に取る機関投資家が日本に存在しないんだから…。
トロ:想像はいい加減にしたほうがいいよ。お前の創造力が逞しいのはわかるが、実現する確率は低いからね。そんなことより、いい相場だよ。GDPの改定値が発表され増額修正されていたよ。なんと年率で4%だよ。日本も捨てたもんじゃないよ。
かたる:そうだね。iPhone効果でベルパークが連続ストップ高だね。まぁ、GウィンやGSユアサなどの博打株よりいいかな…、いや同列に近いかな? 何故、本尊のソフトバンクを相場に出来ないのかね? 市場ボリュームが不足しているのは分かるが、流れを変えるチャンスだよ。アスキー・メディアの調べが日経流通新聞に載っていたよ。なんと購入を検討する人が51%もいるとか…。しかし事業者変更の場合は30.9%で、ドコモから2.8%、KDDIから3.8%と言うアンケート数字になっていたね。この数字はかなりの数だね。1%って何件なのかな?5000万とすれば、50万件か…と言うことは大変だね。
トロ:おいおい博打銘柄を、連日、煽るのはどうかな?
かたる:何処が博打なの?
トロ:だって…2兆5千億円も有利子負債がある格付けの低い会社だよ。PERだって既に高いし…しかも利益の半分は有価証券の評価で一時的なんだよ。
かたる:保有株式の含みは、かなりあるよ。上場しているものだけで1兆1960億円だよ。更に中国もあるよ。説明会では3000億円を2兆8000億円にしたと言っていたよ。僕は日本の将来がソフトバンクに掛かっているといっても過言ではないと思うよ。新日鐵は冒険をせずに、しかも住金とも神戸鋼とも提携に留めているね。ブラジルの高炉は決定したらしいが、タイだったかな? あそこは、確か、まだなんだよね。それともしたかな? 兎も角、覇権と言うスケールのものじゃないね。
ところがソフトバンクは小さいし実力もないが、チャイナモバイルとボーダフォンと組んでアジアの情報インフラを実現させようとしているね。この評価がとてつもなく大きいよ。分かるかな? 一所懸命に汗を流しコツコツ貯めたお金を、日本人はどんどん金融の分野で吸い上げられている。この原因は、役人に株取引を禁止している視野の狭さが原因だね。そうして総務省は報道機関を規制下に置き、天下り先として利用しているね。太平洋戦争で敗北した原因は情報だよね。情報の価値を無視した馬鹿な軍官僚の責任だよ。
今ならまだ間に合うのが、世界でもっとも進歩している携帯コンテンツ分野だね。孫氏はモバイル・インターネットって表現していたね。この分野は、まだ今、一所懸命に伸ばせば、世界で覇権を握れるチャンスがあるんだね。マイクロソフトやインテルのように…。今がチャンスなんだ。だから株価を1万円ぐらいまで上げて、ソフトバンクに1億株の公募を実現させる。1兆円だね。きっと彼はそれに相応しい活躍をしてくれるよ。
トロ:本当に…お前はまるでSFの世界だね。それこそタイムマシーンでも乗っているような馬鹿だよ。妄想って言うんだよ。そう言う馬鹿げた発想を…ばかばかしい、馬鹿に付き合ってられないよ。
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2008年06月10日
6月10日
かたる:昨日のNY市場は辛うじてプラス圏だったね。この動きを受けて朝方は高かった日本市場だけれど、上海の動きのせいか、何故か、ズルズルと下げちゃったね。上海は、昨日、市場が開いてないので、今日、下げるのが当たり前なんだけれど…。
まぁ、本質は上海ではなく一番の原因はアメリカの金融株の動向じゃないかな? リーマンの株価は29.48ドルと新安値だからね。シティーは辛うじて株価を維持しているが…金融界のレベル3資産の割合が増え続けているからね。この資産を売買できるような市場の創設が検討されているが…。僕の今のテーマは「インフレ相場」だね。今日も金利は1.8%だった。しかし株価は弱い印象だったね。個人は新興株を中心に、持っているからね。下のチャートを比べると分かるけれど、今年に入ってから日経平均株価は強いけれど、マザーズなどの新興株指数は下値圏のボックスを抜け出せないんだね。
トロ:ボロ株をやるからさ。前から忠告をしているのに…
かたる:今更、反省してもしょうがないけれど、後悔はしているね。人生がやり直せるなら2006年の1月にライブドアの問題が起こる前に戻りたいよ。タイムトンネルで…。それより、やはり「Japan as NO1」と呼ばれた頃かな? 株価が一番元気だった。1988年時代の経済統計は下の通りだね。この当時のECの加盟国はベルギー、オランダ、ルクセンブルク、フランス、西ドイツ、イタリアかな? イギリスはどうだったのかな? 兎も角、下の通りだね。僅か20年でこの変わりよう…トホホ。
時代や:昔を懐かしんでいる場合じゃないよ。また追証だよ。どうなっているのさ。数週間前、かたるが動きがおかしいとか言って、利食いできる奴を全部売った、あの感覚がやはり正しかったんじゃないの。それを「インフレ相場」なんて言うものだからさ。本当に…もう。
かたる:可能性はあるんだよ。残念ながら、僕が社会人になったのは1979年だからね。丁度、第二次オイルショックの時期だね。不景気だったので就職難だったんだ。イラン革命が引き金でオイルが12.7ドルから32.5ドルへ上がるんだけれど…。一般的に狂乱物価と呼ばれるトイレットペーパー事件のあった時代は1973年から1974年なんだね。その頃は高校生だからね。今日、少し調べてきたけれど、資料がなくて…やはり国会図書館に行かないと駄目かな?
1971年8月15日にニクソンショックと呼ばれる事件があったんだね。ドルと金の交換停止の宣言と10%の輸入課徴金、そうして為替レートの多角的調整だね。これを受けて12月18日にスミソニアン協定が結ばれ1ドルが360円から308円になるんだね。日本の消費者物価はこの当時69年~72年の平均で6.0%で、GNPの成長率は9.5%だったんだね。その消費者物価が1973年には11.7%になり、74年には、なんと24.5%に跳ね上がるんだね。GNPは10.2%だったのが、74年はなんと1.8%のマイナス成長だよ。まさにスタグフレーションだね。
時代や:数字を並べられてもどうなっているのか…サッパリだよ。それと今の株価とどう結び付くの?
かたる:そうだね。問題は中国なんだね。(今の中国の消費者物価は、先ほどの発表を見ると7.7%だったね。)今後の予想に役立てたい事と、その当時の物色されている株を調べたかったのだけれど…国会図書館に行かないと無理だね。手元の資料がない。
トロ:モルガンの予想は現状の経済状態が落ち着いた場合に日本が有利だという話なんだよね。仮にアメリカの減速幅が大きくなり、中国も物価高が押さえられないと…。日本もかなり影響を受けるよ。だから景気後退の危惧があり株価が上がるとは思えないな。米国の減速がハッキリする訳で株は空売りじゃないの。
かたる:まぁ、見ていてよ。これから住宅の着工件数など改善され始めると思うよ。僕はサブプライム問題の行方は70%程度片付いていると思うね。確かに日本の場合は政策ミスにより後手を踏んで傷口が大きくなったけれど…日本のケースを当てはめない方が良いと思うよ。
トロ:知っている? 0.5%も失業率が悪化したのは、22年ぶりとか言っていたね。そんなに簡単にすまないよ。どっちにしても強気を通す場面じゃないよ。
かたる:中国のCPIが7.7%だということは、安心材料だよ。問題は個人が元気になる相場になることだね。銀行を持ち上げるのは大変だし、重工じゃ…ね。だからGウィンのような株が仕手化するのだろうが…GSユアサとか。もう少し質を上げられないものかね。何れ、駄目になるような銘柄よりイメージが変わるかもしれない株に…。
時代や:例えば何よ。
かたる:僕はソフトバンクが相応しいと思うね。ソフトバンクが2000円台に定着し、2500円となれば新興株全般に与える影響も大きいと思うよ。それに7月11日にアップルのiフォンが売りに出されるとか…目先の材料もあるし、夢もあるよ。
トロ:何が夢だ。くだらない。公共株だよ。PER15倍以上に買う道理がないよ。儲かれば値下げを迫られるんだよ。そんな産業なのに…どうして夢があるのさ。
かたる:通信だけの公共株と考えればそうだけれど…。ネット株と考えればPER30倍も50倍も…。だって全世界に向けて情報を発信してお金を回収できる商売だよ。PER100倍と言われても、なるほど…って思うね。
時代や:最近、サッパリのかたる君の戯言だからね。こっちもサッパリだ。一蓮托生の時代を早く終わりにしないと…
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2008年06月09日
6月09日
かたる:解説によればNY市場は失業率が市場予測の5.1%から5.5%に拡大し原油価格が10.75ドル上がり138.54ドルになったことで、一気に楽観論から警戒ムードになったようです。しかし雇用統計は市場予測の6万人減から49000人減になっており、それほど悪化しませんでした。原油の乱高下で幅が大きくなるのは天井圏なのかもしれません。やはり失業率への驚きで株価が下がったのでしょう。しかし雇用統計や失業率などの統計は遅行指数ですからね。景気の実態に遅れて動く指数です。レベル3の資産が増え、金融危機が第二ステージに入るという指摘があります。経験則では3年の時間が必要だというのですね。だから米国に過大な期待はないはずだと思うのですが…。先週末、NY株は下げましたが、まだ下限の壁を突破したわけではありませんからね。ゆっくりした動きであれば11634を下回っても、そんなに驚くことではないと思います。
トロ:お前の先週、インフレ相場がやって来たって、強気の発言だったけれど…急に方向転回かい?
かたる:NTTの上昇の意味。まぁ、今日だって重工は一時プラス展開になったよね。どうして、こんなに大型株が強いのかね? わが国の公的資金は150兆円だったかな、あるんだよね。グリーンピアなどに投資をして失敗したのだけれど、利回りはGDPを、多少、上回る程度なんだね。この資金が株式に向えば…。郵貯の資金が株式に向えば…。大型株を見ると財務内容と株価は正常な評価なんだけれど…。ところが小型株をみると、財務指標から見て、何故、こんな株価が存在するのか? 疑問に思う会社が多く存在するね。本来、市場原理からすれば、そのような株価を放置しているのだから、TOBの対象になってもいいように思うけれど…。ある雑誌で板ガラスのチェンバース社長の評価は、株価だとハッキリ言い切っていたね。
時代や:日本的な考え方が効率化を阻んでいると言う意見だよね、かたるは…。しかし市場原理と言うけれど、このような原油高や穀物高を見ると、市場原理は間違っているんじゃないの。
かたる:基本的に儲かれば参入者が増えて資源も穀物も供給が増えるよ。日本は何も中東から原油を輸入しなくても日本の深海にハイドロメタンが眠っているわけで…穀物だって休耕している土地が沢山あるね。下手に計画経済を貫くからスギ花粉の患者が増えたんだよね。考えない林野庁の政策で…。政策的に経済価値が働かない、必要な部分だけに公的な関与を抑えるべきだね。それにも拘らず、国はどんどん増殖して民間の分野を侵しているよ。グリーンピアなど良い例だね。僕は日本にとって、もっと原油が上がれば良いし、穀物価格も上がれば良いと思うよ。最近、外人投資家が日本株に注目している理由の一つがインフレに強い国だということだね。多少のインフレでは成長は止まらないと思っているのだろう。
トロ:故に今回のNYダウの下落でも日本株は頑張っているという見方だね。
かたる:うん。僕は内需の好成長株、ネットなどの分野だけれど、今日は高くなるかな?と思っていたが、市場にやはり負けちゃったね。ソフトバンクの動きを見ると、やはり個人はかなりやられていて、物色意欲が盛り上がらないんだね。そう感じるよ。前回は19ヶ月の調整機関だったけれど、今のところソフトバンクは、3月が底だとすれば27ヶ月だね。でもね。やはり時間の経過と言うのは、何ものにも変えがたい貴重なものだね。どんな株でも時間さえ経過すれば風化するものだからね。残念ながら、今のところ、孫さんの構想は市場に受け入れられていないんだね。
トロ:もともと高すぎるよ。NTTドコモPERは14.8倍、KDDIのPERは14.4倍だよ。ところがソフトバンクは18.8倍だからね。公共株なら通常は10倍から12倍だろう。まぁ、株はPERだけの評価で決まるものではないけれど…
かたる:以前、僕はよくコマツと日立建機の株価比較を用いて、市場に流動性が不足すると(市場が弱い、閑散としている)コマツの株価が日立建機を上回り、市場が正常になると日立建機がコマツを上回ると解説したけれど、同じことが言えるね。市場に躍動感が戻ればソフトバンクの夢に現実を感じてPERは20倍から30倍と買われると思うよ。しかし今は閉塞観が漂い市場に元気がないから、この程度の違いなのだろうね。アップルが何故、ソフトバンク・モバイルに加担したか。僕は壮大な構想があるんだと思うよ。ボーダフォンにチャイナモバイルとの連携で、携帯コンテンツを始めるのは非常に大きな夢があるね。だからソフトバンクは買いだと思うよ。
トロ:ARPUは下げ続けているよ。加入者数が増えても回収するお金が減れば仕方ないね。
かたる:学生の加入を加速させる戦略だろうね。目先を追うか長期の成功を狙うかだよ。僕は彼の先見性を信じているよ。モバイルインターネットを制するものがインターネットを…、アジアを制するものが世界を制すると言っているね。その通りだと僕も思うね。一度でいいから、ネットで彼の構想を聞いて欲しいね。此方から…30分過ぎから30分間聞けばいいよ。
トロ:おいおい、2兆5千億円も有利子負債があるんだよ。1%の金利の引き上げは250億円ものコスト増大になるよ。
かたる:否定しないよ。だから株価を高くして、高値で増資を実施させてあげたいね。証券マンとしてソフトバンクの株価を上げるのが使命なんだけれど…悲しい現実だね。
トロ:既に孫マジックで資金を調達する時代は終ったよ。ある意味で天才的な詐欺師だよ彼は…株式の含み利益を誇張したり、夢で投資家を魅了するのは限界だよ。誰が彼の会社の株を真剣に買うの?
かたる:もう少しすれば、お前も分かるよ。日本が世界でリードできるのは何処の分野か?政府は期待できないしNTTにも期待できないよ。アジアの情報インフラ整備。モバイルインターネットで世界をリードできれば、マイクロソフトのようになるね。
時代や:かたるの意見は分かるけれど、ボランティアで株をしているわけじゃないよ。上がりそうもない株を買えないよ。株価が2500円を越えれば考えるけれど…下げているソフトバンクはね。他にはないの。もういい加減に、新興株は嫌なんだけれど…仮にインフレ相場が続くとどんな相場になるの?
かたる:まぁ、銀行などの金融株、証券株からスタートしていい筈だね。
トロ:おい、インフレ相場って言えば、商社が筆頭じゃないの。
かたる:うん、でも市況産業だからね。それに株価位置も高いし…でもね。上がっている株を見ると国際進出をしている会社だね。アジアなどのシェアを握っている会社だよ。グローバルに生産体制を整え、国際競争力が高い会社だね。
時代や:しかし…目先は電池などの会社の株が賑わっているよ。
かたる:株は夢だけじゃね。利益がついてないと…博打を否定はしないよ。ただ度を越したゲームは慎んだほうが良いね。今日はこの辺で…
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2008年06月06日
6月06日
かたる:NY市場はターニングポイントで切り返したようですね。あまり安くなるのは考えものだったのですが良かったですね。なんでも新規失業保険申請者数が減少したとか…減税効果もあり、大手のウォルマートの5月の売上高は1.6%の市場予想を大きく上回る3.9%増だったと言います。バーナンキ議長はインフレ警戒発言をし、利下げ打ち止めモードに入ったようです。原油高の行方が注目されますね。モノラインのMBIAなどモノラインの会社に、格下げが実施されましたが悪材料出尽くしになったようです。
一方、心配なのが低迷を続けている中国の動向です。下のチャートは上海総合の指数ですが、底入れの兆しが見えません。中国に限らないのですが、原油価格や食料品価格の上昇が庶民の生活を直撃しているようです。ガソリンに補助金を出している国は苦労しているようですね。アジア諸国では大変なようです。このような中で豪英BHPビリトンがリオ・ティントとの合併で欧州委の審査通過に自信を示していると報道されていますが気になる話題です。認められたら価格の独占が心配されるわけですから…。
トロ:今日は先物からの株高で値上がり銘柄数566より、値下がり銘柄数1044の方が圧倒的に多かったね。休んでいた商社、鉄鋼が戻っていたよ。かたるには残念だけれど新興株は総じて弱いね。いい加減に、本線に考え方を戻したほうがいいよ。自分でもインフレ相場の可能性を言っているわけだから…。
時代や:外人投資家は小さな新興株なんて眼中にないだろうからね。やはり新興ばかり追う姿勢は無理があるんじゃないの?
かたる:インフレ対応で考える業種の銘柄は確りしているが、ずいぶん上がったからね。この高値で買って、更に儲かるかどうか…。僕だって前に銀行などを買っていたんだけれど、利食いをした後は手掛けてないからね。
確かに新興株の動きは個人の動向に左右され弱いけれど、業績面ではなかなかだよね。今日、ストップ高した携帯コンテンツの占いを手掛けているザッパラスや、先日、好業績を発表したビットアイルなど、どの会社も業績は伸びているね。
トロ:ここまで戻ると、確かに的を縛るのが難しい水準になってきたね。以前、かたるがよく取り上げていた日立建機なども2165円から3840円まで来ているからね。ずいぶん戻ったものだよ。
かたる:うん。そう思うよ。でも1月や3月は恐くて信用の枠が空いていても、お客様の反応は悪かったね。難しいよ。お客様の心理が戻る頃には、かなり株価は戻っているし…高くなった水準で、もっと儲けろと言われても…。どの銘柄にしても、まともな銘柄はいくらも儲からない株価位置だろうからね。
時代や:でもかたるはインフレ相場がやって来て、株価の底上げ現象が起こると考えているわけだよね。
かたる:うん。そう考えると、今の相場の流れが見えるんだね。その路線で買った銘柄は上がっているが、僕が考えている従来のシナリオの銘柄は低迷したままだね。どっちの路線を採用して行動をとるか? 難しい選択だね。新高値を付けている信越化学だけれど…先日の日経ビジネスでは、原油が200ドルになると…81%の営業減益になると報道されていたんだね。この試算は第一生命経済研究所の永濱さんのものらしいが…、面白い事に信越化学がIRで反論していたね。「日経ビジネスに抗議します」って…。確かに日経ビジネスの記事を読むと、取材をしたような印象を受けるが、実際にはしてないとか…難しい時代になったものだね。この試算は単純に数字を入れたものなのだろうが…
この記事の22位に顔を出している住友化学などは原油が上がると、原油55ドルで500億円の収益を生むサウジ・アラムコとのプロジェクト「ラービグ計画」がスタートするんだよね。だからこの試算どおりにはならないし…読者も大変だね。記事を鵜呑みに出来ないのだね。例えば今日の日経新聞の市況欄の解説に、日本製鋼所が「陽の大引け坊主」と解説してチャートを載せていたが、この日足は株価位置も絡んでいるわけで、酒田五法では売り場の場面だと思うけれど…。逆に昨日の碍子のように、株価位置が下値で「陽の大引け坊主」が出た場合は続くケースがあるんだね。チャートの形は、出現する株価位置によると言う事を知らないと痛い目にあうね。僕は碍子が買いで、日本製鋼所は売りだと思うけれど…。違ったかな?
トロ:そんなことを言って、良いのかな? 天下の日経新聞の方が、信頼性はあるよ。
時代や:そうだよ。今日ヤフーを買ったら…下げちゃったじゃないの。またお前に騙された…。何が、出来高が減って売り物が切れるだよ。ふん。
かたる:僕はそう考えているよ。単純に考えれば総出来高の3割以上は自社株買いをしないだろう。しかし期間内に公約だから600億円を買わなくてはならない。株価が急騰すれば別だろうが…。ただ残念ながら、流れが向いてないのだろうね。今日も出来高は減っているよね。売り物は何れ、なくなるだろう。
トロ:その考えはおかしいよ。やはり業績だよ。本当に3割の増益になるのかどうか…怪しいからね。仮になっても株価は既に評価しているんじゃないの。
かたる:人それぞれ…いろんな考え方があって、それで良い訳だよ。僕は別に強要しているわけじゃないよ。だいたい卑怯だよ。結果論でとやかく言うのは…僕は僕の考えで自分の思うことを書いているだけだから…後は自分で判断する問題だね。市場には色んな考え方があるからね。買ったら直ぐに株が上がるなんて思う奴の方がおかしいよ。自己中心的に物事を考えないほうがいいよ。人生は「塞翁が馬」。何が幸いするか分からないよ。そういえば中川秀直さんの「官僚国家の崩壊」にも自分が受験で失敗し、女房と一緒になったって…書いてあったね。
人生は何かの縁だから…めちゃ、安い株を見つけたよ。半導体絡みだけれど…どうして、こんな株価なのか…外人投資家が大型株を買ってだんだん脇に広がる相場になって欲しいね。週末にはインフレ相場と株価のリストを出来れば作ってみたいが時間があるかな?さてようやく1週間も終わり、のんびり、のんびり。
2008年06月05日
6月05日
かたる:FRBのバーナンキ議長のインフレ警戒感発言から利下げの見送りが観測されているところに、ムーディーズがMBIやアムバックの格付けを見直すとの発表があり、金融株からNY株は下げていますね。金融保証会社の株価は何れも新安値を更新しています。一方、日本でもURBANのように、格下げにより報道から株価が急落しています。金融が安定しないと、ガンガンの強気にはなかなかなれません。今のところ、シティーなどは、前の安値を割っていません。資本増強が確りしていれば、問題はないのでしょう。
時代や:あれ? インフレ相場で強いんじゃないの。アメリカはまた新安値を付けるのかね?
かたる:下のチャートを見ると分かりますが、1200ドル前半はいくつかの壁があり、何とか4月の12269ドルを切らずに反発して欲しいものだね。1月、3月の安値は割らないと思っているよ。こんな環境の中で強いのが日本株です。今日も下げて当然の動きなのですが、重工などは切り返していましたね。ただソフトバンクの動きを見ると、完全に回復しているとは…とても言えませんね。まだ個人のマインドは低いようです。実はこのソフトバンクはチャート上のポイントに株価が位置していました。アップルの話は単に切っ掛けに過ぎないのでしょう。効率市場仮説を信じれば当然の好材料だと言えるのかもしれませんね。
時代や:何? それ…かたるは予想していたような口ぶりだね。神様じゃあるまいし…ところで、その効率的市場仮説って?
トロ:株価はすべてを知っているという仮説さ。
かたる:僕は株価が業績で決まると思っているんだよ。しかし多くの人はテクニカル判断で株の売り買いを決めているね。確かにチャート上のポイントなど僕も株を売り買いするよ。そうして最近、多くの人が株で失敗するのは売り買いの仕方が問題だと思うようになってきたから、ビスタニュースの原稿で色んなチャートを示し、その解説を掲げることもあるんだね。残念だったけれど…実は今日は逆のケースがあったのさ。株を買った瞬間に下がっちゃったケースが一つあったね。先日のヤフーと同じケースだね。
時代や:ビスタニュースを読んでいる人は分かるかもしれないが、IRNETの読者は分からないよ。どういうことなの?
かたる:そうか…下のヤフーのチャートを見てよ。僕は支持線のAの地点で株価が上がると思って買ったんだね。所が意に反し株価はその後下がる。下がる。原因は分からないが、大量の売りが出てきたんだ。推測ではヘッジファンドの利食い売りだね。そこで下がるたびに買っていたら…ヤフーは自社株買いを発表した。それでも連日、まだ売っている筋があるんだね。僕は6月なのでヘッジファンドの売りがまもなく切れると推測をしているよ。売りが切れれば、業績は増収増益で自社株買いが入るから株価は上がると思っているね。今日はようやく出来高が20万株を割れてきたね。6/2が267千株、6/3が243千株、6/4が218千株、そうして今日が181千株だね。僕は売り物が薄れてきたと感じているが…果たしてどうかな?
別にヤフーが上がるとか下がると言っているわけじゃないよ。僕が何故、このような話しをしたかと言えば、チャートを見る場合、チャートの形も重要だけれど、それ以上に出来高が、重要な意味を持っているということを分かってほしかったわけだね。株価情報には様々な見方があるからね。まぁ、僕はヤフーの株価ステージも実は変わると思っているが…そんな事はどうでも良いか…。
時代や:ステージが変わるって…まさか。
かたる:まぁ、どうでも良いよ。そんな話は…あまり言いたくないから、個別株の話しは…。ここで言いたい事は株価も重要だけれど、出来高の意味を考えろって、言いたいわけだね。
トロ:さすが…一応、歩合給だけあって、色々、経験している知識だね。まぁ、ヤフーとインフレ相場がどうして一緒なのか? 整合性が見えないけれど…
かたる:ふん。相場の流れの話か…。今日は時間がないし…。昨日、日本の内外価格差の問題が出たね。実は日経産業新聞に、その話が載っており僕自身知らなかったので…。ここで面白いから紹介しておくね。残念ながら日経新聞も朝日も読売も、官僚ご用達新聞だから書かれてないからね。この資料は自動車工業会の資料が元になっているから、恣意的なものかもしれないが…その点を含んで読んでね。(この報道の原理の話はまたの機会に…)180万円の車を買うと掛かる税金を国別で比べたもので、アメリカは17.4万円、フランスは40.8万円、ドイツは54.1万円、イギリスは61.3万円だけれど日本はいくら?
時代や:きっと、日本は高いんだね。なら100万円ぐらい?
かたる:おいおい、180万円の車だよ。そんなにはならないが、実は81.4万円だそうだね。その内訳は自動車税が43.5万円、自動車重量税が20.8万円、自動車取得税が8.1万円、そうして消費税が9.0万円で合計81.4万円なんだって…。アメリカが17.4万円なのに、日本は5倍弱だよ。この消費税を除いた車体課税72.4万円は全て特別会計の税金で、国会の予算の承認を得ずに官僚が勝手に使えるお金だね。ガソリン税もそうだけれど、内外価格差がたくさんある実例だね。
時代や:税金の話なんか…株に関係ないよ。
かたる:いや、あるんだね。この理解が深まるとインフレ相場を実感できると思うんだよ。何故、日本が長い間GDPデフレーターがマイナスで、閉塞感に包まれたうつむき加減の社会だったか…。僕が何故、インフレ相場を言い出したか? 僕が2003年に底だと思っていたが、実は2008年が底と、何故、考え始めたか? 全ての理解の鍵が、内外価格差の問題に集約されている。知っていた? 有名ブランドメーカーの「フェラガモ」の日本販売価格だけが、世界で値下げされることを…日本だけなんだよ。
なんで、こんな国になったのかね。東京の百貨店で、新宿の売上が多い秘密は中国人の存在とか…百貨店では中国語を話す店員がいるんだってね。秋葉原でも銀嶺カードが使えるんだよね。あらら…悲しい話でね。なんだか日本人が、どんどん地盤沈下していくよ。とうとう、時間切れが迫り、税制会合では消費税の話しで盛り上がっている。日本では女性問題を抱える中川さんだけが、市場原理を主張する政治家だね。彼が総理になれば…僕らにとって良いのだけれど。その芽があるのかな?
2008年06月04日
6月04日
かたる:NY市場は安かったですね。解説によればリーマンの格下げからの増資報道を受け金融株が安かったとのことです。このリーマンは3.22ドル安の30.61ドルと言う株価位置にあります。代わって高級住宅関連大手のトール・ブラザーズの2―4月期の赤字決算が発表されましたが株価は3.1%高になったそうです。金融株は安値のものが目立ちますが住宅産業関連は違いますね。下のチャートはトール・ブラザーズの2年分です。
一方、日本株は米国株が弱かったのに、強含みで推移しました。金融株の上昇などで、個人投資家などの投資心理が改善している様子が伺えます。今日は水が溢れるように、脇役の銘柄へ動きが波及していましたね。主役は重工です。この銘柄は28日の今日の市況に登場しています。原子力では東芝の方が上ですね。飛行機への期待はありますが、この分野は10年以上、赤字のプロジェクトでしょう。つまり業績面では重機械の分野に期待が掛かるわけですが、こんなに好環境なのに利益が出ない会社なんて珍しい体質です。これだけの好環境なら、株価は4桁が当然だと思うのですが…今のところ駄目ですね。
僕には、今頃、何で人気になっているのか?…サッパリです。
でもインフレ相場が始まっているなら納得できますね。同僚が先日、NECを売って重工に切り替えたのだそうです。そこで同じような株価のみずほと比べてみました。以前、何度か取り上げたコマツと日立建機の株価レースに似ています。1年後に、どの会社が一番高値を付けているでしょう。僕は、どの会社が一番上がると思っているでしょうか?
トロ:重工じゃないのかな? やはり…原子力だけでなく、原動機と呼ばれる重機械全体だからアジアのインフラ整備で、一番活躍できるね。アジア諸国の成長率は高いし、基本的な電力設備の重機械は重工や日立がトップグループだよ。NECは海外では強いとは言えないし…みずほなどは、国内の規制産業だからね。内需ものだよ。
時代や:確かにアジアのインフラ整備では重工に軍配が上がるね。四季報数字では重工の海外売上比率は48%でNECは26%だから…
かたる:僕はインフレ相場を想定して、金融のみずほが一番だと思うよ。
トロ:これから1兆円増資の打ち返しを迎えるんだよ。当然、上がれば売られるし…暫くは需給が悪化するんじゃないの?
かたる:考え方が小さいな。何故、今、日本株だけが強いのか分かるかな? 最近の傾向はアメリカではなく、中国でもインドでもないよ。日本なんだね。みんなも誤解しているかもしれないね。インフレ相場の意味を…僕は日本がうつむき加減になったのは、清貧思想の為だと考えているんだね。GDPデフレーターがマイナスだった意味は非常に大きいよ。世界はインフラなのに日本だけがデフレ…日本のGDPは500兆円を越えているんだよ。次の資料は古いけれど見てもわかるように、GDPの総額で日本は世界第二位の実力者だよ。その国がデフレを脱却する瞬間が、まもなく来る。そうすると、日本の意識改革時代がやってくるんだね。
トロ:どうかな? かたるは本当に、そう考えているの? 確かに世界の商品市況は上がっているよ。しかし日本は目に見えない、いろんな布石がある国だね。例えば一昨日、話題になっていたテリー伊藤さんらを招いて自動車関連税制の負担軽減を訴えるパネル討論会だね。兎に角、色んな税金があって日本の税金は諸外国に比べて非常に多いんだね。内外価格差があるからデフレ社会構造が崩れるかどうか…政策もデフレだし。
かたる:確か…日経産業新聞にその話が載っていたね。2倍から32倍となっていたかな? 僕も知らなかった。日本の役人は、自分たちが使える特別財源を増やす為に国民を誤魔化しているからね。日本人もネットの時代になって、一般のマスコミ言論調整では隠せなくなっているよ。だから真実を暴露してオープンに議論すべき時期に来ているね。後期高齢者医療問題などは、その良い切っ掛けだよ。社会保障にお金が掛かるのは当たり前。みんなが税金を払わずに、サービスを受けられると思っていること事態が間違いだね。誰かが負担するのだから…。僕はいろんな税制を全部廃止して、消費税一本にすべきだね。そうして消費税を20%にすれば良い。所得税もなければ、法人税もない消費だけの世界だよ。シンプルだね。
時代や:また話がそれているよ。どうしてインフレ相場なの? 確かに、かたるの言うような展開だよね。今日の相場はガソリンや食料品が上がった為に、原子力や環境、電池、農機具、肥料など…関連の幅広い銘柄が上がっているね。ストップ高も続出しているよ。なんだか、かたるの主張しているインフレ相場の意味が分かるような…、分からないような…。
かたる:インフレ相場の一番の目玉は、前向きな社会構造になるということだね。だから大型株が上がり、その大型株を持っていた人は、出遅れていた株を買う。要するにバブル時代の相場のように、1000円以下の株がなくなるインフレ相場がやってくるんだね。
トロ:こいつの言う話は、飛躍しているからね。真に受けたら大変だよ。時間の概念がないんだから…株が下がったら、買え? そんなお金が何処にあるんだよ。
かたる:うん。今日もお客様から言われたよ。また現引きだって…。買えば半値は当たり前、1/3の銘柄もあるわけで、信用で買うと全部現引きをさせられるって…。ギャフン。僕の基本的な相場の読みが大きく間違っていたわけだね。でも大丈夫。ようやく本物の相場がやってきたから…
トロ:なんだか…こいつの言っている幻想を真に受けると富士山の樹海行きだな。
かたる:今に見ていろ、僕だって…。
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2008年06月03日
6月03日
かたる:NY市場は案の定、揺り戻しの動きが見られているようだね。小さな銀行が破綻したり金融界の経営者が変わったり、S&Pが金融機関の格付けを引き下げたり、今日はリーマンの増資の話も出ていたね。このような動きを受けてVIXの価格が上がっているという。予想通りの展開だね。しかしISM指数は改善していたが、今日の所は、揺り戻しに軍配が上がった形。一方、日本でもゼファーの子会社の近藤産業が自己破産を申請し不動産業界は逆風の嵐が吹いているという。大手も売れない在庫を抱え青色吐息の様相で、下手に売りに出すと赤字を計上する事になり、銀行団の顔色が心配だという話もあるね。
時代や:ありゃ…、かたるは昨日えらく明るい表情で、株高説を訴えていたね。インフレ相場なんて言って、途端に今日は、下がっているじゃないの。本当に…
トロ:あの説は可能性があるだけの話で、実現するかどうか分からない話だからね。
時代や:先物には売りが溜まっているという記事が日経に載っていたよ。やはり、株位置も高いから、株は売りなんじゃないの。騰落レシオも115と高いままだよ。
かたる:違うね。多少の下げは当たり前だよ。僕は大きく間違っていたんだね。2003年が日本経済の底だと思っていたが、本当は今年の3月だったんじゃないのかな?
時代や:日経平均株価は2003年じゃないの。
かたる:いや…。日本の分岐点だよ。僕は今日、会社を辞めたブツブツに電話してみたよ。そうしたら彼は、僕の考えを否定せずに聞いていたね。
ブツブツ:もともと日本は土地と株の価格が上がった時に、本当は給料を上げるべきなのに、清貧の思想で上杉鷹山のような発想の政策を用いたことが間違いなんだね。本来は所得水準を上げるべきだったんだ。アメリカは日本を反面教師にして政策運営を行っている。だから大丈夫。
かたる:こんな主旨のことを言っていたよ。デフレは非常に恐いがどちらかと言えば、インフレの方が良い。しかしハイパー・インフレは困るという話しをしていたね。彼はメガバンクを中心に手掛けているようだったね。そうして、こうも言っていたね。今期、日本経済は増収減益予想だけれど、減益が増益に変わるかもしれないと…。売上が伸びるならカバーできるという話しをしていたね。
時代や:難しい話は分からないよ。GDPデフレーターがどうのこうのと言われても…
かたる:別に難しく話しているわけじゃないよ。世界がインフレなのに、いつまでも日本だけがデフレ状態を維持はできないから、名目GDPが高くなり消費も上がりGDPも成長すると言う事だよ。内外価格が是正されるんだよ。先日、テレビを見ていたらアフリカのアンゴラのマクドナルドの昼のセットが日本円で1500円だって…、この価格で売れているんだって。日本はいくらだろう? 600円~700円ぐらいかな? ユニクロだって同じ品物なのに、日本より中国の価格が高いんだって…分かるかな? この意味が…
もう限界、石炭が上がりH製鋼の数年前の価格は6万円。今は12万円だよ。日本の物価も上がり始めてきたね。この状態は続くね。最初は抵抗感があり買い控えをするが、だんだん人々が人間だから環境に慣らされて、値上げが当たり前の時代になるよ。そうすれば生活が苦しくなるから、当然、賃上げが実施される。一人あたりのGDPは伸び始めるね。土地も株も上がるのが道理だよ。
時代や:でも物価が上がると、株は上がるの?
かたる:はぁ、過去の歴史を見てよ。株はものだよ。インフレはお金の価値観がなくなるの。日本は長い間、デフレ政策が維持されてきたからね。しかし、もう通用しないね。今日は面白い記事を発見したね。金融庁の佐藤長官が「アリバイ工作より商売を…」だって。ハハハ。笑わせるね。自分たちが自由な行動を制限してデフレ政策を採っておきながら、今度はその中で自由な活動を…って、自己否定をしているよ。彼らも馬鹿じゃない。優秀だから自分達の間違いに気付いているんだね。金融商品取引法、貸し金法改正、建築基準改正などのデフレ政策を採りながら…
最近は、こういう事例が多いね。バターがなくなったのも行政のミスだね。農家は政府の泣きつくのは依然変わらないが…自由な行動を認めないとならないね。規制ではなく奨励をすべきなんだね。ドイツの例は住宅で作った電気を電力会社が買いなさい。その損失は電気料金に上乗せしてもいいですよ。って、インフレを奨励しているね。政策はこのように前向きな行動を喚起するようにすべきなんだね。その為に補助金を儲けて良い。一部の知識のない騙された弱者にスポット当てた政策を実行するから、世の中、閉塞感に包まれる。それも彼らは事件をでっち上げるんだよ。だから現場が萎縮し、過剰に自己防衛に走るんだね。
時代や:社会批判はいいよ。今日はヤフーも下がったね。本当に自社株買いをやっているのかな?
かたる:僕は出来高のバランスからみて、していると思うね。おそらく昨日、今日は2万株程度かな? それ以上に売る人がいるから株価が下げているが…、僕は上がると思っているね。マイクロソフトが増収増益で自社株買いを実施した動きを真似ているように思うよ。毎年、大きな投資がなければ、ヤフーは自社株買いをやるんじゃないかな? ROEが30%を越える優秀な会社だね。
時代や:でも株価は下げているよ。
トロ:成長性が鈍っているからPERが高いんじゃないの。だから大量に売る人がいるんだよ。
かたる:何れ分かるよ。ヤフーの2%の自社株買いは、不動株が少ないから影響が大きいよ。僕は何れ5万円台から、ともすれば6万円台も可能性があると思うよ。モバイル成長期の可能性があるからね。目先、少しぐらい株が下げただけで、どうして弱気になる必要があるのだろう? 増収増益の良い会社だからね。
時代や:だって…、かたるの薦める株は、みんな恐いからな。
かたる:失礼な…奴だな。確かに幾つか失敗した株もあるが、僕は心配ないと思っているね。時期が来れば上がるよ。実は…今日値上がり第一位の銘柄だけれど…一度、検討したことがあるんだね。そうして買って儲けたことが…ビックリだね。つい先日まで80円台の株価だったのに…今日は225円か…素質があったんだね。確かに電気自動車の部門を手掛けているが…割合が少なくて、話にならなかったから、大きく手掛けなかったんだね。
でも僕は新興株だけでなく、今日は別の株を買ったよ。昨日のインフレ相場に対応した株を…。きっと、この路線で銘柄を調べれば、いいものが見つかるかもね。日曜日にビスタニュースの原稿を書くために、週末に調べてみようと思っているよ。いい物が出てくるといいけれど…。
時代や:ねぇ、本当に、もう日本株は下がらずに、上がると思っているの?
かたる:そりゃ、色々条件があるが、本物の動きを示しているね。僕らは相場の動向を見てからシナリオを判断するわけだね。自分の考えるイメージを描き、相場の流れを予想して売り買いを薦めるが…。昨日の日経新聞は、まさに僕がここ数日考えていた解答だったね。ピッタリ来るよ。流れが分かれば、儲けるのは簡単だよね。そう難しい話じゃない。その路線で活躍する銘柄を挙げて、チャート上のポイントを買えばいいだけだから…
トロ:どうかな? こいつの話はホラが多いからね。昨日だって、みずほが400万とか500万とか言っているんだよ。馬鹿じゃないの。
かたる:だから5年後ぐらいに、なるかもと…。
考えてごらんよ。昔、興銀は6740円もしていたんだよ。一体、あの当時の興銀と、今のみずほは、何が変わったのかな? 異常な株価まで買ったり、異常な安値の株価まで売ったり…株価の変動は激しいね。ミレアHDは、今、4470円もしているよ。ここに来て損害保険会社の株価が上がっているね。インフレ相場をやはり連想させるよ。まぁ、良いよ。今日はこの辺で…あとは自分たちで、考えることだからね。
2008年06月02日
6月02日
かたる:えへへ…久しぶりに気分の良い日だね。この数週間、もやもやしていた謎が解けてうれしい限りだよ。ようやく長かったトンネル生活も終るね。僕が東京に出てきてからITバブルの時は短かったけれど、証券マンをやっていて良かった。何とか助かったと思ったが…、実際はその後も不良債権処理に明け暮れて2003年の下げに向うんだね。その時は、本当に薔薇色相場がやってきたと思ったんだね。僕は頼まれて仕方なく書いた本のタイトルは「2007年まで 株で稼げます!」と言うものになったけれど、本来は「薔薇色相場がやって来た!」と言うものにしたかったのだね。でも出版社の都合で「2007年まで、株で稼げます!」と言うものに、なったんだね。しかし意図しないタイトルが見事に的中した。ここに来てようやく、新しい世界が始まったようだね。
トロ:おいおい、また法螺が始まったのか?
いい加減に、みんな飽きあきしているよ。
かたる:最近、楽天から始まった三菱商事、みずほの流れは、なんとなく理解できたのだけれど、理解できないのがNTTの上げや、松下、ソニーなどの動きだったんだね。僕の謎は深まるばかりだったのだけれど…。ここに来て1.2%台まで下げていた長期金利が急騰し1.8%台を、一時、付けたんだね。どうしてかな? 一連の謎をスッキリさせたのが今日の日経新聞だったね。モルガン・スタンレーのジョン・アルカイヤさんの意見が新聞に載っていた。なるほど…。今、起こっている現象は、これなんだね。
やった!
ようやく、長かった2年半が終るね。いやはや、僕は政策への読み違いで、お客様には迷惑をかけ通しだったけれど、今度はご恩返しをする順番が回って来たね。良かったな。僕もこの世界から、ようやく足が洗えるようになるよ。おそらく今度の動きは長くなるだろう。
時代や:何を言っているか…サッパリだね。株が上がるような言い方だね。本当にそう思うの?
トロ:僕も読んだよ。債券から株式に資金がシフトするという記事だよな。
かたる:まぁ、それもそうなんだけれど、本質は違うんだね。やる気のある奴が報われる社会がやって来ると言うことなんだね。これまでは営業ではなく内勤者の内向きの社会だったわけ。目立つ行動は慎んで、ひたすら我慢の世界だったけれど、今度の社会は積極的に動いた奴が勝てる「陽の世界」だよ。陰ではなくて…時代はようやく変化を迎えるわけだね。
時代や:何を言っているのか…本当に分かりにくい解説だよ。どういうことなの?
かたる:僕は何度か日経平均株価ではなく、単純平均株価を用いてきたね。1998年10月に481円を付けてから日本株はITバブルに突入したわけよ。2000年の春に天井を打つのだけれど、単純平均はそれより遅れ7月に723円の高値を付けて2003年の3月の308円まで下落して、5月を転機に上がり始めて、再生相場が始まった。この相場は2006年1月に579円を付け下がるんだね。そうして、今年3月に297円を付けて上げ始めたのだけれど…、今度は息の長い上昇波動に入ったのだろうね。
時代や:どうして、そう確信が出来るの? だってアメリカだってサブプライムが片付いているかどうか分からないし、米国景気に中国景気、資源高など色々面倒な問題が山積みだよ。どうして株が上がるのさ。
かたる:僕は株式教室で5月17日に「努力しても報われない社会構造」と言うレポートを書いているよ。確かに政策ミスで、このような社会構造だけれど、原油高や小麦などの食料品が上がり、日本も値上げ時代に入ったね。ガソリン価格は170円台だよ。
時代や:だから、資源高で、ますますみんなの暮らしが苦しくなるじゃないの。
かたる:メリットもたくさんあるね。例えば技術革新だね。今日は郵政省が電気自動車の話が話題になっていたね。ドイツでは自然光発電の電気を電力会社が高い価格で買い取る義務があり太陽電池が大幅に伸びたね。Qセルズと言う会社はすごい成長を示したよ。ピンチがチャンスに変わる。
日本も物価高が訪れて悪いことばかりじゃないよ。日本人は長い間デフレの社会構造に慣れてきたね。下のグラフはGDPデフレーターのグラフだよ。黄色のラインがマイナス数字になっているね。その為に日本は長い間、2%を下回る長期金利の異常事態が続いていたね。しかし商品相場が上がったおかげで、内外価格差が大きな日本でも物価が上がり始めてきたね。日本人の消費パターンが変化を迎える可能性があるよ。
その事をモルガンのアルカイヤ氏は、ティッピングポイント(状況が劇的に変わる瞬間)と表現しているね。色んな見方が大きく変わるんだよ。失われた時代が変化して前向きな社会構造の時代が訪れるんだね。だから、銀行株のみずほが新高値を更新してきている。僕はこれまで、このラインの株価までしか予想してなかったけれど、見方を大きく変え始めなくてはならないね。
時代や:えっ? 銀行株が更に上がるというの?
かたる:既に株価としての面白みは、どの程度あるか分からないが、今回の相場で新高値を抜くことは間違いないと思うね。場合によれば400万とか500万もあるかもしれないね。
トロ:えっ? 法螺、ほら、ホラ、が始まった。
かたる:別に1年なんていう短いサイクルで言っているわけじゃないよ。ITバブル時は2年かな? そうして前回が3年だから…今回は5年ぐらい続く可能性があるね。僕は単純平均株価でITバブル時の高値723円を抜くと思っているね。暫く、株価は上昇波動の時代が続くんだね。まぁ詳しい解説は、週末にでもビスタニュースで書こうかな。ITNETの読者の皆さんは、大まかな概略を捉えておけば良いね。
下の長期金利は何れ2%を超える時代に入るね。実に10年ぶりの新しい現象が日本で起こるんだね。道州制が議論され地銀などの統廃合が進み、ブルドックで沈んだ日本がアデランスで甦る。いいぞ、株屋としてようやく新しい時代を迎えることが出来るね。それにしても長かったな。2年半か…。さぁ、夜明けがやってきたよ。元気を出そうね。低位株は何でもかんでも、上がるインフレ相場がやってくる。