今日の市況(2008年07月02日)
かたる:NY市場は微妙なチャートの形をしています。底入れ形成とも見えるし一段安へのステップにも見えるし…。3日にECBが利上げ予定だと言われています。0.25%の引き上げ予測ですが、ポールソン米財務長官がヨーロッパを回っており、トルシェ欧州中央銀行総裁とも会談します。ポールソンはたしか…GS出身でしたよね。そのGSは、GMを叩きシティーを叩き、株安シナリオを掲げている会社です。裏にどのような取引があるのか? 興味がありますね。そのGMの6月の自動車販売台数は18%減少の26万0457台とか…、でも予想より良かったと好感されて株は高くなっています。トヨタの不振が目立ち、なんと21%減なのだそうです。平均が18%減ですから、株価が5000円を割るのも頷けますね。一方、ホンダは逆に増えているそうです。株価と言うのは、やはり目先の動きに反応します。
トロ:全体で18%減か…。米国では消費の低迷が話題になっているね。米連邦預金保険公社(FDIC)が住宅を担保にした融資の貸し渋りに、警鐘を鳴らしているそうだね。
かたる:「ホーム・エクイティ・ライン・オブ・クレジット」と言う奴だね。確かに色んな懸念は広がっているが、ISMの製造業の数字は5ヶ月ぶりに50.2となり、景気好調の目安の50を回復したんだってね。アビー・コーエンは「米経済がマイナス成長になる四半期はないかもしれないが、一貫した2~3%の経済成長率と産業間のバランスが平常に戻るまでには、まだしばらく時間がかかりそうだ。」と述べていたね。彼女はGSの米国株のチーフだからね。
時代や:一体、何が言いたいの?
かたる:このところの報道を見ると、みんな同じようにサブプライムの損失が膨らみ、資産圧縮により貸し渋りが起こり、消費が低迷すると言っているよ。そうしてGMの倒産説が囁かれている。シティーは4-6月期の大幅な追加損失で増資資金が集まらないとか…。このような悲観論は本当なのかな?
コーエンは「輸出は年率約8%のペースで増えており、設備投資の伸び率も特にハイテク分野で高くなっている。その結果、全体でみると米経済成長率はプラスにとどまる可能性がある。」とも述べていたね。僕は株屋だから、いろんな見方が出来ると思っているよ。
トロ:市場経済の仕組みを信じる奴が、市場の動きを否定してないかい?
かたる:どういう事?
トロ:だって…そのような動きを受けて、東京市場はなんと10日の連続安だよ。この記録は43年ぶりだそうだね。1965年の証券不況のときだそうで2月19日から3月2日まで続いたとか…。因みに最高記録は1954年の4月28日からの15日間連続と言うのがあるんだって…。記録としては15日、13日、12日、10日だそうだ。連続安は、先行きに対する悲観的な見通しから来るものだよ。
かたる:ふん。日本人も根性のある証券マンが居なくなったね。外人様に頼らずに自分たちだけで相場を作る連中が居なくなった。田淵さんは先日なくなられたが…私の履歴書にあったように偉大な人だったけれど、田中角栄と同じで間違った行動だったね。株式持ち合いの話だよ。日本にコーポレート・ガバナンスと言う概念をなくさせてしまい村社会を作ったから、失われた時代が長引いているんだね。アデランスのように駄目なら社長は変わらなくてはならないよ。
時代や:銘柄はないのかね? そういえば今日もNTTは高かったよ。
かたる:NTTの上げの根拠は、おそらく僕がビスタニュースのレポートに書いた話しだね。勿論、色んな要素があるのだろうが…。
時代や:IPテレビ?
かたる:うん。僕の掲げた成長株はこの相場の中でも、今日は高かったね。そうそうソフトバンクも高かったよ。調べてみれば分かるけれど、僕の構想は間違ってないと思うよ。モバイルが主軸になり、ネットとテレビが融合する路線だね。日本には色んな技術があるからね。太陽電池だけでなくロボットスーツも、いよいよ実現の段階に入るね。
時代や:ロボットスーツって?
かたる:「筑波大学発ベンチャーのサイバーダインの山海嘉之社長は、障害や介護に伴う重労働の動作を容易にするロボットスーツ「HAL(ハル)」の実証開発・試験をデンマークで始める。」と報道されていたよ。すごいね。画期的な事だよ。関連メーカーは大和ハウスだけれど…。此方は夢だけで、今のところ業績には寄与しないけれど…。
こんな相場環境の時は、ディフェンシブを手掛けるか、夢の仕手戦をやるか…だからソフトバンクは相応しいと思うけれど大きな会社だからね。モバイルコンテンツと言う手もあるね。新興株は総じて確りしていたね。ようやく手詰まり感が相場に表れ、米国景気に左右されず、中国も影響がない好業績銘柄は、やはり新興株しかないんだね。その中でヤフーは自社株買いを実施しており、最近ではこれまでの経営スタンスを変えて、オープン戦略を推進しているね。ここに相場の焦点があると思うよ。ヤフーとしては、画期的な転換なんだね。これまでは全て自前の開発だったけれど…。リナックスと言うOSに見られるように、この戦略は新たな成長を促す事になるかも知れないね。
僕は最近二つの観点からヤフーに注目しているよ。一つはこのオープン戦略。もう一つがモバイルの再成長期入りだね。7月から携帯画面が変わったのが分かるかな? ヤフーは進化しているね。モバイルに力を入れ始めているよ。この二つの焦点が株価の行方を左右すると思うよ。別に自社株買いを目当てに、取り組んでいるわけじゃない。あの発表は、あとで出てきた話だね。
トロ:新興、深更と更に深みに嵌まるわけだな。ハハハ…
時代や:しかしね。本当に株を買って儲かるのかね? 回りではカラ売りしか儲からなくなっているよ。困った現象だよ。
かたる:僕らの手で相場を創ればいいのに…。みんながしばらく売らずに、買い続ければ株は上がるからね。
トロ:おいおい、サンリオの社長のような言い方だね。辻さんは株安に文句を言った株主に対し、皆さんが株を売らなければ下がりませんと言ったとか…。まぁ、最近、サンリオも海外でキャラクターが好調らしく株価も確りしてきたがね。
かたる:今日はこの辺にしようかな? 取り留めのない話しをしても仕方がないよ。今日の兆しは、新しい流れを暗示していると思うけれど…。2003年5月の前年の秋、つまり2002年の10月頃だったと思うけれど、ソフトバンクは下値を叩いて、上がってきたんだね。やはり相場は新興株だろう。
投稿者 kataru : 2008年07月02日 18:20