未来かたる・時代や・トロ・神主さんの

今日の市況

今日の市況(2008年07月14日)

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かたる:ファニーメイとフレディマックの2社のGSE(Government Sponsored Enterprises米国版特殊法人のこと)の処理が大詰めを迎えているようです。NYタイムズが国有化を報道すると、金曜日は株主責任が追及され紙屑のリスクに脅え株価は急落し、市場全体に動揺が広がったようです。しかし米国の財務省とFRBは、共同の緊急声明を市場のあける前に発表しました。内容は「FRBは両GSEに対し、必要であれば現在2.25%の公定歩合金利での連邦窓口貸出制度の利用を認めると発表し、財務省はこれとは別に、両GSEへの信用枠を一時的に拡大すると発表した。さらに、前例のない措置ながら、必要なら両GSEの株式を取得すると表明した」とか言われています。米国らしい対応です。

この報道を受けて自主性のない日本人は、浮き草模様です。本当に日本の市場にはサムライが居なくなりました。まぁ、長年の低迷相場で多くの仲間は去って言ったわけです。もともと、米国の住宅問題はサブプライム問題が原因で始まったわけですが…不思議なものです。既に資料を見るとサブプライム問題の金利改定の問題は峠を越えているわけで、あとは差し押さえられた物件の処理をすれば良いわけで、時間さえ置けば、処理すべき担保の量は減るので、自然に需給は改善される筈だけれど…

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トロ:既に問題の次元はサブプライムではなく、レベル3の資産評価をオフバランスで処理していることなのだろう。最近ではカバード・ボンドの話しが出てきて、発行元が回収まで責任を負う話になっているからね。つまり多額のオフバランスした劣化した資産を、一度、会計上、処理しなくてはならないんだね。その際に自己資本が大幅に減りBIS規制をクリアできなくなるので、金融株の「奈落の下落」の第二の幕があがったんだよ。

かたる:だって…、おかしいよ。トリプルAのABX指数が50を割るのは異常だね。理屈からすれば、担保にとってある住宅の損失は最大30%程度のものだろう。…と言うことは、差し押さえた住宅の処分を加速させれば20%の利益が得られるよ。おそらくABXの価格自体が、いい加減な数字なのだろう。しかもこの差し押さえされた住宅の量は、減れば減るほど、住宅価格の下落は止まり今度は逆に上昇する可能性だってあるね。金利の安いうちに投げ物を買おうと言う投資家が殺到するよ。まぁ、どっちにしても解消は時間の問題だと思うよ。

時代や:それならば、何故、ドルは安いの? もう直ぐ、1ユーロ=1.6ドルになるよ。そのために原油価格も高騰しているよ。

かたる:既に欧州では景気が後退しているという話だね。いつまでも金利を高い位置に掲げていられるかな? 僕はこの半年、今までの流れの逆転現象が起こるように思っているね。米国は問題ないと思うが、心配なのがやはり中国なんだけれど…。主要36都市の6月の自動車販売金額が前年同期比で2.6%ダウンしたと言うからね。中国の話だよ。前月比は、辛うじて0.2%増加したらしいが…やはりインフレによる金融引き締めは効いているようだね。

時代や:かたるの持論だね。中国は危ういというのは。

かたる:最近、時々、報道されているね。公害の話しを含め、北京では、既に、不動産は売れ残っていると言うからね。GDPの二桁の増益が7%ぐらいまでダウンすると、国民の体感上は、かなり減速していると感じるんじゃないのかな? 今の所は、物価をうまくコントロールできているようだね。ベトナムとは大きく違うね。

トロ:仮にだよ。かたるの言うようにアメリカ株が立ち直っても日本は駄目なんじゃないの? 日経ビジネスには、官制不況、第二段が報じられていたね。秋田では訪問販売が禁止されるらしいね。更にコンビの深夜営業規制など…景気にマイナスだよね。

かたる:自分でセールスをしたことがない連中が、上にたくさん居るからおかしな法律や条令が出来るのだろうね。世の中、現場経験のない二世や三世が幅を利かせ、経営者も市場原理を無視しているからね。なんとベルギーのインベブは、売上高360億ドルの米国のアンハイザー・ブッシュを520億ドルで買収するとか…。これで世界最大のビールメーカーの誕生だね。世界市場の25%を握るんだって…。サッポロビールを含め、日本のメーカーは何をやっているのか…トホホ。

時代や:アンハイザー?なんて聞いた事がないね。

かたる:日本でも有名だね。バドワイザーの名前でビールが売られているからね。アメリカの小さな田舎のガラスメーカーが研究開発を頑張り、液晶などの薄型テレビにガラス基盤を提供し、世界シェア一位になっているね。コーニングだよ。それにひきかえ日本のガラスメーカーは…、兎に角、既にグローバル化経済だから、経営もスピーディーにやらないと…。そういえば、第一三共のM&Aの相手先のインドのランバクシー・ラボラトリーズは米国で医薬品局に虚偽記載をしていたとか…、そのために自社株買いを実施している第一三共の株価は下がっていたね。日本では沢井製薬や東和薬品がジェネリック医薬品の大手だね。日本でのジェネリック医薬品の使用率を、厚生労働省は高めようとしているね。三共が買収に乗り出すインドのランバクシー・ラボラトリーズも後発医薬品メーカーだね。

相対的に日本だけでチマチマやっている会社の株価は、相変わらず冴えないね。ダラスから大型受注を決めた近畿車輛は株価が高かったね。この銘柄はビスタニュースでの紹介銘柄の一つだったね。今日は値上がり上位に、もう一つの紹介銘柄が顔を出していたね。此方は内需企業だけれど…。ローソンの株価が強いのは、早くから中国などへ進出していたからかな? 海外での企業の活躍を聞くたびに、複雑な心境が芽生えるね。その内、グローバル企業は日本の税制に呆れて、本社を国外に移すかもしれないね。役人にその心構えがあるのかな? グローバル化すればするほど、日本に本社を構える必要があるのかな? 早く、構造改革を実現させないと、本当に第二次空洞化時代がやってくるね。

時代や:一般論はいいけれど…、個別株で下がっている銘柄あるよ。株が下がっているよ。どうしてくれるのさ。

かたる:自分で考えればいいよ。僕は基本的に、幾つかの推奨理由を掲げて取り組んでいるからね。なかには状況が大きく変化している企業もある。僕はいつも思うよ。例えばサラ金株の話しだが…、あるアナリストがCDSの価格を引き合いに出し、レーティングを引き下げたというが…。iTraxx Japan が産出するCDS価格と言うのは正しいのかね? 一体、どのくらいの取引があるのだろう?

独立系サラ金屋のロールオーバーを、とやかく言う前に、自分で財務内容を調べたことがあるのかね? 考えてみると、どうも市場には表面的な現象を捉えて、ことさら大げさに騒ぐ傾向があるね。冒頭のGSEの話もそうだね。常識で考えれば発行規模が500兆円もあるといわれている母体の会社が、本当にデフォルトを起こしたら大変な事になるね。そんな事はありえないよ。市場で言われている話を、自分なりに考えてみればいいんだね。株価の動きなど一つの現象なんだから…。その株価の動きは、必ず、実態に沿って歩むんだね。だから市場で言われていることが本当かどうか…、自分で検証してみる必要があるね。さて今日はこの辺で…

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投稿者 kataru : 2008年07月14日 18:43