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2008年12月30日
12月30日
一年間のご愛読、まことにありがとうございました。
色んな想いが詰まった一年が過ぎ去り、新しい年がやってきます。今年は3年続きのやられ相場でした。上げ相場なら強いと思うのですが…下がることもありますからね。ネットをはじめ10年が経ちますが、読者も増えて色んな勉強をさせていただきました。どうもありがとうございました。うれしいのは「こんな情報があるよ」って教えてくれるメールです。先日は楽天証券のビデオを見ました。色んな情報が転がっていますが、その中から自分がどれを選択するか? 見極めは非常に難しいものです。10年間、日記のように綴ってきたホームページですが、情報を発信すると言うのは大変な作業で一日3時間程度の時間を資料収集など含めかけています。土曜、日曜日は長いときで7時間ぐらい掛かりますね。見せると言う作業はグラフにしたり、慣れないと大変時間が掛かります。IRNETを通じてたくさんの友達が出来てうれしいです。それと同時に原稿を書く事により、自分自身が勉強させていただいています。最近では株の流れが見えるようになっています。ただなかなか政策運営が期待通りに運ばず、思うような展開になりませんね。
年末に読んだ五木寛之の「人間の覚悟」は今の心境にピッタリかもしれません。常に精一杯、前向きに生きることを心掛けてきて、自分の信条は変わりませんが、時代とのギャップがありジレンマを感じます。その為に現実と自分の気持ちの狭間が広がりすぎて…何処で折り合いをつけるか自分自身の気持ちとの戦いになりますね。丁度、何処で利食いを入れるか? 悩む心境に似ています。ほどほどに考えないと精神が持ちません。いつも自分の思うような展開になるわけがありません。最近の若い世代は可哀想ですね。日本全体が下り坂ですから…向上心に燃え、意欲のある若者ほど、社会に不満を覚え苛立ちを感じることでしょう。どこかで折り合いを付けないと、現実的に生きることは難しいものです。これから老いを迎え晩年を迎える人は、社会的な不満は少ないと思います。若者が20万円の給料から5万円も負担することは大変です。常識的には3万円が限度でしょうね。と言うことは3人の若者が一人の年金者を支えると、年金者は9万円で暮らせる体制が必要と言うことですね。
今の市況は上昇相場に入っていると思いますが、天井に夢を語ることは出来ません。ほどほどの中で生活する術を考えないとならないと、覚悟を決めた次第です。一人あたりのGDPが4万ドル、5万ドルとなる為には、もっと効率的な社会構造が必要になります。カルテの電子化などを含めITを駆使した社会構造に変化させ、個人が社会に貢献する体制が必要になるでしょう。1週間に2日ぐらいボランティア活動を通じて地域社会に貢献する心構えが必要になります。先日、瞳と言うNHKの朝ドラを見ていて、「家族は努力をして作るものだ」というセリフがありました。一緒に食事をしたり共有する時間を作るということですね。家族同士の共通する話題を、家族の悩みや希望を互いに知り合う機会を作らないと家族が維持できないのでしょう。基本は家庭です。貧乏も色々考える機会が生まれ、必要な時間なのでしょう。日本と言う国を愛して、皆が幸せな国を、共に創りあげて行きたいと願っています。
大納会は個別株物色で終始しました。GSユアサと言う会社が賑わった1年だったと言うことでしょう。原油価格が戻しBRICs関連株も総じて確りしていました。本格的な上昇相場になる可能性もありますが、その結果が分かるのはまだ先ですね。1月の大統領教書に、春節を迎える中国の経済政策が当面の山場で、春には金融サミットがあります。
既に米国の投資銀行は資産圧縮をほぼ成し遂げたのでしょう。来年は明るい話題で幕が開くことでしょう。今日の東京は風もなく、穏やかな、ぽかぽかの一日でした。丁度、相場と同じですね。来年は5日から活動します。ビスタニュースの皆様は1日早い4日に新春のレポートを書きます。それでは皆さん良いお年を…
2008年12月29日
12月29日
既に年末モードで小動きに終始しましたが、オバマ政権の環境対策期待からGSユアサをはじめ太陽電池関連株などが賑わっていました。更に出遅れ物色の一環で、低位株の物色も盛んで掉尾の一振の様相です。兜町らしいと言えばらしいのです。それでも一時の総悲観色が漂う相場より、内容をとやかく言うよりマズマズの展開を考えるべきなのでしょう。スクラップ市況が低迷していましたが、業界紙によれば中国に動きが出てきたようです。原油価格も上がっていると言う話で、商社株なども物色に加わっていました。
株式市場はあかるさを感じ始めましたが、世間は暗いですね。ビックリしたのが生活保護世帯の話しです。なんと110万以上の世帯が生活保護の対象で来年は2兆円を超える予算になると言うのです。人間としても尊厳を保つ為に仕方がないとは思いますが、110万世帯とは…独り身の働けないお年寄りが生活保護の受給者となっているのでしょうが…なんとも情けない限りです。日本の現状を考えると10万円の年金生活者一人に、若者は3万円以上の援助をします。いくら自分が払ったと言っても20万円以上の年金をもらう制度を考え直さないと…国の根幹を支える制度疲労にどう取り組むのか? 頭が痛い問題です。早く構造改革を実践しないと大変ですね。
三菱商事は国内で農業に取り組むとか…お客様が話していました。確かにイオンに資本参加し国内で農業をやれば生産から販売まで利益を確保できますし、国内の食物自給率もあがります。政策支援がなくても商事クラスなら自力で行動が起こせますね。資源に偏りすぎたバランス改善にも繋がりいい選択です。やはり株屋として国家戦略がいい方向に向き、その大きなプロジャクトの中で商売をしたいものですね。来年はそんな相場になると良いなと、希望的な観測を抱いています。
今年、大きく下げた銘柄の中で好業績のBRICs関連株があります。何れもROEは高く注目されるのですが、市況ものが多く業績は市況に左右されます。しかし本日の日経新聞で、民主党の拒否で日銀総裁になり損ねた武藤さんが、語っていましたがあの通りでしょう。中東やロシア、ブラジルなどの産油国のGDP成長率は落ちるでしょうが、中国は8%成長を維持できると述べていました。BRICs関連株は一目均衡表から見ると、ようやく調整は終了した段階です。どの程度、これから業績が悪化するのか? ここの見極めが焦点になります。しかし世界で財政出動をしているので、やはり面白い存在ですね。私はかねてからBRICs銘柄に批判的でしたが、ここでのリバウンド相場は可能性のある選択です。
明日は大納会です。せめて納会ぐらい明るい雰囲気で年越しをしたいものですね。
2008年12月26日
12月26日
最近の現象を見ると、どう考えても株が上がるように思えてなりません。焦点の米国金融は一つ一つの課題を確実にクリアしているように感じます。今日はAIGエジソン生命に268億円の第三者割当増資をするそうです。引き受け先は清算活動を実施しているAIG本社です。昨日はGMACの銀行持ち株会社化を承認しFRBが救済に一役かっています。この現象は自動車販売に影響を与えるものですね。前から報じているように、車のローンの認可が降りないから、車が売れない金融不況なのですね。その元であるGMACを助けるからお金は動き始めますね。今朝の日経新聞には安値を付けた自動車関連株の話題が報じられています。この動きは相反する動きです。案の定、マフラー大手のフタバの株価が反応しました。株って不思議ですね。今日はこんな感じのスタートです。
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2008年12月25日
12月25日
NY市場はクリスマス。今年のクリスマスは侘しいとか…日本でもいすゞの契約社員を解雇するニュースが話題になっています。読売新聞によると2万人程度とか…3万と言う数字もあります。昔、終身雇用が定着している時代にパイオニアが始めて希望退職者を募集した時に大きな社会問題になりましたが…その後は手厚い退職金供給を引き替えに人員整理に抵抗感が次第に薄れていきました。おそらく、このような契約社員問題も同じように、何れ、当たり前の現象になるのでしょう。雇用が失われると治安が悪くなり社会が荒廃していきます。はやく構造改革を推進しないと大変ですね。輸出で食べると言う加工貿易産業は既に競争力を失っています。
フジテレビを初めとする会社社会を転換しないとなりませんね。東洋電機なども労働組合が反対したとか…UAW(全米自動車労働組合)の強硬姿勢が車一台辺り1500ドルから2000ドルのコストアップに繋がったと言います。社会保障料が転嫁されているわけです。アンケートによれば7割近い人が援助に反対していると言います。どうやって収拾を計るのか? 破産法を利用したほうがスッキリすると思うのですが…自動車産業を助ける為に保護主義に走ると言う見方があります。ロシアは既に関税を引き上げました。株が暴落するとすれば、金融機関への資金投入と躊躇い、保護主義が台頭するシナリオでしょう。もちろん、ドルの信認の問題もありますが、今のところナンセンスですね。
しかし現実の政策対応は株高を暗示しています。5連続安を演じたNY市場ですが、この辺りが下値水準のような…先ず、問題の車の販売不信の原因であるローンの問題ですが、FRBはGMの子会社のGMACの銀行持ち株会社化を承認しました。これで車を買いたい人のローンの基準が緩やかになります。今までは4割の人が断られたと聞いていますから…景気浮揚の力になりますね。更に、NY連銀が設立した金融受け皿会社がAIGから160億ドル相当のCDOを買い取った発表したとか…いよいよ不良資産の買い入れが始まりました。大きな話しですよ。既に621億ドル総額を買い取ったとか…着々と、CDS問題にも手が打たれていますね。
未だに銀行株の値動きが鈍いようですが、何れ時間の問題で反応するのでしょう。アメリカでは規模の小さな銀行へ公的資金投入が開始されておりノンバンクまで救済の対象になっています。TARP(不良資産救済プログラム)の資金が7000億円で不足していると不安を煽る声がありますが、足りなければ追加をするでしょう。
私には不思議ですね。何故、不安ばかり煽る記事を新聞や雑誌は取り上げ、テレビも改善の話より不安を煽る話しを報道するのでしょう。一方、私が伝えているように改善されている現象はたくさん現れているのです。雑誌のエコノミストは恐慌と言う言葉を平気で使い、弱気の発言のアナリスト特集です。やはり不安を煽ったほうが売れるのでしょうね。マスコミはいつもそうです。真実を報道すると言う考えは押しやられ、視聴率や発行部数を競うのです。その為に人々の注目が集まりやすい言葉を選び世論を煽ります。日本人は従順だから…ついにフレディマックが発表している30年固定型金利が5.14%と、1971年の調査開始以来最低の水準になりました。その為に住宅ローンの申請件数が増加したと言います。果たして、あなたが日本のテレビや雑誌の傾向を重視するのでしょうか?
多くの現象を見て自分で判断するのです。
私はこう考えます。中国は8%成長を維持しないと混乱が起こると言われています。輸出に頼っている割合が高く30%台後半です。このセクターの落ち込みは激しく内需を活性化させねばなりません。そのために固定資本形成を増やします。社会資本整備に拍車が掛かりますね。道路や鉄道の整備は大量の鉄を使います。資源の価格交渉を有利にする為に傭船が止まっていると言います。そのために資源価格は世界中で大きく下がっています。しかし金融市場はドルLIBORに見られるように急速に正常化されました。同じことですね。世界景気も何れ早い段階で回復するでしょう。故に来年の春節は例年以上に注目される転換点になります。
2008年12月24日
12月24日
この所、NY市場の株価の動きが冴えません。
11月23日に発表されたシティーバンクへの2度目の公的資金投入以降、堅調だったNY市場ですが、GMのつなぎ融資にも、FRBの量的緩和発言にも拘らず、株価の動きは鈍いのです。ここに来て5日間連続安です。ただ下げも小幅で明らかに違う動きだとは思うのですが…。税金調整の兼ね合いがあるのでしょうか? 日本株も今日は税金調整の動きなのでしょうか? ただ毎日付けている出来高急増株のリストに厚みが出てきました。ようやく、ここに来て動きが出てきているように感じます。ソフトバンク効果か? それとも銀行株効果?
その銀行株も本家のシティーバンクの株価は6.52ドルと怪しくなってきました。
二度目の公的資金投入を受けて買い気配で始まった最初の株価は6.12ドルで、あと僅かなのりしろになっています。ベア・スターンズ、リーマン、メリルが消えて米国の銀行も大幅な統廃合を繰り返しています。ビッグバン以来の出来事でしょうか? 金融界の淘汰は激しいですが、GMなどはどうなるのでしょう? S&Pは資本注入が決まりましたが、依然、倒産確率は高いと判断しGM、クライスラーの格付けを引き下げています。
日本のトヨタも米国戦略の失敗もあり営業赤字を睨んだ動きと言います。この逆境下で創業家の豊田一族に大政奉還が決まったとか…。日本的ですね。まぁ、能力はあるのでしょうが…章男さんは52歳だそうです。この年代はネット世代の創生者の年です。ビル・ゲイツは53歳ですね。そろそろ新しい時代の幕開けなのでしょうね。東洋電機的な発想は何れなくなるのでしょう。やはり株式を公開している以上、市場原理に適った行動を取るべきでしょう。株式公開をしてないサントリーや竹中工務店が、何をしようが良いでしょうが、株式を公開している以上、市場原理を優先させるべきです。同じ品物なら安いほうが売れるのが、世の中の原理です。高く売れれば喜んで売るべきでしょう。市場原理が嫌なら上場すべきではないのです。MBOをして上場廃止すれば良いのです。
さて市場は金融相場らしく揺れ動きます。金融相場は揺れるから面白いのですね。今日の銀行株は大幅安でした。三井住友やみずほの売買が保振り切り替えの為に、単位株を変更するので売買がお休みだとか…その影響もあるのでしょうか? 私は銀行に先駆した株価グループの動きに注目しています。世界中で金融政策と財政出動が実施されていますから当然景気は浮揚すると思うのです。確かに足元の景気指標は非常に悪くメタメタなのです。通常の景気後退は過剰設備投資などを実施しており、整理に時間が掛かります。今回の景気後退は、多少、過剰生産の面もあるでしょうが、基本的にファイナンスが付かない為に行動を停止したのですね。通常、10倍のレバレッジを70倍まで増やした咎を受けているのでしょう。だから金融システムに信頼感が生まれれば、お金は回り始めます。
レバレッジ規制は今後も存在する為に、大きく回復するのは困難でしょうが、いきなり3割も4割も売上が減るのは、やはり異常な現象でしょうね。
本当かどうか…分かりませんが、韓国でブランドツアーが好調だという話しをお客様から聞きました。ご承知のようにウォンは、ドルに対し暴落しており、円は更に強いので昨年の半額程度なのでしょうか? しかしヴィトンなどの高級店の価格は引き上がってないとか…。為替分の値引きが期待できるという話しです。この話しが本当ならシャネルのバックなど日本で買うより安いでしょうね。韓国旅行をしてその代金は無料になりますね。まとめて日本の店の前で、1割引の注文を取って大量に韓国で仕入れて日本で売れば…。
でも本当かな? この話は…。通常は韓国のブランド品の価格は値上がりする筈ですからね。日本人もだんだんグローバルな考え方をして行くのでしょう。
2008年12月22日
12月22日
NY市場ではGMの繋ぎ救済が決まり、NYダウは一時上げたけれど、引けには下げてしまい3連続安を演じました。かたるは11月23日の米国政府によるシティーバンクへの二度目の公的資金注入と資産への政府保証により、株価の底入れ宣言をして行動しています。その後、初めての3連続安です。GMへの資本注入は非常に筋が悪い政策です。市場原理国家らしく倒産させるべきだと思っていましたが、次期政権の意向が強く働いたのでしょう。しかしUAW(全米自動車労働組合)は強硬で、現実を見せつけるべきだと考えています。しかしどちらが正しいのでしょうか?
積極的な対応を見せているFRBですが、米国銀行株のその後の動きは上値が重い展開です。市場はやはり不良資産の買い取りを求めているように感じますが、新政権はどう行動するでしょうか? ただ同時にFRB効果により、ここに来て長期金利が急低下しており1%の金利低下は債券価格を8円ほど上げるのでしょう。4%程度から2.5%程度まで下げていますから12円ほどの値上がり効果があるのでしょうか?(この数字はいい加減です。およその目処として…)つまり1兆円の国債を持っていれば1200億円の含み利益が生まれたと言うことです。この影響は大きくゴールドマンサックスが、中国のファンドと組んでAIGの買収に乗り出すと報じられています。要するに投資縮小の歯止めが掛かり、場合によると増える可能性が出てきているということです。だから株価は強いのでしょう。
ここに来て日銀の政策が注目されています。白川さんは盛んに異常な行動をとる事になると、CPの買い切りをアナウンスメントしています。事実、その通りですね。中央銀行が民間企業に与信をするのですから異常です。米国以上の量的緩和なのです。だから日本株は確りしているのでしょう。しかし本来、好影響を受けるグループの銘柄が急騰してもいい筈なのに…まだ大きく動きません。理由は日銀の実効性を疑問視しているのかもしれませんね。日本政策銀行への融資の形になるのかどうか? 買い入れ額はどのくらいの規模か? 買い入れの対象は? この辺りにこれからの日銀の行動の注目が集まっています。さんざん騙されているから、市場関係者は慎重なのでしょうね。日銀のペテン懸念を考えているのかもしれません。市場なんて、こんなものかも知れませんね。
原油価格がOPECの減産にも拘らず、大幅に下げています。WTI原油先物など、もともと流動性に疑念があったのです。しかし皆が信じていれば現実に変わりますからね。一方、ドバイ原油の価格はWTIほど下がらずに、一時、安値35ドルほどがありましたが、現在は41ドル前後なのでしょう。つまり実需は強いのです。金融不安が解消に向かい、過剰資産の資産圧縮の動きは、徐々に鈍くなるのでしょう。そもそも原油価格が短期間に上がるのも、異常な下げ方をするのも、常識を逸脱している現象です。市場経済は魔物なのです。だから不安が和らげば乖離率の戻りを演じるのが普通です。この意味は重要なのですよ。銘柄選別に影響を与えます。ビスタに書いた銘柄選択も、このような背景があるのです。
さて財務省から11月の貿易統計速報が発表され、なんと2234億円の赤字でした。
既に経済の世界では国境と言う壁は意味があるのかどうか…疑わしいですね。日本の法人税は高く、雇用機会が奪われるのは当たり前。だから終身雇用、年功序列のよき時代を壊して、雇用形態を契約社員型に変化させたのは致し方がない現象なのです。それにも拘らず厚生労働省は、どんな経緯か分かりませんがグッドウィルを処分し、キヤノンに契約社員を正社員化させることを求めたのですね。ここに日本の限界点が見えるわけです。だからこそ前川レポートの重要性が浮き上がるのですが…。文句を言っても仕方がありません。このような積み重ねが東証一部単純平均の下降波動の現実なのです。
まぁ、現実の分析より目先の話。
11月の輸出額でみるとアメリカは33.8%の減少、EUは30.8%の減少、中国は24.5%の減少です。これから中国では財政出動が効いてきますが、中国のGDPの構成で輸出も重要な要素の一つです。果たして総需要が維持できるかどうか…。上海万博はこれからなので、私は春節以降、大きな伸びを見せるかもしれないと思っております。
故に、今、押し目を入れている銘柄の動向に関心を持っているわけです。ビスタニュースの読者の人は、言っている意味が分かりますね。まぁ、個別銘柄の動向より全体像を掴んでもらえば良いわけです。二回目のチャレンジです。シナリオ1から3までのシーソーゲームと、お客様には解説しています。次の焦点は米国金融株の動きがターゲットになります。オバマ政権の政策次第で株価の位置は大きく変化します。期待感が強ければ、更に上げ続けるし…果たしてオバマは救世主になりえるか? 更に白川さんの度量は、どの程度か? 株は色んな見所があり、だんだん面白くなってきました。
2008年12月19日
12月19日
パチパチ…今日の日銀の対応は文句がありません。
前回は市場の要求よりケチる内容で、今回の対応もポーズだけかな? とも思っていました。騙され続けている私は、既に、日本の政策対応に期待感はなく、どうでも良いと思っていました。しかし今日は利下げに加え、CPの買い取りまで決めている模様です。額などハッキリしませんが、明日の新聞を読めば書いてあるのでしょう。ポーズだけでなく金融不安がなくなるまで、資金を安定的に供給すれば良いのです。その点、市場の要求に応えるアメリカはすごいと思います。バーナンキの発言には安心感があります。やはり米国の対応の方が筋は通っています。通常、ゼロ金利にしてから量的緩和に乗り出すべきで、金利を付けてCPの買い取りとは…多少、疑問を感じますが、考え方を変えれば0.1%の金利と言うのは、当たり前なのかも…。報道はつぎの様なものでした。
「日銀は19日の金融政策決定会合で、政策金利を0.3%から0.1%に引き下げることを決めた。利下げは10月31日以来、約2カ月ぶり。同時にコマーシャルペーパー(CP)の買い取りや長期国債の買い入れ増額など、資金供給の拡充策も決めた。急速な景気悪化と円高進行に危機感を強め、景気の下支えに向けて金融政策面の対応をさらに強化する必要があると判断したもよう。米連邦準備理事会(FRB)が事実上のゼロ金利に踏み込んだことも、日銀の決断を後押ししたとみられる。」(日経ニュースより)今日はこんな感じのスタートです。
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2008年12月18日
12月18日
政策を馬鹿にしてはいけない。
私は日本の政策批判をしながら株を買い続け大きくやられていました。矛盾している行為ですね。日本の政策が悪いなら、株が下がるのは、ある意味で当然なのです。最近、米国株に注目するようになって気付いたことがあります。まだ米国株の動向を見始めたばかりなので、よく分かりませんが相関性はかなり高いですね。情報が一元化され世界同時に物事が動くようになっています。このような現象を、これまでは属国のようで、悲しいことのように感じていましたが、経済はグローバル化しており、当たり前の現象なのかもしれません。ネット時代の台頭で情報やお金は瞬時に動くので、値動きも激しくなっています。ネット証券では米国株式も簡単に買える事ところがありますからね。
一昨日、ゴールドマン・サックス(GS)の決算発表がありました。1999年の上場来初めて、21億2000万ドルの赤字決算でした。米国ではベア・スターンズ、リーマン・ブラザーズ、メリルリンチ、ゴールドマン・サックス、モルガンスタンレー(MS)の5社の投資銀行のうち、なんと3社が独立できなく救済されました。残ったGSもMSも商業銀行化の道を歩んでいます。つまりFRBの管轄下に入り自己資本比率規制の対象になります。だから世界の資産が大きく売られる訳ですね。銀行が自己資本比率規制の為に、総資産を急激に圧縮したので混乱が起こったわけです。これが金融不況の一因です。
しかしGSは赤字決算にも拘らず、株価は材料出尽くしで上がりました。66.46ドルから76.00ドルへ14%も上がったのです。そうして更にFRBの政策の影響もあるのでしょう。昨日のNY市場は安かったのですが、GSは逆に78.78ドルと、更に続騰しました。実はリーマン破綻以来、下げ続けていた株価は23日のシティーへの2度目の公的資金注入と、資産への政府保証により株価は反転期に入りました。その一発目の高値が28日の81.19ドルですが、昨日、ついにその高値を僅かですが81.29ドルと更新しました。更に生き残ったMSは、昨日22億9500万ドルの赤字を計上しましたが、GSと同じように2%ほど高くなり、16.50ドルとなっています。
FRBは「利用できる全ての手段を使う」と明言しています。
世界中の中央銀行が大幅に協調利下げを実施して、世界中で財政出動をしているのです。株が上がらない訳がありません。ようやく2006年から始まった悪夢が幕を閉じます。長かったですね。売りを出来ない私は反省をしています。2007年の夏のBRICs相場は基本的に反対派でした。異常な商品市況は先進国の3万ドル水準でも堪えるのですから…1万ドル以下の国が耐えられるわけありません。当時、混乱の最中は、なかなか現実が見えないものです。同じように…今は逆の混乱が起きています。こんな異常な価格形態が長く維持できるわけありません。現金保有額より時価総額が安い? きっとこれから長い歴史の中でも、今度のような騒動は歴史的な記録で、滅多に起こらないでしょう。
少しは金融相場のイメージが実感できて来ましたでしょうか?
もともと、この度の不況の原因は金融不況なのです。米国の車販売の例を取り上げて、ローンの許可が下りないから車が売れない話しをしました。10月からは劇的に悪化している経済指標ですが、私にはやはり歴史的なチャンスに見えるのです。まだこれから滑走路に向う段階でしょう。長いフライトになるはずです。
「人間の覚悟」の一節に…『12世紀後半、平安末期から鎌倉時代の初めと言うのは、今と同じように価値観が大きく変動した時期でした。それまでの価値基準が何もかも崩壊して右往左往する人々に向って法然は「念仏で人は救われる。阿弥陀如来がすべての人を救ってくださる」と言って大きな支持を得ました。そうして弟子の親鸞は、何故、念仏を信じれば救われるのか、その秘密を説明して欲しいと乞うた人々に「それはわからない。私は法然を信じて、その教えのままに生きます。それで、もし地獄に落ちても後悔はしません。」と答えるわけです。突き放したような言い方ですが、信じるとは、裏切られても後悔しないと言うことです。何かを信じたなら、裏切られることがあっても絶対に後悔もせず、責めもしない、それも覚悟なのです。ですから今のような時代には、信じることほど大事なことはないかもしれません。』
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2008年12月17日
12月17日
期待されていた量的緩和を声明文に留め、意外にも0.5%の引き下げと思われていた金利の引き下げをFFレート1%から0-0.25%へと引き下げました。つまり1%-0.75%の引き下げを実施した事になります。しかし…下の実際のFFレートの市場金利の推移を見ればお分かりいただけるように、市場水準を容認しただけなのですね。しかしマスコミは実質ゼロ金利を大きく宣伝し株価は上がりました。FRBは当たり前の論理を貫きました。早めに実質金利をゼロにしたので今度は量的緩和を実施すると正式な文章で発表しました。政府機関債はGSEの発行する債券を示すのでしょうか? モゲージ担保証券(MBS)、さらには家計や中小企業向けの与信を促す対策って貸し出しのノルマかな? 長期債の買い入れは前から指摘があります。「利用可能あらゆる手段を活用する」と表明しており株が大きく上がって当然ですね。これが第一点。
第二点は米国の住宅着工件数の激減です。ここに来て加速度的に着工件数が減っています。下のグラフを見れば明らかです。日本の人口の2倍以上なのに…日本の半分近くまで落ち込んでいます。この原因は中古住宅の販売にもよるのでしょう。しかし…注目すべきデータが存在します。米GSE住宅ローンの差し押さえ率が2四半期連続で低下しているのです。第一四半期は8.29%、第二四半期は7.81%、第三四半期は7.12%なのです。明らかにサブプライムローンが峠を越して住宅地事情は改善しているのでしょうね。米国の30年債利回りは急低下しており2.736%となっています。当然、住宅ローン金利も大きく下がるでしょう。問題は与信ですが…FRBによる量的緩和政策やこれから予想される政府からの不良資産の直接買い入れが住宅ローンの促進策に繋がるのでしょう。つまり来春は非常に明るい展望です。
三番目は投資銀行のゴールドマン・サックス(GS)の上場以来初の赤字決算でしたが株価は14%も上がり76ドルとなり材料出尽くしになっています。この強気の材料3点にも拘らず、日本株は小幅高でした。理由は為替相場だと思われます。確かに輸出企業にとっては苦しい展開でしょうが、時間が解決します。急激な円高が困るだけです。私はかねてから加工貿易立国の限界を感じていますから、円高は日本にとって内需を盛り上げるいい機会です。はたして政策の舵を上手く切れるかどうか…昨日、2003年のみずほ銀行の株価の回復過程のチャートを載せましたが、米国はあの動きですね。輸出は駄目です。今回の不況の原因は金融不況です。だから株が上がると言う前提に立つなら、銀行株の株価は上がる筈です。
さらには証券、不動産、ノンバンクと広がります。株価を見ると弱小の不動産株が大きく上がっています。倒産を覚悟している株価ですから大丈夫なら株価は大きく上がりますね。少し上がる傾向が途絶えると株価はまだ下がります。しかし相場は三寒四温でしょう。何故なら、世界中の政策が金利を下げて財政出動をしているのです。目先的にはCRB商品先物の指数も戻りの兆しが窺えます。バフェットが石油大手のコノコフィリップス株を買ったのも頷けます。何れ経済は正常化の道を歩むのです。
さて社会問題になっていたSFCGの強引な貸付金回収の問題です。リーマンから借り入れをしており返済が迫られていると言う噂を聞きましたが…、私にはこのような社会問題は、金融庁の間違った政策のためだと思います。むかしに返済が終わっている利息まで遡って返せと言う過払い返済金の異常な法令が社会を揺さぶっています。このような厳しい規制の為に、大手企業は貸し出し制限を掛けており不良化を防ぐ努力をしています。一方では闇金融が横行しており、とうとう自殺者が出ています。大阪府の八尾市の夫婦3人が自殺したそうですね。法定金利の270倍だそうです。無理な法規制は社会の構造に歪を生みます。今日の日経新聞の大機小機にも日銀の政策が変だ…って載っていました。鬱の時代とか…下山の時代だからとか…五木さんは書いていましたが、役人は自分を基準にしないで社会見学をするべきですね。出来ないなら、せめて株取引をすれば1579円まで行った単純平均株価が200円台に落ちている現実に気付く筈です。20年掛けてこのザマですからね。せめて株を買ってみて欲しいものです。
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2008年12月16日
12月16日
株価をみると…明らかに金融相場の色彩を帯びていますが未だにハッキリしないのが米国金融株の行方です。この所、気迷い症状を続けています。日本の銀行株も私が底入れ宣言をした11月25日の寄り付き株価を下回っています。一方、財政出動を買う景気敏感株の方は25日の寄り付きの株価を上回り利食い圏で推移しています。中でも強弱観が対立する海運株などは強い動きをしています。さて今晩、米国ではFOMCが開かれており利下げ幅は0.5%を既に市場は読み込んでいるようです。問題はバーナンキ議長が発言した談話です。既に米国の金利はTBがマイナス金利に突入するような異常事態なのです。金利引き下げ効果は限られており更に金融政策を実行するには、金融機関の持つ資産を、直接、買い入れるしかないわけです。この「第2の手段としての流動性供給」が行われるかどうか? ここに市場の注目は集まっています。
少し前に盛んに登場したドルの3ヶ月ものLIBORの推移です。ドルの信認は戻っていますね。双子の赤字を気にしてドル安を懸念する声は多いですがマイナス金利でドルは強いのです。諸刃の剣を抜くタイミングを逃がすと本当に一部で懸念されている大不況が現実になります。リーマンの破綻が受けた世界のショックは大きく後遺症に苦しむわけです。気持ちは分かります。手持ちに切り札を残したい気持ちは…しかし既に株価を見れば不退転の決意しか反応しませんね。日銀の山口さんも金融マンなら日経新聞の竹中さんの主張するような意見を指摘されるべきではありませんね。CPの買い入れ表明など、そんなに日銀券の価値を失わせるものではないでしょう。世界の通貨で一番強いのですから…まさか、この段階でインフレがどうのこうの…なんて発言するとは思えませんし…日銀短観の下落率を見れば「じっと見守る」なんていう猿芝居を演じないと思いますが…
株式相場は政策によって株価が動きます。
FRBが量的緩和を実施したら、馬鹿になって株を買わないとなりません。世界中で金融当局がこれほど金融政策を一斉に合わせていることは初めてなのです。更に来年は財政出動が期待されています。此方はBRICs景気の余熱があり株価は確りしていますが、銀行株のほうは、かなり際どい姿です。市場の信任を得て株価を戻さないとなりませんね。仮に量的緩和を実施しないと…。まぁ、市場主義の米国だからそんな心配は書かない事にしましょう。シティーバンクの株価の推移と2003年のみずほの株価の推移を比較すれば、私の行動は理解できると思います。
金融相場なので、株価は疑心暗鬼の中を歩むのです。株価が下がると心配なりますが、金融相場は世論が暗いから面白いのですよ。日銀短観は「34年ぶりの悪化幅」野村證券の株価は「26年ぶりの安値」だとか…歴史的な数字が並んでいます。こんな環境ですから大勢観で行動するべきなのでしょう。
こんなことを書くと…腰が引けるかもしれませんが、それにしても日本の経営者はどうしてこういう考えなのでしょうね。東洋電機の大澤さんの話です。日本電産の永守さんはシナジー効果は自らが創りあげるものとの発言に対し…大澤さんはシナジー効果がないとの発言とか…株主代表訴訟をして経営者を訴えればいい。635円以上に1年以内ならないなら、社長は当然首ですし、役員は平社員に降格です。更に早急にそれ以上に業績を向上させる手段を発表しなくてはなりませんね。まったく…どいつもこいつも日本の経営者は保身ばかりのサラリーマンで会社を良くしようとか…日本の国を良くしようとか思う気持ちがないのでしょうか?情けない限りです。
昨日、福岡高裁は入学式や卒業式で、君が代斉唱を拒否した北九州市の小中学校教諭らが、市教委などに懲戒処分の取り消しなどを求めた訴訟で、原告3人に対する処分を取り消した1審・福岡地裁判決の一部を取り消し、原告側の逆転敗訴となったそうです。丸山昌一裁判長は「不起立行為は保護者らに学校教育への不信感を抱かせており、減給処分は適法」と指摘したとか…その通りです。子供を教える教師が日本の国を否定するなんて…僕なら首にします。国家を愛する教育を実行しないから世の中がどんどん荒廃するのです。朝日新聞など中山大臣の発言を問題化していましたが…マスコミは考えて行動して欲しいものです。日本株をガンガン買って盛り上げたいものです。
2008年12月15日
12月15日
最近のマスコミ論調は間違っていると、考える事が良くあります。例えば日銀短観といえば一般的には製造業の業況判断指数が強調されますが、日本が加工貿易立国で成長してきたからなのでしょう。為替が円高に振れたといえば、悪いことのように捉えられますが、円が強いと言うことは良いことですね。海外の品物が安く買えます。
食物自給率が低い日本は、自前で用意せずに買っていますから、可処分所得が増えます。しかし中国製品の品質が度々問題になるように、安全基準が問われています。
私は構造転換すべき時期に来ていると思っています。農業を奨励したりすべきですね。内需振興を訴えた「前川レポート」は1985年の中曽根内閣の時に発表されました。未だに構造改革をせずに、狂った政策をしているからGDPは伸びないし、既得権を温存し日本は変化できないのですね。「チェンジ」はオバマのキャッチフレーズですが、何とか…日本も呪われた幻想から脱却して欲しいものです。硬直化した特別会計予算を、一般会計に組み入れ、メタンハイドレードの開発や農業分野に力を入れるべきでしょうね。税制を組み変えれば、劇的な変化を享受できる国になりますね。高福祉体制も支えることが出来ます。無駄な道路を作り自動車産業を保護する予算を少し割けばいいのに…。下の短観は製造業の落ち込みは激しいですが、サービス分野の非製造業は緩やかです。この影響が株価にも現れています。(ユニクロの活躍など…)
マスコミ論調を注意深く聞いてください。この日銀短観は過去のものです。GMの話は逆業績相場の景色観で捉えられる話です。しかし…株式相場は6ヶ月先を見て動くと言いますから、むしろこの短観を踏まえ18日に行われる金融政策決定会合において、日銀がCPなどを買い入れるかどうか…。最近、日経新聞が報じているこの話題に焦点を添えることは、金融相場を主眼に物事を考えていると言う現れですね。私はこれ以上に、今晩と明晩に行われるFOMCに最大の関心を払っています。FRBが金利の引き下げでなく、CPや住宅関連などの資産担保証券を、銀行から買い入れるかどうか…? つまり量的緩和政策を実行するかどうか? これが非常に重要なポイントです。仮にFRBがバーナンキ議長の予言のように実施すれば、株は大きく上がり一段高するのでしょう。逆に政策を温存すれば、株式の下値持ち合いは長引く事になります。もうここまで待った人は、多少、高い所を買ったとしても政策決定を見てから動けばいいのでしょう。
11月の連休明けの25日に株価の底入れ宣言をしましたが、市場環境がかなり弱く、なかなかアクティブな動きに変わりません。このまどろっこしい動きは、疑念を抱いて進む金融相場の特徴なのでしょう。明日の政策など誰にも分かりません。しかし幾つか上げた事例は、全て金融相場がスタートしていることを暗示しています。極めつけはバンク・オブ・アメリカの中国建設銀行への投資でしょう。流石、メリルを取り込んだ銀行です。この報道を聞いて、ピンと来る人、来ない人。この違いがお金持ちになれるか、なれないかの差なのでしょう。情報とは…誰の意見が正しいとか言うものではないのですね。他人の意見を鵜呑みにして行動するのは、日本人ぐらいでしょう。小さい時からディベートをして鍛えていれば、情報の意味を取り違えたりしないことでしょう。日本政策銀行が2兆円のCPの買い入れを実施すると、報道された時から独立系のノンバンクの株価は上がり始めました。同じことが、明晩、発表されるFRBの政策にも言えます。分かりますね。
100年に一度のチャンスを、生かすもの生かさないのも自分の考え次第なのです。
強き相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育つ…
2008年12月12日
12月12日
クリスマスのシーズン入りなのに…今年の世相は暗いですね。
米国発の金融不況が実体経済に反映し始め、だいたい1年と9月です。しかし多くの人が深刻さに気付いたのは、リーマンが倒産したあとの動きでしょう。悪夢は9月15日から始まりました。当初は「ネイサンの逆売り」で直ぐに回復するかと思っていましたが…。意外に根は深く世界中の金融機関が影響を受けました。信用乗数という言葉があります。経済活動は一つの連鎖の中で動いています。例えば20万円の給料をもらうと8万円が家賃に消えるとします。その8万円を原資に資本家は不動産投資を考えます。年間96万円ですから960万円の投資なら利回りが10%に回りますね。5%なら投資額は1920万円まで膨らみます。食費に5万円消えるとすれば、食材を買い入れた先にスーパーがあり、スーパーは食材メーカーから仕入れを実施します。つまり20万円を消費する生活は多くの人と繋がり連鎖が働いています。
先頃、大手米国銀行は10%の配当を払い資金を調達しました。金融の自己資本比率は10%だとすれば10倍の資産が買えます。つまり効率よく運用すれば実際の調達金利は1%で仕事をしていると同じなのです。10%の不動産投資に資金を回せば、9%の鞘が抜ける事になります。金融の仕組みは、莫大な利益を生む卵なのです。ここに来て米国の大手金融機関は公的資金を入れて苦しい筈なのに、何故か、果敢に投資をしています。
先日バンク・オブ・アメリカが中国建設銀行の株式の持ち合い比率を高めました。なんと10.75%から19.1%に増やしたのです。投資額は、かなりの金額ですね。今週、12月10日の日経夕刊によれば、35億ドルを投入されたキャピタル・ワンがチェビー・チェース銀行を買収したそうです。驚きました。更に今日の日経新聞には、危機管理下のAIGが富士火災の157億円の増資を受け入れ、持ち株比率は23%から41%になると報じています。
一方、米国ではFRBへの準備預金が積みあがり3ヶ月で14倍の56兆円になったと言います。私の言いたい事が分かるでしょうか?
出だしに信用乗数の話しをして米国金融機関が公的資金を入れられたのに、外部に投資をし始めている現象を述べ、同日にFRBには安全資産がどんどん積みあがっている現象をどう考えるか? 本日の為替は1ドル90円を切り88円台前半まで急伸したようです。大量の資金がだぶつき、日銀は一所懸命に資金を吸い上げています。色んな条件が金融相場を暗示していますね。情報とはどうやって利用するか? 利用する側の問題なのです。IRNETの「今日の市況」を読んでいれば、世の中で動いている現象が、だいたい理解出来るでしょう。
今日は円高と自動車産業界への救済法案に米国上院が否決して、廃案になったと言う表面的な現象もあります。これを受け、株価は下がりました。しかし同時に日本政策銀行がCPを直接、2兆円程度、購入すると言います。この話しを聞いてサラ金屋株を買った人は、なかなか良い判断をしていますね。オリックス、武富士、アイフルは独立系の金融機関で自前の資金源を持っていません。その為に貸し出す資金を調達するのですが、米国の金融危機により、実質上CP市場は機能していませんでした。故に、異常に貸し出し規模が拡大し、中小企業に貸し出す資金が減りました。政府の狙いは企業にお金を回すことです。リーマンの破綻により、SECGは貸しはがしをして社会問題になりました。ノンバンクも銀行と同じですね。
今日は下げましたが、世界中の中央銀行が空前規模の金融緩和政策を実行し、世界中の政府が財政出動を実施しています。分かりますかね? 当然、金融危機で萎縮した経済活動は再開され、徐々にでしょうが正常な金融情勢に戻るのでしょう。世界中が財政出動しているから、金融危機で大きく売られたBRICs株も株価を戻すのでしょう。理屈を考えれば、どの株がこれからのターゲットになるか明らかです。強き相場はスタートしています。しかし現実は非常に厳しいですね。バンク・オブ・アメリカは3万5千人の人員整理を、既にシティーは5万2千人の削減を決めており、ゴールドマン・サックスも3000人の人員削減を進めています。急速に冷え込む実態悪、一方、空前規模による世界中の経済対策との綱引きは当分続くのでしょう。
「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育つ…」
2008年12月11日
12月11日
世界の中央銀行は挙って利下げを実施し、政府は財政出動をしています。こんな風に世界中が同時に景気刺激策を打っているのと言うのは過去に例があったのかどうか…最近では影を潜めてきた空前の大不況説は、依然、存在します。あっという間に、3割、4割の売上が落ちると言う経験はありません。製造業の通常の損益分岐点は90くらいでしょう。つまり多くの企業が赤字になります。ソニーが雇用調整するのは当たり前ですね。わが国を代表する輸出企業は軒並み契約社員の解雇に動いています。非正社員の労働構成比率は33%ぐらいのものなのでしょう。3人に一人が失業時代。悲観的に考えると大変な事態です。来年は民間で失われた雇用を補う為に財政出動が話題になります。
常識的に考えれば世界の景気は回復するのでしょう。大幅な金利引き下げと多額の財政出動は景気を下支えするでしょう。アメリカでも金融株に次いで景気敏感株のキャタピラーや資源のアルコアなどの株価が上がっています。まさに金融相場の色彩が日増しに強くなっています。しかし同時に、この時期は買いの勢力より圧倒的に売り方の勢力が強いのが道理です。空売り派は2年から3年に及ぶ下げでメチャメチャに力が付いています。多少の上げは絶好の売り場と考えているでしょう。本日の日経新聞の解説にも『米国株が持続的に上昇する展望は描きにくく、日本株も再び上値が重くなるだろう』との意見が書かれています。
大勢を転換するには時間が必要なのです。言葉はうまく表現されています。「強き相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育つ…」疑いの懸念の中で相場は上がっていくのでしょう。この時期の相場は非常に面白いのです。これまで儲けてきたカラ売り筋は上がれば簡単に踏まずに逆に売り株数を増やします。買い方は恐いから直ぐに儲かれば利食い売りです。本日の相場はまさにそのような展開ですね。売らずに買い増しを続けているのは、私ぐらいかな? 強い株は安値から2倍前後まで急騰するようです。先行している日本製鋼所やソフトバンクのチャートには、その様子が刻まれています。まぁ、2倍になってもやられが大きくて話になりませんが。
私は回りの景色図から見て既に金融相場に突入していると思います。おそらく、この動きは更に広がるでしょうね。カラ売りの多い銘柄群は踏みが期待できるでしょう。この動きが単発的なものかどうか…全ては今後の政策に影響されます。明日はSQです。買い残は大きな規模ではなく、今日の相場にも影響はなかったようです。NY市場の夜間取引は、若干、安かったようですが日経平均株価は続伸しましたね。銘柄を果敢に入れ替えるチャンスです。逆業績相場のディフェンシブ銘柄から金融相場の主役に入れ替えるべきでしょう。頑張って下さいね。今日は遅くなり簡単にしました。
「今日の市況」は人気blogランキングに参加しています。2008年12月10日
12月10日
昨晩のNY市場は国際貨物のフェデックスの業績の下方修正とウォルマートの自社株買い中止になどがあり下げたそうです。実態悪と経済対策期待の理想買いが負けた現象ですね。これからの相場はしばらく、実態景気の悪化と景気回復期待の理想買いの綱引きになります。景気循環は逆業績相場から金融相場の間に位置しておりどちらを採用するか人それぞれ…2005年の後半から2006年の初めの賑わいはサブプライムローンに急増にみるように無理して作られた相場だったのですね。結果論を見れば誰にでも分かりますが、現時点で通過している背景を探るのは難しいものですね。私は日本の政策批判ばかりしていましたが実際は外人投資家が新興株も売っており、その背景には最近分かったような金融デリバティブの背景があった訳です。しかし無理して作られた現象は長く続きません。その崩壊は時間の問題だったわけですね。
今、起こっていることも異常な光景です。
「異常から異常へ」…だって日本を代表する会社が挙ってPBR1倍を割れているのです。この状態が正しいとすると、これから起こる現実は悲惨なものになります。ソニーの解雇騒動のような現象が、もっと広がり軒並み赤字企業に転落しないと株価の現象が説明付きません。株価からこれから起こる現実を考えると、2年程度、過去最高の赤字が継続するのでしょう。しかし…そんな馬鹿なことが実際に起こるのでしょうか? 黒字倒産が多発している現実は、異常な金融機関の行動にあります。日本はバブルの後遺症を引きずっているのですね。その為に銀行は過度の不良資産化を嫌い、健全な会社まで融資を実行しない行動を選択しています。長引くバブルの清算の為に、いやと言うほど不良資産に対する過剰反応があるのでしょう。そうして必要もない資金を異常に積み上げているのが今の世界経済の状態です。
その為に米国の短期国債はマイナス金利になったと言います。長期金利も急速に低下しています。その為に経営不安が背景にあり、なかなか下がらなかった住宅ローンの金利もようやく急低下し始めています。その動きは下の二つのグラフから明らかです。おそらく来春になると、この金利低下効果が現実の経済に表れてきます。どういう現象化といえば住宅着工件数が空前の低い水準から大きく持ち直します。当然、サブプライムローンで利息を払えないで差し押さえられた住宅の在庫も減ってくるでしょう。つまり銀行の不良債権が日増しに減り健全化してくるのです。私は今回の不況は金融不況だと述べています。実体経済が過熱して調整が長引くのではなく、自動車ローンのように極端に健全化を進めたので経済が萎縮した現象なので金融が立ち直ると実体経済は急激に回復すると考えています。今日はこんな感じでスタートです。
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2008年12月09日
12月09日
本日は内閣府からGDPの二次速報が発表されました。前年同月比で0.5%マイナスだそうです。年率換算で1.8%のマイナス成長です。下のグラフは1994年からの名目GDPの実額推移です。1997年に515兆円のGDPがありましたが…なんと10年も経ってもこのザマです。株が上がらないのも道理ですね。お金持ちは海外に脱出をするのでしょう。四季の豊かな国なのに…。契約社員が解雇され政府は雇用創出に4000億円の基金を創ると言います。投資銀行業務が拡大し、世界に需要が生まれ2003年から持ち直してきたわが国の景気は、基本的に海外需要の恩恵を受けるものでした。故に308円の単純平均株価が579円まで上がったのです。しかしそのメッキがはげて、実態の日本経済は先日、203円まで売られました。それにも拘らず特別会計予算の効率的な運営はなされないのです。無駄なお金を使う構図が残る日本はどの道を歩むのか必然的な道理が待っています。
東洋電機は日本電産からの誘いを断ったのでしょうか?
現経営陣は業績をどうやって伸ばすのか? 株主に説明せねばなりませんね。1年経って株価が日本電産の提示価格より635円より下回っているなら退任せねばなりません。今回は労働組合が反対に回っているようで…何れ自分達の首を絞める決議でしょうね。だって日本電産の株価は高いし、東洋電機は安いのですから…効率的な資金配分をしているのは明らかに日本電産なのでしょう。市場経済が正しいか? 分かりません。しかし共産主義国(社会主義)は市場原理を取り入れて成功し、ロシアはサハリン開発に見られるように市場原理を歪めていますから混乱の道を歩んでいるのでしょう。まるで特別会計予算を復活させたようなロシアの行動です。
一方でサブプライム問題から発展した投資銀行業務の崩壊現象を市場原理の奢りと見る人たちがいます。CDSを素にしたCDOなどと言う空手形のような仕組みを乱発し、お金を手に出来ない国や企業まで投資に巻き込み破綻したのが今回の騒動です。明らかに行き過ぎたのでしょう。実体経済の許容限度を人間の欲が越えたのが、今回の騒動なのでしょう。しかし11月23日に決めた二度目の公的資金投入と不良資産に対する政府保証により市場経済は反省を踏まえ新しい時代の動きに入ったように感じます。米国の株式相場は予想通り金融相場の色彩を日増しに強めています。ISMの統計値を受け急落した前の高値8840ドルを抜いて昨晩は一時9026ドルまで買われました。下の星取表を見れば明らかです。二進一退の動きを示しています。今晩は安いのかな? 今日はこんな感じのスタートです。
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2008年12月08日
12月08日
金曜日の米国株市場はなんとか…それらしいイメージを維持しました。
雇用統計値の53万人減との発表値の事前予想は、当初の35万人から引き下げられ45万人減と悪化しました。実際は更に悪化したので、はじめは291ドルぐらい安くなる場面がありました。しかしその後、悪材料折込済みとの観測から株価が戻り、ハートフォードと言う保険会社は、好業績を受けて株価は2倍と急騰し、金融株に物色の手が波及したと言います。シティーバンクへの二度目の公的資金投入と不良資産への政府保証などの政策が支持され5連騰の末、8840ドルまで戻したのですが、月曜日のISMの数字を受けてNY市場は679ドル安と急落したのです。その後8722ドルまで回復しています。高値奪回まで、あと僅かです。米国株は金融相場の色彩が日増しに強くなっています。
しかし日本市場は…
本日の上げは先物からの裁定買いが主体と思われ大幅高していました。しかし内容はトヨタなどの輸出株に見られるように、5日間連続の新安値更新。更にオリックスがストップ安をしていました。何故かな? 不思議です。値決めの決まる三菱銀行も引け間際に大量の売り物を用いるとは…。極端に萎縮した市場心理が不安を抱かせていることは間違いないでしょう。コマツなどは金融ヴェリタスの影響かな? 逆にストップ高をしていました。まぁ、日本を代表する会社が、簡単に値動きするのは、市場の流動性が欠けているのですね。誰がこんな市場にしたのか…。市場原理の国ではないから仕方ないと言えば、それまでですが…。
私のような強気の見方をする人が若干ですが出てきました。基本的に11月21日から24日の段階の政策が市場に受け入れたので株安は止まった印象です。ただ日本市場は本物の相場には程遠いイメージの内容です。NY市場が8840ドルを抜き9000ドルに乗れば、かなり投資心理が変化するのでしょうが…。予てから述べている展開どおりの動きになってきたようです。日本のバブルと米国を比較し、色々悲観的な見た方をする人も居るでしょうが、米国は人口が上昇している国で、狩猟民族です。人口が減る老齢大国の農耕民族とは、基本的に大きな違いが存在します。私はまもなく…と、ずっと思っていますが、未だに為替は92円台で推移し、円・ドル・キャリーの巻き返しがあるので株が売られるようですね。
今日はシナリオ2の路線が強かったですね。外需に頼らない好業績銘柄を物色する動きです。此方はまもなく整理が3年になります。金融株は4ヶ月程度、整理開始が新興株に遅れました。BRICs銘柄は大きく下がりましたが、調整開始は昨年の夏であり、時間調整は不十分です。年末に集中している金融機関のファイナンスもまもなく峠を越えます。今日はある人から、こんな話しを聞きました。東京の不動産投資が利回り10%にもなると言うのです。しかし、まだ下げる傾向にあり来年になれば動きが変わるのでは…と話していたそうです。10%なら買えばいいですよね。しかし人間と言うのは浅ましい動物で、充分採算が合うにも拘らずに、値下がりするかもしれない資産を買わないものですね。株も同じです。概ね大底圏だと思うので、私などは、多少、値下がりしても良いと思うのですが、やはり少しでも安く買いたいという心理が、邪魔になるのだろうと思いますが…
このような先物買いが次第に本物の相場に変わるかもしれませんが、今日の所はワクワク感を抱かせるような動きにはなってないようですね。今週はSQがあり、来週、FOMCが15、16日に開かれます。既に金融相場はスタートしていると思われますが、相変わらず疑心暗鬼の確信が持てない相場が続きます。どんどん景況感は悪化しています。11月の街角景気が発表されていますが株を買えない心理が表れていますが…はたして、不景気の株高は起こるかな?
2008年12月05日
12月05日
今日の市況はNTTや東京ガスが上がり東電なども賑わっていました。逆業績相場の主役銘柄です。資源価格は下がり基本料金は同じですから、(東電は値上げ申請済み)利益が膨らみます。当然、株価は上がるのでしょう。内需の中でも小売の好業績銘柄が強い展開ですね。しかも生活用品関連株です。此方は不景気と言っても生活する為には消費は起こりますからね。代わりに耐久消費財、所謂、車やテレビなどの家電製品は無理して買わなくても生活に困りませんから、同じ小売でもイメージが違います。最近、ヤマダ電機が電化製品以外の販売を手掛けているのは理に適っています。しかしヤマダ電機は同じ小売でも耐久諸費財の落ち込みを補うことが出来ないから株価も安いのでしょう。もう一つは外人の持ち株比率が高いので売りにあっているのでしょう。
同じ現象が金融相場銘柄のオリックスです。オリックスの業務は投資銀行業務です。お金を借りて消費者金融、リース、不動産投資など盛んにやっています。先日、大京にお金を投じていました。好調なのはカーシェアリングぐらいのものでしょう。本業の悪化と外人持ち株比率が高い為に換金売りの対象になりました。更にCBなどの発行もあり、株価が今日は一時ストップ安まで売られましたが、結局は20円高でした。此方は金融相場に活躍する銘柄群です。今日はこの辺りの話からスタートします。
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2008年12月04日
12月04日
NY市場の679ドル安をみて疑念が生じましたが、この2日間の上げは金融相場特有の「懐疑の中で相場が育つ」現象に思えてきました。NY市場は乱高下しADP(オートマチック・データ・プロセッシング)の内容は25万人減と予想より厳しいもので、これを受け明日の雇用統計をGSでは35万から40万人減へ修正し、BNPパリバは35万から45万減と大幅に下方修正をしていましたが株価は上がりました。GSとMSの赤字予想にも拘らず株価が上昇した「材料出つくし」という同じ現象です。明日の雇用統計は注目されます。
見方が大きく割れています。深刻な景気後退の入り口だと言う説と政策期待が株価を押し上げると言う楽観論です。中には来年後半には景気は回復し始めると言う意見も一部ですがあります。来年後半なら、そろそろ金融相場が始まる頃です。NYダウ平均株価の終値の安値は20日の7552ドルです。その翌日7392ドルを付けて5連騰と反発しました。その後、利食いとISMの予想外の低下で警戒感が増して679ドルも下げて2日間上げています。今回は金融株も回復しています。今晩のNY市場で8840ドルをクリアできればかなり市場心理は変わるのでしょうが…
今日の東京市場は夜間取引のGLOBEXが安いためか、一部で流されたGM倒産説のためか? 日本を代表する会社の株価は何れも下げていました。トヨタ、パナソニック、ホンダ、ソニー、三菱銀行と何れも新安値を更新していました。明らかに最近の株価は異常です。原油価格の200ドル説を信じる市場もおかしいと思っていましたが、今は35ドル説だそうです。サウジアラビアの採算ラインか国家の収支ポイントが50ドルとか…多くの産油国は既にコストが割高になっているのでしょう。株価の動きも異常です。多くの企業が黒字を予想していますが、現状の株価は大幅赤字を前提にしないと成り立たない株価ですね。
市場には極端に買い手が不在状態なのでしょう。年金基金が大量に買っても良いと思いますが、先日の日経ヴェリタスの年金批判が気になるのでしょう。サラリーマン役員は自分で責任を取る人種が居ませんからね。一番、株を買えるセクターが他人の顔色をうかがっているのですから仕方がありません。100年に一度の歴史的な現象が続いているのでしょう。原油価格が140ドル台に駆け上がる時に新しい動きが起こっていたのです。同じことが、今、起きていますね。はたして私の意見が正しいかどうか分かりませんが明らかに金融相場の前兆を示している事象はたくさん存在します。
金融・財政政策を一所懸命にやっているのが中国です。上海総合の動きを見ると確実に底入れの形を示しているように見えます。例えば関連するBRICs銘柄の商船三井の株価は若干安いですが株価は確りしていますね。強弱観が対立し始めています。明らかに買う筋も居るような動きです。一方、バラ積み市況は低迷し、このまま推移すれば赤字が確定する展開にみえます。どうなるのでしょう。中国の政策を信じるかどうかの選択ですね。私は当初7―9月期に1-3月に対する二番底を形成し株価は上がると考えていましたがリーマンの破綻がダメ押しを入れている様子がうかがえます。僅か、この2ヶ月で状況は激変しました。今晩の雇用統計にどう市場が反応するのか? 非常に楽しみです。
今こそ「強き相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育つ」…と言う諺を噛み締める時はないかもしれません。
2008年12月03日
12月03日
最近は、以前、自分が嫌っていた行動を、とるようになったのかな?と時々感じます。
昔はNY市場に一喜一憂する日本市場が嫌いでした。日本の市場なのに…。悔しい気持ちが一杯でした。
少し成長したのでしょうか?
それとも諦めに似た境地でしょうか?
日本の政治はお粗末で話になりません。それぞれが利権を争っているようで…官は官で仲裁能力だけ問われ本質的な問題を考えずに法案をあげるし…。議員立法と言うのは、どの程度の割合なのでしょうか? 郷里の先輩である田中角栄の弊害でしょうか? キャッシュレスにすれば不正が出来ないからフェアになると思うけれど…。骨太政策が怪しくなり昔の公共事業投資が復活するのでしょうか? 建設株は上がっていますね。特別財源から一般財源に移せば、かなり自由度は増すと思いますが…。まぁ、株屋が政策を嘆いても仕方ない。与えられた条件の中で努力するしかないわけです。法人税の引き下げが難しいし、厚生労働省の政策が変化している以上、「加工貿易国家の崩壊論」は的を得ているように感じます。トヨタ、ホンダ、パナソニック、ソニーと日本を代表する会社は次々と新安値を付けるわけで、当然、日経平均株価は値嵩株に影響を受けるので下げますね。
ユニクロが頑張っているようで、工夫次第で逆風下を乗り切れるようです。ABCマートも新高値となっています。考えてみれば日本の生活用品を優れているのでしょう。経営者に工夫があれば海外でも活躍できますね。少子化なのに…、ピジョンなどはいい例でしょう。今日の話題はパイオニアでした。驚きました。これほど急落しているとは…。本当に公認会計士の作成した有価証券報告書と言うのは正しいのでしょうか? なんと言っても唖然とするのが、2月に新規上場したモリモトが、先日、倒産したことです。幹事証券の大和証券と東証の審査部は、どうやって言い訳をするのでしょう。いくらなんでも1年未満ですからね。どんな家電でも1年程度は保証されますよね。
このような現実を考えてみると、証券マンと言う職業は嫌な商売ですね。トホホ…。自分の運命を考えさせられます。米国ではフォードの再建策が出されたそうで、4日、5日と公聴会が開かれ、来週にも結論が出るとか市場で噂されていました。私は共和党的な考え方ですから自然淘汰に任せるべきとの考え方ですが、次期政権のオバマはUAWの支持を受けておりシカゴが拠点ですからね。仮に破産法が適用されると日本の自動車部品の関連は打撃を受けると言われ、株価が連日下げています。デンソーなども下げていますね。更に三菱電機は売掛金に対し、損金扱いにして引当金を積むと言う記事も読みました。
日銀は社債やCPなどを担保に融資するそうでBBB格以上だとか…。量的緩和を実施するわけです。一方では金利低下圧力かわす為に、異例とも言える4回目の売りオペを実施したとか…なんと3兆2000億円と言う規模だそうです。おそらく円・ドルキャリーの巻き返しの資金なのでしょう。FRBもお金が積みあがっています。何処まで縮小が続くのか? 基本的にこの円高は外債投資のチャンスのように考えます。私の考えが当たっているなら、何れ円安に向います。
既に金融機関の株価は峠を越えたように見えます。赤字報道を受けたGSは殆んど下げませんでした。勇み足が懸念される金融相場開始論は、昨日の試練を越えることが出来るでしょうか? 週末の雇用統計の反応が楽しみです。かたるはテクニカルよりファンダメンタルに主眼を置く傾向が強いようです。10月28日の株価と11月21日の株価を比較して右肩上がりの銘柄は、需給が改善している様子を示しています。短期の勝負は、当然、需給が優先されるわけです。例を掲げると分かりやすいでしょうが…面倒なので。
例えば三菱商事と商船三井とか…同じBRICs銘柄でも調整度合いの差が株価に現れているのでしょう。まぁ、基本的に東電のような株価が上がる相場は面白くありません。それに引き換え、米国金融相場論の方がドキドキしますね。市場主義の国が試練を受けています。一方、日本は計画経済の国なのです。同じ金融危機でも未だに後遺症を引きずっています。はたして僅かな期間に、新しいスタートを切れるものかどうか…興味は尽きません。
2008年12月02日
12月02日
いやはや、勇み足だったのかな?
「寄りきり」なら完敗だけれど、「つり出し」なら残っている事になるが…そもそも21日の494ドル高はフロックだと言うのは理解していたし、28日の103ドル高もお化粧と言われれば、分からないでもない。しかし24日、25日は明らかに本物の内容。ついでに26日は強弱観が対立して理想買いが、優勢に立つ展開だったのに…。何故、今頃、常識になっている全米経済研究所の景気後退説やISMの統計が、ここまで株価に響くのだろうか? 利食い売りの出やすいタイミングなので、下がるのは分かるのだけれど…下げ方が気に喰わない。
オバマ政権の閣僚人事が決まり、選挙戦を戦ったクリントン氏やロバート・マイケル・ゲーツ国防長官の留任など…意見のすり合わせが難しいと思うのですが、実務派が揃ったイメージです。私はこれより1月から2月にかけて、新政権への期待感で株高をイメージしていましたが、就任演説の最中での大幅下げは意外感を抱いています。
25日の6.08ドルを上回り、6.45ドルで推移した「シティーバンク」は、すれすれセーフ。しかし「バンク・オブ・アメリカ」は12.85ドルで24日の株価も下回っているから、「メリル」の咎めを受けるのでしょうか? それなら「中国建設銀行」への投資は、どういう意味だったのか?
まぁ、懐疑の中で金融相場は育つと言われていますから仕方がないのかもしれませんが、市場の雰囲気は昨日のNY市場の下げで再び変わったことは事実でしょう。バーナンキFRB議長は、国債の買い入れなどの量的緩和策を示唆したと言いますが、今晩のNY市場の動きはどんな展開でしょうか? 既に米国金利は2.734%まで下げています。明らかに質への逃避が進んでいます。さらにFRBには準備金が膨れ上がっていると言います。お金は唸るほど、あるのです。信用秩序さえ回復すれば正常化路線に動く筈。
日本でも「モリモト」など明らかに異常ですからね。大和証券や東証の責任問題に発展する可能性もあります。だって今年の2月ですからね。幾ら金融情勢が異常でも新規上場なのです。チューダー(米有力ヘッジファンド100億ドル規模)の解約売りストップ説などもあり、売りが継続するとの見方もありますが、出来高が減っており、かなり売りも出たのだと考えています。ただ未だに為替は円高に動いており、円・ドルの巻き返しは続いているようです。一方ではGSの15億ユーロの政府保証債発行のように銀行の経営不安は薄れています。
金融経済立て直しへの期待のウェートを上がるか? それとも実態景気の悪化の数字を重視するのか? 非常に難しい場面です。私は年がら年中強気を貫いていますから、金融相場は既に始まっており、昨晩の下げはその揺り戻しだと思っていますが、果たして真実はどっちに傾くのでしょうか? 今日の日本株は現物が先物より先の寄っており出来高も細っているので様々な現象は、意外に動きは強い印象を持ったのではないでしょうか? 普通、NY市場が700ドル近く下げるから、日本ももっと下がるかな? と思いながら市場を見たらマズマズ。もともと間接金融が主体の国なので市場経済の投資銀行業務衰退の影響は少ない筈です。最近はCPの金利が上がり大企業は借り入れを望んでいるとか…直接金融から間接金融への流れです。しかし…モリモトなどの黒字倒産の例を見ると、日本は既に市場原理の国になっているな…と感じますね。エルピーダにしてもソフトバンクも武富士もみんな市場金利の中で戦っています。何時までもプライムレートではないでしょう。企業ごとに金利差があって当然でしょう。BIS規制などで縛られるので日本も否応なしに市場経済化を求められるのでしょう。
時間があれば面白い資料が作れます。再びコマツの株価が日立建機より上になり、郵船と商船三井の株価レースの背景にはそれぞれ意味があります。またBRICs株でも一番底を模索している三菱商事と商船三井の株価波動の違い。銀行にも同じような動きが…この辺の個別株を解説すると、今の市場の動きがより良く理解できるでしょうね。まぁ、時間の問題と思っていますが…はたして勇み足なのかどうか…。
2008年12月01日
12月01日
NY市場はおそらく完全復活でしょう。理想的な展開の相場展開になっていると思うのです。残念ながら、10/10日を上回る28日の安値を切って、NYダウは最安値を21日に付けたわけですが、実はこの日は銀行株が安かったのです。しかし他の株が上がりNYダウ平均株価は大幅高しました。日曜日にシティーへの二度目の公的資金注入と不良資産への公的保証を付けた金融政策が支持され、金融株の上げがスタートしました。21日金曜日のシティーバンクの株価は3.05ドルだったのですが、4連騰し8.29ドルまで回復しています。
金曜日も含めNY市場は、なんと5連騰しました。
調べてみると…2007年7月11日~17日まで271ドル上がり、スタートは13501ドルでした。今回は1276ドルも上がり、スタートは7552ドルでした。上昇率は前者の2.00%対し後者は16.89%です。仮に今晩も上昇すると…2007年4月12日~20日の7連騰と言う記録がありますが、この間の上昇は477ドルでスタートは12484ドルなので、3.82%の上昇と言う事になります。上昇率の幅より連騰記録が注目されます。投資マインドが変化する可能性が高いのです。
オバマ政権への期待が背景にあるのでしょう。
心配されていたブラックフライディーと呼ばれる11月の最終金曜日の小売売上はショッパートラックによれば、前年比3%増だそうです。実はドイツも消費が堅調なのですね。金融市場の影響は何れ反映されるのでしょうが、実体経済より今回は金融経済の痛手が大きいのです。ここを間違えてはいけません。金融経済の急拡大が続いたので、実体経済が悲鳴をあげたのが、資源価格などの商品価格の上昇によるインフレなのですね。高騰する人件費によりドバイで人手が足りずに、建設の採算が悪化していました。実態経済の裏方である影の関係の筈の金融経済が、表舞台である実体経済の光を越えたのです。だから必然的に崩壊したのでしょう。
市場では2日の(つまり明後日に結果が判明しますが…)GMの動向が注目されていました。確かに大きな会社です。17兆円ほどの売上高ですから…。信用乗数はどの程度なのでしょう? 7倍程度かな?と言うことは、100兆円を越える事になるので大変な規模ですが、株式市場の評価は3200億円程度のものなのです。私は破産法の適用を受けたほうが良いと思いますが…、オバマはUAW(United Auto Workers)の支持を受けていたと言いますから、一度は助けるのかな? どっち道、駄目でしょうが…。此方の動向などが気になり、日本市場は模様眺めに終始したようです。
いろいろ言われています。
弱気派に言わせれば、これだけの規模の政府支援をしており大量の国債が発行されるからドル不安になるというのです。この人の意見が正しければ、国債金利が3%を割れますかね? おかしいですね、この意見は…。それともかなり先の話かな? 更にドイツでは…ユーロの紙幣にドイツが発行した刻印がないものが毛嫌いされているという話題も報道されていました。ユーロの崩壊まで市場で言われているのです。いやはや…まぁ。私も他人のことは批判できません。何しろ弱気市場でも、かなり先の話題を用いて、可能性の薄い見方を披露することがありますからね。明らかに値動きは金融相場の開始を示していますね。強弱観が対立する相場です。
現実はどんどん悪化します。しかし打たれた金融・財政政策への期待と実態悪の綱引きの相場です。私の予想通り米国金融株は上昇波動の入り口に到達したようです。その様子は下記のグラフです。何度か登場している米国金融株価の動向です。私のこの読みは今年の夏からスタートしました。読んでいますか? 実は今年の夏の終わり、香港のUBSの人と帝国ホテルで会いましたね。その時に、この米国金融の話しをしました。もう一つ、次の狙いも、お話ししました。ようやく米国金融の話しがスタートしましたね。
低迷する日本の政策に、市場経済の米国の政策と…共産圏の筈なのに…市場論理に果敢に取り組む中国経済。日経新聞には様々なヒントが報じられています。その報道の中身をつなぎ合わせられるかどうか…。一例はインドのテロです。この犯人はパキスタンから来たそうですね。良かったですね。インドなら大変でした。何気ないこの報道も株高を支援します。ドバイの話も…。サウジアラビアでさえ…50ドルを切る原油価格では苦しいと言われます。確か…この報道は日経ヴェリタスです。情報とは「つぎはぎ」の世界です。丁度、ジグソーパズルのようなものです。様々なアンテナから自分が拾って相場を組み立てるのです。当然のことですが、私の意見が正しいのかどうか分からないのです。こんな事は、当たり前の事なのです。しかし私は金融相場の幕開けを確信しています。