今日の市況(2009年01月13日)
いやはや…相変わらず日経新聞をはじめ、各雑誌の思考パターンは弱いですね。
まぁマスコミがこのような弱気報道を続け、実際に株価が下がるのですから、まだ調整は未了なのでしょう。今日の下げで日経平均株価と移動平均線の乖離は埋まり、適正水準になりました。値幅調整を強いられる所が金融相場らしい…と勝手に考えています。
当初、私は1月末まで調整らしい動きはなく、株は高いと考えていました。しかし見事に裏切られましたね。年末に発表された5000億ドルのMBSの買い入れの話は大きいし、他の銀行へも資産保証を拡大する話も大きいなと思っていました。
しかし米国の銀行株の動きは、勝ち組はマズマズなのですが、シティーバンクなどの負け組みの動きが重かったのです。案の定、シティーバンクの決算見通しは思わしくなく証券部門の「スミス・バーニー」を移管する話が浮上していると言うのです。この動きによりシティーは20億~30億ドルの現金を受け取るとか…。10-12月期の決算数字が当初予想の赤字が41億ドルから60億ドル近くに拡大するのだそうです。1月末になると10-12月期の決算数字が出てきます。この時期(10-12月)が一番、赤字幅が大きい場所なのでしょう。なにしろ3ヶ月もののドルLIBORが異常金利を示した時期です。事前予想で下げて、実際の発表で株価が上がるパターンになるかどうか…。
日経新聞によれば解約をストップしていたヘッジファンドが売りを再開すると報じています。まぁ、その動きもあるのでしょう。しかし既に峠は越えています。弱小のヘッジファンドが解約を止めたのです。投資銀行の資産圧縮は峠を越えていますからね。何故、NY市場が4日連続下げ、今日の東京市場の下げ幅が膨らんだのか? たぶん、シティーの証券部門売却話がショッキングだったのだろうと考えています。決して日経が報じているヘッジファンドの解約売り再開が、主要な原因ではないと思います。負け組みのシティーバンクは、まだ資産圧縮が充分ではなかったのですね。GSやMSは昨年末で、資産圧縮の目処が立っていると思います。米国の財政出動の実効性を疑う向きもありましたが、これは心配ないでしょう。株が下がるか上がるかは資産圧縮の動き次第なのでしょう。
是非、読んでおいて欲しい記事が、昨日の日経新聞のコマツの坂根正弘会長の考えです。私がイメージしているのは、この記事の内容ですね。流石、一流の経営者です。全体として上手く捉えていると思って、この記事を読みました。更に日経ビジネスを読んでおられる方は、1月5日号のP106~のジャック・ウェルチ氏のインタビューも納得のいく記事でした。日本のマスコミは、もっとこのような考えを多く採り上げる必要がありますね。100年に一度の経済危機などと言う言葉で、世情を煽るより現実的な記事を載せるべきでしょう。1981年当時、米国のプライムレートは20%以上で失業率は15%近かった現実を乗り越えてきたのです。「恐怖に縛られずに行動をしろ」と彼は言っています。その通りでしょう。チャンスですね。
ウォーレン・バフェット(投資家)やジャック・ウェルチ(GE前CEO)、坂根正弘氏(コマツ会長)らの発言は、私が抱いている仮説に近い行動を示しています。私は今回の不況は金融不況なので、立ち上がりが早いと考えているのです。金融機関の資産バランスが正常化すれば、早晩、経済は立ち上がるという仮説で、投資行動を取っています。だから土曜日の商品指標欄の動きもよく理解できますね。デッカプリング現象です。今日の動きは下げ相場の割りに強いものでした。投資と言うのは仮説の上で行動するものです。そうして常に現実の動きで、頭の中で描いている仮説を修正するのです。
まぁ、結果はあと2週間もすれば、だいたい判明するでしょう。今日は時間がないので、この辺で…。懐疑の中で育つ相場とは、よく言ったものですね。
投稿者 kataru : 2009年01月13日 16:44