今日の市況(2009年01月28日)
本当かどうか…定かではありませんが、米CNBCテレビが27日夕、関係筋の話として、オバマ政権が近く金融機関の不良資産を買い取る専門銀行(バッドバンク)設立を決めると報じたそうで、同構想は早ければ来週にも発表されると報じられているとか…。
この話しが事実なら、懸念だった金融問題に終止符が打たれる事になります。まぁ、買い取り価格で揉めますので、一概に金融株が上昇するかどうか断定は出来ませんが、公的資金520億ドルを投じたシティーの株価の時価総額が193億ドルと言うのは、おかしな話ですからね。結果は必然的な出来事でしょう。
一方、ケースシラー住宅指数は、昔は見向きもされませんでしたが、今では有名になり主要都市10都市の平均下落率が前年度比19.1%と報じられていました。この指数のピークは2006年の6月です。それから下がり続け226.29より、現在は166.05となっています。実に26.6%も下落しています。ここで下のグラフを見てください。昨年の6月に下落率が鈍り前月比では0.5%の下落まで縮まったのです。サブプライ問題がピークアウトした時ですね。しかしその後の景気動向が悪化し再び下落し始めました。
ところが、一番、危ないと言われていたマイアミやロサンゼルスは下落幅が縮小しています。残念ながらNYは下げ続けていますが…。このデータの意味はおそらく昨日解説した中古住宅販売が伸びて在庫が減っているという報道を裏付けているのでしょう。一つのデータを通り一遍見ると、実態はわかりませんが見方を変えると不思議な事に別の意見が生まれますね。私はまもなく米国の住宅事情は変化すると考えています。更なる住宅減税などの政策支援が必要ですね。此方のページにデータがありますから、自分でエクセルを使い調べてみると良いですね。
だいたい言われている悪材料は終ったかな?との印象を持っています。
私は基本的に日経新聞社の報道を信じていますが、これまでの経過で騙されることも多いので、気に掛かる記事は自分で調べる事にしています。最近ではネットがあり簡単に詳細のデータが手に入りますから記者が書いた記事が、どの程度の創作か自分で判断できるのです。多くのテレビや新聞ではこの度の経済危機が立ち直るのには2年から3年かかると言う報道をよく目にします。中には5年もかかるなどと言う意見もありますね。しかし一方では今年後半には回復に向うという意見も多くあります。言葉が曖昧なので何を示しているか分かりませんが…。読者の読み方により、感じ方がえらく違います。
例えば昨日の日経新聞の経済収縮3のコラムですが…
鉄鋼の主用品である自動車や家電用の薄鋼板の在庫が昨年11月末に450万トンを越えた。高炉大手は1-3月期に粗鋼生産量フル操業時に比べ3割削減。今の減産が続くと30基のある高炉のうち10基が余る計算になると報じています。そうして新日鐵の宗岡社長の「需給が元に戻るには2年、3年かかる」と書いていますね。疑り深い僕は調べました。昨年1-3月期の粗鋼生産は3083万5千トン、4-6月期は3106万トン、7-9月期は3044万8千トン、そうして10月は1009万7千トンで、11月881万5千トンでした。確かに在庫調整をするために大幅な減産をするのでしょうが…3割減をいつまで続けるのかな?との疑問がありますね。既にスクラップ価格は昨年の11月2週のトンあたり9167円を底にして上がっていますね。今日、発表の数字は21083円となっており、ほぼ毎週、価格が上がっています。私は中国の財政出動効果が表れていると思っているのです。国内の在庫は増えているから減産調整をするのは当たり前ですが、一方で矛盾する現象も生まれているのです。バルチック海運株指数も1000の大台に乗りましたね。
株価を考える上で幾つかの指標を見て、自分でどのような相場展開を予想するか?
要するに自分がどう考えるかにより、勝負の張り方が変わるわけです。何処かのアナリストが、この銘柄が良いとか…悪いとか言って、レーティングを引き上げたり引き下げたりしても、将来の展望により会社の業績は変わり、その変化に合わせて基本的に株価は動くわけです。だって誰が考えてもおかしいですね。520億ドルの資本を入れたばかりなのに、時価総額が200億ドルを割っているなんて…。僅か1ヶ月や2ヶ月で、そんなに資産劣化をするのでしょうかね? ケースシラーの指数が正しいとすれば2年半かけて26%の資産劣化ですからね。明らかに株価が間違っているのでしょう。
投稿者 kataru : 2009年01月28日 17:18