未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2009年01月29日)

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米国ではフェルズ・ファーゴの赤字決算が発表されました。ここでの注目点は公的資金の追加注入は入らないと言う話です。これでバークレイズと同じです。RBSの場合は、のれん代の償却が大きかったから市場は誤解したのではないでしょうか? ここにきて面白い現象は、商業銀行の株価は弱いのです。このウェルズ・ファーゴもシティーもバンク・オブ・アメリカも…、ところが三菱UFJ銀行が投資したモルガンスタンレーは23ドルとなり、最近の高値です。転換価格が25.25ドルですからまもなくですね。ゴールドンマン・サックスもほぼ最近の高値圏内の株価です。商業銀行が沈み投資銀行が立ち直る。ここで昨日のケース・シラー住宅価格指数のNYとマイアミ、ロサンゼルスの比較を見ると理由が分かるように感じられます。

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私がたてた仮説は、サブプライム問題は終焉したけれど、実体景気の悪化が本格的になってきたと言うことです。同時に投資銀行の含み損は整理されたのではないか?と言う仮説ですね。何故、そう考えたかの説明が必要でしょうかね? 面倒くさいから省きますよ。要するに株はいつでも上げられる準備段階なのです。ただ同時に悪戯に時間を費やすと傷口が広がり修復に時間が掛かる事になりますね。バッドバンクの設立を急ぐだけではなく、住宅投資減税などの政策支援が欠かせません。この見方を裏付けるように第二四半期の景気底入れを主張する人が私以外に大勢出てきました。仮に第二四半期なら、このまま株価は上昇波動になります。景気回復が2年も掛かるなら、株価が再び底這いを続けるのでしょうし、何れまた下値を更新しますね。

在庫調整に拍車が掛かっています。新日鐵は減産を強化し、通期の最終利益見通しを3300億円より1750億円に減額修正しています。1株利益が27.8円の水準です。不思議な事に、これまで慎重だった海外戦略投資を増やしブラジルヴァーレと合意し、鉄鋼大手のウジミナスの出資比率を23.3%から29.2%へ拡大させ、韓国(ポスコ)が進めているベトナムにも15%出資するとか発表しています。一時、決算悪を受けて株価は急落しましたが、引けにかけ織り込み済みから値戻しを演じ、前日比変わらずで引けました。

ここぞとばかりに期間工を解雇し、膿を出し切って赤字決算にしている会社も多いように感じられます。赤字の中身が非常に重要になりますね。余裕のある会社か、ない会社か…。その違いがこれからの株価の明暗を分けるのでしょう。基本的に株価の下落などによる特別損失は、考慮から外しても良いでしょう。大幅減額になった三井住友銀行の今日はストップ高までありましたね。その反面、野村證券の評価は難しいようです。金融サミットまでどのくらい金融機関が規制で縛られるのか? その影響を与える政策が見えませんから相場観を組み立てるのに苦労します。

現在の市場は極端な下振れ懸念は薄れているようですね。理由は銀行の決算です。ただ新政権への市場の評価は、今のところ、そんなに高いものではなさそうです。チャート的に一目均衡表から雲に掛かるので分岐点なので、上昇は難しいと言う指摘がありますが、その人はあまりチャートを知らないようです。確かに雲に近付くと跳ね返されるケースが多いのですが、下降波動の時にはそのようなことが言えますが、横這い波動が既に長く、遅行指数が基準線を下から上に抜けています。僕は雲を抜けて、上昇波動に移行する方が可能性は高いと考えています。一目もいろんな読み方があるからね。どっちが正しいかな?

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投稿者 kataru : 2009年01月29日 17:40