今日の市況(2009年02月03日)
熱狂的な人気を誇ったオバマ政権だけれど…。早くも月刊選択では、疑問視する記事を掲載していました。演説を英会話の教材に使うぐらい人気ですが、一方では、あの演説の評価に厳しい声もあるようです。私は昨日、江戸時代の田沼政権と松平定信の比較を書きました。今日の朝日新聞によれば、オバマ大統領はNBCテレビのインタビューで「銀行はすべての損失を認知していない。損失を処理する必要があり、一部の銀行は助からない」と、不良債権の処理の過程で一部の銀行の淘汰が不可避との考えを示したそうです。更に不良債権対策では「悪い資産の一部を切り離す必要がある」と指摘。「銀行は極めて弱い状態にある」と対策強化の方針を示したが、「特効薬はない。事態が改善するまで当分時間がかかる」と言ったとか…新たな金融政策では、銀行が抱える損失の一部を政府が保証する一方、金融救済法を活用して不良資産を政府が買い取る制度を強める見通しだ。と伝えています。この中身を見ないと先走りは出来ない印象です。
一方、日銀は株価の低迷を受け、銀行保有株の買い取りを、年度内に約4年半ぶりに再開することを決めたそうで、買い取り規模は最大1兆円で2010年4月までの時限措置と発表したようです。この報道を受けて後場寄りは先物から日経平均株価は上昇し、一時、8000円台を回復しましたが、効果は一時的で、引けには逆に安くなっていました。
日銀が市場から株を買えば良いのです。そうすれば資産デフレに歯止めが掛かります。日銀は金融機関に黒字企業なら資金繰りに応じるように行政指導すれば良いのです。デフレを止めることは簡単なことですが…。
話は変わりますが、高裁では、村上氏はインサイダー取引の認定を受けて有罪になったようです。執行猶予が付いていますが…。これがインサイダーなら、全ての証券関係者はインサイダーで、御用ですね。だって買うかどうか分からない人間の発言を信じて、株を買って売ったらインサイダーなのです。インサイダーの認定が、結果論で変わるということですね。兎に角、小耳に挟んだ怪しい情報を元に、売り買いは出来ないと言うことでしょう。あとで真実だったら罰せられるわけです。嘘だったら構いません。事実だったらアウトですから、どちらにしてもメリットはありません。
商社株は安いのではないかな?と思います。
全部の企業が決算を発表していませんが…、一度、調べてみようと思います。理由はこうです。資源の値上がりで多くの商社は利益をあげました。そうして需要が低迷し資源価格が急落しています。例えばインド産の中国向け鉄鋼石価格です。ピーク時は1トンあたり200ドルぐらいまで行ったそうですが、そこをピークに値下がりして60ドルぐらいまで下がり、現在は70~80ドルだそうです。中国の鉄鉱石の港頭在庫は、ピーク時に8000万トン~9000万トンだったそうですが、最近は6000万トンを割れているそうです。日本はジャブジャブに余っており、陸上の置き場もなく船に乗ったままとか…。どうも昨年上がった分を、そのまま引き下げることは難しいようですね。バルチック海運指数は上げた以上に下げましたが、原料価格は難しい…と言うことは、かなりの下げを見込んでいる商社株は見直される可能性がありますね。
当面の焦点は米国と中国ですね。
この二大強国の動向に日本は揺れるわけです。春節明けの中国の株価は順調のようで2000ポイントを回復しています。3年の年季を明けた中国銀行株に、一時、外資の売りが出ましたが消化して株価は再び強いようです。英国を訪問している中国の温家宝首相がケンブリッジ大学で講演中に、会場にいた男から靴を投げつけられる騒ぎがあったそうです。
会場の後方にいた若者が突然、笛を吹いて立ち上がり、「ここに独裁者がいるぞ。よく彼の言うウソを聞いていられるな。どうして大学は独裁者に身を売ることができたのか?」などと叫んで黒いスニーカーを投げつけたそうですが、温首相は取り乱すことなく「我々は平和にやっている。男の行為が中英の友好を妨げることはない。調和は武力によって妨害されないと歴史が証明している」と再び語り始めたとか…。流石、一流の政治家はアドリブも上手いですね。中国は追加の財政出動も用意があると述べているようです。今の分だけでも消化が出来るのかどうか…。4兆元(52兆円)はすごい金額ですから、しかしやらなくても、指導者がこのような発言をする事に、意義があるのですね。オバマ大統領のような発言をしていると、折角のバッド・バンク構想も効果が打ち消されます。この点が、私には引っ掛かるのですね。
投稿者 kataru : 2009年02月03日 16:55