今日の市況(2009年02月04日)
今日はNY市場の株価が高くなり、安心感を誘ったのでしょう。日本株も高くなりました。しかしNY市場の株高の主因はディフェンシブ銘柄である薬品会社のメルクの株価が高かったためと言われています。出来高上位のバンカメやシティー、GEの株価は何れも安く出来高上位6銘柄、全てがマイナスなので、たんなるリバウンドなのでしょう。やはり私はオバマ政権に対し、信頼感がなかなか生まれません。しかし日経新聞の報道によれば、保護主義の兆しである鉄鋼製品のバイアメリカン条項には、見直しが必要と発言をしたとか…。公的資金注入行のボーナスなどの報酬が問題視にされていますが、この程度の規制は当たり前で問題ありません。彼の真意が何処にあるのか判断がつかないので、市場も下値不安を隠せないのでしょう。下のグラフは5日間のNYダウ平均株価の動きです。どうもチャートの動きは、今のところ芳しくありませんね。
一方、中国の上海総合指数は2100ポイントを奪回し、だんだん中国の財政出動を評価する声が増えています。何故、私が興味を覚えているのか? それは基本的な社会基盤整備を終えた日本と基幹道路の整備もまだ行われていない中国の状態が違うからです。同じ公共事業投資10兆円規模を実効しても、社会基盤が整っている所では波及効果は小さいでしょう。逆に整備されていない国の公共事業投資の信用乗数は高いと思うのです。道路のインターチェンジの近くには、物流基地などが作られるでしょうし大きな街が出来るでしょう。その投資額が52兆円? きっとまもなく、すごい需要が沸き起こるのでしょう。中国は原油の備蓄を大量にしているようです。何故か日本のメディアは、欧米に比べ中国に対し軽視していますね。更に、胡錦濤主席はアフリカに行かれたようですね。資源の確保の準備かな?などと、窺った見方を株屋はするのです。
金融対策の発表は来週だそうで…、オバマ氏の述べている主張は、僕も正しいと思いますが、部分的に正しくても全体論を見ると間違った政策を実行する事があります。日本でもはやった所謂「合成の誤謬」と言うやつですね。社会全般を考えて効果的な政策を実行できるかどうか…。実は昨日のNY市場の株価が上がったのは、他に意外な住宅指数の発表があったからです。全米不動産協会(NAR)が発表した12月の仮契約住宅販売指数が6.3%増(予想は0.5%低下)だったのです。ここで思い出してください。昨年の1月FRBは必死になって利下げを敢行していましたね。その効果が出始めているのでしょう。だからこそ、この機会に金融界を支援して、一気にV字回復をやり遂げるチャンスなのです。国民に覚悟を求めるのではなく、成長を確信させる政策が必要なのでしょう。
今日の日経新聞にはエルピーダが公的資金適用対象になるかも…と報じていました。本当かな? 僕はこの記事を見て坂本社長は好きですが、援助は感心しないと思いました。エルピーダは明らかに、経営の失敗で苦境に陥っているのです。下げ相場に買い向かった僕のようなミスを坂本さんはしました。他の民間企業がエルピーダを支援するなら分かりますが、国がやるのは税金である政府資金ですからね。金融機関に公的資金を入れる話と、次元が違います。僕は反対ですが株は上がっていましたね。
お客様の話では不況の世の中でも好調の所があるようです。風力発電の下請けの工事さんは好況でうれしい悲鳴が止まらないとか…。あまり儲かりすぎるのでマンションでも建設しようと思っているのだそうですが、世間の目が恐いので今は自重しているというのです。いかにも日本的な話しですね。トヨタが赤字転落した途端に、われも我も…。ここぞとばかりに赤字の山を探して整理する動きを国内企業は続けています。みんなが一緒なので、批判されませんからね。いかにも日本的です。だいたい上場企業などと言うものは、ある程度の利益操作は簡単に出来るものです。ここで思い出すのが日産自動車のV字型回復の決算です。あの時は将来発生する費用を、今期に追加計上して大赤字を演出しましたね。似たようなものが横行しているのでしょう。
さて気掛かりなのは、オバマ新大統領の試練です。北朝鮮にイラン、そうしてロシアがアメリカ政府を試していますね。挑発行為をして出方を見るわけです。CNNが報じています。「中央アジアのキルギス共和国のバキエフ大統領は3日、米軍がアフガニスタン作戦拠点として使用してきたマナス空軍基地の閉鎖を計画していると語った。ロシア通信が伝えた。バキエフ大統領は訪問先のモスクワで開いた記者会見で、マナス基地閉鎖手続きを開始する意向を表明した。報道によるとロシアはキルギスに40年間で3億ドル(約270億円)の大型援助を供与し、1億8000万ドル(約160億円)の債務を放棄する計画とされる。米国防総省のモレル報道官は、マナス基地が「著しく重要な空軍基地」だとコメント。キルギス政府のこれまでの協力に感謝を表明したうえで、基地使用を継続したい考えを明らかにした。」
株式市場はなかなか単純に動きませんね。様々な事例をどう考えるか?
今日はハイテク株の値戻しで反発しましたが、果たしてここの位置から反発できるのか?オバマ大統領の手腕が問われるわけです。
投稿者 kataru : 2009年02月04日 17:19