未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2009年02月23日)

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売買代金上位を見ますと、みずほ、住友鉱山、三井住友、三菱UFJ、トヨタ、東芝と並んでいます。住友鉱山は金価格の上昇を囃し、ディーラー筋中心の短期売買により株価が上がっており実質的に一番人気なのでしょう。最近は短期のポジションが多いようです。今日はSFCG(商工ファンド)が破綻しました。金融業なのに銀行から融資が受かられず外資系もアウトになれば、既存の返済を資金繰りに充てなくてはなりません。しかも過払い請求金が積み重なり、借金の返済も迫られれば、帳簿上は黒字でも資金繰り倒産しますね。今日は同業のNSIをはじめ、武富士、オリックスなども大幅安になっていました。

基本的に住友鉱山を買い、金融システム不安を売るポジションをヘッジファンドなどは採用しているものと思われます。南アフリカのゴールド・フィールズを買い、シティバンクを空売りする構図ですね。この背景には米国の金融システムの信認問題が絡んでいます。産金株の高騰はドル不安の表れで、基軸通貨転換の可能性を示唆しているのでしょう。金融システムを守らなくて、小手先の財政出動で景気が立ち直る道理はありません。最近の米国金融株動向を見ると、商業銀行の株価は下がる一方です。一般債権の悪化が懸念されているようです。不安は投資を縮小させます。デフレ心理を植えつけると、日本のように失われる時間は長くなります。果たして米国政府の取る戦略は如何に?

共和党政権下の米国と、民主党政権下の米国では、雲泥の差があるようです。金融デリバティブ被害が軽微の中国は8%成長のノルマが背中を押しているようです。共産主義ですから政策をトップが決定すれば、全体の方向転換は直ぐに出来るのでしょう。日経産業新聞には、中国の続編取材がされており、鉄道基盤整備予算は前年比2倍の需要があるとかで馬鞍山鉄鋼はフル操業状態だそうです。しかし民間投資は冷え込んだままで宝山鋼鉄の高炉は休止したままだとか…まだら模様のようです。当たり前ですね。公共事業投資が行われて、一般景気に火が付く為には、半年ぐらいのタイムラグがあるのでしょう。それに本格的な公共事業投資の拡大は、全人代総会で予算が決まってからでしょう。日本郵船の社長談話がエコノミストに載っており、仮にこの規模の財政出動が決まると、今の水準より年間で1億トンの鉄鉱石が必要だとか…すごい量です。上海万博を控え再び建設ラッシュになるのでしょう。

米国が回復にもたつき、中国は成長するとなれば、覇権国家が何れ交代するかもしれません。今日の日経新聞には化学メーカーの在庫調整ははやく、終わりそうだと載っていましたね。ここで米国金融が立ち上がれば、世界中の落ち込みが抑えられ、再び成長路線に向かうことが出来るのに…。時間の経過は資産の劣化を招きます。責任論は、一旦、鉾に収め、金融システムを守るべきでしょう。一旦はお金を入れて、あとで経済が立ち直ってから、振り返って、今回の結論を再び検証すれば良いのです。米国は市場主義の国だと思っていましたが、今回の問題で真価が問われます。

日本でも内需振興が必要なのですが、マスコミ論調が暗い影を作っておりマイナス思考のままですね。いくら株が割安でも、そう考えない人が主導権を握っていれば、世の中は暗くなります。現在の東証一部単純平均株価は214円の水準です。1969年に配当利回りの時代からヤマハの公募増資が実現して成長論が言われるようになり、PERの概念が生まれます。当時125円(1968年)だった単純平均は171円(1969年)に上がります。今の単純平均株価は1971年から1972年の水準です。昭和46年から47年の株価の位置ですね。1971年8月15日にニクションショックがありましたが、11月以降の景気悪化により金融・財政政策の出動で、三光汽船やジャパンラインなどの仕手株が活躍します。そうして翌年は更に株価が急騰していくのです。3%に回っていた配当利回りが2%台になり、1%台に下がるのです。丁度今は、日本の成長性が薄れ、配当利回りで株を買う時代に、逆戻りしているイメージです。時代の逆回転ですね。

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今日の市況は少ない外人売りに脅える日本叩きを年金資金が買い支える動きでした。PBRの概念が崩れたのは、ブルドックなどの一連の事件が大きく関与しているのでしょう。サラ金法改正や建築基準改正法、金融商品販売法など…行政不況の影響も甚大です。日産自動車が国内工場を閉めて、タイへシフトしたり、京セラは中国に太陽電池の工場を新設したり…。自動車の期間工などの契約社員解雇の世間の風が強く、グローバル企業は戦略を見直しています。もともと空洞化が進み就職浪人が増えたので、雇用確保の観点で契約社員制度が出来たのでしょう。しかしグッドウィルの処置などをみると、厚生労働省の政策に一貫性がなく国家戦略が見えません。だから止まらない株価なのでしょうが…、ものには限度と言うものがあります。本日、単純平均の話しを出したのは、既に日本の現状はそこまで追い詰められた株価だと言うことですね。

ニクションショック後の株価上昇を見ても分かりように、下がれば上がるのが株でしょう。配当利回り水準の株価位置です。3%台の株はずいぶんありますね。慌てて買う必要はありませんが、今日も現物でコツコツと買うだけですね。

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投稿者 kataru : 2009年02月23日 19:07