未来かたるが語る

今日の市況

今日の市況(2009年03月18日)

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米国株が上がってきて、日本株も一時8000円台を回復し投資マインドが変化し始めています。弱気筋の売り方はかなりの利益を上げており、虎視眈々と次の売り場を探しているのでしょう。6500円説や5000円説まで出る始末ですから…。既にバブル崩壊から20年が経過し成人の多くはインフレを知りません。毎年、給料が上がり株や土地は値下がりをしなかったのです。土地神話が生まれ、銀行が土地の担保ならいくらでもお金を出した昔の話しを覚えている人は多く居ないのでしょう。バブルの後遺症の為に、多くの規制が生まれ閉塞感に包まれた日本は、責任逃れの法律制定が多く成長と言う概念がなくなりました。バブルの時にリクルート事件が起こり、設立者の江副さんが地検の存在に呆れたのか…、日本に失望したのか分かりませんが、日本株をカラ売りしたのは有名な事実です。戻れば株を売れば儲かると考えるのは、多くの投資家に共通した認識なのでしょう。

しかしいつまでも強気の私は、外人売りはそう多くないと述べています。現物市場だけを見れば、委託の買い注文はかなり多く外人の実弾の売りを吸収しています。先物からの売りが吸収できずに、日本株は下げているのでしょうが、それも終盤だと何度も述べています。そのバロメーター役のオリックスは、今日も上げています。何故、バロメーターなのか、何度も解説済みなので省きます。

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日銀の政策委員会で国債の購入額が4000億円増やされ、1兆8000億円になるそうです。年額で21兆6千億円です。イギリスではイングランド銀行が5300億ポンドの市場規模の中で750億ポンド(10兆円)も買うのだそうです。この影響で市場金利は3%を割り込んだとか…。今、FRBの行動が注目されています。イギリス並みならFRBは1兆ドルも買わなければならないとか…。お金の価値の劣化を気にする良識派という清貧思想論者は、このような行為に対しいつも苦言を呈します。ジョージ・ソロスはスタグフレーションの懸念を述べていましたね。しかしそれは正常化への道であり克服される過程だとも言っていました。何故、国債買い入れが有効なのか。皆さんは分かりますか?

市場金利が下がると債券価格は上昇します。発行価格は100円ものが元の金利が高い為に、102円、105円と…市場金利が下がれば価格は上昇します。国債は年金資金でも、銀行でも大量保有しています。当然、含み利益が出てきますね。1兆円で1%上がると100億円ですからね。200兆円規模の銀行が、どの程度、国債を保有しているか? 調べたことはありませんが、おおよその想像はつきます。つまりこのような量的緩和効果は間接的に銀行に利益を提供しているのです。この効果は実際に金利が下がりますから、住宅ローンなどの促進にも繋がります。

米国株が上がった理由に、予想を覆し8ヶ月ぶりに上昇した米国の新規住宅着工件数があります。最近、私は米国の人口と日本の住宅着工件数を載せて、このような不自然な動きは長く続かないと断言しています。住宅だけでなく、車も同じ考え方です。原油価格の100ドル以上の価格が長く続かないように、この珍現象も異常なのです。だから早晩、解決されますね。もともとサブプライム問題の傷は、そんなに深くないのです。しかし株価が下がってきたのは、むしろサブプライム問題ではなく、CDSなどの金融デリバティブ商品の方でしょう。AIGの巨額の損失はそれを物語っています。簡単にアイディア一つで商品が生み出されて、高い商品開発手数料が取られます。このようなアメーバーのように拡大し続ける金融デリバティブの崩壊が、今回の主眼なのです。こちらも取引所の創設により、徐々に改善されるでしょう。既に投資銀行のレバレッジは適正な状態に縮小されています。

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日刊工業新聞によれば、2月の中国市場での建機販売は前年度比で50%増となっていると掲載されていました。日立建機は南部に弱く出遅れているようですが、それでも大きく伸びているようです。ただコマツもコベルコも世界需要の減退は補えません。先に回復過程に入った中国は、資源を買い漁っているようですね。ここに相場の回復の芽があります。何故なら、経済の動きがSCM(Supply Chain Management)の時代なので、在庫調整は終わっているからです。今回の金融不況は一過性の面が強いですね。正しい方向性が発揮されれば、簡単に株価は上がり経済は好転するでしょう。ここに市場認識とギャップがあります。昨日はBBB格社債と10年国債の利回り変化を見ました。今日は住宅着工件数の発表です。この数字が今回の金融不況の鍵を握っていると、ずいぶん昔に指摘しています。ようやく順番が…。いつまでも売り方の天下ではありません。

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投稿者 kataru : 2009年03月18日 19:29