今日の市況(2009年03月23日)
記事には二面性がありますが、どちらを採用するかは主観によるのです。例えば…『オバマ大統領はCBSの番組「60ミニッツ」の中で、「システミックリスクは依然存在する」と指摘。「もしわれわれが何もしなければ、大きな問題が起きる可能性がある。非常に大きく、破たんすれば他の金融機関も連鎖破たんするような大規模な金融機関が存在する。そしてこのような破たんが同時に起きれば、さらに破壊的なリセッション(景気後退)、さらに恐慌に陥る可能性もある」と述べた。ただ、「希望の光」もかすかに見えていると付け加えた。』とのニュースがあります。
日経新聞はこの記事を捉え、「金融システムはまだリスクある」と見出しを打っています。しかし私なら、「希望の光もかすかに見えている」と見出しを書くでしょう。株価はほんの些細な変化に反応します。既に経済状態が非常に悪化していることは誰でも知っていますが、「希望の光」って意味を分かっている人はいませんね。この理由は住宅問題を示しているようですが、中国経済も同じです。農民工の失業率などに焦点を当てている人は大勢います。中国景気の回復はまだら模様のようです。鉄鋼の増産に走ったと思ったら既に在庫があると指摘され、再び減産の可能性を示唆する記事もあります。
このように株は常に二面性を持ち合わせています。株式は連騰しておりそろそろ利食い売りと新規の売りを考える人がいるでしょうが、反面、何故、このように強い相場展開なのか?その理由を探ろうとする人もいます。ただ単に株価が下がったから買って、上がったら売る鞘抜きだけの職人的なディーラーにも相場の背景を知っているか?知らないかでは大きな差が生じるでしょう。今、何が起こっているのか? この意味が非常に重要だと考えます。今の時期に、この銘柄が良いとか…、この株は上がるよ。なんていう人は相場も知らないし、そんな事を聞く事はナンセンスです。上がる銘柄は決まっているのです。こんな事は真剣に勉強している証券マンなら誰でも知っています。問題はタイミングですね。
今の世界の経済界は非常に面白いですね。見ていてワクワクします。経済の勉強が実践できるからです。長く相場をやりたいなら、今の出来事を記憶に留めるようにノートに自分なりの意見を書いておくと良いですね。どうして自分はそう考えるのか? その考えに至った経過を書き、新聞などを貼り付けておけば完璧でしょう。卒論のテーマに利用するのも面白いですね。確か、先週号かな? 日経ビジネスでジョージ・ソロスがこう述べていましたね。まもなく米国はスタグフレーションに突入するだろうが、それは正しい選択で回復の道筋だと述べていたように思います。
仮に今晩発表される金融対策が市場の期待通りにならなくてもバーナンキFRB議長なら今回の危機は克服できるでしょう。おそらくバーナンキは現政権の鈍さに苛立ちを感じているのでしょう。市場主義者ならみんなそうです。簡単に危機は克服できるのに泥を被る奴がいません。オバマはAIGを批判していますね。その通りでしょうが、火に油を注ぐ発言は控えるべきでしょう。批判されようが黙って金融システムを守るべきでしょうね。日本の住専の問題が表面化した時に、政治家が不退転の決意で悪役を演じれば、ここまで悪化しませんでしたね。日本と言う良いお手本があってこれですからね。
さて伝えられている金融対策、85%の政府資金融資、複数の民間企業の設立、なかなか良いアイディアです。特に85%の政府資金融資なら、私は株が上がると思います。何故なら、実質的な公的保証だからです。リスクは15%に限られると言うことですからね。考えてみれば分かります。誰が考えても今の金融商品は買いです。だって、人口1億3千万の日本が85万戸の新規住宅着工件数で、人口3億人を越え人口が増え続ける米国の新規住宅着工件数が58万戸です。おかしいですね。おかしい状態で付いている価格はやはり異常価格なのでしょう。何れ正常な経済になれば、適正価格に戻るのは道理です。
物事には二面性があり他人の意見など単なる参考に過ぎません。あくまでも決めるのは自分自身なのです。
投稿者 kataru : 2009年03月23日 18:28