今日の市況(2009年03月24日)
NY市場の上昇率上位を見てもらうと分かりますが、金融相場が始まっている印象を持ちますね。このような上げ方が本物の上げ相場になります。基本的に景気敏感株と呼ばれるセクターが上がっています。日本も売買代金上位の銘柄を見ると、同じように金融相場の主役銘柄が並んでいます。景気循環と株式相場の組み合わせ(物色銘柄の業種)は、いつの時代も同じような組み合わせで始まりです。基本的に今の相場は2003年と同じなのですが、あの時は世界の中で日本だけが苦しんでいましたが、今回の日本は優等生の方なのですね。世界の主だった金融機関は公的資金を注入されており、瀕死の重傷に変わりありません。しかし日本の金融機関は株価の値下がりによる損失と、若干の不良貸し付けの整理で限られた損失を受けているだけです。バブル崩壊により日本は警戒感が強く、慎重な行動に終始した為に、今回の景気後退局面では、世界で一番、強いグループなのです。残念ながらここまで株価が下げたのは他の要因でしょう。
リーマンの倒産が昨年の9月15日です。この翌日のゴールドマンサックスの安値が116ドルで、その後9月18日が、この近辺の最安値で86ドルでした。そうして昨日の相場はなんと111ドルまで戻っています。ところが日本の銀行株は、三菱UFJ銀行の場合、その当時の安値が750円なのです。本日の株価は535円ですよ。不思議なことです。何故、こんなに株価の戻りが違うのでしょう。アメリカのGSは元に戻ったのに…。
影響が軽微の日本の銀行株は株価が、まだ200円以上も下なのです。救済される側より救済したほうが株価の戻りが悪い。この現象は正しいのでしょうか? 日本の銀行株の減益要因の一番大きいものは、株価の値下がりでしょう。持ち合い株の為ですね。フジテレビ事件など…。村社会の構成から、会社社会の構成に変化した為に、多くの企業経営者は会社を私物化している意識が強いのでしょう。困った現象ですね。その為に株式の持ち合いを始めるのです。しかしグローバル基準では株式の持ち合いと言う概念はありませんね。投資と言う概念はありますよ。ここが弱い所なのでしょう。それにしても安すぎる。何れ時間は掛かるでしょうが、修正されることでしょう。
世界株式の中でも、日本株は景気敏感株としての地位があります。理由は加工貿易国家だからです。世界景気に敏感に反応するからですね。私は11月25日に底入れ宣言をしましたが、銘柄の選別を間違えたようです。正解はグローバル企業であり日本独自の企業を選別すべきだったのですね。そうして3月2週から3週にかけての安値で、銘柄を入れ替えるべきだったのでしょう。結果論を語るのは誰にでもできますが…実践は難しい。ようやく、相場に正常な息吹が見えてきましたが、TICK回数の面から相場をみると、依然、儲けがないのでしょうか? 動きが鈍いようです。今日の株価上昇も、先物からの上げとの感触が強くあります。
株価が一時8500円に乗せ、この水準なら、みずほに10円配当の可能性も生まれてきそうです。まぁ、5円かな?と思っていますが…。期末の株価次第なのでしょう。明日が配当取りの最終日になります。株価が戻った事により、心配された年金基金の積み立て不足問題も解決に向いそうです。フラッシュメモリの相場も減産効果が生まれ、戻っているようですね。東芝の株価に対しては、依然、ネガティブ要素がありますが、警戒感が後退しています。同じように昨日は、三菱電機の無配報道がありましたが、構造改革費用を今期に押し込む企業が多く存在します。この点が来期の相場のポイントになりそうです。最近の私のレポートは個別株に対してのコメントより景気変動に対し、どのように相場をみるか? グローバルな視点で捉えようとしています。こんな風にアメリカ株を観察するのは初めてなのです。
ライブドア、ブルドック、グッドウィルなどの一連の政策運営をみて、日本の政策に失望しています。おそらく日本独自で相場を立てるのと言うのは無理なのでしょう。民間の努力を国が邪魔するような印象を抱いています。今日もあるお客様に輸出産業、加工産業のコメントを聞かれました。しかし私は加工産業衰退論を採用しています。と応えました。理由は日本の法人税をはじめとする、様々な政策の為に生産効率が落ちているので、国際競争に勝てないと述べました。多くの電機会社などが淘汰されるのでしょう。と応えましたね。でも、今の相場は上がるのですよ。目先、ある程度まで日本株は戻ります。ただし天井は限られるのでしょう。この点の視点が、先ほどのGSと三菱UFJ銀行の株価の戻りに影響している可能性もありますね。次のポイントは26日になります。理由は明日にでも…。
投稿者 kataru : 2009年03月24日 18:10