今日の市況(2009年03月06日)
いやはや…。清貧思想のオバマ政権が採用する政策の市場での信認が得られません。バンカメやウェルズ・ファーゴ、JPモルガンの格付けが引き下げられ、NY市場は下げたと言います。さらに昨日、中国関連で上げたアルコアが反動安して、GMなども大きく下がっています。欧米の経済事情は、時間をかければかけるほど悪化します。悪戯に時間をもてあそばないほうが良いのですが…。
松下幸之助の「好況よし、不況さらによし」と言う不況克服の心得十カ条に…「不況といい好況といい、人間が作り出したものである。それをなくせないはずがない。」と言う一文があるそうですが、今回の金融不況を乗り越えるのは簡単なのですね。正論を問うことは後からでも出来ます。先ず、国民の為に政策を運営することなのです。面子など捨てれば良いのです。
私は朝、NY市場の下げを見て笑っていました。そうしたら内のかみさんは、とうとう狂ったのかと思ったのでしょう。「どうしたの、何故、笑っているの?」と問いかけます。底入れが早まるかもしれない。だからNY市場はもっと下がればいいの。と答えました。オバマ大統領は一昨日、「株は買い時かもしれない。」と発表しています。米国民の現状への不満度は90%、彼の支持率は80%から60%です。依然、高い支持率ですが、名演説で飯は食えません。どんなに言葉を巧みに操り、国民に困難を耐えようと訴えても、食えない時間が長く続けば、彼も政策を転換しなくてはなりません。だからNY市場は単独でどんどん下げれば良いのです。
当然、米国の売りは日本にも波及し日本株も下げますが、日本は既に買い委託の方が多いのです。今朝の日経新聞の投資家別売買動向を見てください。ずっと、自己が売り越しています。証券会社の自己売買部門は基本的に中立要因です。自己は売買を円滑にする為の橋渡し役を演じています。自己売買がずっと売り越しと言うことは、先物取引の売りが多いのです。だから先物を買って、現物を売っているのでしょう。手許にない株を恐怖の為に売っている構図が、日本株が下げている現状です。マスコミが嘘に近い情報を流し不安を煽るから、人間は手持ち株のヘッジの為に先物で売り繋ぐのでしょう。日本の機関投資家による先物のヘッジ売り。これが主だった下げの要因でしょう。マスコミの嘘の情報操作。
例えば、昨日の日経新聞4面の野村證券へのコメントです。記事は、内外で需要強く、公募増資が順調だと思わせる内容です。しかしあれは嘘ですね。野村證券の社員は必死になって公募募集の電話をしています。順調なら株価が上がる筈です。今日は公募価格の417円を下回り415円までつけました。苦戦をしているようです。そうでしょう。何しろ40%ぐらいの希薄化です。しかもメリルを買収したバンカメも、シティと同様の扱いになっています。メリルより悪いリーマンを買収したのです。アジア部門だけとは言え、どんな契約内容になっているか知りませんが、苦戦しているのは明らかでしょう。現政権の氏家体制は、証券不祥事の責任を取り、名う手の営業部門は現体制が嫌いで野村を出ました。営業の出来る社員ほど野村を出て外資に行ったのです。残った社員は株式営業などしたことがない人が多いのです。過剰な金融規制が色んな弊害を生んでいる現象の一つです。
清貧思想はある意味で正しいけれど、人間社会には様々な人間が居り、ドブくさい汚れ役も必要なのです。ここが難しいところですね。オバマ大統領が間違っている原因の一つです。正しい行動が正しい結果を生むかどうか…。私を見ればわかります。株屋は社会資本調達の為に、社会的な使命を担っている。だから株は買い続ける。この思想はその通りです。ある意味で正しいが20年も清貧思想を貫く日本では長過ぎますね。一時的な2年や3年なら、正義の為に我慢は出来ますが…。だから社会は疲弊し若者が蟹工船を読み、オウム真理教などの馬鹿げた社会現象の繰り返しになる。最近は禅宗だそうです。心が疲弊すると宗教に救いを求めます。
僕らの大先輩の加藤あきらと言う歩合セールスが株を薦める時に、銘柄の理屈を言わないで、精神論を説いていたのと似ています。当事者でなければ、これほどワクワクして面白い世の中はありません。米国は未曾有の経済危機に直面しています。中国は航空母艦の建設です。覇権国家が入れ変わる瞬間に立ちあっているのでしょう。スペインからイギリス、そうしてアメリカ。さらに新しい時代、中国へ行くのかどうか…。米国の覇権国維持を考えれば金融株を…。変遷を思うなら中国株を…。このような環境下でも新興株のなかで、高値を付けるものもあります。新しい時代へ…。
投稿者 kataru : 2009年03月06日 19:55