今日の市況(2009年03月09日)
今日は日経平均株価の動きの割りに、相場内容がかなり悪い印象を抱きます。SQが週末にあるためなのか…、米国金融株の動向が話題になっているためなのか…、理由は定かではありません。先ず、武田製薬です。糖尿病の米国での認可の問題からか? この所、武田だけに限りませんが、日本でも花王などのディフェンシブ・ストックと呼ばれる景気動向に業績の影響が少ない薬品や食品などの日用品の株価も弱いですね。武田はストップ安の比例配分です。まぁ、景気循環から言えば基本的にディフェンシブより、景気敏感株にシフトするべき時期なのですが…。景気回復の予想時期が遅れており、本来、景気敏感株である、銀行・証券・不動産の金融相場銘柄の御三家も次々に新安値を更新しています。
今日はなかなか下げなかった不動産株が一斉に下げていました。三井不動に三菱地所、そうして住友不動産も下げ始めてきましたね。同じように取り組みが拮抗していた損保会社の東京海上なども下げていました。しかし考えてみると、これらの金融セクターはこれから本番を迎える銘柄群で、何故、下げるのでしょう? 本来ならディフェンシブが沈み景気敏感株が浮上するのが道理でしょう。ところが両方とも沈んでいます。考えられるのは市場全体のシステマティック・リスクの存在です。市場全体が業績動向には関係なく株価が下げている現象でしょう。此方の考え方が一般的です。
もうひとつの考え方あるとすれば、相場の転機だということかもしれません。私の場合、社会の様々な現象から株式相場を推測します。常にある仮説の下で動くのですね。株屋ですから株屋らしく、常に上昇波動で株価を考えています。しかしデフレ政策を日本は採用しているから、株はどんどん下げています。早い話、株を上げることは簡単です。日銀がジャンジャンとお金を刷って、そのお金で株をどんどん買えば簡単に株は上がります。景気の浮揚も同じです。日銀が日銀券をジャンジャン刷って、そのお金を政府に使ってもらえば良いのです。このような政策を安易に採用すれば、いずれリヤカーにお金を乗せて買い物をする始末でジンバブエのように、子供たちがお金を使って折り紙でもしながら遊ぶようになります。しかし現実の日本はデフレの脱却を20年も出来ないのです。過度の清貧思想に漬かっています。
今日の下げが深刻なのは、日本を代表する三菱銀行や野村證券の動きです。野村證券はファイナンス期間中にも拘らず417円の株価を割って終っています。この現象は深刻ですね。有り得ない筈の出来事が現実に起きているのです。私はIHIを粉飾決算下で増資をしたのが許せないと述べました。ブルドックソースの判決を株主の権利が株を買った人によって違うから批判しました。平等な筈の権利が、株を買ったあとで変わるルールを批判したのです。仮にこのようなファイナンスを野村證券が強行すれば…恐ろしいことです。速やかに野村證券は増資をやめるべきです。機会を改めるべきですね。もともと無理な注文だったのでしょう。先日の三菱も増資価格を下回り、野村も強行し下回るとすれば、日本の市場は詐欺集団になります。こんな野蛮な行為はないですね。振り込み詐欺と同様の世界です。悲しい現実です。
市場を愛する関係者がどんどん市場から消えます。理屈を曲げ自分達のルールを強要するから市場がどんどん疲弊するのです。市場の悲鳴が金融庁には届かないのでしょうか?
明らかに、今、問題とされている検察庁が主導する金融行政が歪んでいるのでしょう。米国の金融行政を批判することは出来ません。野村證券の公募を中止するか、第三者割り当てに変更すべきでしょう。そのような記事が明日の新聞のトップになる事を祈ります。
投稿者 kataru : 2009年03月09日 19:35