未来かたるが語る

今日の市況

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2009年03月31日

3月31日

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グローバル化の進展は仕方ないことなのですが、過度に気にし過ぎるのもどうなのでしょう? 確かに私はこの視点が足りないと痛感し、色んな資料を見るようになりましたが、あくまでも世界の動きを観察するだけのものです。新興株好きの私が大きくやられたのはリーマンなどの資金元が資金を引き上げたからなのですね。当然に日本にはリスク資金を投じるセクターは皆無ですから、新興企業の経営が苦しくなるのは当たり前。特に営業キャッシュフロー(CF)、投資CFを合わせたフリーCFがマイナスの新興企業は、ひとたまりもありません。ここに来て銀行融資の返済を迫られ、多くの企業がパンクしています。彼らの成長を支えていたのはCDSなどの金融デリバティブ商品だったわけですから…。

ソフトバンクがボーダーフォンを買収したのは2006年3月です。この背景を良く考えるべきでしたね。早い話は、売却により彼ら大手資本家は逃げたわけです。丁度、この年に米国の地価はピークを打って下がるわけですから…。1933年制定されたグラススティーガル法(銀行業務と証券業務を分離する)が、1999年のグラ. ム・リーチ・ブライリー法により実質的に解除され、投資銀行業務が栄え2006年にピークを打つのです。この実際の仕組みを知るのは2008年の秋ですからね。サブプライムローンなどと言う隠し玉に魅せられて騙されるとは…。国際金融は世界中の優秀な連中が、しのぎを削る舞台で私のような人間が太刀打ちできるわけがないにもかも知れません。

一昨日はJPモルガンのジェイミー・ダイモンCEOが3月期は厳しい…とのコメントから株価が下がり、昨晩はガイトナー財務長官が「幾つかの銀行は巨額の支援が必要になるだろう」とABCで述べたそうで金融株が下げたとか…。先日はゴールドマン・サックスをはじめとする銀行は、公的資金を早期に返済すると言われ株価が上がっていたのに…。今度は、更なる必要性が指摘される有様で、ダッチロール現象なのでしょう。まぁ、発言に振り回されるのではなく、株価を見れば一目瞭然なのでしょう。なんども引き合いに出すのは恐縮ですが、GSは既にリーマンの破綻前後の株価まで回復しているのです。同じように上海総合の株価もそうですね。米国金融と中国は当初の予想通り底入れをしたのです。

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何故、日本は…
この点の理由を私は、昨日、説明したように、デフレ環境が長く続いた草食族の増殖の為かな? とも考えているのです。常識的に考えればイギリスなんかより、ずっと健康体なのですね。米国よりも健康なのに…、株屋は信用ならないのでしょうかね? この発言の裏には、日本人の自己責任の希薄さがあるのでしょう。他人任せにして自己判断をしない主体性のない国民性ですね。占領下の進駐軍の教育体制の成果なのでしょうね。未だにアメリカべったりで、主体性がない国ですから…。

でも良く市場を観察すると、私が間違っていたのです。何度も言っていますが11月25日の時点で金融セクターを中心にするのではなく、ガイシなどの日本を代表するユニークな独自性企業を採り上げていれば…結果は違っていたかもしれません。最近、よくお客様に話すのは、トヨタやパナソニック、ソニーではなく価格決定力を持った部品メーカーの話しをします。私は台湾のアスースの話しを引き合いに出すのですが…世界の価格決定力の力を秘めた覇権企業の株価は確りしていますね。さて、今日は時間がなくビルダーバーグなどの話しを出来ませんから、またの機会に譲ります。

薄板鋼板(熱延・冷延・表面処理鋼板)の在庫量が451万7千トンと7ヶ月ぶりに減ったそうです。適正在庫量は400万トンで今回の目標は300万トン後半と言われています。不思議ですね。この在庫量は2月の数字ですが日本自動車工業会の2月の自動車生産は前年同期比56.2%減で18万1396台なのです。おそらく薄板の輸出があるのかな? おそらく鉄鋼の減産率が大きくまもなく生産調整を解除する時期も近付いているのでしょう。建機の中古販売は久しぶりに活況だったようですが、コマツの話しによると建機の稼働率はまだ低いとか…。最近は建機の実質稼働率が分かるのだそうです。すごい技術ですね。きっと携帯電話の回線を利用するのか…して動いている時間が伝送されるのでしょう。コマツはすごい技術を持っていますね。DRAMもフラッシュも減産効果で価格が上昇しています。

難しいでしょうか? このような話しを株価に結び付けるのは…
私は株価の推移を見て、世界で一番、最初に立ち上がるのは中国だと思っています。だから中国関連の株価に対し、かなり神経を使い追っていますね。ビスタで述べた銘柄も逆日歩が付き面白そうですね。類似銘柄はたくさん存在します。さて時間ですね。もう少し株価の話しをしようと思いましたが…。ここでガイシの一目均衡表は、ある意味で参考になります。昨日の日経平均株価と比べて下さいね。

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2009年03月30日

3月30日

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今日は少しビックリしましたね。予想以上の下げ方だったからです。如何に市場心理が弱気に傾いているかを物語っています。当然、利食い売りもあるのでしょうが、板状況を見る限り、カラ売りと思われる売りも多かったように感じました。簡単に市場心理は好転しないのでしょう。

市場心理を描写するチャートの中で一目均衡表と言う時間軸を取り入れた手法があります。私は専門家ではありませんが、一般に転換線が基準線を下から上に突き抜けるゴールデンクロスを好転と言うのだそうです。(このグラフの場合は緑が基準線、オレンジが転換線で、青が遅行スパンです。)、好転は市場心理が変わる目処とされています。しかし私は実線(株価)が雲の上に顔を出し、遅行スパンが基準線を抜くパターンに注目しています。大勢観が問題になるのです。今回の押しの場面は非常に注目されます。

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2003年の時は、ここから1週間ぐらいの押しで、再び雲の上に実線が顔を出し底入れの形になりました。あの時のパターンと同じなら、基準線の辺りが買い場になります。
今日の基準線の価格は7932円です。長く読んでもらっている読者なら分かるでしょうが、既に時間の経過は充分なのですね。ITバブル崩壊時から回復するパターンより、長い時間、整理が強行されています。こんな株価で株を売る人がいるとは…世の中、分からないものです。僕の常識は市場の非常識なのでしょう。

懸念材料を話せばキリがない。私は政策当局の勝ち戦だと思っていますが、何しろデフレ経済は長く、草食族が主体になる日本ですからね。
それにしてもマスコミは面白いあだ名を付けます。最近の若者は性欲も物欲も名誉欲もない種族が増えているらしく、これらの欲がない人間達を草食族と呼ぶとか言っていましたね。考えてみるとバブル崩壊から20年が経過し、デフレ経済下で積極的に行動する人は、悉く失敗していますからね。バブル当時はリクルートの江副さん、最近ではライブドアの堀江さん、経営者ではエルピーダの坂本さんや東芝の西田さん、みんな困難に直面しています。借金をして事業を拡大する意欲的な経営者の受難時代なのでしょう。株式はインフレ社会の中でないと上手く行きませんからね。希望を抱いてチャレンジしても叩かれるなら、最初からしないほうが良いとあきらめる種族が増えても仕方ありませんね。

『絶対にあきらめない、出来るまでやりぬく』この精神を日本電産の永守氏は説いていましたが、今の時代では、辛い人生のことは事実でしょう。画一化教育からの家畜化計画を進駐軍は実践し、日本は未だに占領下の憲法を掲げている国だから仕方ないのでしょうか? 平々凡々の人生より、思い切って一所懸命に生きた方が良いと思っているのですが…結果は死ぬ間際に分かるのかな? 

今日はみずほのレーティングをゴールドマンサックス証券が引き下げたとか…。
彼らのコメントに素直に反応する市場を見て、悔しい思いを抱いています。終身雇用、年功序列と言う日本の素晴らしい仕組みを崩した要因の一つが先物取引でしょう。市場に存在しない株券を売ることが出来ますから…。今回もそうですね。現物の需給バランスは買いが明らかに優勢なのです。ところが株価は下がりました。市場に存在しない株を空売りしているのです。マスメディアに踊らされ、考えない機関投資家が下がり続ける株価に脅え、先物で繋ぐのでしょう。幻想に脅えるのです。考えてみれば、株式の純資産価値は解散価値なのです。田舎に工場を持っている会社の純資産はあてに出来ないでしょうが、都心の一等地に持っている資産より、大きく下がっている株価を見て悲しい現実を感じますね。

このような暴挙を可能のしたのは日本人自身なのですね。フジテレビの日枝さん、ブルドックソース、Jパワーの北畑さんなど…。くれてやればよかったのです。買いたい人に会社をくれてやれば良いのです。むかし、兼松日産と言う株が暴騰しましたが、親会社は売りませんでした。そうして兼松は経営危機に苦しみましたね。サッポロビールが欲しければスティールにくれてやれば良いのです。そうすれば純資産価値が生きるのですね。会社の支配権が手に入らない株価では紙屑と一緒の価値ですからね。ここが農耕民族と狩猟民族の差なのでしょうか? みずほが売られるなら、年金基金でどんどん買えば良いのですね。自分と言う価値観を持っている中国株は強い展開を維持して、他人任せの国家観のない日本株は下がるとは…もっと日本人は自信を持ちたいものです。

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2009年03月27日

3月27日

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NY市場はハイテク中心に続伸しました。けん引き役のベストバイは米国の家電販売店です。この話で興味深いのは在庫不足で、顧客の需要に応えられないと発言した点ですね。僕らの一般認識は、需要がなくて在庫が山のようにあるというのが現状の認識なのに…。相場観を修正させる発言です。大手銀行の経営者が1―3月の黒字発言をして、今回は株価が反発してきました。そうしてFRBの1兆ドルの資金供与に金融安定化策です。もともと今回の不況は金融システム不安が原因です。この金融システムとは…。金融デリバティブの行き過ぎで、過度の損失が発生していると言うものです。自己資本に対し多大なレバレッジをかけて商品開発し、売りつけた。

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地価が上がることを前提にしたサブプライムローン。その焦げ付きが事の発端です。しかし土地の価格が下がらなければ、大きな損失にならない筈だったのです。開発段階である程度のあそび(許容範囲)はあったでしょうし…。そのサブプライム問題は峠を越えて、まもなく1年になります。ここに来てゴールドマンサックス、JPモルガン、バンカメまでもが、公的資金返済を言い始めたようです。もともと、金融デリバティブはかなり精巧に作られた商品の筈です。政策当局が不退転の決意で対処し始め以上、混乱はドルのLIBOR金利のように収まるはずです。不安が不安を呼ぶ金融システムの混乱は、行き過ぎた修正が行われるのでしょう。

ならば…、金融不安で減退した需要はかなりのスピードで元に戻る可能性はないのでしょうか? 今後の見所はCDSの市場はスムーズに創設され、自由な取引が出来るかどうか…。既に問題の焦点は、未来の金融システムへ、株式市場の焦点は移るのではないでしょうか? 日本企業の極端な生産縮小は、サプライチェーンマネジメントの浸透だと言う仮説を立てています。だから4―6月期は生産活動が戻るのでしょう。過剰な悲観論は徐々に後退するでしょう。需給バランスによる調整ではなく、金融システム不安による混乱だったわけです。そう考えると日本を代表する部品メーカーの株価が急速に戻っている市場と相場観が一致しますね。

最近は、自分の考えをまとめる為に書いており、少し難しいですかな? 
株は大勢観が大切なのですね。2006年にライブドアショックが起こり、このような国内問題だけでなく、その頃に、同時進行で金融拡大が終了したのですね。金融デリバティブの限界論があったのです。最初は住宅問題で、その後、資源高にお金は流れました。
増殖するお金に、実体経済が追いつかないから金融拡大機能が崩壊したのです。私はここを見落としていたわけですね。リーマンが活躍したおかげで、日本の不動産市場はある意味で活性化したのです。しかしリーマンは実需の演出ではなく、仮需の演出なのですね。だから地価が再び下がったのでしょう。もともと少子高齢化で住宅政策も変化しない日本ですから…。リーマンなどの外資が資金供給しても知れています。

さてこれからの世界はどうなるのでしょう。問題はここです。
過去の失敗など、どうでもいい話。肥やしにして笑うしかありません。失われた過去は戻ってきませんから…。最近はお客様にハッパをかけられっぱなしです。昨日は「楽しかったです。僕のようなサラリーマンでも一時は1億円を越えるお金を手にしたのですから…だから、また頑張りましょう」とか…。今日は「もう底だ、底だと言われ、やられ続けたのだから、今は、ようやく上がってきたばかりだから、本番はこれからですよ。買いましょう」と言われたり…。値動きが激しくなっていますね。上下の振幅が大きいのです。ある意味でチャンスは至る所に転がっていますね。今週のビスタではG20後の…次の展開を考えて見たいですね。

最後に…、今朝の日経新聞に東証発表の外人売買動向の報道と、毎日発表されている寄り前の外人売買動向の違いに、違和感を感じませんか? 私は前から誰が集計しているか分からない、このような市場の噂の数字を信じる市場関係者が多いことに、疑いを抱いています。最近私も米国株を見る様になりましたが…。情報はあくまで自分が、どう使うかの問題でしょう。

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2009年03月26日

3月26日

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NY市場は耐久消費財や住宅販売の指標が予想を上回り、さらにバンカメが公的資金返済を示唆する内容が伝わり、午前中は高かったですが午後より利食い売りと、国債入札不調が市場に伝わるとマイナス圏に入りました。しかし、引けにかけカラ売りの買戻しから高く引けたと言います。米国も乱高下しているようです。いい感じです。強弱観が対立するのが金融相場の特徴です。

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日本株も強いですね。配当落ち分は80円前後と言われており、朝は若干マイナスの場面がありましたが、後場からは引けにかけ再び上昇しました。実は本日の25日移動平均線乖離率は13.52%です。この水準は歴史的に見てかなり高いのですね。2002年3月に15.1%、1992年8月に14.93%と言う記録があります。2002年はその後、下値を切り下げて株価は下がりましたが、1992年は調整後、株価は上がっています。 チャート的には先の高値の9325円と9521円を抜かないと完全な底入れとは言えません。しかし2月下旬から3月にかけてのボックス相場の下放れは理想的な底入れパターによく出る形です。今回はどのような経過になるのでしょう。

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相場は先物から上昇する総花的なイメージがあります。しかし同時に金融株の上昇が目立つなど、景気循環からの教科書どおりのパターンも歩んでいます。ただ相場に厚みがないことも事実です。既に多くの投資家は戦線から離脱しており、日本の政治に呆れかえっているのでしょう。米国株は予想通り戻り相場に入っていますし、中国株も本物らしい動きをしています。しかし日本の景気対策で期待できるのは高速道路の1000円ぐらいのものでしょうか? 私のところにも中央区から12000円の給付金の案内が来ましたが、山中教授に使わせたほうが良かったですね。家族4人で48000円ですが焼け石に水の有様です。もっと株価が上がる政策の方が良かったですが…。中国は世界で一番、市場経済らしい政策を実行しています。

ただ下値から2倍になっている銘柄もかなり出てきました。ここに来て出遅れ物色が進行しているようです。信用不安が極端に広がり100円割れ銘柄が、かなりの数、出ていますからね。博打には持ってこいの短期勝負が毎日出来る展開になっています。期末株価が意識されていますが、月中平均株価を採用する所もかなりあるようです。この期末簿価は基準が決まっているわけではなく、会社側と公認会計士の恣意的な判断で変えることも出来るのでしょう。丁度、相続税価格が亡くなった日、1ヶ月前の平均、2ヶ月前の平均などの中から一番安いものを選べるように…。会計など、ある程度、許容範囲がありますからね。

さてここからが苦しい場面になります。戻り売り圧力がそろそろ掛かる番です。なんとか総花的な展開ではなく循環物色の相場に移れると良いのですが…。まぁ、どちらにしても今の株価水準はかなり安いのです。だから正常な経済状態に移行できる準備が出来ましたから、慌てることはなく買い向かっても良いのですね。通常はいくらデフレ政策を採用しているといっても純資産価格が一つの規準になり、黒字ならその価格を上回るのが当たり前です。純資産価格は家庭に喩えれば預金残高のようなものです。貧乏をすれば資産を売りお金に変えられますからね。極端に収益に過敏になっていますが、純資産価格は過去の収益を積み上げたものでもありますから…。なんとか、このまま一気にこのボックスを突き抜けて欲しい気がします。何しろ、100年に一度の歴史的な場面ですから、当然、乖離率も異常値が付いてもいいような…一日45円ほど移動平均線は上がっており、1週間で9325円を抜くと…17.6%になりますね。毎日連騰して4月6日です。計算は簡単ですが…。

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2009年03月25日

3月25日

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米国から金融安定化策が発表され市場の注目点はその実効性に焦点は移ったようですが、私は非常に良くできたスキームだと思います。各新聞社の解説は若干違うようなのですが、概ね下のようなグラフだと理解しています。図はCNNのものを元に作成しました。元本が100の資産が84に値下がりしているケースです。政府と民間が6ずつ資本を出し合い新会社を発足します。そうして残りの72は融資を受けます。この融資はFRBや財務省との解説が多いのです。つまり実質的に僅か6の資金で84の資産が買えるのです。僅か7.1%の資金です。しかも新聞によりマチマチですが連邦預金保険公社(FDIC)の政府保証がつけられていると言うことです。ここの解説は新聞によりマチマチ、しかし実質的に78の資金は公的資金で仮に損失が出ても6の損失で済むわけですから保証がなくても実質的な政府保証ですね。儲かったら儲けは折半で、損をしたら政府持ち。これは参加者が増えますね。売り手に有利なスキームです。だから株が上がったのでしょう。

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新会社はボーナスなどの報酬の制約を受けませんから、ぼろ儲けのビジネスチャンスです。以下は実話です。日本でも2003年前後に不良債権処理が加速しました。不良資産をとにかく減らす為に、ただ同然の価格で担保の土地を投げ売りました。実際の売買価格が坪単価10万円している土地を1万円で投げうるのです。当然、その参加者はトンネル会社を使い1万円で買ったものを地元の業者に5万から8万円で売却します。あっという間に資金が5倍以上に膨らみ処理会社は大儲けをしました。日本は金融庁の強烈な指導があったので同じようになるとは言いませんが、このスキームなら処理会社も大幅に儲かるでしょう。おそらく売り手の銀行が資本を出し、子会社を設立して接点を見つけるのでしょう。

バーナンキとガイトナーの戦略はオバマ政権の説得に成功したのですね。ようやく財務省と連邦預金保険公社(FDIC)、連邦準備制度理事会(FRB)が連携し金融機関の不良資産を大量に買い取る戦略が動きます。早くも市場原理主義者の共和党は買い取り会社が有利過ぎると反対意見を述べていますが、AIGの目隠しが煙幕のように効いているのかも知れません。一時、AIGの問題が更なる混乱を誘うのかもしれないと心配しましたがこれまでの反応を見ると目隠し効果になっているように感じます。入札制を採用し競争原理が働き見事なスキームだと思います。早くもゴールドマン・サックスが公的資金返済を来月にも実現すると報じられています。読売新聞ではJPモルガンも検討中と述べていました。出口が見えてきましたね。

日本では貿易統計が報道され、輸出が49%も減っているとか…何度も申し上げていますが、この原因の根本は金融システム不安です。CDS円滑な取引の確立の為に市場を創設するなど、金融デリバティブの発展に繋がる良い意味での試練になりました。更なる飛躍へのステップが確立されるのでしょう。日経によれば東証は来年にCDSの取引市場を開設するとか…日本のチャンスだったのに…やはり金魚のフンですね。悲しい現実です。さて、私は昨日の今日の市況で26日の市場が注目されると述べました。理由は配当落ち日だからです。既に市場はテクニカル面で調整を欲しており通常ならいつ下げてもおかしくありません。本日の市場も非常に強い動きだったのですが、配当付き最終日だから強いと言う見方も出来ます。だから明日の市場は注目されます。なんと、みずほ銀行は8連騰です。

最近、感じるのですね。
相場が単調になっているのですね。発表された事象に素直に反応しています。上がる時は連騰するし…下がるときも同じ傾向があります。やはり目先張りの動きが影響しているのでしょう。昔の方が相場に深みがあり面白かったと思うのですが…。まぁ、これも時代の流れなのでしょう。

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2009年03月24日

3月24日

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NY市場の上昇率上位を見てもらうと分かりますが、金融相場が始まっている印象を持ちますね。このような上げ方が本物の上げ相場になります。基本的に景気敏感株と呼ばれるセクターが上がっています。日本も売買代金上位の銘柄を見ると、同じように金融相場の主役銘柄が並んでいます。景気循環と株式相場の組み合わせ(物色銘柄の業種)は、いつの時代も同じような組み合わせで始まりです。基本的に今の相場は2003年と同じなのですが、あの時は世界の中で日本だけが苦しんでいましたが、今回の日本は優等生の方なのですね。世界の主だった金融機関は公的資金を注入されており、瀕死の重傷に変わりありません。しかし日本の金融機関は株価の値下がりによる損失と、若干の不良貸し付けの整理で限られた損失を受けているだけです。バブル崩壊により日本は警戒感が強く、慎重な行動に終始した為に、今回の景気後退局面では、世界で一番、強いグループなのです。残念ながらここまで株価が下げたのは他の要因でしょう。

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リーマンの倒産が昨年の9月15日です。この翌日のゴールドマンサックスの安値が116ドルで、その後9月18日が、この近辺の最安値で86ドルでした。そうして昨日の相場はなんと111ドルまで戻っています。ところが日本の銀行株は、三菱UFJ銀行の場合、その当時の安値が750円なのです。本日の株価は535円ですよ。不思議なことです。何故、こんなに株価の戻りが違うのでしょう。アメリカのGSは元に戻ったのに…。

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影響が軽微の日本の銀行株は株価が、まだ200円以上も下なのです。救済される側より救済したほうが株価の戻りが悪い。この現象は正しいのでしょうか? 日本の銀行株の減益要因の一番大きいものは、株価の値下がりでしょう。持ち合い株の為ですね。フジテレビ事件など…。村社会の構成から、会社社会の構成に変化した為に、多くの企業経営者は会社を私物化している意識が強いのでしょう。困った現象ですね。その為に株式の持ち合いを始めるのです。しかしグローバル基準では株式の持ち合いと言う概念はありませんね。投資と言う概念はありますよ。ここが弱い所なのでしょう。それにしても安すぎる。何れ時間は掛かるでしょうが、修正されることでしょう。

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世界株式の中でも、日本株は景気敏感株としての地位があります。理由は加工貿易国家だからです。世界景気に敏感に反応するからですね。私は11月25日に底入れ宣言をしましたが、銘柄の選別を間違えたようです。正解はグローバル企業であり日本独自の企業を選別すべきだったのですね。そうして3月2週から3週にかけての安値で、銘柄を入れ替えるべきだったのでしょう。結果論を語るのは誰にでもできますが…実践は難しい。ようやく、相場に正常な息吹が見えてきましたが、TICK回数の面から相場をみると、依然、儲けがないのでしょうか? 動きが鈍いようです。今日の株価上昇も、先物からの上げとの感触が強くあります。

株価が一時8500円に乗せ、この水準なら、みずほに10円配当の可能性も生まれてきそうです。まぁ、5円かな?と思っていますが…。期末の株価次第なのでしょう。明日が配当取りの最終日になります。株価が戻った事により、心配された年金基金の積み立て不足問題も解決に向いそうです。フラッシュメモリの相場も減産効果が生まれ、戻っているようですね。東芝の株価に対しては、依然、ネガティブ要素がありますが、警戒感が後退しています。同じように昨日は、三菱電機の無配報道がありましたが、構造改革費用を今期に押し込む企業が多く存在します。この点が来期の相場のポイントになりそうです。最近の私のレポートは個別株に対してのコメントより景気変動に対し、どのように相場をみるか? グローバルな視点で捉えようとしています。こんな風にアメリカ株を観察するのは初めてなのです。

ライブドア、ブルドック、グッドウィルなどの一連の政策運営をみて、日本の政策に失望しています。おそらく日本独自で相場を立てるのと言うのは無理なのでしょう。民間の努力を国が邪魔するような印象を抱いています。今日もあるお客様に輸出産業、加工産業のコメントを聞かれました。しかし私は加工産業衰退論を採用しています。と応えました。理由は日本の法人税をはじめとする、様々な政策の為に生産効率が落ちているので、国際競争に勝てないと述べました。多くの電機会社などが淘汰されるのでしょう。と応えましたね。でも、今の相場は上がるのですよ。目先、ある程度まで日本株は戻ります。ただし天井は限られるのでしょう。この点の視点が、先ほどのGSと三菱UFJ銀行の株価の戻りに影響している可能性もありますね。次のポイントは26日になります。理由は明日にでも…。

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2009年03月23日

3月23日

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記事には二面性がありますが、どちらを採用するかは主観によるのです。例えば…『オバマ大統領はCBSの番組「60ミニッツ」の中で、「システミックリスクは依然存在する」と指摘。「もしわれわれが何もしなければ、大きな問題が起きる可能性がある。非常に大きく、破たんすれば他の金融機関も連鎖破たんするような大規模な金融機関が存在する。そしてこのような破たんが同時に起きれば、さらに破壊的なリセッション(景気後退)、さらに恐慌に陥る可能性もある」と述べた。ただ、「希望の光」もかすかに見えていると付け加えた。』とのニュースがあります。

日経新聞はこの記事を捉え、「金融システムはまだリスクある」と見出しを打っています。しかし私なら、「希望の光もかすかに見えている」と見出しを書くでしょう。株価はほんの些細な変化に反応します。既に経済状態が非常に悪化していることは誰でも知っていますが、「希望の光」って意味を分かっている人はいませんね。この理由は住宅問題を示しているようですが、中国経済も同じです。農民工の失業率などに焦点を当てている人は大勢います。中国景気の回復はまだら模様のようです。鉄鋼の増産に走ったと思ったら既に在庫があると指摘され、再び減産の可能性を示唆する記事もあります。

このように株は常に二面性を持ち合わせています。株式は連騰しておりそろそろ利食い売りと新規の売りを考える人がいるでしょうが、反面、何故、このように強い相場展開なのか?その理由を探ろうとする人もいます。ただ単に株価が下がったから買って、上がったら売る鞘抜きだけの職人的なディーラーにも相場の背景を知っているか?知らないかでは大きな差が生じるでしょう。今、何が起こっているのか? この意味が非常に重要だと考えます。今の時期に、この銘柄が良いとか…、この株は上がるよ。なんていう人は相場も知らないし、そんな事を聞く事はナンセンスです。上がる銘柄は決まっているのです。こんな事は真剣に勉強している証券マンなら誰でも知っています。問題はタイミングですね。

今の世界の経済界は非常に面白いですね。見ていてワクワクします。経済の勉強が実践できるからです。長く相場をやりたいなら、今の出来事を記憶に留めるようにノートに自分なりの意見を書いておくと良いですね。どうして自分はそう考えるのか? その考えに至った経過を書き、新聞などを貼り付けておけば完璧でしょう。卒論のテーマに利用するのも面白いですね。確か、先週号かな? 日経ビジネスでジョージ・ソロスがこう述べていましたね。まもなく米国はスタグフレーションに突入するだろうが、それは正しい選択で回復の道筋だと述べていたように思います。

仮に今晩発表される金融対策が市場の期待通りにならなくてもバーナンキFRB議長なら今回の危機は克服できるでしょう。おそらくバーナンキは現政権の鈍さに苛立ちを感じているのでしょう。市場主義者ならみんなそうです。簡単に危機は克服できるのに泥を被る奴がいません。オバマはAIGを批判していますね。その通りでしょうが、火に油を注ぐ発言は控えるべきでしょう。批判されようが黙って金融システムを守るべきでしょうね。日本の住専の問題が表面化した時に、政治家が不退転の決意で悪役を演じれば、ここまで悪化しませんでしたね。日本と言う良いお手本があってこれですからね。

さて伝えられている金融対策、85%の政府資金融資、複数の民間企業の設立、なかなか良いアイディアです。特に85%の政府資金融資なら、私は株が上がると思います。何故なら、実質的な公的保証だからです。リスクは15%に限られると言うことですからね。考えてみれば分かります。誰が考えても今の金融商品は買いです。だって、人口1億3千万の日本が85万戸の新規住宅着工件数で、人口3億人を越え人口が増え続ける米国の新規住宅着工件数が58万戸です。おかしいですね。おかしい状態で付いている価格はやはり異常価格なのでしょう。何れ正常な経済になれば、適正価格に戻るのは道理です。

物事には二面性があり他人の意見など単なる参考に過ぎません。あくまでも決めるのは自分自身なのです。

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2009年03月19日

3月19日

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流石、バーナンキ議長です。
一時、影が薄かったバーナンキ議長でしたが、オバマ政権との確執を疑われましたが見事な政策です。中央銀行はこうでなくちゃなりません。悪戯にデフレを放置するような事態は鬱の時代です。もともとバーナンキはインフレターゲット論を主張する人物ですから、ジャンジャンお金を刷って市場にばら撒けば良いのです。案の定、為替市場は3円の円高で動いています。弱気筋はここを付くのでしょうが、しかし10年物の国債金利は0.477%低下しています。FRBが国債を買うということは、市中にお金がばら撒かれると言うことですね。1987年から日銀は為替介入をしてお金をばら撒いたのです。同じことですね。

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バーナンキ議長はインタビューで、『木造住宅しかない町でベッドでの喫煙が原因で起きた火事を例に挙げて、まず必要なのは消火で規則作りなどはその後だと主張。金融危機について「火は燃えている」と述べた』とか…彼はよく金融の実態を知っていますね。
だから自分の責任の範疇で資金供給をしています。3000億ドルの国債買い入れのほかに7500億ドルの住宅ローン担保証券(MBS)の購入を、さらに政府系機関債の購入1000億ドルの増額を発表しています。なんと1兆1500億ドルの資金供給です。すごいですね。もともとFRBの平時の総資産は1兆ドルだったのです。その資金が2兆ドルになり、更にここで1兆ドルを増やすのです。すごい金額です。100兆円の資金が市場に供給されます。小さくて見えない人は此方のサイトを…

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これで株が上がらない訳はありませんね。
この意味は非常に大きいですよ。ようやく、僕にとって3年間の極貧生活もトンネルの出口が見えてきました。買いしか出来ない証券マンが儲かる相場になりますね。売りは嫌いです。他人の不幸は蜜の味と言う精神が嫌いです。仕方なしにポイントで何回か買い続けてきましたが、これまではやはり駄目でした。平時の1兆ドルが2兆ドルになり、更に1兆ドルです。ゴールドマンサックスの株価はよく現状を表しています。ようやく105ドルと100ドルの大台を回復しました。

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世界の金融をコントロールするアメリカが本気になれば恐いものはありません。FRBはいくらでもお金を刷ることが出来ます。売り屋さんは無尽蔵の印刷機に耐えられるわけがありません。だからドルの暴落論とか言いはじめるのでしょうが、国債金利が下がるのですからね。世界から信認されているということでしょう。何度も述べますが、今回の景気後退は金融不況です。一番恐いのは日本が経験している資産価格が下がるデフレです。デフレは建設的な行動を生みません。インフレはバブルと非難されますが、世界の文化財の多くはインフレの政策によるものです。人類の進化もインフレです。インフレの為に皆がお金を使う行動を起こすのです。デフレでお金を大切にする行動からは何も生まれません。

日本は極端なデフレ政策を支持する人が多いですね。日銀の長期国債の買い入れを批判する人がいます。デフレの方が恐いですね。もっと大胆の行動を日銀は採用すべきでしょう。銀行に貸し出しノルマを与えれば良いのです。窓口操作で毎日貸し出し状況をチェックして担当官に「少ないですね貸し出しが…今度、検査をしますかね?」って、脅しをかければ良いのですね。昔は常套手段でしたが…。今はしないのでしょうか? お金は使う為にあると思っているのは、僕だけの感覚なのでしょうか? 

さてこのような政策を受け、大手銀行を中心に今日は株価が高かったですね。この動きはどんどん波及します。このような銘柄を狙うファンドが買いの候補に掲げる可能性のある「ディストレスト・アセット」の銘柄リストを載せたのですね。何しろかたる君は先走るからね。考えてみれば昨年の夏に、帝国ホテルであった香港の外資運用者に、今の狙い目は米国金融株と中国株と述べたのです。なんと、もうすぐ1年経ちますからね。あの感覚は半年早かったですね。あれから実際は急落するわけだから…。この時間差は、心の焦りかな? 早く陽のあたる坂道にデビューしたいものです。

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2009年03月18日

3月18日

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米国株が上がってきて、日本株も一時8000円台を回復し投資マインドが変化し始めています。弱気筋の売り方はかなりの利益を上げており、虎視眈々と次の売り場を探しているのでしょう。6500円説や5000円説まで出る始末ですから…。既にバブル崩壊から20年が経過し成人の多くはインフレを知りません。毎年、給料が上がり株や土地は値下がりをしなかったのです。土地神話が生まれ、銀行が土地の担保ならいくらでもお金を出した昔の話しを覚えている人は多く居ないのでしょう。バブルの後遺症の為に、多くの規制が生まれ閉塞感に包まれた日本は、責任逃れの法律制定が多く成長と言う概念がなくなりました。バブルの時にリクルート事件が起こり、設立者の江副さんが地検の存在に呆れたのか…、日本に失望したのか分かりませんが、日本株をカラ売りしたのは有名な事実です。戻れば株を売れば儲かると考えるのは、多くの投資家に共通した認識なのでしょう。

しかしいつまでも強気の私は、外人売りはそう多くないと述べています。現物市場だけを見れば、委託の買い注文はかなり多く外人の実弾の売りを吸収しています。先物からの売りが吸収できずに、日本株は下げているのでしょうが、それも終盤だと何度も述べています。そのバロメーター役のオリックスは、今日も上げています。何故、バロメーターなのか、何度も解説済みなので省きます。

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日銀の政策委員会で国債の購入額が4000億円増やされ、1兆8000億円になるそうです。年額で21兆6千億円です。イギリスではイングランド銀行が5300億ポンドの市場規模の中で750億ポンド(10兆円)も買うのだそうです。この影響で市場金利は3%を割り込んだとか…。今、FRBの行動が注目されています。イギリス並みならFRBは1兆ドルも買わなければならないとか…。お金の価値の劣化を気にする良識派という清貧思想論者は、このような行為に対しいつも苦言を呈します。ジョージ・ソロスはスタグフレーションの懸念を述べていましたね。しかしそれは正常化への道であり克服される過程だとも言っていました。何故、国債買い入れが有効なのか。皆さんは分かりますか?

市場金利が下がると債券価格は上昇します。発行価格は100円ものが元の金利が高い為に、102円、105円と…市場金利が下がれば価格は上昇します。国債は年金資金でも、銀行でも大量保有しています。当然、含み利益が出てきますね。1兆円で1%上がると100億円ですからね。200兆円規模の銀行が、どの程度、国債を保有しているか? 調べたことはありませんが、おおよその想像はつきます。つまりこのような量的緩和効果は間接的に銀行に利益を提供しているのです。この効果は実際に金利が下がりますから、住宅ローンなどの促進にも繋がります。

米国株が上がった理由に、予想を覆し8ヶ月ぶりに上昇した米国の新規住宅着工件数があります。最近、私は米国の人口と日本の住宅着工件数を載せて、このような不自然な動きは長く続かないと断言しています。住宅だけでなく、車も同じ考え方です。原油価格の100ドル以上の価格が長く続かないように、この珍現象も異常なのです。だから早晩、解決されますね。もともとサブプライム問題の傷は、そんなに深くないのです。しかし株価が下がってきたのは、むしろサブプライム問題ではなく、CDSなどの金融デリバティブ商品の方でしょう。AIGの巨額の損失はそれを物語っています。簡単にアイディア一つで商品が生み出されて、高い商品開発手数料が取られます。このようなアメーバーのように拡大し続ける金融デリバティブの崩壊が、今回の主眼なのです。こちらも取引所の創設により、徐々に改善されるでしょう。既に投資銀行のレバレッジは適正な状態に縮小されています。

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日刊工業新聞によれば、2月の中国市場での建機販売は前年度比で50%増となっていると掲載されていました。日立建機は南部に弱く出遅れているようですが、それでも大きく伸びているようです。ただコマツもコベルコも世界需要の減退は補えません。先に回復過程に入った中国は、資源を買い漁っているようですね。ここに相場の回復の芽があります。何故なら、経済の動きがSCM(Supply Chain Management)の時代なので、在庫調整は終わっているからです。今回の金融不況は一過性の面が強いですね。正しい方向性が発揮されれば、簡単に株価は上がり経済は好転するでしょう。ここに市場認識とギャップがあります。昨日はBBB格社債と10年国債の利回り変化を見ました。今日は住宅着工件数の発表です。この数字が今回の金融不況の鍵を握っていると、ずいぶん昔に指摘しています。ようやく順番が…。いつまでも売り方の天下ではありません。

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2009年03月17日

3月17日

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今日は昨日の続きですね。
機関投資家の投資適格債の最低基準はBAA(ムーディーズ)です。S&Pでは格付けがBBBになります。武富士がこのランクでオリックスはAですね。トヨタはAAAでしたが…今度、引き下げられたかな? この債券の利回りと10年物の国債金利の鞘は通常2%程度なのです。3%を越えると警戒推移ですね。下のグラフ(出所はFRB)では、右側のメモリがスプレッドを示しています。つまり利回りの差です。12月第一週に6.12%まで開き、その後、縮小しています。3ヶ月経過した所です。そろそろ株価が反発しておかしくない時期なのです。

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私は11月25日に株価の底入れ宣言をしました。この判断は今でも正しかったと思っています。ただ銘柄の選別が間違っていたのでしょう。この点の反省を踏まえ、株価と利回りのレポートを週末のビスタニュースに書こうかと思っています。非常に重要な視点だと思っています。私の考えが当たっているかどうか分かりませんが、貴重なポイントになると思っています。実はゴールドマンサックスの50ドル割れは僅かに2日間しかありません。その時期が11月20日と21日だったのです。その後、見事に上がってきています。かたる君の底入れ宣言が25日です。この理由はシティーバンクへの2度目の公的資金投入と損失保証です。異例とも言える米国政府の意思を感じたわけですね。そのGSは昨日2倍の100ドルをついに越えました。

日本の銀行株は不思議なタイミングで上がってきましたね。なんとシティーバンクやバンカメやバークレイズ並みの動きなのです。市場関係者は昨日、今日の上げはショートカバー(カラ売りの買戻し)だと言います。まぁ、その通りでしょうが、それだけでは説明が付きませんね。何故なら寄り付きに買い戻せば買いは一巡する筈ですが、その後、続伸していますね。この鍵は注目していたオリックスの動きにも現れていると思います。この解説は以前していますから省きます。おそらく需給動向が変わりつつあるのでしょう。もともと、かたる君は11月の投資銀行の資産圧縮を見て峠を越えたと述べていました。週末の株式教室で総資産と自己資本の表を載せた意味を噛み締めて下さい。

株が下がっている内は私の強気の見方は気泡のような存在でしょうが、この分析はある意味で一理あると思います。実は、この説を今日、お客様に話したところ、なんでトヨタやパナソニック、ソニーは新安値なの?と言われました。確かに、このグループの株価はトヨタが12月の初旬に安値を、その後、多少は上ですが基本的に横這い、松下も同じで、ソニーに至っては2月24日が安値に今のところなっています。私は加工貿易の衰退論を採用していますが、イビデンや日東電工、ガイシなど、ユニークな日本を代表する企業は2倍にもなっている銘柄があります。

トヨタは皆が素晴らしいと思っており、日本を代表する製造業の会社だと思っているようですが…、明らかにここ数年の戦略は失敗続きの連続です。今日はHVカー、プリウスの値下げを発表していました。ホンダの後塵に拝しています。ドイツのVWは素晴らしい戦略でトヨタの上を行っています。トヨタは米国での戦略を誤りこの国際競争に遅れました。明らかに経営ミスですね。この点を株価は織り込んでいるのでしょう。実は今のところHV(ハイブリッドカー)が主体ですが、電気自動車になると工作機械が必要なくなります。市場がかなり縮小するし、自動車メーカーもトヨタでなくても名も知らない町工場で生産が可能になるでしょう。つまりトランスフォーマーの企業は斜陽産業になります。

現在の薄型テレビがそうですね。
むしろ重要なのはNECや富士通の株価が安い原因の一つに、アスースの存在があるといわれています。台湾のアスースはパソコンの下請け企業だったのですが、しかしマザーボードなどの価格決定権を持った企業なのです。デファクト・スタンダード。この話しがメーカーの株価が低迷している理由の一つでしょう。今日は調べ物をしており、相撲があったので遅くなりました。最後のほうのコメントにはもう少し解説があったほうが分かりやすいですね。ゴメンね、時間がないのです。これから出かけるから…。

株価に色んな見方があり、株が上がる背景を考えれば面白いのですね。ディーリングで大きな利益が得られるのかどうか…やった事がないのでわかりません。まぁ、10億程度なら可能なのでしょうが、やはり王道を歩みたいですね。

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2009年03月16日

3月16日

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G20が終わり協調姿勢は維持されました。
別の見方をする人は、どうにかまとめたものでEUとアメリカの溝は埋まってないと懸念する人もいます。しかし懸念していた金融規制は、どうやら容認される所で落ち着きそうです。世界の経済界の仕組みのなかで発言力があるのはGDPの大きさです。IMFの2007年度の順位は下の表の通りです。しかし昨年、中国はドイツを抜き実質3位になりました。世界の集まりでフランスが反対しようがGDPが1位から3位の国の主張が通るのは当たり前の事でしょう。しかしこの会議の結果で株価が堅調になっているわけではありませんね。日本の新聞報道を読むと暗い話しばかり報道していますが実態は違うのでしょう。

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それでは、何故、日本の新聞報道は暗いのに、ゴールドマン・サックスやモルガンスタンレーが戻り高値を更新するのでしょう? 下のグラフを見ますとモルガンスタンレーの株価は三菱UFJ銀行が払い込んだ25ドル25セントの普通株(1億17百万株)の価格を上回り、25ドル43セントで終っています。残りの転換権付き永久優先株式(1億9346万株)の転換価格は31ドル25セントです。此方は10%の金利つきです。モルガンスタンレーの発行済み株式総数は11億株ほどです。

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投資銀行が持っている社債の金利が下がってきているので利益が生まれているという指摘もあります。こちらはムーディーズが言っている最低適格債Baaの金利推移です。S&PではBBB(トリプルB)のものです。土曜日の株式教室にも書きましたが、投資銀行のバランスシートを見ると、既に過分な資産を削り評価損を計上したのですね。投資銀行の決算は11月です。Baaの金利推移を見ればわかりますが、峠を完全に越えていますね。一方、1年前に矢継ぎ早に金利改定を行い1年2月が過ぎます。金融緩和効果は調達金利と貸出金利の利鞘になって銀行の収益を押し上げます。何故、シティーバンク、バンカメ、JPモルガンと揃って黒字発言をしているかと言えば、この金融緩和効果が収益を押し上げている現実があります。1%の利鞘改善は200兆円の規模の総資産を誇る銀行ですから兆円単位の利益を生みますね。

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お分かり頂けますか?
銀行株が上がる背景が…。勿論、土地の価格がまだ下がるので、利下げ効果以上に損が膨らむとの指摘もあります。ただ此方は買い手が被るリスクですね。銀行は間接的に被害を受けるだけです。米国はノンリコースローン(借り手は担保の不動産を手放せば返済をしなくて済むローン)が中心ですから、被害が少ないといってもやはり受けます。しかし仮に20年ローンで5年の返済が、既に済んでいれば、25%、土地が下落でも大丈夫なわけですね。いろんな考え方はありますが株価は正直に反応しているのでしょう。

今日は日経産業新聞の一面に中国が高品質の銅スクラップが中国に流れているという記事が掲載されています。鉄のスクラップ価格は、一時より下がり、中国経済の成長を心配する人もいるでしょうが大丈夫でしょうね。日本人だけなのでしょう。鉄鉱石や原料炭の値下げを強く要求しているのは…。中国の2月の鉄鉱石の輸入は4674万トンとなりました。これまでの最高輸入量は、北京オリンピックのあった昨年の4月4285万トンです。

このような背景をみて世界のアクティブなファンドは行動を開始するでしょう。今週号のビスタニュースにはこのファンドが狙う可能性のある「ディストレスト・アセット」の銘柄リストを載せました。保守的な人はリートでも良いのです。どっちにしても社債リスクプレミアムの縮小は、景気回復の合図とも受け取れますね。

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2009年03月13日

3月13日

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昨日の「今日の市況」の最後に今晩のNY市場は見物だと書きましたが意味があります。昨日のNY市場は若干のプラスで夜間取引は下げていました。しかし相場の中身は銀行が上がっており、NYダウに比べ頑張っていましたね。その感触があったので、昨日のNY市場は高いかな?と思った次第です。蓋を開けてみたら案の定、7000ドル台を回復していました。G20が開催されているこの時期に高いのは、アメリカ批判をかわす狙いがあるのか? それとも金融規制が適度のものになるのか? どう考えるかで相場観は大きく変わります。今日はロイターのニュースで、此方の部分に興味を持ちました。

『国民からの高い支持率とは裏腹に、大統領の手腕に対して、経済界や野党共和党からは懐疑的な見方や批判の声もあったが、今回出席した財界首脳陣からはおおむね好意的な反応をもって迎えられた。「ビジネス・ラウンド・テーブル」の会長を務めるハロルド・マックグロウ氏は、経済界とオバマ大統領の関係について「誤解があるようだ。両者の関係は「オイルとビネガー」のようなものだと見る向きもあるが、われわれの観点からすると、(大統領と経済界の関係は)真実からこれ以上かけ離れることはできない」と述べた。また大統領は、規制改革は創造性や起業家精神を抑制するものであってはならないとの認識を示した。大統領は財界首脳陣に対し「金融市場をめぐり、われわれが必要と考える一連のかなり複雑な規制(改革の)問題が出てくる」と述べた。その上で「こうした規制改革は、革新や創造性、起業家精神を押さえつけることなく、システミックリスクに対応できるものにしなければならないことを十分理解している」と語った。』

株価の低迷で、一番、懸念されているのは金融規制の話しです。日本のように金融を過度に締め付ければ、清貧思想から経済は停滞しどんどん疲弊します。日本人はなんでも役人の責任にします。だから役人は行動そのものを規制しようとします。制限速度の問題を考えれば分かりますね。時速100キロの交通事故と時速30キロの交通事故では損傷は大きく違うしょう。だから役人批判を強めれば、どんどん速度規制されます。しかしそのような批判がなくなれば、30キロより100キロで走行したほうが、効率は3倍以上になりますね。生産効率は上がります。3倍以上、物が作れますから…。だから金融規制の話は重要なのです。レバレッジがかかっている金融の世界では、1の力の規制が10に増幅されます。

テレビや新聞は話題性を求めるのです。地震のニュースを見れば、わざわざ一番ひどい場所の取材をします。全体的にはたいした事はありませんが、断層の直下なら被害は甚大ですからね。マスコミを信じては駄目です。彼らの行動パターンの基本を認識して、自分でニュースを総合的に判断するのです。連日、シティーバンクの苦境を伝え、国有化される国有化されると同じように何度も報道されています。しかし何故か、ゴールドマン・サックス(GS)の話題が出てきませんね。勝ち組だった投資銀行のGSは、MSと共に株価はリーマンが破綻した後の高値近辺にいます。つまり、まもなくリーマンのショックから抜け出すのです。夏になるか秋になるか分かりませんが、GSは最初に公的資金の返済をするでしょう。そうして金融界が良くなってくると、今度は悪いシティーの話題はしないで、GSの話題ばかりをニュースとして流すでしょう。報道の性質とはこういうものです。

多くの市場のアナリストも同じ新聞やニュースに接しています。だから流されるのですね。おそらく市場では私のように、年がら年中、強気を述べている人は居ないでしょう。その私も流石に、ここ数日は嫌な感じがしていました。先日の三菱UFJの急落や昨日のNTTやJR東の下げは気持ち悪いですね。そうです。楽天も下げていました。考えてみれば楽天は相対的には他の銘柄に比べ下げていませんね。しかし市場全体が大きく下げるシステマチック・リスクには敵いません。日本がいよいよ外人から見放されていると感じる動きです。当たり前なのです。何故、私がブルドック批判やJパワーの北畑批判などをしたか? 本当に政策担当者は市場を理解しているのでしょうか? 最高裁の今井判事が、株主差別を容認したのですから驚きなのです。日本の景気敏感株の地位は衰退し、中国株が浮上するのでしょう。

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SQの当日高くなったことは、これまでに何度あったのでしょう? 出来高は2億以下で裁定買い残が少ないのですね。先物価格と現物価格の逆転現象は配当落ち分の為です。今日の上げは相対的に先物からの上げのように感じました。今晩のGSは果たして直近の高値を抜けるのでしょう? それとも3連騰のあとに一服するのかどうか…。本当は一気に100ドル台に入って欲しいものです。今日はゴールドマン・サックスの株価の動きを見てください。金融規制の動きもおそらく株価に織り込まれるでしょう。今朝の日経新聞の市況欄に、中国景気のボトムは打つが急回復は困難として、新日鐵との株価を結び付けていましたが…。私は銀行貸し出しの推移を見ていると中国はすごい国だなと感じています。この矢継ぎ早の対策は、昨年末の米国のように感じていますね。何処に狙いを定めるかどうか…現時点では難しい判断ですね。

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2009年03月12日

3月12日

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今日は時間がないので簡単に…
先ず、市場を見ていますとNY市場に左右される影響が大きいようです。3月期末を控え通常なら配当取りの動きが出るのでしょうが、今年は減配リスクがあり、配当も怪しいとの評価が背景にあるのでしょう。加えて公的資金と思われる買いが続き、弱含みの下値持ち合いで下値を切り下げている為に買う根拠が乏しいのでしょう。外部環境はかなり改善していますが需給動向が不透明です。

今の相場は外人投資家の売りに対し、国内年金や事業法人の買いなどが主体になっているようです。市場参加者の多くは目先のディラー筋の為に、その日限りの動きになりやすく今日のようにNY市場の先物夜間取引の値動きが、東京市場に反映されるようです。今日はとうとう、TOPIXが700ポイントを一時割りました。先日も感じましたが、限界点に近いのか…今日はNTT、JR東、新日鐵などの大型株が新安値を付けていました。逆に京セラ、村田などは高く、トヨタ、ホンダは弱い展開です。この背景には欧州筋の銘柄入れ替えの可能性があるのでしょう。

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三菱UFJ銀行は974億円の優先出資証券を発行し利率は4.88%だそうです。先日のみずほは8.5億米ドルで14.95%でしたね。読売新聞の報道が正しいとすれば、みずほは追加の増資は要らないとか報じてありましたが株価次第で分かりませんね。公募増資を実施した野村證券の値動きは確りしており、今日も目先の繋ぎ売りが、かなり飲み込まれているのでしょう。短期ディーリングの一番人気です。

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北朝鮮は衛星の打ち上げ準備とか…。国際民間航空機関や国際海事機関に通知したようです。金融サミットを控え米国と中国の諍いは、新政権の腕の見せ所。その米国は世界各国へ財政出動を求めていました。EUの出方が注目されます。中国では2月も新規融資が1兆700億元だとか…。およそ14兆円の貸し出し規模です。中国のGDPが360兆円ほどでしょう。如何に大きな数字か、分かると思います。1月に1兆6200億元を貸し出し2月も高水準が続きます。ほとんどが国営企業向けと思われますが、たった2ヶ月でこれだけのお金が流れているのです。すごい数字ですね。昨日の鉄鉱石の輸入量が過去最高になったと書きましたが中国経済は確実に拡大するのでしょう。

NY市場は一進一退ですが、金融株はJPモルガンのダイモン発言もシティーに続き、1-2月期は黒字だったと発表しています。シティーは手書きのメモらしいのですが…。
昨日の米国金融の株価はGSが92.39ドルで、リーマン後のこれまでの高値は98.66ドルですから、ほぼ高値圏なのです。MSも同様です。米国金融は株価動向の鏡です。問題は金融規制の行方なのですが、どんな形になるかどうか…。公共株などのディフェンシブ・ストックが売られ、米国金融の動向は、まるで2003年の日本を見ているようです。日本も3社に併合され落ち着きました。米国はウェル・ファーゴもありますが…、これだけ統廃合が進みましたからね。なにやら希望らしい動きを感じるのは私だけでしょうか? 外部環境は条件が整っていますが目先の株価推移を見ると不安を覚えるし…。はたして私の感じているこの感覚がいつ実現するのかどうか…。今晩のNYは見物です。

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2009年03月11日

3月11日

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本日は久しぶりの値上がりです。この株価が上げるという感覚を忘れていましたね。
ツキがあるのは野村証券株です。払い込み当日にNY市場が今年最大の上げとなるのですから…良かったですね。市場関係者としてはうれしい限りです。今日は実質的な一番人気で、ディーリングの華でした。10%上昇して42円高の458円です。募集期間に公募価格を割り込むことがあったためか希薄化は33.6%増になったようです。

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同時の日経新聞が発表していた東芝の黒字報道ですが…。此方は一方でネガティブな見方もあるようで債務超過の噂があります。理由は年金債務の処理の話しですね。既にフラッシュメモリの大幅赤字が決定的ですが、どうなるでしょうか? 本当かどうか分かりませんが、市場には一時3000億円程度の増資の話しが出ていました。株価は21円高の242円です。

基本的に市場には色んな見方があります。
株が下がると言う人もいれば、上がるという人もいます。私は昨日、純資産価値を割り込む株について触れました。いずれ今の水準より上がるのです。これはほぼ確定的な話しでしょう。過去の歴史から見れば、どんなに日本の政策が悪くても、この水準に長く留まるわけがありません。定期預金をしているより、ずっと良いはずですが…。良識的な日本人が少なくなっている為に、何故か、安値で放置されています。みんな目先の事しか見なくなったのでしょう。残念ですね。

確かに目先は、まだ下がるかもしれませんが、確率的には儲かる可能性の方がずっと高いでしょうに…。何故、こんな市場になってしまったのか…。明らかに金融行政が悪い為なのですが、当事者にその自覚があるのでしょうかね。情けない限りです。金融の世界は10倍のレバレッジがかかります。だから少し締めるだけで10倍の波及効果があると思って良いでしょう。パチンコ屋の規制と訳が違います。

金融庁は発足当時から、今、話題の検察庁より多くの人材が入れられ、摘発型になっていますからね。国家戦略により産業を育てると言う概念があるのかどうか…。昨日も触れましたが、アメリカに招かれた山中教授が嘆くのも頷けます。シンガポールに金持ちが集まり、世界の頭脳集団も集まっています。日本は資源がなく、資源だけで23兆ほど輸入しなければならないのですね。他に食料品で6兆円ほど稼がねばなりません。その原泉である学者が嘆いているのです。

暗い国内政治ですが、株価価値は高いのですよ。ところが目先の動きに脅えて、正常な価値観が働かないのが現実でしょう。年金基金が株を買い支えており、その資金がまもなく無くなるとか…、4月になれば買い支えの意味がないとか…、まことしとやかに語られる噂を考えてみれば分かります。日本株の保有比率を5%だけ引き上げれば、いくらでも買い余力が出ますね。年金運用だけで116兆円のお金がありますから、6兆円ほどの買い余力が生まれます。個人の金融資産に至っては1400兆円のお金があるといわれています。その1%だけ株式に振り向ける政策を発表すれば、簡単に株は上がります。
所得との合算課税にすれば株価は暴騰するでしょうね。
だって株で損をすれば減税効果になります。儲かれば累進課税なので売らなくなりますね。そのまま持ち続け配当を受け取るだけの安定株主になりますよ。簡単ですね。政策と言うのは国民の利益の為に行うものです。

嘆いていても仕方ありません。
米国ではJPモルガンが10-12月期に、辛うじて黒字を計上し、1-3月期は黒字だと断言してJPモルガンのジェームズ・ダイモンCEO自らが自社株を買ったり、BACのケネス・ルイスCEOは、二度目の20億ドルの公的資金注入の必要はなく、安全を見積もった受け入れは失敗だったと話し、昨日書いたような1-3月期は黒字で通期でも…と言うバロンズと言う投資雑誌の談話になるのですね。そうして昨晩はシティーバンクのパンディットCEOが1-2月期は黒字だったと言う発言に、繋がったのでしょう。
つまり、これらの発言は11月の投資銀行のゴールドマンサックスやモルガンスタンレーの決算に続き、大きく米国金融が変化していることを物語っています。ビスタニュースで述べたシナリオが復活します。今日はこんな感じでスタートします。

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2009年03月10日

3月10日

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果たして世界経済はいつ正常なパターンに戻るのでしょう。
今日はVIXと言う恐怖指数と言うものの推移を見てみましょう。過去3年間の推移です。この指数を見ると2007年から動き始めたようです。ベアスターンズがJPMに買収されたのは2008年5月です。ノーザンロックは2007年9月に問題が表面化し、2008年2月に国有化されました。米国の地価は2005年から実は下がり始めており、この時点が実質的な転換点です。巨額のCDSが問題化されたのは、その前から問題はあったのでしょうが、一般的にはリーマンの破綻からですからね。

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今日の市場は方向感の乏しいものでした。所謂、揉み合い相場です。
しかしここにきて、少し変化が見られます。メルクは同業のシェリング・プラウ411億ドルで買収すると発表しました。現金は44%で残りはメルクの株式ですが…実に4兆円規模の買収です。さらにダウ・ケミカルは1月下旬に買収手続きを中断していたローム・アンド・ハースを総額153億ドルで買い取ると発表しました。何故、私が注目するかと言えば、金融機能が動き出した証明だからです。いいですか…ここが重要です。バンカメのルイスCEOは1-3月も黒字だし、通期も黒字の予想だと強気の見通しをバロンズと言う投資週刊誌に発表しているそうです。

市場はネガティブに動きすぎている可能性がありますね。
ひょっとすれば、野村のリーマン買収のための赤字決算も峠を越えている可能性もあります。ただ株価の動きから推察すれば、依然、駄目なのですが…。バンカメが黒字だと言うことやゴールドマン・サックスやモルガンスタンレーの株価は、危機を脱出しているようにも見えるのです。大型のM&A、バンカメの発言やJPモルガンのCEOの行動など…。米国の金融界は転機を迎えている可能性が出ています。今日はこんな感じでスタートです。

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2009年03月09日

3月9日

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今日は日経平均株価の動きの割りに、相場内容がかなり悪い印象を抱きます。SQが週末にあるためなのか…、米国金融株の動向が話題になっているためなのか…、理由は定かではありません。先ず、武田製薬です。糖尿病の米国での認可の問題からか? この所、武田だけに限りませんが、日本でも花王などのディフェンシブ・ストックと呼ばれる景気動向に業績の影響が少ない薬品や食品などの日用品の株価も弱いですね。武田はストップ安の比例配分です。まぁ、景気循環から言えば基本的にディフェンシブより、景気敏感株にシフトするべき時期なのですが…。景気回復の予想時期が遅れており、本来、景気敏感株である、銀行・証券・不動産の金融相場銘柄の御三家も次々に新安値を更新しています。

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今日はなかなか下げなかった不動産株が一斉に下げていました。三井不動に三菱地所、そうして住友不動産も下げ始めてきましたね。同じように取り組みが拮抗していた損保会社の東京海上なども下げていました。しかし考えてみると、これらの金融セクターはこれから本番を迎える銘柄群で、何故、下げるのでしょう? 本来ならディフェンシブが沈み景気敏感株が浮上するのが道理でしょう。ところが両方とも沈んでいます。考えられるのは市場全体のシステマティック・リスクの存在です。市場全体が業績動向には関係なく株価が下げている現象でしょう。此方の考え方が一般的です。

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もうひとつの考え方あるとすれば、相場の転機だということかもしれません。私の場合、社会の様々な現象から株式相場を推測します。常にある仮説の下で動くのですね。株屋ですから株屋らしく、常に上昇波動で株価を考えています。しかしデフレ政策を日本は採用しているから、株はどんどん下げています。早い話、株を上げることは簡単です。日銀がジャンジャンとお金を刷って、そのお金で株をどんどん買えば簡単に株は上がります。景気の浮揚も同じです。日銀が日銀券をジャンジャン刷って、そのお金を政府に使ってもらえば良いのです。このような政策を安易に採用すれば、いずれリヤカーにお金を乗せて買い物をする始末でジンバブエのように、子供たちがお金を使って折り紙でもしながら遊ぶようになります。しかし現実の日本はデフレの脱却を20年も出来ないのです。過度の清貧思想に漬かっています。

今日の下げが深刻なのは、日本を代表する三菱銀行や野村證券の動きです。野村證券はファイナンス期間中にも拘らず417円の株価を割って終っています。この現象は深刻ですね。有り得ない筈の出来事が現実に起きているのです。私はIHIを粉飾決算下で増資をしたのが許せないと述べました。ブルドックソースの判決を株主の権利が株を買った人によって違うから批判しました。平等な筈の権利が、株を買ったあとで変わるルールを批判したのです。仮にこのようなファイナンスを野村證券が強行すれば…恐ろしいことです。速やかに野村證券は増資をやめるべきです。機会を改めるべきですね。もともと無理な注文だったのでしょう。先日の三菱も増資価格を下回り、野村も強行し下回るとすれば、日本の市場は詐欺集団になります。こんな野蛮な行為はないですね。振り込み詐欺と同様の世界です。悲しい現実です。

市場を愛する関係者がどんどん市場から消えます。理屈を曲げ自分達のルールを強要するから市場がどんどん疲弊するのです。市場の悲鳴が金融庁には届かないのでしょうか?
明らかに、今、問題とされている検察庁が主導する金融行政が歪んでいるのでしょう。米国の金融行政を批判することは出来ません。野村證券の公募を中止するか、第三者割り当てに変更すべきでしょう。そのような記事が明日の新聞のトップになる事を祈ります。

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2009年03月06日

3月6日

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いやはや…。清貧思想のオバマ政権が採用する政策の市場での信認が得られません。バンカメやウェルズ・ファーゴ、JPモルガンの格付けが引き下げられ、NY市場は下げたと言います。さらに昨日、中国関連で上げたアルコアが反動安して、GMなども大きく下がっています。欧米の経済事情は、時間をかければかけるほど悪化します。悪戯に時間をもてあそばないほうが良いのですが…。

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松下幸之助の「好況よし、不況さらによし」と言う不況克服の心得十カ条に…「不況といい好況といい、人間が作り出したものである。それをなくせないはずがない。」と言う一文があるそうですが、今回の金融不況を乗り越えるのは簡単なのですね。正論を問うことは後からでも出来ます。先ず、国民の為に政策を運営することなのです。面子など捨てれば良いのです。

私は朝、NY市場の下げを見て笑っていました。そうしたら内のかみさんは、とうとう狂ったのかと思ったのでしょう。「どうしたの、何故、笑っているの?」と問いかけます。底入れが早まるかもしれない。だからNY市場はもっと下がればいいの。と答えました。オバマ大統領は一昨日、「株は買い時かもしれない。」と発表しています。米国民の現状への不満度は90%、彼の支持率は80%から60%です。依然、高い支持率ですが、名演説で飯は食えません。どんなに言葉を巧みに操り、国民に困難を耐えようと訴えても、食えない時間が長く続けば、彼も政策を転換しなくてはなりません。だからNY市場は単独でどんどん下げれば良いのです。

当然、米国の売りは日本にも波及し日本株も下げますが、日本は既に買い委託の方が多いのです。今朝の日経新聞の投資家別売買動向を見てください。ずっと、自己が売り越しています。証券会社の自己売買部門は基本的に中立要因です。自己は売買を円滑にする為の橋渡し役を演じています。自己売買がずっと売り越しと言うことは、先物取引の売りが多いのです。だから先物を買って、現物を売っているのでしょう。手許にない株を恐怖の為に売っている構図が、日本株が下げている現状です。マスコミが嘘に近い情報を流し不安を煽るから、人間は手持ち株のヘッジの為に先物で売り繋ぐのでしょう。日本の機関投資家による先物のヘッジ売り。これが主だった下げの要因でしょう。マスコミの嘘の情報操作。

例えば、昨日の日経新聞4面の野村證券へのコメントです。記事は、内外で需要強く、公募増資が順調だと思わせる内容です。しかしあれは嘘ですね。野村證券の社員は必死になって公募募集の電話をしています。順調なら株価が上がる筈です。今日は公募価格の417円を下回り415円までつけました。苦戦をしているようです。そうでしょう。何しろ40%ぐらいの希薄化です。しかもメリルを買収したバンカメも、シティと同様の扱いになっています。メリルより悪いリーマンを買収したのです。アジア部門だけとは言え、どんな契約内容になっているか知りませんが、苦戦しているのは明らかでしょう。現政権の氏家体制は、証券不祥事の責任を取り、名う手の営業部門は現体制が嫌いで野村を出ました。営業の出来る社員ほど野村を出て外資に行ったのです。残った社員は株式営業などしたことがない人が多いのです。過剰な金融規制が色んな弊害を生んでいる現象の一つです。

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清貧思想はある意味で正しいけれど、人間社会には様々な人間が居り、ドブくさい汚れ役も必要なのです。ここが難しいところですね。オバマ大統領が間違っている原因の一つです。正しい行動が正しい結果を生むかどうか…。私を見ればわかります。株屋は社会資本調達の為に、社会的な使命を担っている。だから株は買い続ける。この思想はその通りです。ある意味で正しいが20年も清貧思想を貫く日本では長過ぎますね。一時的な2年や3年なら、正義の為に我慢は出来ますが…。だから社会は疲弊し若者が蟹工船を読み、オウム真理教などの馬鹿げた社会現象の繰り返しになる。最近は禅宗だそうです。心が疲弊すると宗教に救いを求めます。

僕らの大先輩の加藤あきらと言う歩合セールスが株を薦める時に、銘柄の理屈を言わないで、精神論を説いていたのと似ています。当事者でなければ、これほどワクワクして面白い世の中はありません。米国は未曾有の経済危機に直面しています。中国は航空母艦の建設です。覇権国家が入れ変わる瞬間に立ちあっているのでしょう。スペインからイギリス、そうしてアメリカ。さらに新しい時代、中国へ行くのかどうか…。米国の覇権国維持を考えれば金融株を…。変遷を思うなら中国株を…。このような環境下でも新興株のなかで、高値を付けるものもあります。新しい時代へ…。

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2009年03月05日

3月5日

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人間と言うものは、他の動物と違い脳が発達したおかげで道具を使えるようになりましたが、いろんな事を頭の中で考えるわけですね。行動の選択は、その日、その日の人間の感情が創り出すイメージにより影響を受けます。ここ数日、公的資金年金の買いと云われており、NY市場は下がっても日本株は下げません。先週末からこの動きは見られ、今週も続いています。昨日のNYダウが6875ドルなので、日本株も7000円を割れると…必然的に言われていました。これまで、ほぼ同値で株価が動いていたからですね。

漠然としたイメージは、日本株は何れNY株に鞘寄せすると多くの人は言います。NY市場が500ドルぐらい暴落すると、日本もあっという間に追随して株が下がるという恐怖心が、頭の中で幻想を創るのですね。まぁ、私の場合は上がるイメージしか頭にないのですが…。このようなチャートを見ると、どうでしょう? 私には上がる鍋底に見えるのですが、再びこのボックスを下に離れると思う人も大勢居るでしょう。

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なんども私は日本の銀行は欧米のように公的資金が投入されているわけでなく、経済は正常だと述べています。GDPが12.7%と大幅に下落したのはSCMの発展で、トヨタが赤字決算を容認したから、日本全体が横並び意識で費用の前倒し化をした結果だと、一時的な損失だから、株価がどんどん下がるのはおかしいとも述べています。更に既に日本は中国との貿易量が多く、とっくにアメリカ依存から抜け出ているとも言っています。反対派はその中国は米国依存が高いから同じだというでしょう。そんな事は百も承知です。しかしそれ以上に中国の財政出動が大きな力になると思っているのです。今日の日経新聞には景気刺激へ歳出109兆円の見出しが躍っていました。上海総合指数は再び上げ始めています。

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本日から中国では北京で全国人民代表大会(全人代:国会に相当)が9日間の日程で始まっています。温家宝首相は政府の活動報告でGDPの8%成長を目指すと述べたそうです。更に7兆3000億円の企業や住民の減税を実施するそうです。中国の国家予算は日本の一般会計から比べれば2倍以上だと日経新聞に書いてありました。20年度の一般会計規模は83兆円です。この内、国債費が20兆円、地方交付税が15.6兆円で、一般歳出は47.2兆円しかありません。一方、特別会計予算は368.4兆円もあります。一般会計の5倍近い規模です。内、国債費は250.5兆円です。だから実体は160兆円ほどなのでしょう。問題は何度も言いますが、特別会計は国会審議を経ないで官僚が勝手に使えるお金です。年度末になると道路工事が増えるのは、予算消化の為の無駄使いと思って良いですね。先日の新潟県の新幹線の建設費の地元負担の話も同列の話しです。

国策批判を書くと長くなるので…。兎も角、中国の財政支出の経済効果(乗数効果)は大きなものがあると思います。基本的にこのような背景認識が必要なのです。日本人は自分で物事を決断するのが苦手です。だから他人の真似をするのですね。アメリカ株が昨日キャタピラー(13.2%上昇)やアルコア(12.8%)と言う景気敏感株が10%以上、上昇しました。これを受け日本も中国関連が賑わい、日経新聞の市況解説では日立建機が採りあげてありました。しかし現状は在庫の山だそうです。日立建機が得意とするホイールローダはまだ売れていないようです。しかしロシアに注力したコマツより日立建機の方がいいかもしれません。でも建機より最初に恩恵を受けるのは海運でしょうね。中国関連といえば海運なのです。何故でしょう。今日はこんな感じでスタートです。

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2009年03月04日

3月4日

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国策逮捕なのかどうか?
小沢氏の第一秘書が東京地検に逮捕されたとか…。背景は良く知りませんが、真っ先に頭に浮かんだのが、田中角栄のロッキード事件でした。当時、田中角栄は米国の了解を取らないで、中国と国交を樹立しました。その為にアメリカ側からの圧力により、東京地検が動いたといわれています。同じ構図が頭に浮かびましたね。表面上、オバマ新政権は日本重視を掲げ日本を最初の訪問国として、先日、クリントン国務長官が来日しました。この時に小沢氏も会談しましたが、当初、小沢氏は選挙対策を優先し会う予定はなかったのですが、米国が折れて、夜に会談が実現しましたね。そうして先日の小沢氏の発言です。この「第七艦隊だけで充分だ」と言う発言を聞いて、アメリカはカチンときた可能性があります。日本の国家権力の中枢部は米国にべったりです。三菱UFJがモルガン・スタンレーの増資に応じたのも米国からの要請があったと言われています。西松建設の情報が米国に流れており、選挙が近い今、米国批判をする人間を叩く構造が背景にあるのかな?と推測しました。

そもそも地検が行う行動は国策逮捕かどうかの論点より、全て容認されるということです。怪しい基準でも裁量権は地検側にありますからね。最高裁も同じでしょう。これから、どんな展開になるかどうか分かりませんが、新聞やテレビの論調は必ず地検側の主張を取り上げます。これはこの国の形だから…。司馬遼太郎が日本のあり方を疑問に思い、この視点から色んな思いを述べていました。最近では五木寛之が「人間の覚悟」のなかでも言っています。底流に流れる国家観の問題なのでしょうね。株をやっていると、このように色んな事を考えるわけです。その日本株は公的資金と思われる買いにより株価は維持され、日米の連動離れ現象が垣間見られるようになって来ました。私にとっては、当たり前だと思うのですが…。何故か、日本のマスコミはデフレ論がお好きなようで…。意味のない数字を目標株価に掲げています。日経新聞が良く採り上げるのがPER70倍の割高論です。

清貧思想論者じゃないかと心配していたオバマ大統領は、現在の米株価の水準は魅力的な可能性があるとの見解を示したとか…報道されていました。この株価を意識しているという内容は、非常に重要な意味を持ちますね。米連邦準備理事会(FRB)と財務省は3日、ターム物資産担保証券貸出制度(TALF)の導入を発表しました。実行は3月25日からです。アンケートによれば米国民の90%は経済の現状に不満を抱いていると言います。60%の支持率をほこるオバマ政権ですが、金融問題は喫緊の課題です。政策発表で通常は株価が上がるのですが、あまりひどい状態だと実際の数字が上昇しないと信じなくなりますね。投資心理は既に弱気に傾いています。

今の関心はイギリスの採用したRBS方式が(10%が銀行の責任、90%は政府が保証する)正しいやり方のように感じますね。その後、RBSの株価は崩れていませんね。ブラウン首相とオバマ大統領は金融規制について話し合ったと言いますが、どの程度の規制の網を掛けるのかどうか…。昨日の日経夕刊にバンカメのケネス・ルイスCEOは昨年末に200億ドルの追加増資を申請したことは、戦術上の誤りだったと発言したと報じられています。二度目の注入は「資本は充分だったが余裕を持たせたかった」と報じられていました。この発言は大きいですね。JPモルガンの黒字決算と同じ価値があります。今日、私はお客様に次のような話しをしました。ここからは…

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2009年03月03日

3月3日

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NY株が下がっていると言って日本株も同様に7000円を割れるという意見が大半ですが、何故、NY株式市場と同じ動きを日本が追随しなければならないのでしょうか?
それにNY市場の下げている中身は変わっていますね。ヘルスケア関連の株価がずいぶん弱いのです。金融株がどんどん下げているような、日本の報道は間違いです。下にJPMモルガン、メルク、J&Jなどのチャートを掲げました。AIGなど過去の話です。

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下げている中身が変化していることを考えて下さい。
日本株がNY離れする理由はたくさんあります。日本の銀行は金融デリバティブの影響は余りありません。だから国のお金が入っていませんね。バブル崩壊の不良債権損失により、りそなを代表とする3流銀行は未だに公的資金を返済していませんが、みずほは形だけでも民間から資金を調達し返済していますし三菱UFJに至っては綺麗に片付いています。

不良債権は増えつつあるのは事実でしょうが、在庫調整による一過性の損失でしょうから被害は少なく短期で立ち直る筈です。確かにリーマンの破綻により日本の新興不動産ファンドや外資系金融機関から資金を調達していた所は、苦しんでいます。アイフルを代表とする企業ですね。しかし、ほとんどの企業は健全ですよ。日本の企業は最近まで借金返済をしており、過剰債務状態ではないですね。一時的な資金繰りでトヨタの金融子会社なども資金調達に苦労はしていますが、全体としては欧米に比べ健全なのです。それを欧米の銀行と同列に評価を低くして…明らかにおかしいですね。中国と同じように日本株も上がって良いのです。

先週末には、その動きがありました。今日も日本株は下げ渋り、欧米と非連動の動きになりつつあります。確かに外人投資家はまだ株を売っています。9-12月の売り越しは、およそ3兆円…。だいたい1週間で2000億円程度の売りでしょう。しかしそれ以上に年金基金が株を買っており、株式の委託売買では、毎週、買い越しなのです。何故、弱いか? 嘘の報道に近い清貧思想報道により、日本人が自信を失い先物からヘッジ売りを出しているのでしょう。日経新聞をはじめとするマスコミが創り出す幻想です。10-12月のGDPが大幅にマイナスになりました。12.7%もの大幅なマイナスですね。しかし米国は6.2%減と大きな落ち込みではありませんでした。おそらく米国は製造業の移転が進んでいる。あるいはSCM(Supply Chain Management)が進んでないのでしょう。

この異常とも思える下落が瞬時に起こったのは、日本が如何に効率的な生産をしているのかの現われだという仮説が成り立ちます。SCMの普及とIT技術に進展により、情報インフラが整備されている日本は、世界で最も早く在庫調整を終えるのです。昔なら1年とか2年とか掛かっており非効率になっていたのでしょう。トヨタ自動車の赤字決算を見れば、如何にも不自然ですからね。SCMの進化により在庫整理などと言う言葉が何れなくなるかもしれません。だから株価が立ち上がっても不思議ではありません。一例を挙げましょう。

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2009年03月02日

3月2日

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少しNY市場が弱含むと悲観論が充満し、強い指標に目を向けずに、弱い指標ばかりを例に採り上げる日本人の付和雷同の姿勢が目立ちます。今日だって、上海総合株は確りしているのに、アジアで一番弱い韓国株を取り上げ「アジア株が全面安だ」という証券マン。何を見ているのか…。本当に第一線の証券マンが、この有様ではしょうがないですね。

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欧米に比べアジアの銀行は金融デリバティブの被害は少ないのです。日本の銀行は赤字の可能性はありますが、一過性の株式評価損です。加えて近年、多くの企業は借金を返済してきた為に、事業法人はゆとりがありますね。だから自社株買いが多いのです。(最近は少なくなっていますが…)不良債権は不景気の割合に少ないのです。こんな事は常識なのに…。少し外人投資家が売ると、株を買えないデフレ恐怖症が身に沁みついているのでしょう。りそなは自社株買いを批判されていますが、僅かな自社株買いで、株価は確りしていますね。この程度、株を買えば簡単に株は上がるのです。

週刊エコノミストには、米国の住宅販売が増えてきていると載っています。12月のカルフォニア全体では前年同月比で、なんと85%も住宅販売が増えたと言います。11月に発表されたFRBによるMBS(不動産担保証券)の買い入れはいよいよ始まりました。1月からスタートしたのですね。昨年、緊急利下げした効果は、そろそろ表れるでしょう。丁度、1年が経過します。目先の弱い遅行指数を採り上げ、如何にも弱い指標ばかり見ていると相場観も狂うでしょう。

3月4日に繰り上げて公募価格を決定する予定の野村證券は、カラ売り筋の驚きをかったようです。締め上げれば良いのです。オリックスを叩いている連中も、叩けないラインと言うものがあります。アイフルにはMBO説が出ていましたね。理屈上は純資産を大幅に割り込む価格は異常なのです。武富士はこの環境下で、既に発表されている数字は4-12月までの3四半期で、なんと611億円の営業キャッシュフローがあるのに、時価総額は461億円です。まぁ、サラ金法の改正がないなら疲弊するにしても…おかしな株価。丸紅は時価総額が5179億円しかありません。この会社だって営業キャッシュフローは4-12月期で1132億円もあります。加えて3909億円も現金があるのです。連結の株主資本は7758億円もあるのですよ。まぁ、理屈を言っても株価が下がるものは、下がるので仕方ありませんが、物事には限度があります。

日本株の水準は、既に異常とも言える安値ですが、その背景を考えるとアメリカ経済の回復は、かなり遅いと思われているのでしょう。しかし在庫調整は済み、今日の日刊工業新聞には、化学や非鉄の在庫整理は終わりつつあると述べられていました。中国の4兆元の財政出動が効き始めたのでしょう。宇部興産がしているタイのカプロラクタム生産はフル操業に戻ったようです。確かにトヨタなどは減産を戻すだけでしょうが、ホンダのインサイトのように売れている車もあります。1-3月は税金の関係と在庫調整で仕方ありませんが4月からは正常な状態に戻りますね。中国の1月の貸し出しは異常な伸びの数字です。GDPが2007年は25兆7306億元で2008年の成長率は9%程度とすると、28兆元のGDPしかない国で、たった1月だけで1兆5948億元も銀行貸し出しが伸びているのです。しかも日本は既にアメリカより中国との貿易量は多いのです。

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それなのにマスコミは暗い部分しか報道しないから…。真実でないとは言いませんが、スポットを当てる場所が違います。ここに来てテレビの制作費が減らされていると言います。自分たちが撒いた清貧思想報道により、自分自身の首を絞めているのです。広告費は減り続け、マスコミの高給は何れ訂正されるでしょう。中国の銀行貸し出しは、明らかに経済拡大路線に向かっています。12月は7323億元、1月は1兆5948億元の貸し出し増加です。たった2ヶ月で2兆元を越える融資が行われ経済活動が動き始めていますね。全人代総会はこれからです。既に前倒しで財政出動が始まっていますが、こらからが本番なのです。

確かにシティーバンクの株価は下げています。しかし、どうしてゴールドマン・サックスやJPモルガンを話題に取り上げないのでしょう。暗い部分ばかり見ていると間違った思想になりますね。ブラジル経済も動いてきました。世界の粗鋼生産は13億2971万トンです。その内5億トンが中国で作られています。ブラジルは近年成長しており3371万トン、ロシアは成長度が落ちていますが6851万トン、インドは5505万トンと伸びていますね。

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