今日の市況(2009年04月07日)
先日G20が開かれ、一つの仮説が生まれました。
実はG20開催の前に中国の王岐山副首相は27日付の英紙タイムズに寄稿しIMFの増資問題を取り上げていました。現在、世界の基軸通貨はドルですが、今回の金融不安で盛んにドル安説が、多くの人から言われるようになりました。現実、為替は一時90円前後の高値まで行きます。中国は世界で一番、米国債を保有しており日本と並んで双璧ですが、香港などでは米国債投資をやめるべきとの意見が多く発言されています。勿論、中国内部闘争にも発展し始めています。どうもこのような背景があり、中国がドル追認の代わりに米国にIMFの活用を訴えた結果が現れたのかな?と仮説を立てました。
つまり米国の基軸通貨を容認する代わりに、将来はドルの使用をやめようと持ちかけたのでしょう。いきなりドルを廃止するわけに行きません。アメリカと言う一国家が、世界の基軸通貨を自由に発行できるのはフェアーではありません。極端な話、米国も韓国同様に経済評価の試練を受けるべきだと言う発想ですね。その合意が国際通貨基金(International Monetary Fund)をはじめとする国際金融機関への計1兆1000億ドルを増資発表なのでしょう。この結果、アメリカはドルの信認を揺るがす政策が取れなくなります。だから会議後に円安の動きになっているのでしょう。当然、株価を下げればドルの信認も疑われ、IMF主体(SDR)の流れに一気に傾きますから、米国が基軸通貨の特権を手放す訳がないでしょうから、暴落する株式相場は、この辺が手打ちの場所でドルの信認を高める為に株高になる。
面白い発想ですね。有り得ない話ではありません。IMFの発言権は出資額によって決まっています。米国は371億4930万SDR、日本は133億1280万SDR、ドイツは130億820万SDR、イギリスとフランスは107億3850万SDR、中国は80億9010万SDRなどが主だった出資国です。
詳しくは此方…IMFの解説とIMFの出資額
しかし自分でも呆れます。株屋らしく色んな展開を考えるのです。この2―3週間の激変相場はこの辺りが真相なのかもしれません。株を上げることは簡単なことですし、経済の建て直しも難しい事ではありません。規律のある自由を与えれば、市場経済では勝手に成長するのです。今日の日経新聞にはサラ金規制の年収制限の話が書かれていましたね。金融庁批判が背景にあります。大手の金融業者さえも倒産し、闇金融が跋扈している現実があります。どうも三菱UFJのアコムの子会社化で政策変更の可能性を感じ始めているのは私だけでしょうか?
先日は日銀の当座残高の話と株式相場の話しをしました。今回のIMFの話はどうでしょう? FRBの資産の拡大の話。大きな背景が株高のシナリオに向っていると考えるのは単なる願望なのでしょうか? 意外に下がらない株価を見て、若干、買いのラインを変更し始めています。あまり押しらしい押しがないのではないかと疑っているのですね。まだ僅かな期間の上昇相場で、相場に信頼感がありませんが、やがて25日線を割らずに新高値を抜ける相場になると、どんどん買いの参加者が増えるのでしょう。こんな所で意地を張ってカラ売りを継続する場面ではありませんね。その行為は、意地になって下降相場の流れに逆らって、株を買い続ける、かたるの馬鹿な行為と同列でしょう。
しかし売り方の根拠は、これから拡大する不良債権にあります。消費者ローンやクレジットカードの損失計上の本番はこれからで、まだまだ景気悪化が充分に株価に反映されていないと言う指摘も、当然ながらあります。ここに「強気相場は悲観の中で生まれ、懐疑の中で育つ…」金融相場の特徴的な性質が見られるのでしょう。本当は今日の日経新聞の景気敏感株としての日本株と言うテーマで、日経平均株価とSP500の値動き比較を載せようかと思いましたが、このIMFの空想も面白い考え方ですね。
投稿者 kataru : 2009年04月07日 18:44