今日の市況(2009年04月08日)
インタネットのおかげで色んな情報が自分の手で調べられるようになり新聞報道に惑わされなくなりつつあります。私は既に10年ぐらい株式情報を中心とした話題を提供していますが、日経新聞は先走る傾向があり、恣意的な報道も随分見られます。会社側が報道の内容は違うとコメントを出す場面も随分ありますね。なんどか同じ資料を元に作ったグラフを提供していますが、早い話、同じグラフでも横長にしたり、縦長にしたり割合を変えるだけで印象が変わるものです。更に目盛の変え方によっても受け取る印象が変わりますね。これは実際に自分でグラフを作成すれば分かります。
報道によればIMFの不良債権残高の推計値が4兆ドルと言うことや、昨日、話したクレジットカードの貸し倒れ増加説などを背景に銀行株中心にNTダウは下げたと報じられています。しかし現実は大手6社の内、2社が上昇し4社は下落しましたが、GSの株価は116.08ドルで僅かに57セントの値下がりです。一番下げたJPモルガンも27.25ドルで95セントの値下がりなのです。下の3つのグラフは同じ資料を元に作成したグラフです。2番目は目盛を変えたもの、一番下は採用期間が違います。受け取る印象は如何でしょうか? このチャートを見る限り、米国の銀行株は下値のボックスを離れつつあるように感じますね。
どうも弱気の話しばかり報じられていますが、最近は時々強気の指数を見るようになってきました。自動車などはドイツの話しがよく引き合いに出されます。ドイツでは9年以上使用した自動車を排ガス規制対応者に買い替えると2500ユーロ(33万円)の補助金制度が始まっており3月は前年同期比で40%程度販売台数が上昇したそうです。大きく落ち込んだのは昨年の秋以降ですから、直近の改善率は大きなものでしょう。このような動きや米国の販売状況や在庫状況から日産自動車は78%、ホンダは51%、トヨタでさえ36%も株価が安値から上がりました。日本でも経済対策が発表され、13年以上の車の買い替えは25万円を新車なら10万円のエコカーへの補助金がスタートすると日経新聞は報じています。まだ正式決定じゃないと思いますが…。
世界中で色んな話しがあります。今日の日経産業新聞にはインド最大手のタタ製鉄の1―3月期の販売量は前年度比40%増の179万トンだそうです。この期間もリーマン倒産前、つまり大きく落ち込む前の数字です。中国に続きインドでも動きが活発になっている様子です。しかし一方では日経新聞の商品市況欄の報道のように、在庫が溜まっていると言う話しが報じられバルチック海運株指数が下げている報道が出ています。しかし新聞を注意深く読んでいると、この在庫が増大している話は2月末から3月の話しです。3月中旬から下旬にかけスクラップ価格は17000円台に再び上げ歩調です。でも日刊工業新聞にも伸びていた化学素材の市況が怪しい報道が見られます。まだら模様の回復傾向なのでしょう。このような材料をどう株価に結び付けるかが市場の読みなのですね。
FRBが1兆ドルの資産を増やし、IMFも1兆ドルの増資を決定し新興国にファイナンスするのです。こんな事は結果を見るより明らかだと考えています。金融政策効果は通常1年掛かると言われ、財政出動の波及効果は6ヶ月間のタイムラグがあると言われます。こんな局面で目先の弱さを気にしてジョージ・ソロスの「足元はベアマーケットラリー」と言う言葉を信じて行動するものでしょうか? 彼はユダヤ人ですからね。ネイサンの逆売りの感覚を秘めた人です。公の発言を信じるべきでしょうか? スタグフレーションはあり得ます。それは正常な過程へのステップです。
ここまで解説すれば、どの銘柄がこれから上がるか狙いは明らかですね。相場の組み立てを詳しく解説しているわけです。昨日はIMFの仕組みを…その前はFRBの話しを…そうです。一番肝心な日本の当座預金の話もしましたね。自分で良く考えて行動すれば良いのです。日本人は情報の価値をよく知りません。ビスタのレポートに掲げた低位株のリストから、今日もストップ高が生まれましたね。自分なりに生かせば良いのです。頑張って下さいね。
投稿者 kataru : 2009年04月08日 16:41