今日の市況(2009年04月20日)
株式相場は弱いようでかなり強い展開を維持し、なかなか9000円台で引けない日経平均株価に苛立ちを覚えているような展開です。しかしこの水準で揉み合うのは、むしろ当たり前の現象で、この方が私は良いと思っています。日経平均株価の騰落レシオが130台で推移し、まだ全体の水準訂正の動きは続いているようです。しかし同時に乖離率は13.52%と歴史的な水準まで乖離しましたが、現在は4.53%まで縮小し整理局面です。
加えて本日はGSユアサの仕手材料株が賑わい、本来は調整を欲している相場展開なのでしょう。しかし新日鐵の決算が、高値で購入した原料在庫の整理の為に、中間期は赤字予想と日経新聞に報道されましたが、株価は大商いをして高くなっていました。更に驚くべき動きは東芝です。あまり下げていませんね。東芝は決算悪のほかに、公募増資の観測記事が報道され、更に年金債務、繰り延べ税金資産の話と悪材料が目白押しなのですが、フラッシュの値戻しの影響もあるのか? あまり大きな下げになりませんでした。強い展開の一言です。
この背景には上海総合株価に見られるように、一党支配の強みからか…中国経済の好調さが影響しているのでしょう。社会市場主義と言う、政策担当者の素晴らしい政策が背景にあるのでしょうね。日本と大きな違いがあります。土壌は、ほぼ同じなのですよ。同じような条件下で、中国は成長を取り戻すのに政策不信が背景にある日本株の動きは鈍いのです。ただ心配には及ばないでしょう。確実に日銀は資金供給を実施しています。
BRICs関連株の復活は、バルチック海運指数(BDI)などにも表れ始めています。大型の財政出動から先行期待で一度大きく上げた後、沈静化していましたが、ここに来て実際に経済活動が活発化し始めたのでしょう。商船三井も日経平均株価と同じように価格帯出来高推移を見ると分かりますが、ここの壁を抜くと、すっと真空ゾーンに入ります。実は期日圧迫をこれから迎える銀行株も同じです。この1ヶ月間で急速に需給動向が変化します。このような背景を考えると…連休明けに予想される急騰相場が楽しみですね。
IRNETでは個別株の話しをあまり出来ませんが、3月8日のビスタで書きました2005円だったあの銘柄は、その後2800円台で揉み合った後、本日はストップ高を演じて3600円台になっていましたね。このように物色範囲がどんどん広がっているから騰落レシオが高止まっています。そうして昨日の原稿では「まもなく二段上げ…」と書きましたが、このグループの株価が再び年初来の高値を更新するような循環物色が行われ、おそらく日経平均株価は9000円台を抜けると考えています。だから今は基本的に調整局面で、GSユアサなどが賑わっているのでしょう。アーム(日本製鋼所)もこの範疇ですね。
循環物色が行われ休みが入る株があり、同時に物色される株もある。理想的な上昇相場になります。全体相場が先物から上下するのではなく、個別的に物色されるこのような展開は望ましい展開です。相場にゆとりを感じます。自分の持っている株が下げているからと言って嘆くことはありません。むしろチャンスが来ていると思い、今、上げている株を利食いして、休んでいる株を買えば良いのでしょう。土曜日の株式教室で業績と株価の話しを少ししましたが、追跡すると良いですね。今日の新日鐵の中間期赤字になる、高い原料在庫の話は前から言われていました。新聞に書いた途端に、既存の事実になり材料出つくしとなります。東芝の年金債務や繰り延べ税金資産は、まだ報道されていないかな? しかしほぼ株価に織り込まれているのでしょう。安川電機も高かったですね。ネガティブな5月危機の根拠が、だんだん薄れていきます。後は大御所を待つだけでしょう。
投稿者 kataru : 2009年04月20日 17:42