今日の市況(2009年04月27日)
微妙な言い回しのG7の表明文は「最近のデータには、景気後退速度の鈍化やいくらかの安定化の兆候を示すものも出てきている。年内に回復を開始するだろうが、下方リスクは継続している」と言う表現だそうです。日本のようにカンフル剤が切れて、構造改革が遅れるとの失速懸念が、常に付きまとうわけです。その意味で市場には色んな意見があります。日経ヴェリタスの中前忠さんを編集委員の末村さんがインタビューしていた記事を面白く読みました。末村さんらしい選択です。記者にも色んなタイプがいるのでしょう。どの世界でもそうですが、成長論を掲げる積極派が衰退し、慎重論を掲げる消極派が日本の主導権を握っていますね。野村證券などは、田淵さんの時代は営業が幅を利かせていましたが証券不祥事以降、当たり前のことですが内勤派が主導権を握ったわけです。だからこそ、今回のリーマン買収は興味がある案件です。本当に、どうなるのか? 一度、ゆっくり考えて見たいテーマです。
さて、市場の動きは極端な悲観論が修正されている過程で、そろそろその修正波動も終盤です。果たして新しいテーマに迎えるのか? 強弱観が対立する場面なのです。デカップリング論の行方も興味がありますが、それ以上に米国発の金融不況の回復場面が、まもなく二幕を迎えることが出来るかどうか? 此方に興味が集中します。1―3月期の業績推移をみて、持続的な回復を疑問視する声も多いのです。だから問題の二幕は、不良資産の処理の仕方ですね。この価格設定が一番の問題ですから、僅かな投資資金で済む不良資産買い取り会社に焦点を充てて、誰がどんな手順で準備をしているか? その透明性はどういうスタンスになるかに焦点は移りますね。当然、5月4日のストレステストの結果に、目先は注目が集まっていますが、そんな事は中国のIMF論が出た時点で結果は判明しています。だから最近の金融株の値動きが強い展開を迎えているのですね。私がGSの公募価格に拘るのは、どの時点でこの公募価格を上回るのか? そのスピードを見ているわけです。
勿論、相場は日々動いているわけで、途中で相場観を修正することはよくあるのですが、概ね、読みは予想通り運んでいると思います。ただ今回は加工貿易衰退論を採用したことが、目先の間違えなのかもしれません。私は外人投資家の方が間違っていると思うのです。サムソンが1―3月期に、この環境で黒字計上したのに、一方のエルピーダは、公的資金の申請です。明らかに日本の地位が大きく下がっているわけです。液晶にしても日本でトップのシャープは、中国では6位でしたかね? 既に加工産業で日本は諸外国の後塵に拝しているわけです。残念ですが、これが現実です。どんどん、この動きは加速されます。まだ車は日本が世界の頂点に位置しているのでしょうが、低価格品に至っては既に負けています。だから量を追うのではなく利益を追求するべきだと考えているのですが…間違っているかな?
相場のほうは相変わらず博打がお好きなようで、中外製薬、ダイワボウなどの豚インフルエンザ関連が買われていましたね。考えて見れば分かる話なのに…。利益に結び付く話しではないから、いつか下がるのが道理なのですが…。全体論が見えない端境期だから、数日は持つかもしれません。僕のお客様もいつだったか?ダイワボウを買ってくれと言われましたが…、結局は損切りをしましたね。この手の株は人気のない時に、多少、買うくらいのものでしょう。何度も述べていますが、仕手株で儲けたと言う話しを時々聞きますが、お金を残したと言う話は聞きません。あの加藤あきらの誠備グループも、ほぼ全員が討ち死にですからね。アホらしい限りです。しかし否定するものではありません。やりたい人がやれば良いだけの話です。
今もっとも面白いテーマはG7の主張が正しいかどうか?
アメリカは日本同様の失敗をするかどうか?
この辺りが相場のテーマですね。やはり見ているだけで面白いテーマですよ。最近、かたる君はマクロ統計から相場の方向性を探ろうとしています。その方向性は正しい政策を実行しているように感じます。だから株は上がるという見方なのですが…何しろ3年間も低迷している市場で、万年強気を貫いたかたる君は狼少年に成り下がっていますからね。やはり自分が信じられるかどうか? 相場は自己責任の世界なのですね。
連休明けより今週中に準備を終えたほうが良いと考える積極派は私だけかな?
投稿者 kataru : 2009年04月27日 16:47